ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ 作:グレン×グレン
そして敵と戦う前にもトラブルは頻発するもの。
なんでもロスヴァイセさんのおばあさんが来る事になったらしい。
もうそろそろ顔を出す予定のシトリーが作った学校。そこの特別講師として、そのゲンドゥルさんとやらが参加するそうで、そのついで的な感じだそうだ。
また、ゲンドゥルさん以外にも何人もの魔法使いがその近くでフォーラムを行うらしい。トライヘキサ対策だとのこった。
何でも前から666の研究をしてる連中だとか。ヴィクターの連中も封印解除の模索や封印解除の妨害の為、最近荒事が増えたらしい。
で、万が一捉えられてもそれを悪用されないように、異形達の技術で封印をかける事を目的としているらしい。
そんなこんなの理由で、そのゲンドゥルさんが来日。今はロスヴァイセさん達と話してる真っ最中だ。
そんな中、俺達はめんどくさそうな展開っぽいので席を外している。
「……で? ロスヴァイセさんはイッセー君を彼氏ということにしたのかい?」
「みたいッス。なんでも、電話でつい「彼氏もできたから心配いらない」とか言っちゃったそうっすよ?」
と、木場がお茶を出しながら俺達に聞いたので、お茶を飲みながらペトがそう答えた。
まあ、同じオカルト研究部のメンバーなので、俺もペトも木場とギャスパーの住んでいるマンションにお邪魔してる形だ。
言っとくが、最低限の礼儀としてお菓子ぐらいは持ってきたぞ。駅前で適当に見繕った。
「ヒロイ先輩とか祐斗先輩という選択肢もあったんじゃないでしょうか?」
と、ギャスパーが首を傾げる。
まあ確かに。言っちゃなんだが、イッセーはスケベすぎるから評判はいい方じゃないからなぁ。
最近は空しくなるからということで覗きも控えめだが、それでも今までやってきたことがなくなったわけじゃねえ。
最近はレイヴェルやギャスパーの面倒をよく見てるから、評判もだいぶ上がっている。特にイッセーの悪評をあまり聞いてない一年生からはそこそこ評価されてるようだ。そこはまあすごいだろう。
だが、それでも覗きの常習犯なことは知れ渡ってるんだがな。
そういう意味じゃあ学園のプリンスたる木場の方がいいだろう。まあ俺は下半身が緩い男として認識されているから微妙だがな。
しかしロスヴァイセさんはイッセーを選んだ。
これはつまり……。
「そういうことかねぇ」
「そういうことっすねぇ」
「そういうことだろうね」
「どういうことですか?」
俺もペトも木場も納得して、ギャスパーが首を傾げる。
いや、もう一つしかねえだろ。
「つまり、ロスヴァイセさんもイッセー君に好意を持っているってことだよ」
「まあ、目の前で大活躍してればそれはそうなるッスねぇ。基本良いやつっすから」
うんうんと、ペトが木場の言葉に頷いた。
同感だ。あいつはどうしようもない変態だが、同時にまず間違いなく立派な奴だ。
そういう側面をよく見れる立場なオカルト研究部からしてみれば、アイツに好感を抱くのは納得だな。
くそ、ちょっと羨ましいぞ。
「それで話は変わるけど、学園の方もすごい事になっているようだね」
と、木場がそんな事を言ってきた。
ああ、ソーナ会長が発案した学園だったな。
確か、ヴァーリを返り討ちにした事もあって戦力増強を目的として動いているとか。
まあ大活躍だったからな。あの手腕を上手く取り入れる事が出来れば、まず間違いなく強くなれる。上はそう踏んだんだろう。
規模は小さめだがレーティングゲームの学部もきちんとある。その辺り、上層部の老害も少しは妥協したってこったろうな。少しは頭を柔らかくできて嬉しいぜ。
だが、問題はその質だ。
当初はアウロスという町に新たに建設するという話だったが、ヴィクターとの戦いが激化する事で方針を転換。より大規模に作る事にした。
基本としては全寮制で、アウロスの近くにより大規模に学園として設立。悪魔なら能力や立場に関係なく、誰でも入学することができるという触れ込みで、大々的に募集している。
一部の保守的な神話体系からも支援されているらしい。まあ、これは悪魔を矢面に立たせて自分達は楽をしようという発想なんだろうがな。理由はどうあれ支援があるのはいいことだ。
兎にも角にもここからだろう。俺は人間だから深入りできねえが、足掛かりができただけでもだいぶ変わるだろうな。
うん、頑張ってください、生徒会長。
なんか知らんが、イッセーがロスヴァイセさんとデートすることになった。
更にややこしいことになって、色んな意味で面倒なことになったって考えるべきだろうな。これ、嘘は泥棒の始まりのきっかけになってねえか?
まあ、それは俺には関係ないな。精々傍から楽しませてもらうとするか。
などと考えながら、俺達はトレーニングを積んでいる。
毎日の積み重ねは重要だ。建物だって、基礎をしっかり工事しておかねえと地震とかが起きると崩れちまうからな。
そういうわけで、俺達は今実戦形式でトレーニングしていた。
「……ふっ!」
「……っと!」
俺と姐さんは模擬戦を行っている。
今回の目的は、初代孫悟空の指導のもと身につけた能力での戦闘の維持。
ああ、これはかなり便利だな。動きがいつもよりもはるかに動きやすくなってる。これだけでもだいぶ変わるってもんだ。
姐さんも頑丈になっている所為で、かすり傷程度ならつきそうなところも、全然通用しない。
やってくれるな姐さん。どんどん強くなってるじゃねえか。
ああ、俺も負けてられねえな。姐さんの
「そう簡単には負けねえぜ、姐さん!!」
「こっちのセリフよ、あなたの
そして俺たちはテンションを上げ―
「はい、時間終了っすー! そこ迄っスよー!」
と、時間を計っていたペトの掛け声で、動きを止めた。
「あらもうそんな時間?」
「2人とも楽しそうで羨ましいっす。ペトはセンスがないからすぐに型にはまるから、こういう模擬戦は参加できないので悔しいっす」
ぶーっと頬を膨らませるペトをなでながら、姉さんはタオルで汗を拭く。
しかしまあ、もう一時間経ったのか。
そろそろイッセー達のデートも佳境かねぇ。
「そういや、今回お嬢達はつけてねえのか? 朱乃さんの時は思いっきりつけてたけどよ」
「部長が止めたっぽいっすよ? なんか余裕が出てきてるっすね、部長」
これが、告白を受け止めた女の余裕ってやつか。
流石一夫多妻OKの冥界のお嬢様だ。自分を受け止めてくれるなら一人や二人や十人ぐらい問題ないってか。いうねえ。
これが、朱乃さんのデートの時は醜態をさらしたお嬢だと思うと、なんか感慨深いって感じがするな。
「それはそれとして、クリフォトをどうするかについては真剣に考えないといけないわね」
と、水を飲みながら姐さんが話をシリアスに持っていく。
確かに。マジで厄介だからな、あの連中。
伝説の邪龍をこれでもかと復活させ、更に量産型の邪龍を大量生産する、邪龍管轄部隊クリフォト。
中には龍王以上天竜未満の化け物もいるらしい。クロウ・クルワッハに至っては、既に全盛期の天龍と同レベルになっているとか。しかもトレーニングしてる邪龍までいるらしい。
この調子だとマジで厄介な連中になるな。しかも、それが聖杯で強化されてるんだから始末に負えねえ。
そしてそいつらを管轄するリゼヴィムがある意味一番厄介。
魔王クラスを超える、悪魔四強である超越者。そのくせ、俺達にとっての天敵ともいえる
幸いなのは、聖杯による強化を施す事は神器無効化能力がある所為で不可能だということだ。これでドーピングまでされたら、手が付けられねえ。
……対クリフォトの側面を持つD×Dのメンバーとして、何とか対策を用意したいんだがな。
「ペトはそういう意味だといいよな。神器は自分のサポートで、攻撃は堕天使の力でやってるから大丈夫だし」
「いや、たぶんまともにやり合っても勝てない気がするッス。直撃させても致命傷を与えられる自信がねえっす」
いやいや頑張れよ、装備込みなら最上級クラスだろうが。俺ら三人の中じゃ、多分一番リゼヴィム相手に有利に立ち回れるだろうが。俺らむしろ完封されそうだし。
「……アザゼルに頼んで、対悪魔用の聖別装備でも貰っておくべきかしら」
「俺も、悪魔祓いの基本装備関係を再練習しようかねぇ」
対クリフォト部隊としちゃ、クリフォトの頭目たるリゼヴィム対策は用意しないといけねえしなぁ。
俺らがそう考え、そしてそれなりに動き出そうとした時だった。
「……リセスさん、それにヒロイ君とペトさんも此処にいたのか」
木場が急ぎ足でこっちに来ていた。
なんだ? 何があった?
「……緊急事態だ。デート中のイッセー君とロスヴァイセさんが、クリフォトのユーグリッドの接触を受けた」
……マジで面倒ごとだな、オイ。
デートそのものは描写の余地がありませんので、其の間の裏話的な感じになりました。
……そしてそのころイッセーとロスヴァイセはシスコンに詰め寄られているという悲しい現実。