ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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第一章 9 

 

 その轟音の轟が、世界を文字通り揺るがす号砲となったことを知るものはまだこの場にはいない。

 

 しかし、其れこそが文字通り世界を揺るがす大戦の火ぶたを切ったことだけは間違いない。

 

 それは、三代勢力を巻き込むなどという生ぬるいものではなかった。

 

 アースガルズ、オリュンポス、須弥山。

 

 インド神話、ケルト神話、エジプト神話、日本神話。

 

 妖怪、獣人、吸血鬼、妖精、巨人、魔獣。

 

 日本、アメリカ合衆国、イギリス、フランス、ドイツ、エジプト、中国、ロシアその他もろもろ。

 

 異形も人間も関係ない、文字通り世界を大きく塗り替えることになる戦いの、文字通り最初の一歩がここに踏み出されてしまったのだ。

 

 のちの歴史にこの戦いはこう記されることとなる。

 

 真なる意味での世界大戦。第一次新世界大戦と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 会談に波乱が起きる数分前、俺はあることに気づき、立ち上がるとギャスパーの肩に手を置く。

 

 ヤベ。ちょっと油断してたか?

 

「ふえっ!? ど、どうしたんですかぁ?」

 

 震えながらもギャスパーは尋ねてくるが、しかし状況はかなり悪い。

 

「ギャスパー。俺の背中にしがみついてろ」

 

「はい?」

 

「いいから急げ」

 

 ギャスパーにきつめの口調で告げると、戸惑いながらも素直にしがみついてくる。

 

 よし、これで両手は使えるな。

 

 しかしそれで必ずしも切り抜けられるとは限らないのがつらいところ。これ、本気で窮地だぞ?

 

「よく聞け、ギャスパー。……この部屋、包囲されてる」

 

「え?」

 

 一瞬で包囲されたとしか言いようがない状況だ。プロフェッショナルというよりスペシャリストだな、敵は。

 

 狙いは俺かギャスパーかそれとも両方か。そのどれにしても、間違いなくややこしいことになるのは読めている。

 

 と、言うわけで―

 

「強行突破して会議室に逃げ込むぞ。口を開くなよ舌噛むぞ!!」

 

「ええええええええええ!?」

 

 ギャスパーの悲鳴を無視して、俺は全力で駆け出した。

 

 すでに隠す必要もないので、遠慮なく聖槍を展開。其のまま勢いよく天井を突き破る。

 

 そして切れ味を極限まで鈍くさせた魔剣を用意すると、それを足場にして勢いよく飛びあがった。

 

 すぐにでも気が付いて外から突入してくるが、そんなものはもうどうでもいい。

 

 炎を放つ魔剣を生み出すとそのままいくつもぽいと投げ、即座に屋根を突き破って屋根の上に飛び出る。

 

 下の連中はいきなり発生した火事にパニックを起こしているはずだから、これで少しは時間が稼げる。

 

「なに!? 下の連中は何をしていた!?」

 

 おっと、ここにもいたのかよ!

 

「とりあえず雷撃!!」

 

「ぎゃあぁああああ!?」

 

 紫電の双手でしびれさせながら、俺は即座に屋根をかける。

 

 方向は新校舎。そして距離は百メートル前後。

 

 行けるか? いや、やるしかない。

 

「歯を食いしばれ、ギャスパー!!」

 

「ひぃいいいいいいい!?」

 

 俺は全力で助走すると、さらに風を放つ魔剣を大量に呼び出して追い風を作り―

 

「アイ・キャン・フラァアアアアアイ!!」

 

 そのまま大ジャンプ!!

 

「いかん、捕まえろ!!」

 

「逃がすかコラ!!」

 

 悪魔祓いの光の弾丸やら、魔力の塊やら、マジで天使クラスの光の槍やらが飛んでくるが、俺はそれを聖槍ではじいて一気に五十メートル前進。

 

 そのまま落下体勢に入るが、しかし遠慮なく俺は聖槍を振り下ろす。

 

「更にジャンプ!!」

 

「ひえぇえええええええええ!!」

 

 底に棒高跳びの応用で追加ジャンプ!! これでいけるぜ!!

 

「きゅ、旧校舎が大変ですけどいいんですかぁああああ!!?」

 

「高額年俸もらってよかったぜ!!」

 

 弁償できるっていいね!!

 

 そんな漫才をしでかしながら、俺は強引に聖槍で新校舎の壁を突き破り―

 

「タッチダウゥウウン!!」

 

 その勢いで会議室まで飛び込んだ!!

 

「うっわぁあああああ!?」

 

「ヒロイ!? ギャスパーまで!!」

 

 イッセーとお嬢が即座に反応する中、俺はすぐさま立ち上がった。

 

 仮にも元悪魔祓いとしてはミカエル様にあいさつをするべきだろうが、そんなことをしている暇はない。

 

「敵襲です!! 天使堕天使悪魔悪魔祓い!! 混成部隊が旧校舎を包囲してます!!」

 

 くそ! いったいなんでこんなところに出てくるんだよ!! いや、こんな時だからか!

 

「ほほぉ。やっぱり出てきやがったか」

 

 と、アザゼルはゆっくり立ち上がりながら俺が破壊した壁に結界を張る。

 

 こいつ、のんきだな。

 

「出るとは思ったがギャスパーくんとヒロイくんを狙うとは。聖槍を使って私とセラフォルー相手に優勢に立とうとしたのか、それとも邪眼で私達全員の動きを止めようとしたのか……」

 

「しかし三勢力合同ですか。何処の勢力も単独で実行できるほどの戦力は集まらなかったということでしょうか?」

 

 あれ? サーゼクス様もミカエル様も案外驚いてないな。

 

「なんでそんな落ち着いてるんですか!? て、て、敵襲ですよ!? それも三大勢力からっぽいですよ!?」

 

 イッセーの反応が当然だよな。

 

 三大勢力からそれぞれ戦力が出てきて、会談の会場近辺で動くなんておかしいだろうに。

 

「まあ、当然といえば当然なのよん」

 

 そこに、レヴィアたんが平然と立ち上がるとさらに結界を厳重にする。

 

「戦争前に和平を結ぼうなんてしたら、戦争をしたい人たちは邪魔したくなるもの。だからこんなに護衛が多いのよ」

 

 あ、それもそうだな。

 

 はっはっは。俺もまだまだ未熟だってことか。

 

 そして三大勢力首脳陣は、当然その手のことも想定済みってことか。仮にも三大勢力のトップなだけあるぜ。

 

「しかし、あの結界を突破したうえでさらに各勢力の合同部隊とは。流石に妙ですね」

 

 ミカエル様はそういってけげんな表情を浮かべるが、少し嫌な予感がする。

 

 まさか、護衛の中に手引きした奴がいるってのか?

 

 少なくとも会談の関係者に内通してる連中がいんのは間違いねえが、それにしても手際がいいな。

 

 これ、相手も相当の実力者がいねえと成立しねぇぞ?

 

「裏切り者の捜索は後でいいだろ。其れより今はそのはねっかえりをぶっ潰すのに集中した方がいいんじゃねえか?」

 

「それもそうだな。すぐに護衛部隊に連絡しよう。情報を聞き出すためにも捕縛に意識を向けてもらわなければ」

 

 アザゼルの言葉にサーゼクスさまが頷き、すぐに通信用の魔方陣をグレイフィアさんが展開する。

 

 そして一分もせずに、一気に戦闘の音が発生し―

 

「―サーゼクス様。緊急事態です」

 

「どうした?」

 

 グレイフィアさんが顔色を変えた。

 

 なんだ? 確かに数は多いが、上級クラスだっているあの警護部隊を相手にしてどうにかできるとは思えねえんだが―

 

「……この結界の上部に大型航空機が確認されました。それも、B-2スピリットと軍事マニアの悪魔が報告してます」

 

 ―なんかとんでもないこと言ってきたんだけど!?

 




三大勢力トップ「魔法使いが来ると思ったら、爆撃機が襲ってきたでござる(´・ω・`)」

更にハードモードが高ぶってくるぜ!! こっから先はどんどん難易度向上するから4649!
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