ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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ついに紐解かれるリセスの過去。

一応多少は伏線を張っていただけあり、フアタさんがいいとこ突いてくれました。




あと、感想の中でちょっとここで出した方がいいところがあったので説明を。


まず烈さんの方ですが、イグドラシステムそのものに隠し玉は「まだ」ありません。

イグドラシステム適合者の四人は、「本人の戦闘能力」「イグドラシステムの適合値」「リムヴァンが用意した隠し玉の適性」「ある程度以上こっちの言うことを聞いてくれるか」で選ばれております。全部別々のものです。

ただ、イグドラシステムは仮面ライダービルドのドライバー関係を参考にしております。なので、イグドラシステムは人工神器よりも兵器としての側面が強いため、拡張性も考慮しています。そのため、ハザードトリガーやエボルトリガーみたいな拡張ユニットを用意する可能性は現段階では「あるかもしれない」とだけ言っておきます。




あと九尾さんの感想ですが、これに関してはリセスはともかくニエの怒りとは違うとだけ言っておきます。

どうしても作者という作品の神の視点で自分は見てしまうので、そういう可能性については失念していました。このへんは用精進ですね


第四章 10 リセス・イドアル(前編)

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とある国のとある街。そしてそのとあるビルの地下で、小規模なライブが開かれていた。

 

 観客はまばらというほどでもない程度に集まっており、そして男たちは熱狂していた。

 

 それをなすのは二人の美少女。

 

 桃色の髪を左右でまとめた少女と、金色の髪を長く伸ばした少女。

 

 日本のアイドルのような衣装を着た二人は、かわいらしいポーズで踊りながら、可憐な声で歌を紡ぐ。

 

 そして歌が終わり二人がちょこんと一礼すると、歓声が巻き起こった。

 

 そして舞台裏に入った二人を、今と姿の全く変わらないニエ・シャガイヒが迎え入れる。

 

「おかえりなさい。プリスにリセス」

 

「ニエく~ん! 今日もいっぱい人が集まったね~!!」

 

「プリス? この程度で満足してはいけませんわ。私達はこんな場末のライブハウスで終わる逸材ではありませんのよ?」

 

 勢いよくニエに抱き着くプリスとは異なり、今よりはるかに若いリセスは、意識の高い言葉を放つ。

 

 だが、その口元はにやけており、実は喜んでいることが隠せていない。

 

 それを見て、ニエもプリスのニコニコしながらリセスを生暖かい視線で見る。

 

 そしてその視線の温度に全く気付かず、リセスは水を飲みながら、一枚の紙に目を落とす。

 

「……でも、このライブハウスとももうお別れですわね」

 

「そうだね……」

 

 リセスの寂しげな言葉に、プリスもまたしんみりとする。

 

 それに苦笑を浮かべながら、ニエは二人の肩に手を置いた。

 

「いいじゃないか。二人のすごさが認められたってことなんだろう? だから、メジャーデビューのお誘いが来たんじゃないか」

 

 ニエの言葉に、リセスもプリスも、大事なことを思い出して表情を明るくする。

 

 プリス・イドアルとリセス・イドアルは、孤児院の出身だ。

 

 2人とも、物心ついた時には親元ではなくイドアル孤児院で生活していた。

 

 人間というものは自分とは異なるものを排斥したがるもので、孤児院出身という理由だけでいじめてくる質の悪いものは数多い。中には、二人が美少女であることをいいことに強引に女にしようとしてくるものもいた。

 

 ……のだが、裏では教会とつながっているイドアル孤児院でそれを行うのは容易ではなく、イドアル孤児院出身の悪魔祓いがこっそり叩きのめしたり、教会から直々にクレームが親御さんに届けられたり、とどめに民事で訴えられたりしているため、二人がそれでそこまで苦労したことはない。

 

 それどころか、ニエ・シャガイヒのように自分達に同情して、見守ってくれる人に出会うこともできた。

 

 孤児院からいつかは自立しなければならない二人が、日本のアイドルを参考に芸能界を席捲しようという野望を抱いた時も、ニエは手伝ってくれていた。

 

 思い付きといってもいい真似だったのにここまでこれたのは、ひとえにニエの献身的な支えのおかげだ。

 

 ……リセスもプリスも、ニエに恋している。

 

 だけど二人はそれを言わない。お互いの気持ちにうすうす勘付いているが、然しそれを指摘したりもしない。

 

 わかっているのだ。それをしたら何かが壊れてしまいそうになる。それがたまらなく嫌だと。

 

 この三人の関係は心地いい。できることなら、ずっとこのままでいてほしい。

 

 そう思ったその時、こんこんとノックが聞こえた。

 

「リセスちゃ~ん? スポンサーが呼んでるよ? 今度の単独ライブの件でちょっと相談したいことがあるんだってさ」

 

「………わかりましたわ」

 

 その返答が遅れたのは、決して呆けていたからではない。

 

「リセス、僕も一緒について行こうか?」

 

「あ、じゃあ私もいっしょに行こうかな?」

 

 気づいてないながらもなんとなく妙な感覚を覚えたのか、ニエもプリスもついて行こうとする。

 

 それを、リセスはやんわりと手を出してとどめた。

 

「大丈夫ですわよ。……それより二人とも? 私がいないからってねんごろな関係になってたら……許しませんわよ?」

 

「「えぇ!?」」

 

 顔を真っ赤にする二人を流し目で見ながら、リセスはスポンサーの元に向かう。

 

 ……いろんな意味で息を吐きたくなり、そしてリセスは誰にも気づかれないようにそうした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よぅ、リセス。最近は人気が出てきてるようで何よりだな」

 

 そういう髭面のスポンサーに、リセスは少なからず嫌悪感を抱いている。

 

 彼はこの界隈でも有能な人物だ。まず間違いなく成功している側の人物だし、彼の恩恵があったからこそ、自分もプリスも芸能界で成功している。

 

 芸能界で成功したい。それは、リセスにとってはある意味とても強い願いだ。

 

 自分は弱い立場だ。それを痛いほど理解している。

 

 孤児というのはそういう者だ。あって当たり前の親という存在がないのだから、とても弱い立場だ。

 

 他の子供達よりもわがままを言うこともできない。それが痛いほどわかっているから、言ったこともない。

 

 だから、リセスは自分のしゃべり方だけでも強い立場のものにしようと、お嬢様のような口調を好んでいる。

 

 それが痛可愛いということで、ニエからもプリスからも孤児院の人たち全員からも生暖かい目で見られているが、然しそれに気づいていない。

 

 そして、だからこそ彼女はアイドルになりたかった。

 

 自分の数少ない持っているものである、美貌と美声。それを最大限に生かせる職業につきたい。そしてのし上がりたい。

 

 金を稼ぐことができれば、孤児院の人たちを楽にさせることができる。今まで育ててくれた恩を返すこともできる。

 

 金を稼ぐことができれば、ニエにも恩返しができる。ニエにプレゼントを贈ることだってできるはずだ。

 

 そして、芸能人としてのし上がれば、もう弱いだなんて思われない。明確な立場として、強い存在になれる。

 

 だから、リセスはその誘いに乗るほかなかった。

 

「んじゃ、わかってるよなぁ?」

 

 下品な笑みを浮かべながらのスポンサーの要求に、リセスはため息をわざとらしくついた。

 

 この男は、確かに有能だ。こいつほどの有能な男を自分は知らないといってもいい。

 

 だが、その精神性は下劣以外の何物でもない。

 

 その立場を利用して、セクハラを通り越して肉体関係を迫ってくるその性根は腐り果てている。自分以外にも何人ものアイドルがいるが、然し彼女たちの大半もとっくの昔に手を付けているのだろう。

 

 そして、彼に妨害をうければせっかくここまで積み上げてきたものが台無しになる。

 

 それを痛いほど理解しているから、リセスは要求に逆らったりしない。

 

「……ご主人様。今日も頑張ったリセスにご褒美をくださいませ」

 

 このことを知っている者は誰もいない。

 

 プリスは知らない。彼女に手を出すなとか言ったりはしてないが、言外に匂わせる程度のことはしている。

 

 ニエも知らない。というより、彼に知られたら生きていけない。だから絶対に彼にだけは知られないように懇願した。

 

 イドアル孤児院の者たちも知らない。彼等には、リセス・イドアルは綺麗なままでいてほしかったし、そんなことを知ったら黙っていないだろう。そうなったら自分の芸能界進出の夢もついえるだろう。

 

 ……実際のところ、そんなことになればイドアル孤児院を経由して暗部から暗殺者の一人ぐらい送られ、事故に見せかけてこの男が死んでいる可能性もあるのだが、それはリセスには知る由もないことだ。

 

「おとといからお預けされて、リセスは飢えておりますわ。どうか私のお口にご主人様の熱いものを咥えせさせてほしいですの」

 

 頬を赤らめ、目をトロンとさせ、そして息は熱い。

 

 ……憂鬱に思い、ため息をついたのは本心からだ。

 

 だが、それだけじゃなくなったことにリセスの心は気づいていない。

 

 目の前の外道は本当に優秀なのだ。女を貪れるだけ貪りたいという欲望から、悪魔と契約してまでのし上がってきた手腕は伊達ではない。

 

 それは色事においても優れている。リセスのような相手を手籠めにすることなど、容易の極みだった。

 

 ……リセス・イドアルは子供だった。

 

 わかっているつもりでしかない世の中の悪意に、翻弄されるだけの子供でしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日の恰好、これでいいでしょうか?」

 

 自分の服装に変なところがないか、不安になりながらリセスはビルを歩く。

 

 メジャーデビューを数日後に控え。リセスはスポンサーに呼び出されていた。

 

 どうせ自分を食べたいとかそう言っただけのことなのだろう。いい加減彼の思考も少しは読めるようになってきた。

 

 ……そして、リセスは自分を理解することができなくなっていた。

 

 服装に力を入れていることの意味を理解していない。

 

 ニエに見せるために一生懸命貯金をして買った服を、ニエに見せる前に下衆に見せる。その矛盾に気づいていない。

 

 一年以上の調教で、リセスは身も心も雌に成り下がっていた。

 

 あとは自覚さえすれば、一発で奴隷に成り下がるだろう。

 

 無自覚に足は軽く、リズムすら取るほど舞い上がっている。

 

 それはあの男からもたらされる快楽を欲しているということで、すでに心が快楽という鎖でニエから引きはがされ始めている証拠だった。

 

「……んっと」

 

 そしてスポンサーのいる部屋の扉の前で、少しだけ身支度を整える。

 

「もしもし、リセスですわ」

 

『おぅ。こっちはもう小休止だ。入りな』

 

 どうやら、自分の女を集めて乱痴気騒ぎをしているらしい。

 

 自分の家ではなく、わざわざこんなところでやるのは悪趣味極まりないが、然しリセスはもうそれを判断できる理性すらなかった。

 

 思考を雌のそれに変えて、リセスは顔を赤らめながら扉を開け―

 

「あ、リセスちゃんだぁ」

 

 ―その瞬間、聞きなれた声があり得ない状況で聞こえたことに、目を見開いた。

 

 そこには一仕事終えたといわんばかりに服をはだけている下衆と、彼にしなだれかかって顔を赤くさせているプリスの姿があった。

 

 あり得ない。あってはいけない。

 

 プリスがあんな目にあっていいはずがない。彼女とニエだけは巻き込みたくなかった。

 

 なかったのに……

 

「あなた、どうしてここに?」

 

「えへへ。スポンサーさんから「仕事がほしかったら」って言われてね? でも、気持ちいいからいいかなぁって」

 

 平然と会話している自分がいた。

 

 それにどこか驚きながらも、然しあまり驚かない自分もいる。

 

 そしてそれは少し違った。

 

 ……もう彼女は、リセス・イドアルという少女は壊れ始めていた。

 

 だから何も感じなくなっている。ただ、与えられる餌を貪るだけの犬になり始めている。

 

 そして、餌が与えられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ふふっ」

 

 リセスは苦笑を浮かべて、目を覚ました。

 

 すでに乱痴気騒ぎは二週目に入っており、リセスは疲れて少し眠っていたようだ。

 

 リセスにプリスだけでなく、さらに何人もの芸能人が呼ばれて、むっとした臭気が鼻につく。

 

 そんな中、リセスは喉が渇いていることに気が付いた。

 

 まあ、体力を使うことをしていたわけだし、水分を消費することでもあるから当然だ。これまでにないほど長時間楽しんでいたし、こういうこともあるだろう。

 

「飲み物を買うついでに、トイレに行ってきますわ」

 

「おぅっ。んじゃ、他の連中の、分もな!」

 

 この期に及んで体力が落ちてなさそうな男の声に、リセスはまだ楽しめると無自覚に微笑を浮かべる。

 

 ……あの場にいたプリスを見た瞬間に、リセスの中で何かが完璧に外れてしまった。

 

 なんというか、もうこれでいいといいと心が認めてしまっていた。

 

 これで自分は芸能人として活躍できる。そしてお金を稼いでイドアル孤児院にも楽をさせることができる。

 

 まあ、孤児院のみなやニエはいい顔をしないだろうが、それはそれだ。ばれなければいい。

 

 その辺についてはこの男も慣れているだろうし、気にしなくてもいいだろう。

 

 そう、いいわけにもならないことを考えながら扉を開け―

 

「っとぉ!?」

 

 いきなり何かを踏んづけて、スッ転んでしまった。

 

「痛たた……。いったい何が……」

 

 よく見ると、それは財布だった。

 

 こんなところで落とすとはだれが落としたのか。あとで届けておかねばらないだろう。

 

 そう思って財布を拾い―

 

「……………え?」

 

 それが、ニエのものだと気づいた。

 

 なぜ、ここにニエの財布がある?

 

 しかもこの財布は、昨日帰るときにジュースを買っていた時使っていた奴だ。何度も見たことがあるから、間違いない。

 

 つまり、ニエは昨日までこの財布を落としてないわけで、それがここにあるということは、つまり今日落としたわけで―

 

「プリス!!」

 

 本能的な恐怖にかられ、リセスは部屋へと戻る。

 

 大きな音を立てて扉があいたことで視線がリセスに集まった。

 

 そして、それゆえにそれに気が付いたのはリセスだけだった。

 

 広大な成金趣味の執務室。マジックミラーになっているその巨大な窓に―

 

「………」

 

 伽藍洞。そう形容するほかない、さかさまになったニエが映った。

 

 そして、そのまま一瞬で下へと落ちていく。

 

 このビルは高層ビルだ。百メートルは軽く超える高さを誇っている。

 

 そして、この部屋はかなりの高層階だ。屋上がすぐ近くにあるレベルだ。

 

 そして、人間はそんな高さを落ちて助かったりしない。

 

 約束された結末を見て、リセスは一瞬で精神を叩き直される。

 

 なんでこうなった? なぜ、ニエは自殺なんてまねをした?

 

 決まっている。この光景を見てしまったからだ。

 

 リセス・イドアルとプリス・イドアルが、肉欲に堕ちた雌犬へとなり果てた姿を見て、絶望したのだ。

 

 だから生きることを捨てて、死ぬことを選んだ。

 

 そう、それはただそれだけの結末。

 

 リセスとプリスが、ニエを裏切ったからおきた惨劇だった。

 

「あ、あぁ……ぁあぁぁ」

 

 震えながら、汗を流しながら、リセスはどうすればいいか考える。

 

 どうすればいい? 何をすればいい?

 

 どうしようもない。もうすべては手遅れだ。

 

 もう彼は地面にたたきつけられているころだろう。この人通りが激しすぎる場所で墜落事故が起きれば、すぐにでも警察が来る。

 

 この国の警察は優秀だ。そこから芋づる式に自分が何をしたかもわかるだろう。

 

 芸能人としては致命傷だ。メジャーデビュー寸前のアイドルがこのようなことをしていたなど、マスコミが死肉に群がるハイエナのように集まってくる。

 

 だが、そんなことはどうでもいい。

 

 あれほど望んでいた芸能人としての成功を、リセスは些末事だと切って捨てた。

 

 そう。完全な手遅れになってから、ようやく気付いてしまった。

 

 ……人は、空気の大切さを自覚しにくい生き物だ。

 

 そして、リセスにとってニエとは空気に近い存在だった。

 

 いることが当たり前すぎて、ついないがしろにしてしまった。そしていなくなった今生きているのも難しい。

 

 もはや芸能人などどうでもいい。

 

 それよりも、何よりも―

 

 なんで、ニエは死んだ?

 

 決まっている。リセスとプリスが盛っている姿を見て、絶望したからだ。

 

 では、どうすればいい?

 

 どうしようもない。すべては手遅れだ。

 

 なら、何をすればいいのだろうか? この激情を晴らすには、どうすればいい?

 

 一つしかない。自分を雌犬に変えた下衆を殺すことだ。

 

 それこそ人生が終わるが、しかしそれが必要だ。

 

 奴を殺して自分も死ぬ。それぐらいしなければ、ニエに償いをすることはできないのだから。

 

 混乱する思考でそう結論付け、リセスは人生を終える覚悟を決める。

 

「お前が……私が……彼を……ニエを………っ」

 

 憎悪をまき散らし、何もわかっていない奴らを無視してリセスは武器になるものを探して―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……契約違反をしたな、猿が」

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、現実は何処までも残酷だ。

 

 リセスの涙すら浮かべての癇癪すら、まったく別の都合で無視されるのだ。

 




これがリセスの過去の前編です。……鬱だとは何度も言ったので怒らないでくださいね?


これを機にリセスとプリスの由来を説明しますが、ファーストネームはプリンセスから抜き出し、セカンドネームはアイドルのアナグラムです。

ある意味で本作品のヒロインであり、そして悪い奴に篭絡される定番の一つであるため、プリンセスという単語から抜き出してファーストネームにしました。プリスもある意味で対存在なので合わせました。

そして彼女たちがアイドル(セミプロ)なのもかなり初期から決定していました。……というより、イレギュラーズの根本設定より先に、いつかこういう来歴のキャラを書きたいと思っていました。

……寝取られ系のエロゲとかエロアニメとかエロマンガとか、エロいからおかずには最高なんですけど、どうしてもラストがもやもやするって人はいると思います。かくいう自分もその一人です。しかも自分、嫌な思い出とかそういう場面とかが記憶に残りやすいたちでして、結構きつかった。

 だから、「そういう鬱な展開を経由してから、何らかの形で救われる作品を自分で書きたい」っていう願望があったんです。それで上書きしてしまおうとか言う感じですね。

 インフィニット・ストラトスD×Dで短編形式で一話書きましたが、あれはいろいろと無理がありました。そのリベンジもしてみたいし、もやもやする作品は多かったのでそういう意味でももっと書きたかった。

 そこにイレギュラーズの根幹ともいえる「ぼくかがんがえたしんめつぐのばらんすぶれいかー」を出す方法と、ちょっと前から色んな作品の情報を読んで思った「英雄」をテーマにして各形式などが悪魔合体して生まれたのが、このイレギュラーズです。その「アカメが斬るのアカメ」てきなヒロインとして、リセスが作り出されました。

 ちなみにモデルの鬱いのはあい☆きゃんというアダルトゲーム及びアニメ。外見イメージはリセスが金髪を大人にした姿で、プリスが髪の色が変わる子の桃色バージョンです。もちろんニエは主人公の男のifとして書いています。

 リセスが芸能関係で一家言あったのは、イドアルというファミリーネームを含めての伏線です。当人としても正真正銘トラウマで自傷行為なのですが、リセスは英雄であろうと努力しているうえに家畜に堕ちた側とは言え本質的に善人なので善意でしゃべっていました。

 イッセーに対するマシンガントークは、トラウマほじくりながらの長台詞だったからこそいろいろとキャラが崩壊していました。もうあれです、イッセーが闇金に手を出しかけてるから、内臓を売ってその金を無理やり渡してる感じの行動です。







 ゲームでは寝取られた女の子とよりをもどす展開とかありますが、現実では愛想が尽きるのが基本だそうです。それに絶望して女嫌いになるかもしれませんね。イッセーみたいな恋愛恐怖症も十分あり得ます。それ位にはショックな出来事です。

 結果として、ニエは衝動的に自殺を選びました。一応弁護しますが、糞スポンサーの窓から見える落下コースなのは偶然です。そんな意趣返しをしても糞スポンサーは舌打ちこそすれ後悔はしないし、そもそもそこまで考えている余裕はニエにはありませんでした。

 ですが、その衝撃はリセスを正気に戻すのには、十分すぎました。

 そして、これで終わりではありません。これで終わったのならリセスもニエもプリスもここまで拗らせません。

 いっそここで本当にリセスが糞野郎の殺害を実行に移せていれば、話はもっと簡単に終わっていたのです。

 結果的に失敗しても、リセスは復讐を実行に移した事実が癒しになりますし、成功していれば罪滅ぼしはできたと思うでしょう。その後、人生がどうなるかはわかりませんし、まあ高確率で水準低い生活を送ることになると思いますが、心のどこかでこの出来事に対する決着はある程度つけれていたはずです。ニエも、そうだったらリセスをある程度は赦していたでしょう。

 ……こっから、リセスをもう一度どん底に突き落とす出来事が始まります。

 どこまでも、今のリセス・イドアルは強がっているだけの弱小で虚弱で貧弱だったのです。体も……そして心も
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