ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ 作:グレン×グレン
まあ、わかりきってる話なんだけどイッセーは無事なのか(棒
何か戻ってきたら、全員が慌てて席に戻っていた。
なんだ? なんか空気が微妙なんだが。
「何かあったのか、姐さん」
「いいえ。ヒロイが気にする事でもないわ」
ふむ、女だけのガールズトークとかかねぇ?
巻き込まれた木場には悪いが、俺もそういうのは気恥ずかしい。聞かなくて良かった事にするか。
そう思いながら再び菓子を貪ろうとすると、そこにアジュカ様が入ってきた。
「休憩はできたようだな。こちらも場所を提供したかいがあった」
「アジュカ様。……結果はどうでしょうか?」
お嬢が表情を強張らせて、アジュカ様に尋ねる。
もちろん結果ってのは、イッセーの
そもそも俺達がここに来たのは、アジュカ様にイッセーの悪魔の駒の解析をしてもらう為だ。
イッセー生存の可能性は、その解析にかかっていると言ってもいい。
リムヴァン達の所為でうやむやになったが、それが終わってからすぐに取り掛かってくれた。マジ助かるぜ。
で、結果は?
「まあ、解析結果そのものはすぐに出た。今まで時間をかけたのは、君達を休ませる方便みたいなものだしな」
あ、気を使ってくれて感謝しやす。
……で、結果は?
お嬢はもちろん、アーシア達も息を呑んでいる。当然俺や姐さん、ペトも緊張気味だ。
そんな俺達の視線を浴びながら、アジュカ様はお嬢にイッセーの駒を返す。
「結論から言おう。……少なくともこの駒が転移するまでは、イッセーくんの肉体は崩壊したが魂は無事だ」
その言葉の意味は、少し理解するのに時間がかかった。
「駒のいくつかが変異の駒に変化したりなど興味深いが、それはともかく。……事情は分からないが、肉体を滅ぼしたその足で魂まで滅ぼすはずだったサマエルの毒に、イッセー君の魂は耐えきったようだ。……魂だけどこかで漂っている可能性は大きいだろう」
……マジか!
「いよっしゃぁああああああ!!!」
俺は思わずガッツポーズをする。
その俺に、ペトと姐さんが抱き着いた。
「やってくれたわね、あの子!!」
「根性見せすぎっすよイッセー!!」
ああ、姐さんもペトも我を忘れそうになるぐらい喜ぶわな。
だってイッセーは良い奴だしな! 覗きの常習犯だけど、別に殺されるほどの罪は犯してねえからよ!!
「うわぁああああああん!!」
「イッセー……っ!」
アーシアとお嬢も、歓喜の涙を流す。
見れば全員喜んでる。ああ、そりゃ当然だろう。
ったく。あの野郎マジでしぶとい奴だ。しかも常識が通用しねえ。
………で、今のアイツはどうなってるんだろうな?
「まあ、肉体に関しても生涯の治療や後遺症の可能性はあるが、こちらの技術でどうにかなるだろう。それで魂の捜索に関してだが……シシーリア」
アジュカ様に呼ばれて、シシーリアは背をピンと伸ばした!
「はい! 無能な働き者に何か御用でしょうか!!」
「むしろ君は有能なんだがな。……それはともかく、あれの準備だ」
「あ、グリゴリから興味本位でチャーターした、時空探査船ですか?」
……なにつくってんだ、グリゴリ。
「ああ。俺の
……しかも合作かよ。冥界驚異のテクノロジーだな、オイ。
「とは言え今の段階では技術的に短時間が限界だ。……操作系統のサポートができる者と、索敵範囲の広い者がサポートに付いてくれないと困難だな」
その言葉に、一斉に視線が集中した。
「いや、確かにハッキング系統は練習中だったけどよ」
「確かに最大索敵半径なら自分が一番ッスけど……」
俺とペトは、同時に愚痴りながら次元の間を探索するという難業に挑んでいた。
「す、すいません。長時間行動の為には色々と物入りでして。……こんな愚図操舵士では不安が残ると思いますが―」
「いや、そっちは心配してないっす」
と、平常運転で自虐するシシーリアに、ペトがフォローを入れる。
うんうん。シシーリアは結構できるから安心してくれ。
第一、アジュカ様が指定したんだから一定以上の能力はあるだろ。
「でも、魂だけ探すって大変な気がしますが、この駄娘でどうにかできるんでしょうか?」
「っていうか、この広すぎる空間を調べるのだけで何千年かかるっすかね?」
シシーリアとペトが不安な表情を浮かべる。
ああ、確かに広いもんな、次元の狭間。
こんな広大な空間を、短時間の調査だけで調べ切るなんて不可能だろ。普通に考えりゃ無理難題だ。
だけどまあ……。
「いや、イッセーはこういう空気とノリはしっかり天然で乗っかるからな。案外見つかるんじゃねえか?」
生きてるならあっさり見つかりそうだな。
っていう、お嬢を連れてきておっぱい見せれば寄ってくるんじゃねえか?
「裸になって誘った方がいいような気がするッス。……ペト、文字通り一肌脱ぐっすよ?」
「いえ、それは人として行ってはいけない前人未到の領域です。愚鈍な私でもわかるので落ち着いてください」
「……次元の狭間ックス。ちょっと興奮する自分に絶望だな」
倒錯的すぎる事思いついて、俺は少し落ち込んだ。
いや、何を思いついてるんだ、俺。
ちょっと緊張感が緩みすぎだろ。まだ現在進行形で冥界は非常事態なんだから、落ち着け俺。
そんな緩い緊張感の中、俺達は次元の狭間を探索する。
そして、それを見た。
「あ、グレートレッドっす」
「ああ、あれが」
「大きいですねぇ」
次元の狭間を遊覧飛行するだけの最強、グレートレッド。
こんなところで見れるなんてレアだな。
おっと。こいつは世界最強の存在だ、機嫌を損ねたらぴちゅんされるから距離を取らねえとな―
『……おい! そこの船!! 聞こえてるか!?』
「「ドライグ!?」」
そのタイミングで聞こえてきたドライグの声に、俺とペトは慌てて視線を向ける。
いや、グレートレッドしか見えないな。
だが、視力が桁違いすぎるペトは、はっきりと何かを見た。
「あ、あぁ……っ」
その目が見開かれ、ぽろぽろと涙が零れ落ちる。
こ、この流れはまさか―
「イッセーっす!! 赤龍帝の鎧が、あそこにあるッス!!」
マジか!! 無事だったんだな、あいつ!!
「で、でもグレートレッドの近くって……このゴミ屑が近くに行っても大丈夫なんですか!? 殺されません?」
『その声は、確かディオドラ・アスタロトの眷属だった小娘か。……安心しろ。余計な事をしなければ手を出さんと言っている』
おお、そうか。
OKも出たので、俺達はおっかなびっくりにグレートレッドに近づいた。
イッセー発見……ただしまだ意識不明。
それはともかく、ついに疑似的なBMIにまで手を出したヒロイ。もうすでに例の神器神滅具にケンカ売れるんじゃないだろうかこの禁手。
そして、次からは視点が移り変わってリセスを中心にします。この作品の真主人公だから仕方がないね!!
なにせヒロイは過去をプロローグで語りきってる節があるから、ストーリー的な因縁も素あまりない。あれですね、主人公がしゃべらないゲームだと、そのわきを固めるキャラクターでドラマを展開するほかないのと似ています。
の前に、視点はアザゼルに移ります。
言いたいことはわかるがとにかく行動がヘイトを集めるハーデス神。
だが奴は、リムヴァンの戦闘能力以外を舐めてかかりすぎていた!!