ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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第一章 あり得ざる第四の超越者
第一章 1 聖槍使いの悲劇


 

 俺、ヒロイ・カッシウスは目を覚ました。

 

 昨日の晩飯は焼いた川魚と木の実。この時期は食べるものがそこそこあっていいが、いい加減水浴びじゃなくてシャワーが浴びたいと思ってしまう。

 

 汗を流すなんて発想すら出てこなかった頃に比べて、色々とぜいたくな存在になったもんだ。

 

 しっかし、いい加減どうしたものかと思っているが、さてどうしたものか。

 

 ああ、どうしようかなぁ。

 

 今俺がどうなっているかを一言で言うとこうなる。

 

 教会から、追放された。

 

 ……いや、教会まで戻ろうと思ったんだが、その前に上に連絡したのがいけなかった。

 

 報告内容をしっかり言いすぎて、うっかりコカビエルが聖書の神の死をばらしたことまで話しちまった。

 

 結果として、俺達は教会を追放された。

 

 さて、どうしたもんか。

 

 いや、俺としては悪党と戦う状況が作りやすいってのとプラス一応食わせてもらった恩があるってだけだから、追放するって言われたらもう追放されるしかないわけだ。

 

 元から信仰心に欠けていた俺が教会に居たってのも問題だった。

 

 それでも俺が追放されてなかったのは、俺が聖槍を持っていたということだけだ。

 

 聖遺物の最高峰たる聖槍の保有者である俺は、必然的に教会にとって貴重だった。

 

 万が一にでも聖槍の持ち主が教会を離れて、堕天使や悪魔の側についたらもはや笑い話にもならなかっただろう。

 

 だけど、それでも俺の信仰心の緩さは問題で、それが聖書の神の死という厄ネタを知ったことで天秤が傾いた。

 

 ま、そういうわけで俺は追放。これからの食い扶持を探さなければならないわけだが……。

 

「まずった。ノウハウがねえ」

 

 まったくもってノウハウがねえ。どこに行けばいいかわからない。

 

 この世界でも有数の平和国家日本で、何処からともなく取り出せる槍やら剣やら雷なんぞ生活に必要ない。

 

 故に異形稼業で食ってくしかないんだが、その辺りのコネが全くない。

 

 ……あれ? これ、浮浪者生活に逆戻りじゃね?

 

 俺は少し真剣に考えて、決意した。

 

 うん、この街救ったんだから、少しぐらいお礼を貰ってもいいよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は、再び駒王学園に戻ってきた。

 

 携帯は教会からの支給品なので既に解約されている。と、言うわけでアポなしだ。

 

 怒られるかね。説教位はあるだろうなぁ。たぶん文句は確実に言われるんだろうなぁ。

 

 だけど、それでも、これしかねえ!!

 

「よし、それじゃあ頼み込むとするか!!」

 

 別に雇えなんて言わない。そんなことまで言う気はない。

 

 其れじゃあ英雄スキルとして鍛え上げた土下座が再び唸りを上げ―

 

「―部長ぅううううううううううううううううううううううううううううううううぼらぁ!?」

 

 ぐあぁ轢かれたぁ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫ですか?」

 

「あ、うん。もう痛くないから大丈夫」

 

 俺は、オカルト研究部部室でアーシア・アルジェントに治療を受けていた。

 

 あの後、なんか知らんけど堕天使総督のアザゼルが正体隠して客やってたことを知ったイッセーがpanicを起こして全力疾走(自転車)して俺を轢いたわけだ。

 

 自転車による交通事故だって人死に出んだぞ畜生め。しかも悪魔の全力疾走とかシャレにならんわ!!

 

 そんなわけで同じく吹っ飛んだイッセーの首根っこひっつかんで、オカルト研究部室まで連れて行ったわけだ。

 

 まったく。マジ勘弁してくれ。俺は基本人間だから耐久力低いんだよ。

 

 ま、これで何とか話に持ち込めそうだな。

 

「部長ぅうううう!!」

 

「私のイッセーの営業妨害だなんて! しかも会談前のこのデリケートな時期に!! あとで堕天使側には正式に抗議を入れさせてもらうわ!!」

 

 すっごくプンプンしながら、リアス・グレモリーはしかし俺の方に顔を向ける。

 

「悪かったわね。イッセーが勢い余って轢いてしまって」

 

「あ、まあ治してもらったしな。あとでイッセーは一発ぶん殴るとしてそれ以上はしねえよ」

 

「いや、悪かったから殴らないで!!」

 

 イッセーの懇願はスルー。俺だったからよかったものの、一般人だったら即死もありえたぞ馬鹿野郎。

 

 ま、これで話を持って行けそうだ。

 

「それでグレモリー。コカビエルをぶちのめしてあんたの管轄地救っただろ? その貸しを返却してほしいというか助けてほしいというか……」

 

「知ってるわ」

 

 俺の言葉をさえぎって、リアス・グレモリーはそういった。

 

 へ? 知ってるって?

 

「どうせあなたも教会を追放されたんでしょう? それに関係してるんじゃないかしら?」

 

「なんで知ってんの!?」

 

 俺はそう度肝を抜かれて立ち上がるけど、肩に手が置かれた。

 

 違う、これ置かれたとかそういう力加減じゃない!?

 

「痛たたぁあああああ!? ちぎれる!!」

 

「やあヒロイ。会いたかったぞ?」

 

 激痛に悶えながら振り返れば、そこにはすごくキレそうになっているゼノヴィアの姿が。

 

 馬鹿な!! なぜここにいる!!

 

 お前は俺の説得で信仰を取り戻してバチカンへと戻っていったはずではないのか!!

 

 そう思った直後、ゼノヴィアの背中から翼が広がった。

 

「ちょうどいい。悪魔になった私の身体能力がどれぐらいかお礼参りで試させてくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぎゃぁあああああああああああああ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 殺されるぅううううううう!! 腕はそんな方向に曲がらなぃいいいいいいいい!?

 




今回の悲劇とは

1 教会から追放されて山暮らし

2 イッセーに撥ねられる

3 ゼノヴィアにボコられる(実は身から出た錆)

の三つでお送りしました!
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