ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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ついにF型が登場します。


第六章 46

 ……嘘だろ、オイ。

 

 空が、紅一色に染め上げられちまってやがる。

 

 冗談きついって。赤龍帝の籠手より上位の神滅具がいくつもある?

 

 いやいや、絶霧だって全力で防御してもあれは防げねえだろ。確実に吹っ飛ぶっつの。

 

 圧倒的な火力というシャレにならない必殺の攻撃が、カテレアとユーグリットを飲み込みやがった。

 

 あれ、塵も残ってねえんじゃねえか、オイ。

 

「ほら。俺が何とかするって言ったでしょ、ロスヴァイセさん」

 

 そう言ってサムズアップするイッセーに、ロスヴァイセさんは苦笑した。

 

 ああ、こりゃ流石にすげえなオイ。

 

 確か火力が莫大なら神器無効化能力を突破することもできるらしいし、この火力ならいけるんじゃねえか?

 

『といっても、おそらく数か月は放つことはできんだろう。流石に火力に見合うだけの代償はあるということだ』

 

 あ、そうなのか、ドライグ。

 

 つーかシャレにならねえ威力にもほどがあるとは思ったが、制約もでかいってことか。

 

 ま、そんだけの制約が無けりゃぁ上位神滅具に名をつられてねえなんてことはねえだろうしな。おかしい話じゃねえ。

 

「……まったく、紅というのは忌々しいですね……っ」

 

 と、其の声に俺達は飛び跳ねるように振り返った。

 

 そこには、装甲を解除したユーグリットとカテレアが、ふらふらだがしかし立っていた。

 

 マジかよ、あれくらって生きてるどころか立ち上がっただと……!?

 

「ジェルカートリッジの過剰使用で何とか生き残れましたが、二天龍を少し怒らせすぎましたか……」

 

 口から流れる血を拭きながら、カテレアは舌打ちする。

 

 だろうな。どうやら今の状態だとこれ以上の戦闘は無理なようだ。

 

「おいおいマジかよ!! 二天龍対決はやっぱオリジナルが上ってか?」

 

「あらあらぁん? これは萌えない展開ですわねぇ」

 

 キュラスルとヴァルプルガも、状況が不利になったことを悟った様だ。

 

 ああ、逃げるなら今の内だぜ。逃がす気はねえけどな。

 

 できることなら、ここで一気に確実に倒して―

 

「お~やおやおや。やっぱ糞悪魔ちゃん達じゃぁ勝てなかったって感じっすかねぇ?」

 

 その時、あまりにも乗りの軽い声が響いた。

 

 其の声に弾かれるように振り向けば、そこにいたのは白髪の男。

 

 年齢は俺らと同じぐらいか? っていうか、どっかで見たような気がするな。

 

「フリード!!」

 

 イッセーが怒りに燃える声を出して、そして俺は気が付いた。

 

 ああ、コカビエルが暴走した一件で聖剣使ってたらしい聖剣使いか。そういやそんなやついたな。

 

 確か、夏休みの時の襲撃事件で暴れてたんだっけな。そういやあの時もしっかりタイミングを見計らって撤退してたそうだな。

 

「よっす! キュラスルの旦那は今日も極楽暴れまくりタイムで何よりでさぁ」

 

「おうよ! おまえが来たってことは、もうちょっと暴れられそうでよかったぜ!!」

 

 ……なんだ? 何がどういうことだ?

 

 キュラスルの奴と仲が良さそうなのはどうでもいい。つーか、そもそも性質が近いだろうしな。馬が合うのはよく分かる。

 

 しかし、今更フリード如きが出てきて俺らをどうにかできるか?

 

 言っちゃなんだが、完璧インフレに置いて行かれている側なんだが……。

 

「おいおいそこのお兄さん? も~しかしてこのフリードくんが何の対策もしないでインフレバトルに参加すると思ってるのかなぁん?」

 

 そう言いながら、フリードは腰に何かを装着する。

 

 あ、イグドライバー!?

 

「イグドライブ!!」

 

 その言葉と共にジェルカートリッジを装着し、そして即座に変身する。

 

 ……全身に歯車を装着した、赤と白のツートンカラーのメカニカルなパワードスーツ。

 

 ……しかも、この波動とインナーの模様は……ドラゴン!!

 

「イグドラゴッホとイグドラグウィバーの応用発展形! イグドラツヴァイ!! フリードきゅんの専用兵装でございますでぇす」

 

 そうほざいたフリードは、さらに両手に魔剣を構える。

 

 確か奴は、魔剣ノートゥングを持っていたな。

 

 そしてさらに、あれも魔剣か?

 

「そして人呼んで魔剣バムルンク!! 俺読んでぶっ貫きの剣!! いや~、俺様ちゃんも魔剣の使い手を目指して用意されたスペシャルちゃんなんでぇ、これぐらいはできないとねぇん?」

 

 そうぶりっこっぽい首の傾げ方をするのがマジでむかつく。

 

 一遍マジでぶっ殺してやろうか。っていうか刺し殺していいよな、ヴィクターだしよ。

 

「ふん。カテレアやユーグリットとは違って魔力を持たないお前に、フルドライブは使え無いだろう。それでどうやって状況をひっくり返す気だ?」

 

 ヴァーリはそう言って鼻で笑う。

 

 確かに、ユーグリットやカテレアがオリジナルと互角以上に戦えてたのは、その素体性能が莫大だからだ。

 

 あのグレイフィアさんの弟であるユーグリット。仮にも魔王末裔のカテレア。どっちも悪魔としてはかなりレベルが高い部類だろうしな。

 

 それに比べて、フリードの奴はあくまでただの人間だ。その性能には限度がある。

 

 ……マジ勝負して、勝てるのかコイツ。ユーグリットやカテレアの方がはるかに強敵な気がするんだがよ。

 

 いや、逆に考えろ。……それでも勝てる何かを持っているから態々こんなところに出てきたんだってな。

 

 まあ、ただ単に調子乗っただけの馬鹿だったらそれはそれでいいんだがな。こっちが苦労することはねえだろう。警戒しすぎて肩透かしだったってだけで、後で笑い話でもすりゃぁいい。

 

 そう思って俺が構えると、フリードの奴は楽し気な笑みをした。

 

「いいねいいねぇ。素敵快適最適なバトルライフが楽しめそうじゃん? で・も! 今回君はようじゃないので~っす!!」

 

 そしてそういった瞬間、フリードの足元が闇に包まれる。

 

 そしてそこから、今迄とは毛色の違うドーインジャーが現れた。

 

 ドーインジャー!? つーことはまさか……。

 

「それではあった方はおひさりぶりーのお初のかたははじめましてーの! 僕ちん素敵なヴィクターのハンター。元糞教会で悪魔ハンティングしていたフリード・セルゼンでございま~っす!」

 

 そして大量のドーインジャーを飛び立たせながら、フリードは狂気に満ちた笑みを浮かべる。

 

「ヴィクター魔獣創造保有者、『獣王』が一角、フリード・セルゼンをどうかよろしくお願いしま~す」

 

 その瞬間、大量のドーインジャーが距離を取りつつ一斉攻撃を叩き込んできやがった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして次の瞬間、歯車の塊になったフリードが、俺たちに飛び込んできた。

 

「へいぶった切り―! そっしてぶっ貫きー!!」

 

 器用に二本の魔剣で俺とヴァーリを同時に狙ってくる。

 

 俺たちはもちろん迎撃したけど、それがあっさりとはじかれて、鎧が砕ける。

 

 嘘だろ!? 今更フリードなんかに!?

 

 そう思った瞬間、ドーインジャーからの砲撃が叩き込まれて鎧が一気に削れてくる。

 

 んなあほな!? 今更ドーインジャーの弾幕の一発や二発で俺たちの鎧が削れるわけがねえ!?

 

「不思議かい? 不思議だねー? 不思議に決まってんだろぉ? もちろん種があるんだよねぇ?」

 

 そして気づいた時には、フリードが目の前にいて、バムルンクを構えていた。

 

 俺はとっさに両手を交差してガードするけど、それでも防ぎきれずに全身に裂傷が走る。

 

「兵藤一誠!? チッ! 君ごとき雑魚が―」

 

「―今雑魚は君だよん?」

 

 後ろから殴り掛かるヴァーリを、フリードは遠慮なくノートゥングで横薙ぎに叩き伏せた。

 

 鎧の頑丈差で切り裂かれはしなかったけど、鎧そのものに深い裂傷を刻まれ、ヴァーリは吹っ飛ばされる。

 

 おかしい。明らかにヴァーリが遅い。

 

 いつものあいつならガードが間に合っていたはずだ。初めてアイツとぶつかった時より遅くなってないか!?

 

「それでは種を教えてしんぜよう。お聞きになって?」

 

 そういいながら、フリードは大量のドーインジャーを生産し続ける。

 

 そしてそれを自慢げに胸をふんぞり返らせて、フリードははっきり言いきった。

 

「このドーインジャーはF型。天を堕とすために開発された、特別仕様なのSA!」

 

 そう言い放ち、そして大量にドーインジャーを展開し続けながらフリードは切りかかる。

 

 そして今気づいた。遅くなってるのは、ヴァーリだけじゃねえ。俺もだ。

 

 あのドーインジャーが増えるたびに、俺とヴァーリの動きが重くなってる……っ!

 

「対二天龍専用の特注仕様!! さあ、今迄の屈辱を倍返しにするスーパーフリードタイムがやってきたぜぇ!!」

 

 これ以上増やされたらヤバイと思って攻撃を放つけど、F型のドーンジャーはむちゃくちゃ速くて、倒すより増える量が多すぎる。

 

 くそ、かすめただけでも倒せるのに、そのかすめさせるのが大変なぐらい速い!!

 

 そして、気づいた時にはフリードが両手の魔剣を構えていた。

 

「お別れは寂しいけれど、それでもいつか分かれるのが人の定めなのよねん。ばいちゃ!!」

 

 そして、魔剣が振り下ろされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side Out

 




復活のフリード。我ながら、フリードをこの局面でボスとして出すのは自分ぐらいだと思っております。

なんていう、序盤の敵がパワーアップして再登場って面白そうじゃないですか。とくにチンピラがチンピラのまま努力してるやつを追い込むのって、その後の逆転ありですがカタルシスっていうのがあると思いません?

そしてF型ついに登場。親・壇黎斗さんの対二天龍仕様をメインにし、その能力の方向性に只野 案山子さんの意見を参考にし、さらに共鳴による封印能力を追加しました。

偽二天龍のデータを基にして、さらにもう一押し用意させていただきました!!
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