ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ 作:グレン×グレン
ま、マジか。平行世界からの来訪者って……マジかよ!?
俺、今更になってだけどものすごく驚いてるよ!? 正直びっくりしまくってるよ!?
え、うっそぉ!! 平行世界から来たって、うっそぉ!?
「リムヴァン・フェニックス! いったい何故、平行世界からの来訪者がこの世界でヴィクター経済連合を作り出した!!」
木場がグラムを抜いて、その切っ先を突き付ける。
それを余裕の表情で見つめながら、リムヴァンは肩をすくめる。
「敵に全部教える気はないよ。今回は、僕たちの新たなる切り札と最後通告をしようと思ってね」
「最後通告ですって!?」
「オーフィスを分化させておいて、何を考えている!!」
イリナとアザゼル先生が目を見開く中、今度はリゼヴィムがにやりと笑った。
「アザゼル先生。実をいうとねぇ。最初っからオーフィスちゃんは切り捨てる予定だったんだよ、僕らはね」
マジか。……いや、それもそうだよな。
オーフィスがグレートレッドを倒したら、世界に悪影響が出る。それが研究者達の通説だ。
ヴィクター経済連合は世界の覇権を狙ってるんだ。その支配する世界を台無しにする真似をするわけがない。
リムヴァンもそれには頷いた。
「元から契約したのは禍の団の幹部陣で、オーフィスちゃんとは契約してなかったからね。僕は契約は基本守るけど、交わした契約に「グレートレッドの抹殺」は入ってないからさ」
この野郎。やっぱりヴィクターはロクな連中じゃねえな。
純真な子供だったオーフィスをそそのかして、いいように利用しやがって。本当に腹が立つ。
俺が苛立っていると、今度はリゼヴィムがにやりと笑う。
「だけど、これでオーフィスは半々の状態。総合的には俺達は不利なわけだ。第一、裏切るタイミングを間違えたらオーフィスも敵に回るしねぇ」
た、確かに!
で、それがどうしたんだ?
俺が首を傾げると、リゼヴィムは指を一本立てた。
「じゃ、そうなったらどうする予定だったか? サマエルを使っちゃう? いや、あれは当初の予定じゃなったし、ハーデス爺さんに偉そうにされるのは嫌だ。そもそも扱い方を間違えると、ウチの邪龍軍団もやられそうだし、諸刃の剣だからね」
あ、ハーデスの奴を味方に引き入れたのはアドリブだったんだ。
確かに、邪龍軍団の対策にサマエルを使われたらやられるもんな。せっかく復活させたグレンデルやアジ・ダハーカがもったいない。
「じゃ、俺やリムヴァン君? いやいや、流石に死ぬ。それは死ぬ」
あ、リゼヴィムやリムヴァンも、流石に二人掛かりでもオーフィスを倒せるわけじゃないんだ。今の段階でもキツイっぽいな、コレ。
でも、だったらどうするつもりだったんだ?
胸騒ぎが凄い。絶対にロクな事じゃねえ。
「答えは僕から言おうか。……僕は平行世界で、あるものの存在の確証を得た。そして、Lと一緒に封印されたそれを確保した」
なんだ?
全盛期のオーフィスすら倒せるかもしれない、封印された存在。
そんなもの、いんのか? 知ってたら、どこの勢力だって警戒厳重にしてるだろうし、取られたら流石に言うだろ。後でばれたら集中砲火で叩かれるし。
「勘のいいアザゼル先生なら分かるんじゃないかな~? ろーくろーくろーく―」
「……
アザゼル先生が明らかに狼狽する。
な、何ですかスリーシックスって!? いや、なんか不吉な響きなのは俺でも知ってますけどね!?
「あれは、存在が本当にあるかすらまだ分かってないはず、どうやって見つけやがった!!」
「そりゃもう、以前聖杯を獲得してテストしたりとか、探索特化型の複合禁手使ったりとかでねぇ。割と暇を持て余したりしてるんだよ僕は」
目を血走らせながら問い質すアザゼル先生に、リムヴァンはなんてこともないように答える。
っていうか暇を持て余して、全盛期のオーフィスクラスの化け物を探すって馬鹿か! 他になんかやる事あるだろ!?
で、先生。そのスリーシックスって?
「ま、見つけた時は封印されてたし、それまでにやりすぎてたからその時は手配されちゃって逃げるしかなかったんだけどね。だけど僕はまっさらな世界に逃げ込めるから、こういう手腕も取れるってわけさ」
「トライ&エラーをぽんぽんできるって、すっげぇ羨ましいぜ!!」
ため息をついたリムヴァンの肩に手を置きながら、リゼヴィムがそう羨ましがる。
と、とりあえずあいつが最初に見つけた世界だと、その666ってのは使われなかったんだな。それは良かった。
「で、二回目は二回目で大暴れできたんだけど、うっかり間違えてグレートレッドとオーフィスのタッグが成立しちゃってねぇ。今度は余波で世界がそれどころじゃないから逃げてきちゃったよ」
二回目あったんかい!!
っていうか大惨事じゃねえか!! 余波で大陸の一つぐらい吹っ飛んでもおかしくないぐらいの大激戦っぽいぞ、それ。
そして、だから、ろくろくろくってなんだよ!?
「先生! 無知な俺にそのろくなんたらについて教えてください!!」
「黙示録でグレートレッドと並び称される化け物だ!!」
馬鹿でも分かる分かり易い説明、ありがとうございます!!
っていうかホントにやばいじゃねえか。実際オーフィスとグレートレッドがタッグ組む事を決意させるレベルだし、激やばじゃねえか。
そんなもんの封印解除されたら……!
「てめえら、なんでそんな事をするんだよ!!」
「そりゃ、ヴィクターを勝たせる為に決まってるじゃないか」
俺の糾弾に、リムヴァンは「何言ってんのコイツ」とでも言わんばかりの態度で答えた。
動揺とかそういうのが一切ない。心の底から当たり前の事をしているかのように言い切りやがった。
「いいかいイッセー君。僕は、ヴィクターを結成する時に「世界の覇権」を約束した。だから、想定上最大の脅威であるグレートレッドを倒せる切り札を用意するのは当然だ」
た、確かに世界で好き勝手すると、次元の狭間も引っ掻き回しそうだから、グレートレッドも切れそうだな。
だからって、マジでそんな事するのかよ!!
正気の沙汰じゃない。頭がイカレてるにもほどがある。
前から知ってたけど、今更ながらに思い知った。
こいつ、本気でヤバイ!!
「
しかも、その封印解除が全世界に対する全面戦争の本気モードの幕開けかよ!!
クソッタレ!! グレートレッドど同格の化け物を投入して来たら、俺達どころか三大勢力とその同盟が総力を挙げてもただじゃ済まねえぞ!!
それにリリスもいる。全盛期の二天龍を二回りも上回る超絶強いあいつがいることも考えると、マジでやばい。
味方の神滅具使い全員で叩き潰すにしても、リゼヴィムがいるんじゃ返り討ちにあう可能性だってある。
……って待て?
「ちょっと待て! さっきからお前ら、封印って言ったか!?」
俺は思わず聞いちゃった。
だけどそうだよ。さっきからリムヴァンは封印とか言ってた。
グレートレッドに匹敵する化け物を封印。そんな事できる奴、この世界にいるのかよ?
そんな気持ちでつい聞いたけど、その言葉にリゼヴィムが指を一本たてる。
「いい質問だイッセー君! 僕は君に80点ぐらい上げたい! そう、このトライヘキサ君を封印しちゃった奴がいるのです!! 誰だと思うぅ?」
すっげえむかつく言い方だけど、確かに気になる。
グレートレッドとまともにやり合える化け物を封印なんて、主神クラスだって一人じゃできないはずだ。それができるならオーフィスをどうにかするのにハーデスからサマエルをもらう必要もない。
いったい誰が?
リゼヴィムは指を一本立てる。
「聖書の神様さ。あの神様はまじすっげえよ。龍神クラスの化け物を封印すんだからよ。もっとも、主神クラスでも使ったら死ぬような禁術をたくさん使ってたがね」
感心しているリゼヴィムに、リムヴァンも同意したのかなんかしきりに頷いてる。
「多分だけど、その状態で初代四大魔王とやり合ったのが死んだ理由の一つじゃないかな? あれはキッツい。マジでキッツい」
そ、そうだったのか。そんな無茶なマネをしたから、聖書の神は死んじゃったのか。
っていうかつまり、そんな事をしなくちゃいけないぐらいヤバイって事じゃねえか。
さっきも言ったけど、そんなのの封印を解かれたうえで全面戦争を仕掛けられたら、マジでやばいんじゃねえか!?
「この野郎!! なんでそんな事をしたいんだよ!!」
「そこまで教えるほど馬鹿じゃないよ。ま、僕を追い詰める事ができたら時間稼ぎに教えてあげよう」
マジで腹立つ、リムヴァンの奴は本当にもう!!
だけど、これはマジでやばい。
ここでどっちかだけでも捕まえて、そのトライヘキサってやつの封印場所を聞き出さないと、マジでハルマゲドンが起きかねねえ!!
「……リゼヴィム」
あ、ヴァーリが心底から憎しみを持った感情で、リゼヴィムを睨み付ける。
「命が惜しければ、今すぐにでもトライヘキサの在処を吐いた方が身の為だぞ……っ!」
「やーだよーん! どんだけ殺気出してすごんでも、極覇龍どまりのヴァーリきゅんじゃぁ、俺を倒すことはできないよん♪」
今までにないぐらいマジ切れしてるヴァーリと、それを面白おかしく見ているリゼヴィム。
孫と祖父の関係には思えねえ。いったい何があった?
いや、サイラオーグさんも父親に「欠陥品」扱いされた事がある。古くからの血統やその能力を大事にするやつらからすれば、人間とのハーフであるヴァーリはそれだけで駄目なのか?
「アザゼル先生、ヴァーリの奴、家じゃそんなに大事にされなかったんですか?」
俺は気になって聞いてみた。
そもそもおかしいといえばおかしいんだ。
なんで旧魔王の末裔であるヴァーリが、当時敵対していた堕天使のアザゼル先生のところで育てられたんだ?
ヴァーリの父親が堕天使と内通してたって可能性は考えられるけど、それも薄い。
その俺の質問を聞いて、アザゼル先生は心の底から苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。
「リゼヴィムはな、実の息子にヴァーリを迫害させたのさ」
は、迫害!?
俺達の視線が一斉にリゼヴィムに集まるけど、リゼヴィムはその言葉に不満そうだった。
「いやいや。俺はビビリのバカ息子に「怖いならいじめろよ」って的確なアドバイスを与えただけだぜ? ま、今じゃビビりっぷりにイラついてはずみで殺したけどさ」
まじか……っ。
自分の孫を虐待させる事を進めたどころか、実の息子をイラついたからって殺すほどの奴かよ。
くそ、そんな奴が結成したヴィクター経済連合何て組織、どう考えてもろくなもんじゃねえ!!
俺達が敵意を込めた視線をぶつけると、リゼヴィムは愉快そうに笑う。
その表情すらイラついてくる。ヴァーリの気持ちが痛いほど分かるぜ。
「ったくよ~。悪魔のくせして正義の味方がデフォとか、馬鹿馬鹿しいにもほどがあるぜ」
そういうと、リゼヴィムは指を鳴らした。
そして、映像が移り―
「―何、この光景は!?」
リアスが絶句するのも、無理はなかった。
なぜか異世界への興味を示していないリゼヴィム。これに関してはリムヴァンが多いにかかわっています。
そして、リムヴァンですがこっちに来てからだいぶたってます。其の間に関しては他の平行世界にいったりはしてません。……なので、来る前は赤龍帝の籠手に覚醒していなかったイッセーの詳しい情報は把握してません。
何やら誤解している方もいるようなので、ここでそれを訂正しておきます。