ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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そしてVSグレンデル。

ですがまあ、今回はイッセーを名指しで指名していることもあるので、ヒロイもリセスも観戦する方向で……。


第六章 15

 

 俺達はその戦いを見てみるが、どっちに驚いたらいいか分からねえな。

 

 この業界に参入してから一年経ってねえイッセーが、伝説の邪龍相手にあそこまで戦えてる事を驚くべきか。

 

 それとも、覇を克服するという飛んでもねえ真似をぶちかました今のイッセーと、互角に戦えてるグレンデルに驚くべきか。

 

「ま、どっちにしても全力の龍王とまともにやり合える化け物だらけってことは間違いねえな」

 

「そうですね。双方ともに、既に並の最上級悪魔では勝ち目が薄い領域でしょう」

 

 俺の感想に、会長も同意見っぽいな。

 

 っていうか並の最上級悪魔ってなんだよ。パワーワードにもほどがあるだろうが。

 

 何よりビビるべきは、やっぱグレンデルの方か。

 

 どんだけ糞頑丈なのか分からねえ。なにより、アスカロンのオーラをもろに喰らってもダメージが大したことねえってのがすげえ。

 

 アスカロンは龍殺しの聖剣の中じゃ最高峰の一品のはずだ。にも関わらず、もろに喰らってんのにぴんぴんしてやがる。

 

 あのヴァーリですら、もろに喰らえば鎧が砕けるほどのダメージを負ったんだ。それも、イッセーが不完全な禁手を使っている状態でだ。

 

 既にイッセーは禁手に至っている。そして、今展開している真女王は通常状態の禁手の遥か上を行くはずだ。止めにアスカロンのオーラの制御もかなり上達している。

 

 ……ただ単にグレンデルが強いってだけじゃねえだろ。どう考えても何かしらの強化がされてるはずだ。

 

 そもそも強化改造はリムヴァンの十八番だからな。たぶん邪龍もそのまま復活ってことはねえだろうよ。

 

「で、どう思います?」

 

「完全に観戦ムードですね……」

 

 ロスヴァイセさんに呆れられるけど、俺だってチャンスと判断したら介入するつもりじゃありますぜ?

 

 ただ、なんだかんだでローブの奴が目を光らせてるからな。下手に動くとドーインジャーまで出されかねねえんで、動きづらいんすよ。

 

「やはり伝説の邪龍なだけはありますわ。今のイッセー君とまともに戦える存在なんて、最上級悪魔クラス以上でなければいけませんもの」

 

 朱乃さんも、グレンデルのやばさに戦慄してるって感じだ。

 

 ああ。最上級クラスじゃなけりゃぁ、今のイッセーは倒せねえ。たぶんだけど、コカビエルを一対一で倒すことができるぐらいには強くなってるしな。

 

 ヴァーリが極覇龍を開発するわけだ。防戦に徹すりゃそれでも時間切れになるまでしのげそうだしな。今のイッセーは歴代最強の赤龍帝だろ。

 

 だが、このままってのもあれだな。

 

 あんだけ好きに暴れさせておいて、そのまま好きに戦わせるってのもなんか嫌だ。マジむかつく。

 

 どうせここに至るまでの流れも想定の範囲内だったみたいだろうし、一発ぐらいぎゃふんといわせてぇところなんだけどよ……。

 

 そう思った瞬間、グレンデルの火球がこっちに飛んできた。

 

「おっと」

 

「あらら」

 

 俺と姐さんがあっさり弾き飛ばすが、問題はそこじゃねえ。

 

「おいおい。一対一の勝負を挑んだのはそっちだろうが」

 

「まったくね。外野に危害を加えないようにしてくれないかしら?」

 

 一歩前に出て臨戦態勢を取りながら、俺も姐さんも戦う準備を取る。

 

 あれは間違いなく流れ弾じゃなく、こっちを狙った攻撃だった。

 

『悪ぃ悪ぃ。時々マジでぶっ殺さねえとテンションが維持できなくてよ! でもまあ、そそる相手なようで安心したぜ!』

 

 ……ああ。こいつ根っからの外道だ。

 

 どうやら、最初っから一対一なんて綺麗な勝負をさせる必要はなかったみてぇだな。

 

「最初に前提条件破ったのはそっちなんだから、ここで俺らがぶっ倒しても文句はねえよなぁ?」

 

「そうね。私達も暴れたりなかったのよ」

 

「……隙あらば介入する気だったのでは?」

 

 俺と姐さんに会長からのツッコミが飛ぶ!!

 

 だけど気にしねえ! どうせこっからは総力戦だろうからな!!

 

「困りましたね。一対一の方がいいデータが取れそうだったのですが」

 

 そういいながら、ローブの男が一歩前に出ながら、指を慣らす。

 

 そして、ドーインジャーが動き出した。

 

 ハッ! 最初っからこの流れも予測内だった感じだろうが!

 

 おそらくドーインジャーは対悪魔仕様のD型。それも高性能仕様だ。

 

 今更下級と互角程度の連中を、俺ら相手に投入してくるわけがねえしな。それ位のことは予想ができる。

 

「まあいいでしょう。まだ撤退の指示は出てませんし、()()のテストもさせていただきま―」

 

 そういいながら左腕を持ち上げようとした時―

 

「―いや、撤退指示が今出たよん♪」

 

 その言葉と共に、リムヴァンが姿を現しやがった。

 

「―リムヴァン・フェニックスですか」

 

「やっほほーい! 三大勢力の皆はとっても大嫌いな、リムヴァン君だぜぃ!」

 

 ニコニコ笑顔でポーズを決めながら、リムヴァンは軽快な挨拶をぶちかます。

 

 すっげぇ神経逆なでされるんだがな、オイ。

 

『ざっけんなよ! ようやく体があったまってきたんだぜ!? もうちょっとぶっ殺し合いをさせてくれよ!!』

 

 グレンデルが文句を言うが、リムヴァンは一回転しながらサラリとスルー。そしてローブの男に視線を向ける。

 

「Lから指示きたよん♪ そろそろマリウスくんと打ち合わせするから、君にも来てほしいってさ」

 

「そうですか。もうそんな時間でしたか。態々ご足労をかけて申し訳ありません。リムヴァン様」

 

 そう言いながら、ローブの男はリムヴァンに跪いた。

 

 なんだ? あのローブの男にとって、リムヴァンはそれほどの相手なのか?

 

 今までの連中は、割とフランクというか雑な対応をしてたはずなんだがな。

 

 なんというか、あいつからは崇拝の感情が浮かんでいる。

 

「そんなにかしこまらなくてもいいよん。それとグレンデル、君にはアジ・ダハーカの援護に行ってほしいんだよ。ヴァーリきゅんとやり合ってるんだけど結構苦戦してるみたいでさ」

 

『そう言うことなら早く言えってんだ! 今度はアルビオンの奴か、楽しめそうだぜ!!』

 

 アジ・ダハーカってーと、確か奴も邪龍の一匹だったな。

 

 なるほど、こりゃ有名どころの邪龍は全部復活してると考えてよさそうだ。邪龍以外の連中も復活してる可能性もありそうだな。

 

 ニエはその為のテストも兼ねてたと考えるべきか? とにかく、強敵であることには変わりねえな。

 

 そしてそっちに興味が行ったのか、グレンデルは俺達に方を向いてニヤリと嘲笑う。

 

『糞のドライグと根暗のヴリトラ。んでもってなんかわけわかんなくなってるファーブニルはまた今度だ。ついでにそっちの神滅具使いってのも含めてぶっ殺してやるからよ。死ぬんじゃねえぞ?』

 

 ……俺と姐さんもターゲットに入ったか。

 

 どうやら、さっきの攻撃をあっさり吹っ飛ばしたことで興味惹かれたらしいな。

 

 英雄目指す身としちゃぁ、邪龍の宿敵認定されるのは嬉しい事なんだろうがな。当分は曹操に集中したいんだがよ。

 

「……ああ、帰る前に挨拶ぐらいはしといたら?」

 

 霧を展開しながら、リムヴァンはローブの男にそう告げる。

 

 それに頷いて、ローブの男はフードを取ると顔を見せた。

 

 ……誰かに似てるな。なんというか、ロスヴァイセさんに雰囲気が似てるというか、もっと似てる人を見たことがあるような……。

 

「改めまして初めまして。私はグレイフィア・ルキフグスの弟、ユーグリッド・ルキフグスです」

 

 はぁ!? グレイフィアさんの……弟!?

 

 俺らが目を見開く中、生徒会長は納得したのか一つ頷いた。

 

「なるほど。貴方が潜入の手引きをしたということですね」

 

「ええ。姉と近いオーラを持つので、比較的楽に潜入できました」

 

 マジか。そういや、俺らの近親者なら潜入できるかもしれねえって言ってたな。

 

 っていうかグレイフィアさんに弟居たのかよ。マジかびっくりだ。

 

「まあ、もはやどうでもいい姉ですけどね。今の私にとっては、本当にどうでもいい」

 

「そうですか。貴方は旧魔王派についているということでよろしいのですか?」

 

「というより、リムヴァン様に仕えていると考えてくだされたほうがよろしいかと」

 

 ……会長に応えるユーグリッドには、何か不気味な雰囲気がある。

 

 なんだ? なんか嫌な予感がするんだが……。

 

 そう思う俺の視線の先、リムヴァンは愉快な笑みを浮かべると一礼をした。

 

「それでは皆さん。そろそろ僕達も本腰を入れるので、その辺覚悟しておいてくれたまえ」

 

 え? ちょっと待って!?

 

「おいちょっと待て! 本腰っていったい何する気だ!?」

 

 っていうか今まで本腰入れてなかったのかよ!?

 

 イッセーが追いかけようとするが、リムヴァンはニコニコ笑顔を浮かべると、ふふんと鼻を鳴らした。

 

「それはまあ、たぶん数日後に分かると思うよん?」

 

 ……何する気だ、お前ぇえええええ!!!

 

 俺らがそんな不安を感じる中、リムヴァン達は霧に包まれて消えていった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんかもやもやしたものを残しながら、俺達は一応帰還する。

 

 そんでもって今回のオチ。

 

 今回のヴィクターの同時多発作戦だが、結局俺達は今度も乗り切った。

 

 同時多発的な作戦行動において、俺達駒王町のメンツはとりあえず追い返す事はきちんとできてるケースが多い。京都の時とかクーデターも失敗したしな。

 

 で、今回なんだが―

 

「ねえ、レイヴェルさん! 悪魔のことについて教えて!?」

 

「契約って俺でもできるの? 魂とか取られたりしない?」

 

「え、えっとお待ちくださいな。順番に……」

 

 などという会話をよく見るようになった。

 

 結局、レイヴェルのクラスメイトでレイヴェルを怖がる奴らは全く出てない。

 

 流石に他のクラスや三年生の中にはちょっと気味悪がる奴はいるが、その辺はお嬢達がフォローに回っている。一年生にも人間の異能関係者トップクラスの百鬼家の奴がいたしな。

 

 二年生に至っちゃゼロだ。京都でトラウマになったかと思いきや、異能関係者である俺達が正体明かして解決に尽力したことで、逆に慣れてるって感じだ。

 

 おい、ヴィクター。これ見て悔しがれよ。

 

 異形と人間の融和はお前らの専売特許ってわけじゃねえ。俺達だって、ゆっくりとだけどきちんとできてんだぜ?

 

 本腰入れるならやってみろ。俺らだって、そう簡単にはやられやしねえからよ。

 




なんだかんだで、日本は異形と仲良くし始めているというオチ。ヴィクターからすればぐぎぎ状態ですね。

結果的に人間の異能関係者が出張る羽目見なったことも大きいです。

そして次はダークナイト編をちょっぴりだけやって、デイウォーカー編に突入します。

そのあたりでついにリムヴァンの秘密について判明します。というより、そろそろばらしておかないと引っ張りすぎて大変だということに気づきました。
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