ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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スーパーユーグリットタイムは書き終えましたー。昨日は筆が進んで進んで。

いやぁ、我ながらドンビキする変態っぷりでした(;・∀・)


第六章 36

 

 夜、俺達は漸くアウロス学園に入る事ができた。

 

 まあ、ホテル代わりに寮として使われる予定の建物を使わせてもらってるだけなんだがな。

 

 念の為に生徒達には気づかれないようにするという念の入れよう。どんだけ姐さん嫌われてんだ。

 

 いや、結果的に子供達にポルノ映画見せた姐さんにいい感情持てない親御さんの気持ちも分かるけどよ。姐さん別に自分から見せたわけじゃねえから。悪意ねえから。

 

 もうちょっとこう、手心ってものを出してもらえませんかねぇ?

 

 なんて思いながらベッドで横になるが、冷静に考えるとこれあれだよな。

 

 ……男女別の寮でにゃんにゃんするわけにはいかねえよな!! え、古い? そんなー!

 

 ま、それはともかくどうしたもんか。

 

 さぁて、それじゃあどうしたもんかと思うんだが……。

 

「お、ヒロイ」

 

「おう、イッセー」

 

 と思ったらイッセーが帰ってきたな。

 

「いやーびっくりしたぜ。お風呂入ってたら「女子寮の風呂が壊れて、今はいないはずだから」ってロスヴァイセさんが入ってきてさぁ」

 

「とりあえず死ねや」

 

「ひでえ!!」

 

 糞羨ましい。なんだそのエロハプニングは。

 

 このスケベ、スケベハプニングに恵まれすぎだろう。ついにロスヴァイセさんにまで手を出しやがったよ。

 

 あの申し込みからどんどんフラグを積み重ねていやがる。どんだけ彼女を作るつもりなんだ、この野郎。

 

 ……ふ、ふふん。まあいい。どうせ奴はまだ童貞だ。俺は最高クラスの美女美少女とエッチな事した仲だからな。そういう意味では上を行ってんぜ!!

 

 いや、でも俺彼女を未だに一人としてできた事ないし。何か根本的な部分で致命的に負けてる。

 

「くそ! この圧倒的強者め! 覚えてろよ!!」

 

「うるせえよ非童貞!! 俺より高みにいるくせになんだその言い草は!!」

 

 もっと抜本的なところでお前が上回ってんだよ!!

 

 くそ! 英雄色を好むとは言え、浮名を流したいのであってヤリ友を増やしたいわけじゃねえのに!! なんでああいう展開!?

 

「しっかし、俺ってあんまりロスヴァイセさんに信用されてなかったみたいでショックだぜ」

 

 はぁと、イッセーはため息をついた。

 

 なんだ? ロスヴィアセさんに悲鳴を上げさせられたうえでボコられたとか?

 

 いや、今回の件は完璧にハプニングだし、ロスヴァイセさんは流石にその状況下で暴力でイッセーを叩き潰したりはしないと思うんだが。

 

 俺が首を傾げてると、イッセーはため息をついた。

 

「……ユーグリッド絡みで万が一の時は自分を殺してくれってさ」

 

「まあ、二対一で苦戦させられたしな。しかもデッドコピーにやられたわけだし」

 

 そりゃ不安にもなるか。

 

 ユーグリッドの戦闘能力がどれだけあるのか分からねえが、感覚的に旧魔王派の幹部ともやり合えるだろう。

 

 そのポテンシャルの高さを最大限に発揮した偽赤龍帝。イッセーが紅の鎧を展開しても圧倒されたからな。そのあとの白龍皇の妖精達が無ければ押し切られてたかもしれねえ。っていうか手を抜いていたところもあったからな。

 

 そりゃ責任感の強い真面目なタイプのロスヴァイセさんなら、最悪の場合を想定するのは当然か。

 

「ま、最悪の事態に備えるのは当たり前のことだしな」

 

「お前、意外とドライだよなぁ」

 

「俺はお前と違って現実見ながら英雄目指してんの。お前ほど異才じゃねえんだから仕方ねえだろ」

 

 天然物はこれだから困るぜ。大抵の連中は理不尽受け容れながら四苦八苦してんのに、こいつはなんだかんだで奇跡連発してっから困る。

 

 まあ、努力もきちんとしてるからこそなのはわかんだけどよ? それにしたっておっぱいで異常現象起こすから困るんだよ。

 

「第一お前、なんか対策あんのか? トレーニングの成果は芳しくねえんだろ? 具体策なきゃロスヴァイセさんも納得しねえだろ」

 

「ああ。歴代白龍皇の人たちの説得ができれば、何とかなりそうなアイディアはあるんだよ」

 

 ……ほほう。

 

 まあ、こいつなんだかんだで頭は回るからな。意外と発想力があるっつーか、機転が利くっつーか。

 

 なんでも疑似的な禁手化で腕をドラゴン化させた時、それを逆手にとって聖具の類をもってレイヴェルの兄貴相手に勝ったとか。

 

 腕をドラゴン化させてからすぐに思いついた当たり、発想力はあるんだよなぁ。だからこそ変化球の進化を遂げてここまでの化け物になれたわけだが。

 

 問題は―

 

「それまでユーグリッドが仕掛け無けりゃいいけどな」

 

「嫌なこと言うなよ!?」

 

 いや、敵がこっちのパワーアップまで待ってくれる保証なんてどこにもねえわけだしなぁ。

 

 まあ、冥界のど真ん中にあるこの村を襲撃するメリットは薄いから、流石に今日明日は大丈夫だと思いたいけどよ。

 

 ……万が一の時は、俺が覚悟を決めることも考えるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そのころリセス・イドアルは、晩酌を飲み終えて静かにストレッチをしていた。

 

 クロスレンジでの近接格闘が主体である彼女にとって、体の柔らかさは重要だ。しなやかな筋肉を最大限に生かさねば女が廃るというもの。

 

 それに、いつニエが仕掛けてくるかということも考えると、どんな時でも健康状態を気にしながら最善の状態をできるだけ維持する必要がある。

 

 バッドコンディションでも戦える根性は強迫観念で身に着けている。だが、だからといってバッドコンディションを意識して維持するなど愚策なのは当たり前だ。

 

 ……いやでも精神的にはバッドコンディションになるのがニエとの戦い。ならば肉体的には無理のない状態を維持する必要がある。

 

 英雄(自慢)だと断言できない状態で死ぬのだけはごめんだ。ニエに殺されるときは、胸を張って前向きに死ねる時だと決めている。そうでなければペト・レスィーヴとヒロイ・カッシウスの自慢(英雄)などとは言えないのだから。

 

 ゆえにできる限り一度の深酒はさけ、こうして体調管理を今まで以上に念密に行う。肉体のメンテナンスは必要不可欠だ。

 

 そしてそれを行っていると、ふとロスヴァイセの姿を見つけた。

 

 どうも見るからに沈んでいる。明らかに精神的に不調だろう。

 

「あら、どうしたのかしら?」

 

「あ、リセスさん」

 

 なんとなく気になって呼び掛けてみるが、とりあえず残っていた酒だけは隠しておく。

 

 ……ロスヴァイセが飲んだ時の惨劇は嫌というほど分かっている。

 

「……ユーグリッドの件で、少し悩んでまして」

 

「なるほどね。確かに、幹部クラスが注目するほどにはあなたの研究には価値があるみたい出しね」

 

 出なければ、敵勢力の一つの首都で堂々と姿を現したりはしない。

 

 しかもあのグレイフィア・ルキフグスの実弟であり、デッドコピーとは言え赤龍帝の力を使う精鋭。イッセーとヒロイが二人掛かりで相手をしてもなお苦戦するほどだ。

 

 彼が強引にロスヴァイセを奪い取ろうとすれば、それをどうにかできる可能性は低いかもしれない。

 

 少なくともロスヴァイセ単独では無理だろう。それほどの戦闘能力をあの男は持っている。

 

「イッセー君にはいざという時に私を殺すように頼んだんですけど、絶対にしないと怒られてしまいまして」

 

「相手が悪いわよ」

 

 仲間を絶対見捨てない。それどころか、仲間を助けてくれたのなら敵の首魁(オーフィス)すら助けてしまうほどのお人好しだ。仲間を切り捨てる事など絶対にすまい。

 

 アザゼルもその点は指摘していたはずだ。せめてレーティングゲームぐらいは生贄戦術を許容できるようにならなければならないという評価を下していた。

 

 まあ、おそらくそれもできる限り避けるところに落ち着くのだろうとは思っているが。

 

「そういうのは私に頼みなさい。いざという時の汚れ仕事は年長者の務めだもの」

 

 そう苦笑を浮かべながら言うと、リセスは天井を見上げてそこに過去のトラウマを投影する。

 

 ……そう。汚れ仕事をするのは自分の仕事だ。

 

「既にニエを死に追いやった私は汚れているもの。こういうのは血濡れの英雄である二流品の仕事よ」

 

 兵藤一誠は、おそらく一級品の英雄だろう。

 

 英雄であろうとするのではなく、英雄になりたいのでもなく、英雄でいなければ耐えられないわけでもない。ただあるがままに英雄でいてしまう者。

 

 それに比べれば、確かに自分は半端ものだ。

 

 だからこそ、そんな自分だからこそできることもあるはずだ。今ならそう思うことができる。

 

「あの、それに関してはリセスさんも被害者なんですから……」

 

「だったらこれ以上汚れさせないように頑張ってユーグリッドから生き残りなさい。その手伝いなら、イッセー達は全力でしてくれるはずだもの」

 

 そう茶化すと、リセスはアウロス学園の校舎に視線を向ける。

 

 駒王学園を基にして作られたアウロス学園を見ていると、なんというか用務員室に行きたくなってしまった。

 




年長者としての意識はあるリセス。いろいろ汚れている身の上もあり、必要とあれば汚れ仕事は自分の仕事という意識はあります。

ですが、それはちゃんと手を尽くしてから行うべきこと。仮にも英雄を目指す彼女が、何の遠慮もなくそんなことはしません。輝き足る英雄を目指す少年の自慢こそが、リセス・イドアルの英雄ですからね。
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