ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ 作:グレン×グレン
しかし、持ち上げて落としたら恨まれても同然である。
「まったく。イリナにまで火花が飛ばなかったからいいものの、君は私を説得しておいてそれを自分で台無しにするとか馬鹿なのか」
「マジすいませんっしたぁああああ!!!」
ゼノヴィアに対して俺は速攻で土下座をぶちかます。
なぜそんなことになっているのかというと……。
俺、ゼノヴィアと一緒にいる時に聖書の神の死を知る。
↓
俺、それをできるだけ正確に上に報告。教会を追放。
↓
俺の報告が正確だったので、ゼノヴィアも神の死を知っていることに上が気づく。
↓
ゼノヴィアも追放処分。
……全面的に俺が悪いです!!
「それでやけになってな。もうこうなったら悪魔にでもなってやろうかと思い部長に自分を売り込んだんだ」
「ふふふ。あなたのおかげでデュランダルの使い手を眷属に引き込めたんですもの。私としてはお礼を言うべきかしら」
リアス・グレモリーはそう言っているが、微妙に笑顔がひきつってる。
まあ、ゼノヴィアが信仰心を持ち直したところはこいつらも知ってるからなぁ。
それが持ち直させた俺が台無しにした何て知れば、呆れ果てるのは当然か。
「そういうわけだから、私は貴方も何かしらの形で私に接触してくると思ってたのよ。……なんで遅かったの?」
「いや、口封じに殺されるかと思ったんで、山に篭って隠れてました」
マジでそれぐらい危険があるからなぁ。
追放された連中が神の死を言いふらしたところで信じる奴はいないだろうが、なにせ俺には聖槍があるからな。
元から俺が聖槍の持ち主だってことに不快感を抱いてる連中は多いし、この機に暗殺命令が出てもおかしくねえし。
「ただ、其れなら後ろ盾をもらって安全確保した方がましだと思ってな。街を救った恩を返してもらおうかと思ってきました助けてください!!」
「お前も大変だよなぁ」
イッセーがしみじみ言うけど、お前も大概だと思うぞ?
なにせ堕天使総督にちょっかいかけられたんだからな。
赤龍帝ともなれば、各勢力の上層部クラスが接触してきてもおかしくねえ。白龍皇も堕天使上層部と繋がってるみてぇだしな。
はっはっは。お互い神滅具持ちは苦労するぜ。
「でも困ったわね。あなたを私の眷属悪魔にするのは不可能だわ」
「え、なんで!?」
いやいやぁ。ちょっと待ってくださいよお姉さん!
俺ほどハイスペックな人間もそうはいねえっつの!!
神器いくつもあるよ! 一つは神滅具だよ!?
教会でも「頭の痛くなる奇跡」とか呼ばれたよ!?
「俺神滅具持ちだよ!? 他にもあるよ!?」
「だからよ」
そう言って、リアス・グレモリーは箱を取り出すとチェスの駒をだした。
おお、これが
あれ? でも一個しかなくね?
「私の手元に残ってるのは、駒価値5の戦車だけ。で、残りはどうしたかというと……」
まずは黒髪の姫島朱乃に視線が。
「女王を朱乃」
続いて小猫ちゃんに。
「戦車の一つを小猫」
そして木場とゼノヴィアに
「騎士の駒はそれぞれ祐斗とゼノヴィア」
そしてアーシアちゃんに
「僧侶の駒はアーシアともう一人に。そして―」
そして、イッセーに視線が向く。
あれ? 確か悪魔の駒ってチェスの駒を基にしてるんだよな?
だったら八人用意できるんじゃねぇの?
「兵士の駒は八つ全部イッセーに使ったわ」
………へ?
「イッセーの神器は神滅具である赤龍帝の籠手。そしてあなたの黄昏の聖槍もまた神滅具」
えっと、つまり神滅具持ちを転生悪魔にするにゃ、悪魔の駒が八個必用ってわけで?
そんでもって、俺はそれだけじゃなくて他にも神器を二つは持っている。
つまり……。
「戦車の駒一つじゃ足りないのよ」
ガッデム!?
ど、どどどどどうすんだぁああああああ!!!
これではグレモリー次期当主の後ろ盾を得られない!
ってことは、このままいくと……。
「ゼノヴィア、短い付き合いだしむかつくところも多かったが、お前のこと、戦力としては信用してたぜ」
「待てヒロイ。お前諦めるのか?」
いやいや、流石の俺も教会全部を敵に回して勝てるとは思わねえよ。
同じ神滅具持ちのデュリオ・ジュズアルドとか、強いの他にもいるしな。総力を上げられれば確実に殺される。
厄ネタばらまいてかく乱するという開き直り方もあるけど、それは使えねえ。
そんなことになれば世界は大混乱だしな。死人大量だしな。
命惜しさにそんなことするやつは、英雄なんかじゃねえ。
「俺は歴史には残らなかったが、しかし英雄を目指したことに後悔はしてねえ。だから最後まで英雄らしく生きることにするさ」
「あ、諦めんなよ!! ほら、この学校には生徒会長だっているし!!」
「……御免なさいイッセー。ソーナも8以上の組み合わせられる駒は持ってないはずだわ」
ほら詰んだー!!
これ確実にお陀仏じゃねえか!!
くそ! 後悔はないが無念はあるぜ!!
ここで俺の英雄街道はデスエンドか此畜生!!
「いや、まだ慌てる必要はない」
と、後ろから声が聞こえた。
俺はとっさに聖槍を展開しながら声から下がる。
「誰だ!」
そこにいたのは、紅の髪を持つなんか豪華な服を着た男。
……まずい、低く見積もってもコカビエルクラス!!
いったい何者だ。こんなところに現れるなんて―
「……待ってヒロイ! 彼は魔王様よ!!」
え?
俺は、声を出したリアス・グレモリーを見る。
よく見れば、その髪の色はそっくりだった。
っていうか顔とかも色々似てるな。家族?
そんで魔王と言いますと―
「サーゼクス・ルシファー?」
「……そうよ」
…………
「まっじすいませっんしたぁあああああ!!!」
俺は前転土下座で速攻謝罪する
「はっはっは。ちょっと驚かそうとしてみたけど、中々良い反応をみれた。流石はコカビエルを滾らせるほどの使い手たる教会の秘密兵器―」
スパン!
そんな擬音がばっちり似合う、ハリセンのいい音が響いた。
おお、あれがジャパニーズハリセン。
「……申し訳ありませんヒロイ様。我が主は何といいますか、プライベートでは悪ふざけをすることも多々ある人物でして」
そういうメイドさんがしっかりと頭を下げた。
「このようなことで首を飛ばすなどということもありませんので、どうか立ち上がってください」
「そ、そっすか……」
あ、この人もコカビエルとマジでやり合えそうなレベルの猛者だ。
うっわぁ、魔王サーゼクス・ルシファーのメイドも魔王クラスだよ、驚愕。
「そ、それで魔王様。慌てる必要はないとおっしゃいましたか?」
リアス・グレモリーの言葉に、サーゼクス・ルシファーは微笑んだ。
「ああ。後ろ盾の件については私が引き受けよう。それに、上手くすれば教会側にも話を通せるかもしれない」
ん? どういうこった?
敵対勢力同士にホットラインなんてないと思うんだけどな。
「詳しく説明いたします。実は、三大勢力で一度本格的な会談が開かれることが決定いたしました」
と、メイドさんがそう説明を始める。
「場所は魔王の妹二人と教会の聖剣と堕天使の幹部が集い、それぞれが保有する神滅具までもが揃ったこの駒王学園を全勢力が希望。今回サーゼクス様が来訪したのも、其の為の下見の一環なのです」
その言葉に、俺達は全員ちょっと驚いた。
千年以上いがみ合ってきた三大勢力が会談ってだけでも前代未聞なのに、しかもここでかよ!!
「つきましては、魔王ルシファーの妹君であるリアス様と、魔王レヴィアタン様の妹君であるソーナ様をお救いになられた形になるヒロイ様の助命に関しましても我が主は考慮しております」
「君は私とセラフォルーにとって妹を救ってくれた恩人だからね。ある程度の監視はつけることになるだろうが、私達の管理下に置くことになればバチカンの枢機卿達も了承はするだろう」
そ、そっか。俺、助かるかもしれないのか。
そりゃ72柱より四大魔王の方が格高いもんな。後ろ盾としては最高だな。
「其れとは別に個人的に礼もしたい。何かあるなら可能な範囲で叶えよう」
え、マジで!?
じゃ、じゃあ―
「お抱えになるにあたって金せびってもいいっすか!? 調子に乗っちゃうとメジャーリーガーの年俸ぐらい!!」
「本当に調子乗ってんなお前!!」
イッセーからツッコミが来るけど、いや俺だってダメもとだよ冗談だよ。
「そうだね。じゃあ日本円で一億二千万にしよう。月払い一千万円でいいかな?」
「落ち着いてくれ魔王様! ヒロイも流石に本気で言ってない!!」
ルシファー様があっさり快諾して、ゼノヴィアが思わず止めに入った。
え、マジで!?
「いやいや。実際神滅具の保有者でコカビエルと渡り合えるほどの実力者なら、それぐらいは払っても安いものだ。今ぐらいなら私の私費で払えるしね」
いやったぁ!!
「これで世話になった孤児院に仕送りできるぜ!! あとストリートチルドレンの保護活動にも!! さらに風俗行き放題!!」
「最初はよかったのに最後が俗っぽい!!」
イッセー、ツッコミうるさい。
「安心しろ。金に困らん生活が約束されたから、お前も連れて行ってやる」
「ありがとうございますヒロイ様!!」
速攻で跪くな。
「……いえ、確か高校生が風俗を利用するのは違法だったはずでは」
なんだって? それは本当かい小猫ちゃん!!
「あ、あはは……。彼、だいぶはっちゃけてないかい?」
「いや、こいつは日本に来た当初から春を買いに行こうとしてたからな。あれが平常運転だ」
「あらあら。教会の秘密兵器とは秘密にしておきたい兵器ということでしたのね」
木場やらゼノヴィアやら姫島朱乃さんやら外野がそういうが、まあ事実なのでそこは気にしないぜ!!
そんな感じでハイテンションだったが、しかしそこでサーゼクス・ルシファーは意味深な笑みを浮かべる。
「とはいえ、それだけの年俸を払ってただ働きをさせるわけにもいかない。そこで、君に依頼をしたい」
「なんですかい?」
俺は首を傾げるが、サーゼクス・ルシファーの発現は結構驚くべきものだった。
「単純なことだよ。……その会談まで、この駒王町を守ってほしい」
ヒロイ「冗談半分で言ってみただけなんです」
ヒロイ、物事を正確に報告しすぎるの巻。報告は正確にするのが一番ですが、状況を考えてしましょう。