ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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第四章 3

 

 なんでも、イッセーの乳技を使ってサイラオーグのお袋さんを治せないかどうかとか言われたらしい。

 

 阿保じゃねえの?

 

 俺はそんなことを思いながら、テレビを見てポテチを喰っていた。

 

「あんまり食べると太るッスよ?」

 

「俺はその分動いてるからいいんだよ」

 

 ペトに半目でそう返すが、そういうペトもクッキーを喰ってるんだが。

 

 お前が太るぞ。俺より動いてねえだろ。

 

「人のこと言えねえだろ」

 

「ペトはお姉様とベッドの上で運動するからいいっす」

 

 ……混ざりたい。

 

 だけど言えない。なんか言うタイミングを逃してここまで来ちまった気がする。

 

 くそ! ペトはこういう時いいよなぁ。姐さんの体を堪能しまくりで、味わいまくりなんだから。

 

 いい加減本気で羨ましい。俺も姐さんに美味しく食べられて、ついでに姐さんを美味しく食べたい。ねちょねちょな関係になりたい。

 

 いや、別に付き合いたいとかそういうわけじゃないんだよ。恋愛感情があるかと言われると、ちょっと微妙なんだ。

 

 だが、憧れのアイドルとエロい事できると言われて、それを一瞬でも本気で望まない輩はむしろ少ないだろう。つまり、そういうこった。

 

 そんな馬鹿な事を思いながら俺達が見るのは、グレモリーVSバアルのレーティングゲームの記者会見。

 

 まったく、注目選手同士の試合って感じだな。

 

 既になんというかプロって感じで記者が集まってて、質問が頻発している。

 

「一万年生きる悪魔でまだ十代かそこらだっていうのに、すごい注目度ね」

 

 ビールを飲みながら姐さんが感心するけど、確かにそうだな。

 

 一万年生きる悪魔からしてみれば、十代なんて赤ちゃんみたいなもんだろう。

 

 それが注目されてるんだから、この二大チームがどれほど凄いってのか分かるもんだ。

 

 特にお嬢達のチームに関しちゃぁ、俺らが一番良く分かってるって言っても過言じゃねえ。

 

 なんたって、ヴィクターとの戦いにおいてほぼすべて共闘してるからな。嫌って程分かってるぜ。

 

 魔王の末裔やら英雄の魂を継ぐ者やら神そのものまで、本当に凄まじい敵達とばかり闘ってきたからなぁ。なんで全員無事なのか、分らないところもある。

 

 そんなことができる連中なんて、上級悪魔とその眷属にもいないだろうな。下手したら、最上級悪魔にだって少ねえかもしれねえ。

 

 そんなすっげえ奴らと肩を並べて戦えるってのは、英雄冥利に尽きるってもん―

 

『―今回の試合では、リアス姫の乳首をどうつつくのでしょうか?』

 

 ―はいぃ!?

 

 俺達が目を見開いてテレビを見る中、取材陣の1人、おばさんの悪魔がド真剣な表情でイッセーにそんなことを聞いてきた。

 

 何言ってんだこのおばさん。そんなこと真剣な表情で聞くとか、頭わいてんじゃねえの?

 

「……冥界は、自由ね」

 

「堕天使もフリーダムっすけど、悪魔もすごいっすね……」

 

 姐さんもペトも遠い目をし始めている。

 

『情報によると、乳龍帝おっぱいドラゴンと同様に、兵藤一誠選手もリアス姫の乳首をつつくことでパワーアップすると聞きます! 今回はどのようなパワーアップをするのでしょうか?』

 

 確かにそうだけどさぁ。そうだけどさぁ!!

 

 ここで聞く事じゃねえだろ! 状況考えろ!!

 

『え、えっと……ぶ、ぶちょ……』

 

 イッセーも動揺してるし。

 

 っていうか部長って言いかけたな。冥界の記者会見で部長はまずいんじゃねえだろうか?

 

 そう思った次の瞬間、記者はペンを取り落とした。

 

『ぶちゅぅ!? ま、まさか……吸うのですか!?』

 

「「「阿保か!!」」」

 

 トリプルシンクロハモりツッコミが飛んだぜ。

 

 阿保だこの記者。常識でものを考えろ。

 

 絶賛生中継予定のレーティングゲームでそんなことできるか! 放送事故以外の何物でもねえだろうが!!

 

 イッセーは馬鹿だけど、意外と常識人なんだぞ。そんなことするほどどうしようもなくねえよ。

 

 時々思うんだけどよ、冥界って実はバカしかいねえんじゃねえか?

 

 んなこと思っている間に、記者達は凄い勢いで注目している。

 

『つついて禁手になるのなら、吸うとどうなるのですか!? 冥界が崩壊するのでしょうか!!』

 

 殴りに行きてぇ!!

 

『サイラオーグ選手! 対抗する立場として、どう思われるかお聞きしたいのですが!!』

 

 そしてなんでそっちに振る!!

 

「……サイラオーグ・バアルも災難ね」

 

 姐さんが頭痛を感じたのか、眉間に指を当ててため息をついた。

 

 ああ、これ怒ってもいいんじゃねえだろうか……。

 

『……ふむ、兵藤一誠がそんな事をしたら、急激なパワーアップを果たしそうだな』

 

「「「真面目に答えた!?」」」

 

 しまった。忘れてたぜ。

 

 あの人はサーゼクス様の従弟だった。あのノリが軽いサーゼクス様の従弟だった。

 

 意外とノリがよかったな、オイ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで記者会見も終わったけどよ、コレ、どうなんだろうな。

 

 何ていうか、悪魔の文化にゃついていけねえ時がゴロゴロあるぜ。自由っつーかなんつーか。

 

 ま、それはともかく、俺も色々と動き始める時が来たようだな。

 

 ……深夜、俺はこっそりと兵藤邸の地下に来ていた。

 

 目的は、この階にある大浴場だ。

 

 ぶっちゃけ、一度は行ってみたかった。

 

 基本的にイッセーと女子しか入れねえという、ツッコミどころだらけの展開だ。イッセーもげろ。

 

 っていうかあいつは、なんでそんな混浴パラダイスが出来ている状況でハーレム出来てねえなんて思えるんだ? 普通に考えてそういうことだと納得しろよ。

 

 特にアーシアだアーシア。

 

 そもそも最近はエロシスター化が進行しているとはいえ、アーシアはシスターだ。それが子供産むとか飛んでも発言してるんだっての。そもそもその前に校舎裏でキスまでして告白してるんだろうが。

 

 それが何で

 

『兄妹とか恋人とかと違う、家族っていうのかな?』

 

 なんだよ。

 

 ……いかん。頭痛くなってきた。

 

 とにかく俺も一度ぐらいこのでかい風呂に入りたかったんだ。待ってましたって感じなんだ。

 

 そういうわけで、入らせてもらうぜ!!

 

 そんなこんなで脱衣所に突入して―

 

「―あら、ヒロイじゃない」

 

 あ、姐さん。

 

 姐さんが服を脱ぎながら俺の方を向いた。

 

「姐さんも風呂に入りに来たのか?」

 

「ええ。たまには一人でこの大きいお風呂を楽しみたかったのよ」

 

 ああ、西洋とかだとシャワーで済ます事が多いらしいからな。

 

 ってか姐さんはいるのかよ。こりゃ俺は退散した方がいいかねぇ。

 

 そう思ったけど、ふと気づくと姐さんは俺の腕を掴んでいた。

 

「まあいいわ。一緒に入らない? 背中を流すわよ」

 

 ……………ふぉおおおおおおおおお!!!

 

 お、おれはついに大人の階段を全力疾走で登りあがるのか!!

 

 大丈夫か? 松田や元浜みたいに気持ち悪くならねえかな?

 

「待ってくれ姐さん。俺は間違いなく暴走する」

 

「あら、だったら童貞も食べてあげようかしら?」

 

「ありがとうございます!!」

 

 勢いよく頭を下げた。

 

 さ、最高だ。輝かしい英雄たる姐さんで童貞を卒業できるとか、英雄冥利に尽きる。

 

 お、おれはもう興奮して、逆に気が遠のきそうに―

 

「―イッセーの馬鹿!!」

 

 と、勢いよく浴場のドアが開いて、裸のお嬢が飛び出してきた。

 

 ……ヤバイ、死んだ!?

 

「お、お嬢ごめんなさい! でも事故なのでどうか情状酌量を!! 明日帰りにスタバ奢りますから!!」

 

 まず謝って、そこから弁明して、そしてわいろを提出するところまで慌てていうが、お嬢は何も聞いていないのかさっさと裸のまま脱衣室から出て行ってしまう。

 

 あれ? いったい何事?

 

 っていうかお嬢、泣いてなかったか?

 

「……あ、リセスさんにヒロイ! 部長見なかったか?」

 

 と、イッセーが恐る恐る顔を出した。

 

 え、え、え? 何事?

 

「……いったい何をしたの? リアス泣いてたわよ」

 

「それがさっぱり……。部長がいきなり迫ってきたかと思ったら、急に怒りだして……」

 

 姐さんに詰問されても、イッセーは要領を得ないのか首をかしげる。

 

 それを見て、姐さんは額に手を当てた。

 

「男女の色恋沙汰に突っ込むのは本意じゃないけど、流石にそうも言ってられないかしら」

 

 はぁ、と姐さんはため息をついた。

 

 ぶっちゃけ俺もイラついてきた。

 

 お嬢がイッセーに懸想してんのは、誰がどう見たって明らかだ。

 

 学校中でも噂になってんだろうが。何故かオカルト研究部の女子達はイッセーに夢中だって。

 

 なのにイッセーは、別に夢中なんじゃなくてそういう風に見えるだけだとかほざいてやがる。

 

 ……そろそろ本気で殴った方がいいんじゃねえか?

 

 なんか、風呂入る気分じゃなくなってきたな。

 

「とりあえず、なんでそんなことをしてくるのか考えてみなさい。リアスだけじゃなくて、アーシアや朱乃達に関してもね」

 

「は、はい。よく分かりませんけど考えます」

 

 なんで分らないのかが分からねえ。

 

 少なくとも、アーシアと小猫に関しちゃ考えやすいと思うんだけどな……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなことを考えながら、俺達オカルト研究部は、部室で文化祭の準備をしていた。

 

 しかし、お嬢はちょっと限界らしい。

 

 かなり無表情で行動していて、イッセーと目を合わせようともしない。

 

 半年そこらで限界ってのも早すぎる気もするが、まあ、状況が状況だからな。

 

 この半年そこら、なんでオカ研全員が生き残ってんのか分からねえ位の激戦だった。マジで全員生存ってだけでもすげえ成果だと思う。

 

 つまり、イッセーはいつ死んでもおかしくなかった。っていうか生き残ってんのが奇跡だろ。

 

 そんな環境で、自分の恋心が気づかれてもいない。そのまま気づかれずに死ぬかもしれねえ。これはかなりストレス何だろうな。

 

 しかも周りの女の子もモーションを駆けてくるから、色々とやきもきする環境ってわけだ。

 

 ……ちょっとイッセー、罪作りすぎだろ。

 

 第一イッセーを特別扱いしてんのは誰の目から見ても明白だ。オカルト研究部員はもちろんのこと、駒王学園の連中も全員分かっているしな。

 

 なのにイッセーだけが気づいてねえ。鈍感にもほどがあるだろ。

 

 ……いい加減にした方がいいんじゃねえか、イッセーの奴。

 

 そんなことを思っていると、いきなり魔方陣が展開されて、金髪の美女が姿を現した。

 

 んん? なんだなんだ?

 

「お、お母様!?」

 

 と、転校生にして新入部員のレイヴェルが目を見開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 これが、最後の爆薬になったわけだ。

 




はい、修羅場まで秒読み段階です

ほんと、この展開はすごいと思いましたよ。

ラノベの主人公が恋愛に鈍感なのはもはや常識。そこを逆手に取った展開ですからね。なかなかないでしょう、こういうのは。
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