ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ 作:グレン×グレン
さあ、本格的に事が始まるぜい!!
祐斗Side
襲来する三人の英雄派幹部に、僕達は寒気を感じた。
あの西遊記の三英傑を相手に一歩も引かなかった実力もさることながら、問題は会長達だ。
そもそも、僕達は会長達が英雄派と戦闘していると聞いて飛んできたのだ。つまり、会長達は既に負けたということになる。
「……ソーナ達をどうしたの!?」
「だから結界に閉じ込めたと言っただろう? 安心していい、彼女達が護衛していた子供も殺していない」
ゲオルクはリアス部長にそう言い放つと、躊躇することなく大量の魔方陣を展開する。
……戦う気が十分にあるということか。いや、その為に態々残ったと考えていいだろう。そう言う連中だ。
「我々英雄派は、異形達に人間がどこまで抗えるかを試すもの。急激な成長率を誇る若手の筆頭である君達は、いい好敵手だ」
「そういうこった。なあ、お前らどれだけ強くなった?」
「楽しみね。ええ、本当に楽しみだわ」
好戦的な表情を浮かべ、ゲオルク達は一斉に攻撃を仕掛ける。
先手はゲオルク。
既に展開していた魔方陣から、一斉に攻撃魔法が放たれる。同時に周囲の魔方陣が空間そのものに圧を加えて、回避を困難なものとする。
これは、即座にアーシアさんに回復してもらう必要があるか!
そう思ったその瞬間、動く影が二人いた。
「悪いが、先手はこちらのモットーだ」
ゼノヴィアは、強化されたエクス・デュランダルを構えると、速攻で攻撃を放つ。
ゼノヴィア命名、デュランダル砲。デュランダルのオーラを増大化して放つ、ゼノヴィアの十八番だ。
……その割に決め技になることは基本ないのが玉に瑕だけどね。
だけど、今回は見事に効果を発揮した。
正面部分に展開された魔法を全て薙ぎ払う。それも、一瞬の拮抗すら許さなかった。
短いながらも過酷な訓練と、全てのエクスカリバーを統合した影響だろう。相乗効果で大幅に能力が上昇している。
それをゲオルクは霧で受け止めるが、僅かだか霧が削れるほどの威力だった。
「なるほど。真に統合されたエクスカリバーの補正があれば、デュランダルはまさに神滅具のそれに匹敵するということか」
感心するゲオルクはまだ余裕。それはもちろん、破壊できたのが正面からの魔法だけに他ならない。
斜めからくる魔法はまだ残っている。そして、それが直撃すれば僕達も重傷を負う事は確実だ。
だけど、それは突如現れた魔法による壁で完全に遮断された。
「……アースガルズで片っ端から防御魔法を習得してきました。これまでの私と一緒にしてもらったら、困りますよ!」
ロスヴァイセさん。あのゲオルクの魔法攻撃を苦も無く遮断するとは。
流石はあのオーディン様のお付きをしていた才女だ。短い期間で大幅にその力を向上させている。
これは、僕達も負けてはいられない。
「……どうやら、速攻で使うべきなんだろうね」
「あら、何を使うのかしら!」
覚悟を決めた僕に、聖魔剣を構えたジャンヌが迫る。
天閃の聖剣を参考にしたのか、スピードがさらに強化されている。
この攻撃速度を凌ぐのは僕でも困難だ。当てれば勝てる僕に対抗するには、当然の選択肢だろう。
だけど、甘い。
「……出番だよ、グラム!」
躊躇することなくグラムを引き抜くと、僕はそれを一閃して聖魔剣を両断する。
本体にこそ当たらなかったが、ジャンヌ達を驚愕させるのには十分すぎた。
「その剣!? ジー君の!?」
「あの馬鹿! 大口叩いておいてやられやがったのか!?」
何やってんだあの馬鹿とでも言いたげな表情を浮かべるジャンヌとヘラクレス。
なるほど、友情を理解できないとジークフリートが言った通り、この手の情は彼らにはないようだ。
まあいい。敵としては躊躇する事なく倒せやすくていいだろう。
問題は―
「―これは、キツイね……っ!」
たった一回振るっただけで、何か大事なものがごっそり抜け落ちたかのような虚脱感に包まれる。
こんなものを、躊躇する事なく全力で使っていたのか。ジークフリートの正気を疑うね。
しかも彼は龍の力を宿している。龍殺しの力が効果的なのも知っている。
そのうえで、これを祝福というとは、彼はそれほどまでに心を崩していたようだ。
その事実に戦慄しながら、僕はこれ以上の戦闘が難しくなる。
うかつにグラムを使ったのは失敗だったね。この魔剣は、どこまでも末恐ろしい。
「……強化施術をろくに受けてないとはいえ、ジークフリートを倒すとは。これは油断ができないな」
ゲオルクはそう僕達を評価すると、視線をジャンヌとヘラクレスに向ける。
「ジャンヌ、ヘラクレス。……少しギアを上げるぞ」
「しゃあねえなぁ!!」
その言葉と共に、ヘラクレスは全身からオーラをみなぎらせる。
「それじゃあ俺も……
その言葉とともにオーラが物質化し、ヘラクレスの全身から突起が生える。
そして、噴煙と共にそれが飛んで放たれた。
「これが俺の禁手の一つ、超人による
ヘラクレスの神器は、打撃を与えた部位を爆発させる神器だった。
それだけでも桁違いの攻撃力を持った神器だったが、それが大量に飛び道具として放たれる。
純粋に、スケールアップしているのが厄介だね!
「させると思いますか!」
その攻撃そのものはロスヴァイセさんの結界で防がれるが、しかしその隙をついてジャンヌが迫る。
「それじゃあ、こっちもギアを上げようかしら?」
その言葉と共に、大量の聖剣が山のように展開される。
そして聖剣の山は形状を変化させ、巨大な龍へと変化する。
そして、咆哮と共に突進する聖剣の龍が、魔方陣による結界をいともたやすく突破し、ロスヴァイセさんに襲い掛かる。
対魔法用の聖剣か! それを有効活用させる為の陽動がヘラクレスの目的だったのか。
そしてそのまま聖剣の龍はロスヴァイセさんを弾き飛ばそうとするが、それより先に莫大な雷光がそれを受け止める。
「そう簡単にはいきませんわ!」
そこには、いくつもの黒い翼をはやした朱乃さんの姿があった。
これが朱乃さんの新たな領域、堕天使化。
グリゴリの協力によって堕天使の特性を活発化させる、過去を乗り越えた朱乃さんだからこそできる自身の能力の有効活用。
その雷光が龍の突進を受け止める中、そして駆け出す影が出る。
「アーメン! 聖女失格のお姉さんを裁いてあげる!!」
その言葉と共に振るわれた剣が、聖剣のドラゴンを大きく切り裂いた。
凄い剣だ。いくら聖剣創造の聖剣は強度にかけるとはいえ、聖剣で出来た龍を切り裂くとは。
ゲオルクはその剣を見て、やれやれと首を振った。
「その剣、聖魔剣の量産に成功したということか」
え、聖魔剣?
その言葉に、イリナさんは油断なく構えながらも得意げな表情を浮かべる。
「その通り! これが天界と教会の技術者達が作り上げた、量産型の聖魔剣よ!!」
ミカエル様達の研究は、もうそんなところまで進んでいたのか。
これは頼もしい。これも三大勢力を中心とする和平の成果ということか。
ああ、英雄派も業魔人を開発して強化されたみたいだけど、こちらも順調に技術的にも強くなっている。
そう簡単に、僕達も負けるわけじゃない!
「行くわよゼノヴィア! 教皇陛下の仇を取るわよ!!」
「もちろんだ。この新たなエクス・デュランダルの錆としてくれる」
「あらあら、では私もそのサポートに回りましょうか」
ゼノヴィアとイリナさん、そして朱乃さんが聖剣のドラゴンとジャンヌ・ダルクを包囲する。
それを見て、ジャンヌは静かにほほ笑んだ。
僕達はそれを見慣れている。
得難い難敵を手にして、己の力を試せるという喜びに打ち震える。戦闘狂の笑みだ。
「面白いわ! なら、私に業魔人を使わせて頂戴!!」
その言葉と共に、ジャンヌは龍に飛び乗ると戦闘を開始する。
……さて、あとはゲオルクとヘラクレスだけど―
「―なるほど、あの結界はお前達が生み出しているものか」
そこに、新たな参戦者が現れる。
一歩一歩力強く地面を踏みしめながら、黄金の獅子を従えて現れる無能の大王。
魔力を持つことなく、次期大王の座を実力で奪い取った、
「俺の眷属達が総出になっても破れないのでな。……結界を生み出している者から先に潰させてもらうとしよう」
ここで来るか。来てくれるのか。
これほど頼りになる存在も、そうはいない。
「貴様らを冥界の敵と断定する。……死んでも恨むなとは言わんが、死ぬ覚悟はしてもらうぞ」
バアル家次期当主。サイラオーグ・バアル。
この増援は、頼もしい……っ!
サイラオーグも本格参戦。更に戦いは激化します。
ですが、今作品の英雄派は魔改造のオンパレード。
原作通りに行くと、まさか皆さん思ってませんよね?