ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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一話だけダークナイト編を書いてから、デイウォーカー編に突入します。

ヒロイたちがかかわりにくい短編だらけなので、あまり関与させる余地がありませんでした。


第六章 16 煌天雷獄VS煌天雷獄

 

 それから数日、俺達は俺達で、色々と過ごしていた。

 

 お嬢達の報告を待っている間に、プールで遊んだり特訓したり。

 

 そんなわけで、そんな俺達の特訓風景をのぞかせてやろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……この間合いは、私の距離よ!!」

 

「え、あ、ちょっとタンマ!?」

 

 はい。これでこの模擬戦も姐さんの勝利だな。

 

「うっわぁ。デュリオこれで三敗目じゃねえか?」

 

「正確には、二勝三敗で負け越しだね」

 

 と、イッセー及び、神の子を見張る者(グリゴリ)の懐刀である、幾瀬鳶雄の感想が漏れる。

 

 ひょんなことから兵藤邸にこの二人の神滅具使いがお邪魔した事から、模擬戦やトレーニングをする事になった。

 

 そんでもって、天界のジョーカーであるデュリオ及び、神の子を見張る者の精鋭である姐さん。この二人の煌天雷獄使いの模擬戦五本勝負が始まったわけだ。

 

 はっきり言おう。この調子なら三本先取で姐さんの勝ちだ。

 

 いや、デュリオが弱いわけじゃない。どっちかというまでもなくデュリオは強い。

 

 ジョーカーの(スート)で転生天使になったのは伊達じゃねえ。その戦闘能力は非常に高く、教会の悪魔祓いだった頃でも聖書の教え陣営じゃ最強格だ。

 

 だから二本先取してるわけだ。姐さんが神器を複数保有していることを考えれば、むしろかなり強いと言ってもいいだろう。

 

 だが、三本目で流れは変わった。

 

 ごり押しで姐さんが接近戦を挑むようになってから戦況は一変。

 

 クロスレンジの技量では姉さんが上なのか、終始圧倒されっぱなしなデュリオ。

 

 総合的な出力関係では普通に上回っているのでそれで対抗しようともした。が、各種属性の支配能力では上回っているのか、姐さんはすぐに逸らして対応してのけた。

 

 天候操作も干渉されて狙いが大雑把になり、もろともダメージを喰らう為うかつに使用できない。その為天候操作で姐さんに立ち向かう事もできない。

 

 転生天使の能力を最大限に発揮して闘う事で何とか立ち回ってるが、姐さんも始原の人間(アダム・サピエンス)で身体能力を上げて強引に押し切るという手段で対抗した。

 

 結果として、デュリオが三連敗による逆転敗北を喫するのも時間の問題と化していた。

 

「……あれでも現役最強の悪魔祓いから転生天使になった者なのですが。恐るべしは神の子を見張る者の神滅具使いと言ったところでしょうか」

 

 シスター・グリゼルダが感心半分呆れ半分の表情で、唖然となっているのも仕方がないだろう。

 

 まあ、俺からすれば仕方がねえともいえるけどな。

 

「……総合的な煌天雷獄の適性や操作能力では、彼の方が上なんだけどね」

 

「ですよね。でもリセスさんは神器の数と属性支配の適性、そして殴り合いの技量で強引に押し切ってるのがすげえ」

 

 幾瀬とイッセーが感心するほど、姐さんはクロスレンジに持ち込むことで優位に立ち回っていた。

 

 まあ、お互いに出力が高いしやり慣れてない。だから適度な加減がしにくいってのもあるんだろうけどな。

 

「だけどまあ。ここに来れて良かったよ。君のところの女王には俺も縁があるからね」

 

 と、幾瀬は幾瀬で、生徒会長と一緒に魔力運用などのトレーニングをしている朱乃さんに視線を向ける。

 

 ん? 知り合いか何かか?

 

 いや、それにしちゃ朱乃さんの方からのリアクションが特になかったような気がするんだが……。

 

「ま、まさか元カレ!?」

 

 イッセーはイッセーであほな方向に妄想してるし。

 

 たぶん違うだろ。幾瀬さんも苦笑してるし。

 

「いや、俺も祖母が姫島家の出身でね。おかげで死ななくて済んだんだけど、五代宗家のもめ事に巻き込まれたり、絡まれたりした事があってさ」

 

 あ、そうなのか。

 

 五代宗家って、数年前の代替わりまでは日本でも屈指の排他的な勢力だったらしいからなぁ。

 

 身内相手でもかなり厳しかったらしい。結構大変だったろうに。

 

 ちょっと前に聞いたばかりだけど、朱乃さんも殺されかけたらしいしな。お嬢達グレモリー家が丸ごと身柄をもらい受ける形にした事で、何とか和平締結までしのぐことができたとか。

 

「そうなんですか? ヴァーリみたいにお父さんがすごかったとか?」

 

「いや、生まれた頃から禁手に覚醒しててね。総督がいうには普通は物心つく前に死んでる類なんだけど、俺の場合は術で抑制してもらったから」

 

 またすげえな。ヴァーリとは別の意味でチートじゃねえか。

 

 姐さんも姐さんで特例中の特例だ。神の子を見張る者に属している神滅具使いは、どいつもこいつも規格外だな。

 

 生まれた時から禁手に目覚めた幾瀬さん。魔王の末裔とのコンボであるヴァーリ。そんでもって後天的に移植したレアケース中のレアケースであるはずだった姐さん。

 

 グリゴリのレアキャラっぷりすげえ。グレモリー眷属にも匹敵するチートだな。

 

「最近は朱雀達のおかげでだいぶ緩くなったけど、五代宗家はかなり排他的かつ閉鎖的だからね、おかげで色々と大変な事になったよ」

 

「ああ、虚蝉機関の事件とかあったな。あれ、確か五代宗家から追放された連中がしでかしたんだよな?」

 

 俺は思い当たるところがあったので、ついそれを漏らす。

 

 幾瀬さんも苦笑を浮かべると、そのまま上を見上げた。

 

「あれがなければ、俺は今でもただの一般人だったはずだよ。それぐらいしっかりと祖母は封印してくれたからね」

 

 ……この人も何かあったんだろうなぁ。

 

「そう言えば独立具現型って、神器が独自の意志で動くんですよね。そう言う意味じゃあだいぶ闘うのが楽そうですね」

 

「そうでもないよ。指示をきちんと出さないと真価を発揮できないし、本人ががら空きになるリスクがあるからね」

 

「民間人がもらっても、一対多になった瞬間に詰みそうだな。イッセーの場合は赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)でよかったな。単純だから分かり易いし」

 

 と、神滅具使い同士で会話が弾む中。デュリオが一回転して吹っ飛んだ。

 

 どうやら煌天雷獄同士の対決は、相性差で姐さんが勝利を掴んだようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アザゼルSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、俺達はどうしたもんかと思う。

 

「……で? リゼヴィムの奴がヴィクターについてるってのはマジか?」

 

 カーミラの領地で俺はヴァーリと出くわして、その事実を聞いた。

 

 独自に禍の団の内情を探っていたヴァーリが掴んだこの情報は、かなり面倒な事になっている証拠と言ってもいい。

 

 リゼヴィム・リヴァン・ルシファー。正当なルシファーの末裔にして、最後の超越者。

 

 奴の超越者としての特性は特定条件下じゃなけりゃ真価を発揮しないが、ぶっちゃけイッセーやヴァーリにとっては天敵に近い。

 

 あいつが第三勢力になってくれればと思わずにはいられない。あいつはリムヴァンにとっても天敵だからな。三すくみになってややこしいかもしれねえが、上手くすればリムヴァンの足止めにはもってこいだ。

 

 だが、今の話が本当なら……。

 

「ああ、本当だ。あの糞野郎はリムヴァンと前からつるんでいたようだ」

 

 奥歯を砕きかねないぐらい食いしばりながら、ヴァーリは吐き捨てた。

 

 当たり前の反応だな。ヴァーリからしてみりゃ、怨敵と言っても過言じゃねえ。

 

 あの野郎の性格の悪さは俺もよく知ってる。ある意味であれほど悪魔ってやつを体現してるやつを、俺は知らねえよ。

 

 だがどういうこった? あの野郎が、なんで態々ヴィクターに協力する?

 

 アイツは割と退廃的というか、自堕落というか、性格は悪いが積極性に欠けていた。

 

 なんといえばいいのか。俺にとっての神器に値するものがない。熱がないとでもいえばいいんだろうか。

 

 確かにあいつは悪意の塊だが、それでも態々ヴィクターに参加して今まで表に出てこずに行動ってのが想像つかねえ。

 

 悪魔側の内乱の時だって、かなり早い段階で手を引いてたぐらいだ。もしあいつが積極的に動いてたのなら、内乱の結果は逆としても不思議じゃないからな。

 

 その野郎が、今更になって 本格的に行動開始だと?

 

 ……どういうことか全く分からねえ。だが、それが危険だって事だけはよく分かる。

 

 断言していい。こっから先のヴィクターとの戦いはますます荒れるぞ。

 

「……それで? そちらも対策は必要じゃないのかい?」

 

 ヴァーリの言う通りだ。できる限り急いで対策をとる必要がある。

 

「今、帝釈天と交渉して闘戦勝仏がお前から抜き取ったサマエルの毒のデータを取ってるところだ」

 

「……ほう」

 

 色々と興味深いのか、ヴァーリが目を細める。

 

 まあ、ドラゴンに対する天敵中の天敵であるサマエルは対策必須だからな。ヴァーリからしてみても興味はあるだろう。

 

 どうせヴィクター経済連合から追放されて居場所もねえだろうし、これを餌にこっちに戻らせるか?

 

 ……と言いたいが、それも結構難しいな。

 

 なにせ、こいつが会談の情報を流した所為で教会は大打撃だ。

 

 なにせ教えの根本ともいえる聖書の神が既に死んでるって知られたんだからな。その影響は未だに大きい。

 

 世界大国の多くが混乱状態で、犯罪発生率は大幅向上。数倍になっている国なんて珍しくもねえ。そこにヴィクターが付け込んで、更に大混乱になってやがる。

 

 聖書の神のシステムもバグが発生しやすくなって、あわや壊滅的打撃になるところだった。そっちは俺らやアジュカ・ベルゼブブの協力もあって落ち着いたが、あとちょっとで天界は崩壊してたかもしれねえ。

 

 その辺を考慮すると、ヴァーリを引き込むのは難しい。何かそれ以上のメリットを生み出さねえと、悪魔側や俺達堕天使側はともかく、教会側が納得しねえだろ。

 

 いや、どっちにしても教会もあらゆる勢力との和平でストレスが溜まっている節がある。

 

 ただでさえ心のよりどころである聖書の神が既に死んでることが分かっちまってるんだ。……いっそのこと、何らかの形で爆発させた方がいいんじゃねえだろうか……。

 

「まあそれはいいか。それよりヴァーリ。お前……」

 

 まずはヴァーリの意思確認が重要だな。

 

 俺はそう思い直して、ヴァーリと久しぶりに腹を割って話しをしようとして―

 

『―アザゼル!!』

 

 突然、リアスから通信が届いて俺はひっくり返りそうになった。

 

 いきなりすぎんだろ!! なんだ、なにがあった?

 

「どうしたリアス。ギャスパーの秘密はどんだけやばかったんだ?」

 

 緊急で連絡するなら、その辺が妥当だろう。

 

 カーミラかツェペシュがお互いに戦争吹っ掛けたって可能性もあるが、それならこんなに静かなんて事はないだろう。

 

 というより、今吸血鬼同士で揉めたら俺らかヴィクターが大きく動く。そうなったら共倒れの可能性だってあるだろう。

 

 だからそんな事はないと思うんだが……。

 

『……ツェペシュでクーデターが勃発したわ。それも、担ぎ上げられたのが―』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……その説明を聞いて、俺はとんでもない事態が発生した事をいやというほど理解した。

 

 どうやら、イッセー達を連れてくる必要に迫られたみたいだな、これは。

 

 




デュリオがリセスに一方的にやられている感じになりましたが、これは本当に相性の問題です。

逆にリセスは対軍戦闘だと大幅にデュリオに劣ります。これはもう、個々人の煌天雷獄の適性ですね。









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