ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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スーパーユーグリットタイムも終わり、ヴァルキリーへんの本格バトルスタート!!

因みに、そろそろイグドラフォースも出てきますぜ?


第六章 44

 叩き込まれる砲撃を軽やかにかわしながら、ユーグリットは素早く戦闘態勢をとる。

 

 そして筆頭格で殴り掛かるイッセーの拳を受け止めながら、優雅に告げる。

 

「赤龍帝ドライグ。せっかくだから、あなたも勧誘していいでしょうか?」

 

『……なんだと?』

 

 心底いやそうな声を出すが、ユーグリットはしかし動じない。

 

「確かに私は変態です。ですが、それは兵藤一誠も同様でしょう」

 

 ……反論できねえ。

 

 確かにイッセーは変態だ。こいつのおっぱい好きは度を越してやがる。

 

 だが、たぶんお前の方が変態だと思う。気持ち悪さが圧倒的に違うぞ。

 

「低く見積もっても最上級クラスである私なら、あなたをより上手く使えると思います。少なくとも、覇龍の制御も十分狙えるはずですよ?」

 

 ……確かに。

 

 素体の性能って意味なら、確かにイッセーよりユーグリットのほうが高いだろう。圧倒的にユーグリットが上のはずだ。

 

 そして、莫大な魔力を持っているユーグリットなら、ヴァーリと同じように覇龍を制御するってのもあり得る話だ。

 

 そう言う意味じゃあ、確かに交渉の余地はある。

 

「どうです? あなたの力を有効利用できるのは、この作戦で証明されたと思うので―」

 

『却下だ』

 

 ユーグリットの言葉を途中で遮る勢いで、ドライグは否の言葉を叩きつけた。

 

 フッ。確かにそうだよな。

 

『確かに相棒には悩まされることは多々ある。なんでもかんでも女の胸で解決する所為で、俺の心労は絶えないと言ってもいい』

 

「ひでぇ!!」

 

 酷くないぞイッセー。

 

 ドライグのため息交じりの愚痴に対する、イッセーの悲鳴に俺は突っ込んだ。

 

 全面的にお前が悪いわ。そうでもしなけりゃ事態を打破できなかったとはいえ、他になんかなかったのかとは本気で思うぞ。

 

 うん。これだけ聞くとユーグリットの方が好待遇に見えてくるな。

 

 確かにユーグリットも変態だが、単純なスペックなら確かにイッセーより上だ。覇を自由に扱えるなどという領域に至れるかもしれないというのなら、そりゃ確かに心惹かれるところもあるかもしれねえ。

 

 だけど、ドライグは躊躇せずにバッサリと切り捨てた。

 

『だが俺は相棒がいい。歴代で最も才能がないくせに、歴代で最も俺の新しい側面を引き出したこの相棒こそが、歴代最優の赤龍帝だと、俺は断言できるからな』

 

 その凄まじいドライグの信頼の籠った言葉に、ユーグリッドは息を吐いた。

 

「仕方がありません。では現赤龍帝を殺してから、次の赤龍帝に誘いをかけることにいたしましょう」

 

 そう言うなり、ユーグリッドはぱちんと指を鳴らす。

 

 その瞬間、呆けていた邪龍の群れが動きを再開し、同時に更に上空から地面に激突寸前の勢いで着地する影があった。

 

 あれはイグドラスルト!? キュラスルか!!

 

「ようやく出番か! 退屈したぜ!!」

 

「その通りです。撤退準備が整うまでの間に、一人か二人ほど退場していただきましょう」

 

「そうですね。作戦は失敗してリヒーティーカーツェーンも壊滅しました。手柄の一つぐらいは立てないと申し訳ないです」

 

 三者三様のイグドラシリーズが、戦意を燃やして俺らを見据える。

 

 いいねぇ。いいプレッシャーだよ、マジで。

 

 なら、こっちも全力で相手するしかねえよなぁ!!

 

「上等だ!! だったら、文字通り全力で叩き潰してやるぜ!!」

 

 覚悟決めてもらおうか、偽物軍団!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして真っ先にキュラスルが狙いを定めたのは、ギャスパーだった。

 

 闇の獣と化したギャスパーに、キュラスルは遠慮なくスルト・サードの灼熱を宿した拳で殴り掛かる。

 

 そして拳が叩き込まれるその一瞬で、ギャスパーもまた闇の獣を新しく呼び出してカウンターで食らいつかせた。

 

 闇が吹き飛ばされ、ギャスパーの肩が砕ける。

 

 そして同時に、キュラスルの肉も食いちぎられた。

 

 だが、それだけならこちらが有利だとギャスパーは判断していた。

 

 こっちの負傷はアーシアが即座に直してくれる。しかし向こうの攻撃は闇の影響で治らない。

 

 聖杯の運用に長けていたマリウスですら、外部制御では不可能だったのだ。明らかに脳筋であるキュラスルが使用しても意味はないだろう。

 

 おそらく神滅具も直接攻撃系だろう。そう思っていたのだがー

 

「おいおい。俺をマリウスの頭でっかちと一緒にしてんじゃねえよ」

 

 にやりと笑ったキュラスルの傷が、再生する。

 

 フェニックスの涙や聖母の微笑に比べればゆっくりと。しかし普通の自然治癒と比べれば、常軌を逸した速度で傷を癒し始めていた。

 

 すぐに傷は完全に癒えるだろう。しかしそれは重要ではない。

 

 能力の種は簡単だ。どうやらキュラスルはそういった方面での知恵が足りないらしい。

 

 そして、だからこそ問題だともいえる。

 

『……並行世界の聖杯か!!』

 

「みてぇだな!! ちなみに俺は、精神汚染に対する耐性が段違いらしいぜ? だから何重にも安全策使って出力下がっててもこの再生力よぉ!!」

 

 言うが早いか、キュラスルは素早いフットワークでこちらを翻弄しながら、連続攻撃を叩き込む。

 

 神器の力で増幅され、禁手の力で増強され、とどめにイグドラシステムで大幅に向上したキュラスルの怪力は、たやすく闇の獣と化したギャスパーを打ち据える。

 

 近接戦闘技術にまだ長けていないギャスパーでは対処しきれない。それほどまでに、キュラスルは人を殴り殺すことに長けていた。

 

『腹が立つね!! ヴィクターはなんでお前みたいなやつを入れたんだ!』

 

「どうでもいいなぁ、そんなこと!!」

 

 苛立ちを吐き捨てるかのように吐き出されたギャスパーの言葉を、キュラスルはそう一蹴する。

 

 そう、彼にとってそんなことはどうでもいい。心底まとめてどうでもいい。

 

「俺はこの生まれつき恵まれた怪力使って、羽を伸ばして暴れてぇだけさ!! ヴィクターは暴れ場所をくれるっつーから参加してるだけだっての!!」

 

 そんな身勝手極まりない理由を堂々と告げながら、キュラスルはギャスパーの顔面にアイアンクローを叩き込む。

 

 激痛に動きが乱れた隙をついて、キュラスルは遠慮なくギャスパーを地面にたたきつける。

 

 多重玉突き事故が起きたかのような轟音。隕石が直撃したかのようなクレーター。飛び散る破片で敵も味方も多少のダメージが入り、一部では即座に回復する必要があるほどにまで深手を負うほどの周辺被害。

 

 それらを一顧だにせず、キュラスルは一回伸びをすると、ギャスパーを見下ろした。

 

「まぁなんだ。そんな俺を好き勝手を止められねえお前らが弱いのが悪いよなぁ?」

 

『ぐ……ぅ』

 

 立ち上がろうとするギャスパーを踏みつけて、キュラスルは拳を握りしめる。

 

「言っとくが、最重要危険対象の手前の対策ぐらい立ててるに決まってんだろぉ? 当然俺の禁手もそういう方法が運用可能なんだよ」

 

 そのまま全重量と筋力で踏み潰しにかかりながら、キュラスルは高笑いする。

 

「俺の禁手は肉体を相手に最適な状態にする、幽世に身を沈めし狂戦士(セフィロト・グラール・ベルセルク)!! てめえのデータはきっちりとってんだよ!!」

 

 そしてそのまま強引に頭を踏み潰そうとしたその瞬間―

 

「ならば、相手を変えればいいだけか」

 

 顔面にサイラオーグの拳が叩き込まれ、キュラスルはそのまま吹っ飛ばされる。

 

 即座に空中で態勢を立て直すキュラスルだが、舌打ちをすると嫌そうな顔をする。

 

 それを見て、サイラオーグはやはりといわんばかりに納得する。

 

「ギャスパー・ヴラディ対策が必須ということは、この戦場で他の相手に適した形態にはなれないのだろう? なら、俺にはあまり意味がない禁手だな」

 

『力を貸してください。……平行世界とは言え、ヴァレリーの聖杯を悪用されて黙ってるわけにはいかない……っ!!』

 

 並び立ちながら、戦意をなくすことなくキュラスルを睨み付けるギャスパーを、サイラオーグは良いものを見たように目を細めて見つめる。

 

「流石はリアスの眷属だ。……行くぞ!!」

 

『はい!!』

 

「上等だぁ! こっからは遊び抜きの本気でいくぜ。お前ら強いしなぁ!!」

ぜ。お前ら強いしなぁ!!」

 

 身を歓喜に震わせながら突貫するキュラスルを、二人は同時に迎え撃った。

 

 

 




今回のイグドラシリーズは、キュラスル・スリレングのイグドラスルト。

キュラスルには実は明確なモデルキャラがいたり。

ヒロアカで出てきた筋肉野郎といえばわかるでしょうか。悪役としてかなりの完成度に惚れこんで、モデルにしました。アイツ敵役じゃなくて悪役として人気がでかそうな感じがするぐらい完成度高いですね。フロアボス的な役回りとしてはかなり完成している気がします。
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