ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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英雄、色を好む。


第一章 4

 結局、ヴァーリはそのままリセスに首根っこをつかまれて帰っていった……というか搬送された。

 

 ちなみにペトとか呼ばれた少女もあの女性(ひと)からゲンコツをもらってKOされ、そのまま搬送された。

 

 いや、何だったんだ一体。

 

 ま、それはともかく。

 

「はっじめまして! 俺はヒロイ・カッシウス!! 特技は荒事全般と食えるものの目利き! 好きなことはひと夏のアバンチュールと知識を増やすこと!! よろしくな!!」

 

 ヒロイ・カッシウス、駒王学園に転校したぜ!!

 

 いやぁ、プールでゼノヴィアに説教した内容を聞かれていたらしく、「よければ駒王学園に通ってみる?」ってお嬢が誘ってくれてよ。

 

 はっはっはぁ!! これでも俺は教会では勤勉だったからな。学ぶって楽しいぜ!!

 

「ひ、ヒロイ!? お前も来たのかよ」

 

「ほぉ。これは面白くなりそうだね」

 

 と、HRが終わって短い時間のあいだ、俺はイッセーやゼノヴィアに詰め寄られた。

 

「やだ、彼かっこいいと思ったけど兵藤の友達なの?」

 

「あ、でもひと夏のアバンチュールが好きとか言ってたし、気が合うのかも」

 

「ノリ軽そうだし、実はかなりいい加減とか?」

 

「けっこうイケメンなのに……。残念だけど近寄らない方がいいわね」

 

 あっれぇ? 女子からの評判がいきなり底辺だぞぉ?

 

「おい、どういうことだイッセー!!」

 

「え、俺のせいなのか!?」

 

 思わず胸ぐらをつかみたい衝動に駆られちまうじゃねえかよ!!

 

 くっそぉ! つかみが肝心だからファッション感覚の学生っぽい軽い恋愛を楽しみたかったのによぉ!!

 

「ふっ。どうやらお前は俺たちと同様にエロに生きる者のようだな」

 

「今度の夏休みにナンパに行こうぜ? お前イケメンだから意外と女が寄ってきそうだしよ」

 

「元浜、松田……。お前ら初対面の男に言うことがそれか?」

 

 イッセーがツッコミを入れてくるが、つまりどういうことだ?

 

 疑問に思っていると、松田と呼ばれた坊主頭が俺に耳打ちする。

 

「なあ、実は女子バレー部の更衣室に覗けそうな穴を見つけたんだ。一緒に覗きに―」

 

「……こぉんのド阿呆がぁ!!」

 

 俺は速攻でボディブルォーを叩き込んだ。

 

 巻き舌がポイントだよ♪

 

「松田ぁああああ!!! 今天井まで浮いたけど大丈夫か!!」

 

「お、お前いきなり何をする!! 何が気に食わなかった!? え、エロビデオで勘弁してくれ!!」

 

「お前も何をこんなところでエロビデオ出してんだぼけぇ!!」

 

 俺は渾身のツッコミを入れた。

 

 ああ、そういやイッセーが覗きしてるとか言ってたなオイ。

 

 ……一言言おう。阿保か。

 

「おいイッセー!! お前もてたいんじゃなかったのか!? ハーレム王になるとか言ってなかったか!?」

 

「言ったにきまってんだろ!!」

 

「そうだ! 俺たちはハーレムを作るために駒王学園に入ったんだ!!」

 

「女子の比率がでかいからな!!」

 

 三人がかりで言いやがった!

 

 っていうかそれなのに覗き!?

 

「覗きがばれてモテるもくそもねえだろうが!! もてたいならもてるための努力をしろ!!」

 

「ふむ、興味本位で聞くがどうしろと?」

 

 おお、聞いてくれるかゼノヴィア!!

 

「狩場にしている場所で性犯罪などもってのほか!! そんなにたまってんならバイトして風俗行け、アホ!!」

 

 そんなあほなことして女が寄ってくると思ってんのか!!

 

「一周回って感心するぐらいの阿保だなテメぇら」

 

「そこまで言うか!?」

 

 元浜とかいわれた眼鏡が文句を言うが当たり前だ!!

 

「馬鹿野郎!! 女性に迷惑をかけない!! これはプレイボーイの作法だろうが!!」

 

 俺はこのド級の馬鹿野郎に渾身のツッコミを入れる。

 

「モテたいなら女性に嫌がられることをするな!! エロいことはあくまで同意の上でやるものです!! それが無理なら風俗に行け!!」

 

「いや、たしか小猫が高校生の風俗はダメらしいといってなかったか?」

 

 ハッ! そういえばそうだった!!

 

 しかし、俺だって成長してるのさ!!

 

「……ふっふっふ。そこについては安心しな」

 

 俺はにやりと笑うと、イッセー達の耳元に顔を近づける。

 

「昨日のうちにヤンキーどもをシメて聞き出した。……この近くにいわゆるヤ〇部屋がある」

 

「「「な、なんだって!?」」」

 

 三人が同時に食いついた。

 

 ああ、そうだろうそうだろう。

 

「女に迷惑をかけるような連中がモテようなんぞ千年早ぇ!! その性根を鍛えなおしてやるから、今日の放課後は俺に付き合ってもらうぜ!! ついでにゼノヴィア、お前も付き合え!!」

 

「「「え? 女子も!?」」」

 これに関しては大声で反応しやがったがまあ問題ない。

 

「ハッ! ゼノヴィアはバリバリの武闘派だからな!! 男子高校生の五人や十人、片手間にぶちのめせるわ!!」

 

 そういうことじゃねえがそういうことにしておくぜ!!

 

 ふははははは!!! この変態どもめ。俺の英雄譚の礎となるがいいわ!!

 

 学生生活で問題児を飼いならした男として、俺の英雄譚の添え物になりやがれ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、そういえば君に説教されて私も下準備を整えた。確かこのゴム製品を使えば子作りをしても問題ないんだったな?」

 

「「ここで出すな!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日の放課後、俺達は一つのアパートに来ていた。

 

 ……ああ、これがジャパニーズヤ〇部屋!!

 

 ついに、ついに、ついに!!

 

「ついに童貞を捨てられる……っ。 くふふふふふふはははははははっはっはっはっはっは!!!」

 

 俺は期待を押し殺さず、堂々とアパートの指定された部屋に入る。

 

「なあ、冷静に考えるとやばい連中の部屋に報復目的で誘導されたって方が正しいんじゃないか?」

 

「確かにな。アイツヤンキーをシメて聞き出したっていうしな」

 

 後ろで元浜と松田がそんなこと言って躊躇するが、しかし俺は気にしない。

 

 そして当然イッセーとゼノヴィアも気にしなかった。

 

「あ、大丈夫大丈夫。アイツむちゃくちゃ強いからヤクザぐらいなら返り討ちにするだろ」

 

「そうだな。その時も私が刀の錆にする……とか言えばいいのだったな、この時は」

 

 ふっふっふ。かのグレモリー次期当主の眷属悪魔二人がついているなら問題ねえ。

 

「良かったなゼノヴィア。こういうところの常連は経験豊富だし、練習相手としては童貞の俺やイッセーより妥当だろ」

 

「ふむ。しかし子作りの本命はお前かイッセーだ。しいて言えば木場も対象だな」

 

 いや、神器はランダムに人間に宿るらしいから、あまり意味がない気もするんだが。

 

「しかし、いかに追放されたとはいえ仮にも信徒がいきなりこれはやけになりすぎな気もしてきたな。……ああ、私は暴走しすぎではないでしょうか、主よ……あう!!」

 

 ゼノヴィア、お祈りする癖は治ってなかったんだな。

 

「ヒロイ! いざという時は本当に頼むぜ!! そして俺は童貞を卒業できるんだろうな!?」

 

「安心しろ。奴らの住所は確認済みだ。……違ったらもっと〆る」

 

 ここまで英雄を期待させておいて、だましだったりした時はただじゃ済まさねえ。

 

「「こ、怖ぇ~」」

 

 松田と元浜が震える中、俺は渡された鍵をドアノブにさす。

 

 よし、回る!!

 

 では、輝く未来へさあ行くぜ!!

 

「失礼しマッス!! ここでエロいことができるって聞いてきましたぁ!!!」

 

 ドアを開けて開幕速攻声を出し―

 

「……むぅ?」

 

「ふにゃ?」

 

 顔を赤くした、リセスとピンク髪がいた。

 

「あ、あの時の!?」

 

「まさかこんなところで出会うとはな」

 

 イッセーとゼノヴィアがそう反応してから、俺は我に返った。

 

「なんでだぁあああああああ!?」

 

 俺は絶叫した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おにいさぁん? 一応ね、ここがおまわりさんにばれると説教されるんだよ。静かにね?」

 

「あ、すいません」

 

 あ、しっかり説教されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結局、念のためということで今回はお開きになってしまった。無念!!

 

「お姉さまぁ。この人たちってグ……駒王学園の人スよね? なんであんな所に来たんスか?」

 

「ああ、俺達をヤ〇部屋に招待するとか言われてな。……なんで上げて落とされたんだよ、くそ!!」

 

 ピンク髪の疑問に元浜が答える。

 

 ああ、俺もマジでビビったぜ。度肝抜かれたぜ。

 

 そのせいで台無しになってマジすまん。だからハンバーガー奢ってんだろ赦して頂戴!!

 

「まあ、普通に高校生だって利用してるところだもの。進学校の生徒が来るななんて法律はないわね」

 

 リセスはそう答えると、ふふっと笑う。

 

「そこの2人は初めまして。私はリセス・イドル。ヨーロッパを中心に賞金稼ぎと……私立でボディガードをしてるわ」

 

「ぼ、ボディガードですか?」

 

 松田がカメラを構えそうになりながら聞くが、リセスは得意げに笑うとピースをした。

 

「とってもいいわよ? いつか英雄として名を遺すつもりだし、記念写真はいつかプレミアつくわね」

 

「色んな意味でマジですか!」

 

 すごいこと言ったので、松田はカメラを取り落としそうになった。

 

 なるほど、この人も俺と同じなのか。

 

「奇遇だな。俺もいつか英雄となるべく頑張ってるんだ!」

 

「そうなの? お互い変な目標を持っちゃったわね」

 

「ああ。だけど光に焦がれちまったからな。ま、くたばるまで進み続けるだけさ」

 

「確かにね。私も、どうしても強くなりたいからやめられないのよ」

 

 俺たちは会話がどんどん弾んでいく。

 

 そして、俺は心から歓喜に包まれていた。

 

 俺にとっての英雄もまた、英雄になろうとしている。

 

 俺にとってはもうすでに英雄だけど、彼女は英雄になろうとしている。

 

 もしかしたら、彼女は本当に英雄となれるかもしれない。人々から英雄と称えられるかもしれない。

 

 もしそうなったら、俺はきっとうれしすぎて死んじゃうかもしれない。

 

「なあ、あんたのこと姐さんって呼んでいいか?」

 

「……別にいいけど、そんなに長い付き合いにならないかもしれないわよ?」

 

 姐さんはそういうけど、俺はそれで十分だ。

 

「ああ、それでもいいんだ」

 

 俺たちの望む未来は困難だ。

 

 なりたいと思ってなれるほど簡単じゃない。おそらく高確率でなる前に死ぬような夢だ。

 

 でも、俺達はそれに焦がれた。

 

 俺が輝きに見せられたように、姐さんも何か理由があるんだろう。

 

 そして、姐さんでも死ぬかもしれないぐらいこの世の中には化け物が多い。もちろん俺だっていつ死ぬかわからねえ。

 

 だけど、それでも―

 

「英雄を目指すあんたのことを、俺は姐さんと呼びたい。いや、呼ばせてくれ」

 

「ふふっ。おかしな子だけど、気に入ったわ」

 

 姐さんはそういうと、俺の肩に手を置いた。

 

「私達が止まっているホテルに来なさい。台無しになったぶん、可愛がってあげる」

 

 ……………え?

 

 ヤ〇部屋が台無しになった代わりに可愛がってくれる?

 

 それって、つまり―

 

「………最高の童貞卒業だフヌォ!?」

 

「ヒロイ!? ヒロイしっかりしろ!!」

 

「おい、どうしたヒロイ!!」

 

 俺は歓喜のあまり意識が飛びかけ、イッセーとゼノヴィアは慌てて抱きかかえる。

 

「わ、我が人生無念はあっても後悔なしぃ~」

 

「本気でしっかりしろ!! お前には私に子供を作ってもらわなければ困る!!」

 

「お、俺が相手でもいいんだぜ? それよりしっかりしろよ! まだ童貞卒業してないぞ!!」

 

 わ、わかってるさ二人とも。俺はこんなところで死なねえよ。

 

 そうさ、あの日の輝きである姐さんで童貞卒業するまで、死んでたまるかぁあああああああ!!!

 

「……あ~、そういえば最近チェリー食べてないッスね。……そこの童貞臭いお二人さん? 良ければ自分に食べられるとうれしいッス」

 

「ま、マジか!! うっひょぉおおおおお!!!」

 

「胸がでかいのは残念だが、しかしこれはこれで!!」

 

 おお、松田と元浜も卒業ほぼ確定おめでとう!!

 

「んじゃ、先にいってるッス、お姉さま!!」

 

「ええ、私は支払いを終わらせてからいくから」

 

「「やっほーっい!!」」

 

 先にピンク髪が松田と元浜を連れてそのホテルとやらに出発していった。

 

「あ、おいてかれた!? おい、ヒロイしっかりしろ!! 俺もチェリー食べてもらいたい!!」

 

「待て。私の子作りの練習はどうなるんだ? 私はそのために連れてこられたはずなんだが?」

 

「それなら赤龍帝はその子で卒業したら? 私がサポートしてあげるわ。そういうのもやったことがあるから大丈夫」

 

「………マジで? うっわぁ、なんかアブノーマルで興奮してきた!!」

 

 お、おおおおおお!!! 起きろ俺の中の英雄魂!!

 

 ホテルで童貞卒業パーティとかすごいぞ!! 美女と美少女ってのがまじすっげえ!!

 

「うぉおおおお!! 限界を超えろ俺の中の英雄魂!! 英雄色を好む!!」

 

 俺は渾身の力を込めて立ち上がる。

 

 起き上がれ折れの中の何かぁああああああ!!!

 

 よし、立ったぞ! 立ったぞ俺!!

 

 いざ、童貞卒業の旅へとレッツご―

 

「ヒロイ、ゼノヴィア。……イッセー?」

 

 ピシリ

 

 そう擬音で表現するべき声が響きやがった。

 

 その声色、まさに音の絶対零度。

 

 怒りのオーラで俺の聴覚神経が震えあがる。

 

 俺たちは、恐る恐る後ろを振り返った。

 

「うぅうう。ヒロイさんたちが私を置いていってしまったので部長さんたちに相談してみたら……イッセーさんのなにをゼノヴィアさんは食べるんですか!?」

 

 アーシアが、何かを勘違いしながらも、嫌な予感を感じて涙目に!!

 

 俺の良心にクリティカルストライク!! 俺は死ぬぅ!!

 

「あらあら。こんな形でいいところを奪われるとは思いませんでしたわ。ゼノヴィアちゃんったら、不倫は私のジャンルですわよ?」

 

 朱乃さんが、ニコニコ笑顔の中に黒いオーラを込めてるよぉ~!

 

 俺の生存本能がエマージェンシー! 笑顔という名の雷撃が今にも落雷しそう!!

 

「ヒロイ。私のイッセーの貞操を勝手に捨てさせようとするなんて、覚悟はできているのかしら?」

 

 お嬢に至っては表情という名の表現が無の境地へと!!

 

 俺の危機察知能力よなんでバグった!! これは無表情という名の激怒の表情だよ!!

 

「姐さん。俺、姐さんとまた会えてよかった」

 

「いや、ちょっと待って? これ、私も危険なんだけれど」

 

 大丈夫だよ姐さん。俺が命懸けでしぶとく生き残るから、その間に逃げてくれ。

 

「どうしたんだみんな。……さあ、早く子作りの練習をしに行こう」

 

「空気読めゼノヴィア。俺たちは今、死地にいるから!!」

 

 イッセー。早くゼノヴィアから離れて逃げろ。

 

 あ、結界張られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 とりあえず、かろうじて生き残ったことだけは報告しておく。

 




エッチなお姉さんは好きですか? 自分は好きです!!
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