ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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この作品には前提が二つあります。

一つは、この作品が英雄の物語であること。

そのため、この作品には英雄が何人も登場します。




英雄という輝きを目指し、困難を乗り越えられる強さを身に着けてきたヒロイ・カッシウス。

襲い掛かる困難を乗り越え続け、いつの間にか英雄と呼ばれ始めている兵藤一誠

日ノ本統一という困難を、乗り越える一助となった英雄たる森長可

困難を乗り越えれる英雄であろうと、野心を滾らせる曹操。

そして困難を乗り越え続け、英雄と称されるようになったヴァスコ・ストラーダ。








彼らと違い、リセスはそもそも弱い自分を受け入れるという困難を乗り越えられないからこそ、英雄になろうとしました。

それでは英雄になれません。少なくともニエもストラーダも森も認めません。

ですが、彼女はヒロイやペトを救い、二人にとっての英雄です。その素質はちゃんと持っています。






そして、その最後の一押しをするのは二人ですけど、そのおぜん立てをする者は決まっています。








そう、この作品もう一つの前提にして、自分の二次創作における基本理念。

原作を、きちんと立てる。

ハイスクールD×Dの英雄である、兵藤一誠をないがしろに等、どうしてできましょうか。



第四章 13

 

 なにが……起こった!?

 

 訳が分からねえ。何が起こったのか欠片も分からねえ。

 

 いったいいつの間に現れたんだよあの女! それも、現れたと思ったらすぐに消えやがった。

 

 っていうかイッセーはなんであんなにビビったんだ!?

 

 くそ、いったいどういう―

 

「イッセーさん!?」

 

「イッセー!? イッセーしっかりして!!」

 

 アーシアとお嬢が慌てて駆け寄ろうとするが、イグドラシリーズが邪魔で近づけない。

 

 その猛攻を何とかしのぎながら、お嬢はリムヴァンをにらみつけると殺意をにじませる。

 

「リムヴァン! あなた、どうやってレイナーレを!!」

 

「ふむん。なめてもらっては困るねん?」

 

 ふふんと、得意げにリムヴァンは胸を張った。

 

傷心の追撃者(リプレイ・オブ・トラウマ)は相手のトラウマを見抜く能力。だけど、ただそれだけってわけじゃないんだよ。さっき上映して見せたし、トラウマに変身することもできる」

 

 なるほどな。傷心の追撃……傷に塩を塗り込む方法はいくらでもあるってか。

 

「ハーレム王を目指すと公言する、かの赤龍帝が女の子に裏切られたのがトラウマだなんてねぇ」

 

「この、男……っ!!」

 

 激戦の中、お嬢が額に青筋を浮かべながら、リムヴァンをにらむ。

 

 だがそれも長くは続かない。

 

「宰相、いい加減悪趣味です」

 

「ごめんごめん。ほら、運営陣はいろいろ大活躍してる「おっぱいドラゴン」を叩き潰してほしいって言ってたからね。確実に仕留める方向でいっただけだよ」

 

 ヒルトにたしなめられて、リムヴァンは苦笑を浮かべると軽く謝る。

 

 そして、そんなことをしている状況でもない

 

 この状況下で、イッセーまでリタイアだと……っ!!

 

「じゃあ、そろそろ終わりにしようかな?」

 

 そういいながら、リムヴァンは両手から炎を吹き出す。

 

 まずいな、こりゃ本気で俺たち全員殺す気だ。

 

 そして、抵抗を続けているサイラオーグとヴァーリにレグルスも、イグドラシリーズ四人がかりに圧倒されている。

 

 アーシアも回復を封じられているせいでろくに動けない。

 

 まずい。まずすぎる……っ

 

 

 

 

 

 

 

 

 気づけば、俺は真っ白い空間の中にいた。

 

 あ、これは歴代の赤龍帝たちがいる場所だ。

 

 そこに気づいた時、歴代赤龍帝の残留思念達が、俺を一斉に見ていた。

 

 なんだ? いつもはうつろな表情を浮かべてるだけなのに、今日のこの人たちは正気になってるような感じだ。

 

 俺が不思議に思ってると、歴代の人たちがすごい形相で叫んだ。

 

覇龍(ジャガーノート・ドライブ)を使うのだ!!」

 

 うぉ!? な、なんだなんだ!?

 

 あ、思い出した。俺はリムヴァンに切られたんだ。

 

 レイナーレの幻覚を見せられて、俺は隙をさらして―

 

「急げ! 早く覇を使うのだ!!」

 

「そうだ。奴を倒すには覇龍を使うしかない」

 

「何なのだあの化け物は、魔王など歯牙にもかけないではないか」

 

「急げ。このままでは神々すら倒されるぞ」

 

 す、すげえビビり具合だ。

 

 奴ってのはリムヴァンのことだよな。すげえ警戒してる。

 

 でも、あいつは今アザゼル先生たちと戦ってる最中で、あそこにいるのはあくまで分身だ。

 

 そんなにビビるほどか?

 

 そう思った瞬間、真っ白な空間に映像が映る。

 

 そこには、大量の砲撃や騎士団で神様たちを圧倒してるリムヴァンの姿があった。

 

 ……マジかよ。サーゼクス様やアザゼル先生、オーディンの爺さんがいて、防戦一方?

 

 しかもリムヴァンはかなり余裕の表情だ。本気を出してないって表情が言ってる。

 

 そんな。そんな!?

 

 あのアザゼル先生が、サーゼクス様が、オーディンの爺さんが、圧倒されてる!?

 

 なんだよそれ。どんだけ強ければそんなことができるんだよ。化け物以外の何物でもないじゃねえか。

 

 た、確かにあんな奴を倒すにゃ覇龍ぐらい使わないといけないけど―

 

「さあ、覇龍を使え」

 

「覇こそが天龍の本質なのだ」

 

「奴らを滅ぼせ、赤龍帝!!」

 

 其の声とともに、俺の中に黒い感情が巻き起こる。

 

 憎い。リムヴァンが憎い。

 

 でもだめだ。このまま覇を使ったら、俺は今度こそ死ぬ。

 

 そんなことになったら、部長たちが泣くにきまってる。そもそも俺の残りの寿命じゃ、使ったって凌がれるにきまってる。

 

 くそ。でも意識が遠く―

 

「―泣いちゃダメー!!」

 

 そんな声が、聞こえた。

 

 ふと視線を向けると、おろおろとしている観客席の向こう側で、見覚えのある子供が大声を上げていた。

 

 あ、確かリレンクスって子だ。

 

 俺がおっぱいドラゴンのショーをした時の子供だ。確か整理券の概念がわからなくて、握手会に参加できなかった。そして泣きじゃくってたっけ。

 

 そんな子が、涙を浮かべながらも流さないで、しっかりとまっすぐに前を見てる。

 

「おっぱいドラゴンが言ってたよ! 男の子は泣いちゃだめだって! 女の子を守らなきゃいけないんだって!!」

 

 リレンクスは震えながらも、だけど倒れてる俺を見ながら一生懸命声を張り上げた。

 

「だから頑張れー! たって、悪い奴をやっつけてー! おっぱいどらごーん!!」

 

 ………そうだ。

 

 俺は、おっぱいドラゴンだ。

 

 子供たちのヒーローだ。

 

 そんな俺が、子供たちを悲しませるような真似をしていいわけがねえだろうが!!

 

 視線を向ける。

 

 ボロボロになった仲間たちの姿が見える。

 

 イグドラシステムの力で追い込まれてるヴァーリとサイラオーグさんが見える。

 

 絶望に包まれているリセスさんが見える。

 

 そんなリセスさんを助けようと、頑張ってるヒロイとペトが見える。

 

 そして―

 

『させないわ』

 

 ボロボロになりながらも、それでも立ち上がっている部長の姿が見えた。

 

「私の愛する男を、こんなところで死なせない。私は……兵藤一誠を愛しているから!!」

 

 ………っ

 

 俺は、覚悟を決めると立ち上がる。

 

「ようやくか」

 

「さあ、早く覇を使うのだ!!」

 

「急ぐのだ。あの者たちに対抗するには、覇を使うほかないだろう」

 

 急かす歴代たちに、俺ははっきりと言い切った。

 

「……んなわけねえだろ」

 

 その言葉に歴代の人たちが唖然とする中、俺は言い切った。

 

「子どもたちのヒーローが、あんな怖い姿を見せていいわけねえだろうが。冗談きついぜ、あんたら」

 

 ああそうだ。

 

 俺は、乳龍帝おっぱいドラゴンだ。子供たちの笑顔を守るヒーローだ。

 

 その俺が、子供たちを泣かせたままでいいわけがねえ!!

 

「我、目覚めるは! 王の真理を天に掲げし、赤龍帝なり!!」

 

 俺は、覇じゃない詠唱を唱える。

 

 そう、これが俺の望んだ赤龍帝の形だ。

 

「何をやっている! 早く覇を唱えるのだ!!」

 

「ええい! 今代は何処までも愚かな!!」

 

 歴代の人たちが俺にオーラみたいなものを放つけど、それを防ぐ影があった。

 

「……いいじゃないか。そう言う二天龍がいても」

 

 だれだ? 赤龍帝だった人の中じゃ見たことないけど。

 

 俺が疑問に思ってる中、その人は微笑んだ。

 

「初めまして。僕は、君が取り込んだ宝玉に残っていた歴代白龍皇の残滓だよ」

 

 なんだって!?

 

 俺がヴァーリから外れた宝玉を取り込んでた時、ついでに残留思念も取り込んでたってのか!?

 

 器用だな。神滅具。

 

「ま、本来の僕は白龍皇の光翼に残ってるだろうけどね。それでも、エルシャやベルザードの気持ちがわかる」

 

 その白龍皇さんはにこりと笑うと、オーラを放って歴代の先輩方のオーラを弱体化させた。

 

「さあ、僕が押さえているうちに早く至るんだ。君だけの赤龍帝に!!」

 

「……ありがとうございます!!」

 

 俺はお礼を言うと、詠唱を続ける。

 

「無限の希望と不滅の夢を抱いて王道を往く」

 

「何をしている、今代!」

 

「赤龍帝の神髄とは、すなわち覇だぞ!!」

 

 歴代が呼びかけるけど、俺はそれに負けない。

 

 俺は覇なんて求めねえ。

 

 そうさ、俺はスケベが取り柄のおっぱいドラゴン。

 

 やるんなら、もっとスケベにやってる!!

 

「我、紅き龍の帝王となりて―」

 

 俺は、魂にかけて本気で叫んだ。

 

「―汝を真紅に光り輝く天道へ導こう!!」

 

 そうさ。俺は覇道なんてもとめない。

 

 俺が求めるのは―

 

「―行こうぜ皆。俺たちが、未来を創るんだ!!」

 

 ―おっぱいあふれる優しい未来だ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 




非常に性悪な複合禁手、傷心の追撃者。

トラウマ関係限定の心理掌握といえば、わかる方にはわかるでしょうか。トラウマを知り、トラウマを見せ、トラウマを再現する。これに関していえば、神滅具クラスといってもいい効果を発揮します。

イッセーが数々の問題を解決していなければ、グレモリー眷属は型にはめられていたでしょう。それ位極悪な複合禁手です。








そしてイッセー覚醒編でもあります。今回歴代型はマジビビリで恐慌状態です。

とにかくそれぐらいリムヴァンがヤバイ。ぶっちゃけ本体なら天龍の覇龍ぐらい余裕で相手できますし、分身でもイッセーの寿命が尽きるのが先ですね。

だけど、リレンクスの声をきっかけにイッセーついに紅に。ここら辺はきちんと出したので伏線回収しました。

後地味にリアスが自分から愛を告白しました。……イッセーに聞こえているかはともかくとして。

このへん、リセスが自分の失態を表面的にとは言え言っていたこともありますね。仲間の成長を促せる当たり、リセスはなんだかんだで英雄の素質はあります。あるったらあるのです。真主人公舐めんな。

それに、天龍にケンカ売れるレベルの化け物軍団相手にまだ戦闘不能になってないので、原作よりも戦闘能力は上がっています。ヴァーリ相手に何もできなかった悔しさをばねに、原作よりも実戦志向で鍛えている結果です。地味にリアスが原作より強化されている描写は少しは入れてました。









こっからが反撃タイムなのですがさすがに速攻投稿はできないですね。最低でも半日はかかりますです、ハイ

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