ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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修行回です。今度こそ修行風景を見ていきます。


第六章 4

 

 俺とペトがまず行ったのは、近くにいる木場とイッセーのところだった。

 

 リアス・グレモリー眷属ツートップの2人のガチ訓練は、近づける連中も少ねぇからな。他の連中はメニューが違うし、当然こうなる。

 

「ヤッホーっす! 調子はどうっすか?」

 

「やあペトさん。それにヒロイくんも」

 

 疲労困憊の様子で、木場が苦笑しながら手を上げる。

 

 イッセーも遅れて気づいて、俺達に手を振った。

 

「そっちは休憩か? 俺達もなんだよ」

 

「まあな。ついでに他の連中の訓練の成果を見てみようと思ってよ」

 

 ま、こっちはこっちで大変みたいだがな。

 

「まだなれねえのか、紅の鎧には」

 

「ああ。ドライグが最近眠りっぱなしだからさ」

 

 俺に応えるイッセーは、少し心配げな表情だった。

 

 最近、ドライグは眠ってばかりだという。

 

 イッセーの体を新造する時に、結構無理をしたらしい。それで疲れてるって話だ。

 

 まあ、体が消滅するって時点で大事だしな。その上、龍神まで使って新しく作るとかすっげえ大変そうではあるな。

 

 その所為で、真女王や譲渡強化の類が練習できねえってのが難点だ。

 

 まだ姐さんと木場の僧侶組が同時展開できるかも分からねえ。できるかどうかで戦術の組み立てが大分変わるからな。できりゃぁすぐにでも回復してほしいんだが……。

 

「まあ、気長に待つしかないね。他にする事も多いからさ」

 

「そうっすね。っていうか、顔色悪いっすけど大丈夫っすか?」

 

 ペトが木場を気遣うのも当たり前だ。

 

 割と顔色が悪いな、木場の奴。

 

 魔帝剣グラムの練習が今回のプログラムだったんだが、どうやら呪いがきついみたいだな。

 

 聖槍とか近くに置けば呪いは解けそうなんだが、木場は悪魔だから浄化されちまうだろうしな。どうしようもねえ。

 

「ただ振るうだけで体力や生命力が削れるよ。下手に全力を出せば、寿命すら削れるだろうね」

 

 なんつーリスキーな魔剣だよ。

 

 そんなもん平然と使ってんだから、ジークフリートの奴は頭がどうかしてるとしか言いようがねえ。

 

 正気の沙汰じゃぁ使えねえ魔剣ってか。かの高名なシグルドってのは、どんな気持ちで振るってたんだろうな。

 

「他の魔剣もこんな感じなのか? ジークフリートの奴は五本持ってた時期もあったが、何考えてたんだかねぇ」

 

「長生きする気はなかったんだと思うよ? それか、元居た施設で生命をいじくられていた可能性もあるね」

 

 俺のボヤキに対する木場の答えに、俺は頭を抱えたくなる。

 

 ほんと、どこも暗部ってのは頭いかれてる奴が多くて困る。和平がなされて大分ましになったし、必要悪ってのもあるけどな? 中にはとんでもない事ぶちかます奴がいるから困るぜ。

 

 バルパーとかが主導していた時の聖剣計画とかも酷かったしな。マジ勘弁してほしいぜ。

 

「それ、使わないって手もあるんじゃないっすか?」

 

「いや、それはもったいない。せっかくグラムが選んでくれたんだし、安全に使う方法を考えてみるさ」

 

 木場はそうペトに応えるが、俺はなんだか不安になってくるぜ。

 

 こいつ、イッセーのこと見習おうって節があるからな。それはそれで良い事なんだけどよ、悪いところまで見習いそうで怖い。

 

 最終手段にとっとけよ? 使いどころを見極めねえと、早死にするぞ。

 

 せっかく万年生きれる悪魔になったんだ。二十年も生きてねえのに死ぬなんて、もったいねえにもほどがある。

 

 ま、俺らが使わせねえ様に立ち回る事も考えねえといけねえって事か。

 

 有名どころのドラゴンは、大方こっちに協力的だしな。ま、そう簡単に使う事にはならねえだろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 で、次はイリナの指導を受けてるゼノヴィアの方に向かってみる。

 

「あ、ペトさんにヒロイくん!」

 

「やあ、二人とも休憩か?」

 

「そんなところっすー」

 

 ペトが元気よく挨拶し、俺はエクス・デュランダルに視線を向ける。

 

 これ、冷静に考えるとエクスカリバーとデュランダルの合体っていうシャレにならねえ豪華仕様なんだよなぁ。

 

 いくら和平がなされたからって、教会も大盤振る舞いだな。ストラーダ猊下は高齢だから前線を引くのも当然だろうけどよ、クリスタリディ猊下はまだ現役で行けるだろ。

 

 エクスカリバーの人工的な使い手は見繕えるはずなんだが……。

 

「そういや、聖剣計画ってどうなったんだ?」

 

「ああ、聖剣計画は完全凍結よ」

 

 マジか。この状況下でよくもまあやるもんだ。

 

「この戦力必須の時期にっすか? 思い切ったっすね」

 

「それもそうなんだけど、御使い(ブレイブ・セイント)で埋めれるもの。教義的に聖剣因子の移植や抜き取りはどうかって話になったのよ」

 

 ああ~。だからエクスカリバーも一か所に集められるってわけか。なるほどなぁ。

 

「で、使いこなせそうか?」

 

 俺が聞くと、ゼノヴィアは暗くなった。

 

 ……この女。エクスデュランダルを破壊の聖剣(エクスカリバー・ディストラクション)とデュランダルの機能だけで使っていくつもりだったらしい。

 

 おい、エクスカリバーの残りは他に分けてやれよ。戦力の一極集中の無駄遣いにもほどがあんだろ。俺はそう思ったね。

 

 だけど、俺達がヨーロッパで捧腹とやり合ってることにミリキャス様に色々言われてへこんだとか。

 

 まあ、まったく使わねえのはもったいねえわな。

 

「単純に攻撃を叩きつける私からすれば、いくつもの能力を複合させるのはどうも性に合わなくてな」

 

「ああ~。確かにそれは慣れが必要っすね」

 

 ペトも納得する理由があったな。確かに、気性的にも経験的にも、ゼノヴィアはそういうのに向いてねえか。

 

 エクスカリバーは、七つの機能を持っている聖剣だ。

 

 単純に威力がでかい破壊の聖剣(エクスカリバー・ディストラクション)

 

 スピードが上昇する天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)

 

 形状を自由自在に変化させる、擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)

 

 幻覚を見せたりする夢幻の聖剣(エクスカリバー・ナイトメア)

 

 刀身や自分を透明化させる、透明の聖剣(エクスカリバー・トランスペアレンシィ)

 

 聖別された物体などを強化する、祝福の聖剣(エクスカリバー・ブレッシング)

 

 そして、生物を支配する支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)

 

 どれもこれも癖が強いというか、方向性が独特だな。

 

 これを全部使いこなし、更には聖王剣コールブランドまで使ってたとかいうアーサー王はどんな化物だよ。

 

「まあ、必要な時にどれか一本に集中するとかでもいいんじゃねえか? それだけでも大分違うだろ」

 

 俺はそうフォローするけど、やっぱりこれ、難易度高くね?

 

 仲間に貸してサポートにするって運用もありだと思うんだけどなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして最後はウィザードタイプが中心の場所に。

 

 ちなみに、姐さんも今回はこっち側だ。

 

 なんでもお嬢が、新技の保険として参加を要望したらしい。

 

 で、イッセー達とも合流してきてみれば……。

 

「マジですかぃ」

 

 俺は目を見張った。

 

 今俺達の目の前にあるのは、消滅の魔力の球体。言葉にすりゃそれだけだ。

 

 だが、なんて言えばいいのか分からねえがシャレにならねえ。

 

 密度も質も桁違いだ。今までのお嬢が放ってきた消滅の魔力とは比べ物にならねえ。

 

「どうかしら。ちょっと実戦主体の必殺技を作ってみたわ」

 

 得意気な表情を浮かべるお嬢に、姐さんは苦笑を浮かべる。

 

「これはレーティングゲームでは使えないわね。システムでフォローが効かないぐらいやばい代物だわ」

 

 マジですかい。

 

「すごいですよリアス! これ、下手したら俺のクリムゾンブラスターより、強いんじゃありませんか!?」

 

 イッセーが目を見張るのもよく分かるぜ。コレ、マジでシャレにならねえ。

 

 だが、お嬢はまだまだだといわんばかりに苦笑を浮かべた。

 

「でも作るのに時間がかかるのよ。リセスと協力しても五分。私だけだとどれだけ掛かるか分からないわ」

 

「なるほど。それは使い勝手が悪そうっすね」

 

 ペトも呆れる時間の長さ。しかもこれ、生成に集中する必要がありそうだ。

 

 単独じゃ絶対できねえな。味方を指揮し従える王だからこそできる技ってわけか。

 

「それにアザゼルの話だと、どうもお兄様は本気を出すとこれぐらいの威力を連発するそうだわ」

 

「あと、リムヴァンは分身体でそれを何発も防いだとか言ってたわね」

 

 お嬢も姐さんも遠い目をした。

 

 どんだけインフレ激しいんだこの世界。龍王クラスすらどうにかしちまいそうな必殺奥義を連発とか、次元が違うだろ。

 

 それを何発も防ぐリムヴァンも化け物だな、ホント。いや知ってたけど。そのくせそれが分身体での話かよ。勘弁してくれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんでもって、ちょっと視線を向けるとそこにはロスヴァイセさんとアーシアが。

 

「アーシア。特訓頑張ってるか?」

 

 イッセーが声をかけると、アーシアは笑顔になって頷いた。

 

「はい。ちょっと苦労していますけど、どうにか形になりそうです」

 

「文字通り微力ですが、手を貸せるだけ貸してみました。何分召喚系統の魔法は苦手なもので……」

 

「まあ、人には得意不得意があるっすからねぇ」

 

 すまなそうにするロスヴァイセさんの肩を、ペトがぽんぽんと叩く。

 

 意外だったな。ロスヴァイセさん、何でも器用にこなせそうなイメージあるんだけど。

 

 いや、そういえばちょっと前にアースガルズに戻るまで防御系統も敵に押し切られてたな。意外と不器用なのかもしれねえ。

 

 アーシアはドラゴンとの契約を行って、緊急事態の自衛の手段を確保する方向で訓練してる。

 

 アーシア自身に戦闘技術をつけるより、そっちの方が有効だって感じで話はまとまってた。

 

 まあ、アーシアは荒事向きの性格してねえからな。人を殴る心構えとかはできねえだろ。向いてねえ向いてねえ。

 

 ならボディーガードを用意するってのは良い判断だろ。特に俺達実戦主体で考えなきゃいけねえからな。そう言う方法はありだ。

 

「そう言えば、レーティングゲームだと使い魔って制限かかるんすね」

 

 ああ、そうだな。

 

 ペトの言った通り。レーティングゲームだと使い魔の使用には制限がかかるそうだ。

 

 まあ、レーティングゲームは王の能力と眷属の力を示すわけだしな。使い魔とかに頼ってたらあれなんだろ。

 

 いわゆるテイマー系は活躍しづらい環境ってことか。いや、いっそのことテイマー系向けの競技とかするってのもありか?

 

 俺はふと、新しい金稼ぎの市場を見つけちまったかもしれねえ。

 

 ……これ、お嬢の親父さんに告げたら意外といけるんじゃね? 新商売でアイディア料がっぽりいけるんじゃね!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最後に顔を見せたのは、黒歌が指導しているギャスパーと小猫ちゃんのところ。

 

 いきなり黒歌が抱き着いて小猫ちゃんをパニクらせてるが、あんたそれは酷いだろ。

 

 っていうか今の、誰かがツッコミ入れなかったら色々何かやらかしてそうで怖いんだがな。

 

「そう言うことしてるから、小猫に嫌われるのよ?」

 

「うぐっ。言ってくれるじゃない、リセス」

 

 ……いつの間にやら、姐さんと黒歌は仲良くなったなぁ。

 

 何があったのか知らねえが、姐さんは黒歌に好意的だ。何があったんだろうな。

 

「しかし、私としては実戦で鍛えたいところだな。はぐれ悪魔の討伐任務がまた来たりしないだろうか」

 

 などと、絶賛苦労しているゼノヴィアがぼやいた。

 

 確かに、最近そういった任務が多いよな。

 

 リムヴァン達の神器研究によって、禁手に至る方法が開発されて広まってるのが原因だ。

 

 それで今まで鬱屈を溜めていた奴らが暴走して、暴れ回っているという事だ。

 

 当然実力者である俺達にも討伐任務が下りることがある。禁手に至っている連中が多いから、時々すごい嵌め手が来る事もあって大変だ。

 

 そんな奴ら相手にぶっつけ本番で新技開発とか、度胸あるな、ゼノヴィア。

 

「やめておきなさい。付け焼刃で戦場を生き残ろうなんて、自殺行為よ」

 

「それは違う。実戦で磨くからこそ輝く技量というものがあるだろう」

 

 などと、姐さんとゼノヴィアが言い合いを始める。

 

 まあ、この辺個人差ってもんが出てくるよなぁ。

 

 ……まあ、これも平和な証って事か。

 

 いいもんだな、平和ってもんも。

 

 いずれ英雄として荒事に飛び込んでいく俺にとって、これはきっと貴重なもんになるんだろうな。

 

 ああ。大事にするか。

 




ま、原作の展開を広い視点で見る程度なんですけどね。

それはともかくリアスはリセスと組むと強化されます。具体的には消滅の魔星の展開速度が大幅に短縮されます。

もっともこれはリアス単体で見たらの話。リセスの戦力を五分間も外すのはリスクが大きいし、なによりリセスのディストピアアンドユートピアの威力もシャレになりませんからね。悪魔でできるだけです。
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