ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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そんなこんなで演習開始。

さて、ヒロイは猊下と戦うことができるのか!?


第六章 69 

 

 そのまま勢いよく引っ張られながらも、俺は何とか振り解く事に成功した。

 

 そしてかろうじて着地に成功すると、そのまま聖槍を構えて突き付ける。

 

「やってくれたな、あんた等」

 

 こっちが本気であのストラーダ猊下に挑める機会を邪魔しやがって。何してくれやがんだ、コラ。

 

 言っとくが、このフィールドはレーティングゲームを参考にしてる。システムもレーティングゲームを模倣している。戦闘不能になったら、安全な場所に転移されて治療を受ける事ができる。

 

 つまり、殺す気で行っても何とかなるって事だぜ?

 

 八つ当たりをする気はねえが、敵の精鋭戦力相手にたった二人ってのがあれだな。

 

 よっぽどの実力者なのか、それともただの馬鹿なのか。

 

 まあ、油断しないで本気モードでいくか。肩透かしだったら後で笑い話だ。

 

「……改めまして、フィーニクス・プルガトリオだよ」

 

「久しぶりって言おうかしら? 鈴蘭・プルガトリオよ」

 

 そう言いながら、炎に包まれた十字架のロザリオを見せる二人の女。

 

 一人は茶髪。もう一人はレイヴェルと同じ金髪。

 

 ……なるほど、どうやらこっちの実力を把握したうえで二人って感じだな。

 

 そこそこできる実力者みたいだ。上級悪魔程度なら、一対一で倒せるレベルはあるな。

 

「何が目的だ? あんたらとしちゃ、悪魔に恨みがあるんじゃねえのかよ」

 

 そうだ。この演習はいわば、グレモリー眷属に八つ当たりする機会を作るってのが本命だ。

 

 だったら、嫌いな悪魔でしかも和平成立の原因であるお嬢達を狙うのが優先だと思ってたんだがよ。

 

 俺のその疑問に、鈴蘭は鼻で笑うとロザリオをしまう。

 

「……言ったでしょ。同僚で良い悪魔がいるってことは分かってるの。和平は納得いかないけど、グレモリー眷属には恨みはないわ」

 

「うんうん。私は鈴蘭ちゃんに付き合ってるだけだからね。私は特に恨みはないよ?」

 

 だったら、なんで?

 

 とりあえず、フィーニクスは鈴蘭の鬱憤晴らしに付き合ってるって事は分かった。つまり、鈴蘭が不満を爆発寸前迄ため込んでいるって事だ。

 

 その鈴蘭は、何が不満なんだ?

 

「私が不満なのは、和平なんて道に走った教会及び天界。……そして、それでも教会に縋らないと我慢できない私自身」

 

 そう言いながら、鈴蘭とか言った姉ちゃんは、右手から莫大な光力の槍を形成する。

 

 ……なんだ、あれ。

 

 イリナでも出せないような出力の光だ。アイツ、上級天使クラスの戦闘能力を持ってるんだぞ?

 

 それを上回るとか、どういう理屈だ。

 

「光力発生系の神器の禁手か何かか?」

 

「教える馬鹿はいないわよ!!」

 

 言うなり、鈴蘭は俺に仕掛ける。

 

 俺は即座に聖槍で槍と打ち合うが、そこをついてフィーニクスが圧縮した炎の塊を投げつける。

 

 それを冷気の魔剣で迎撃するが、しかしそれにばかり意識を向けるわけにもいかねえ。

 

 一瞬でも隙を見せれば、その瞬間に槍が叩き込まれるだろう。このアマ、急所狙ってきてるから怖いんだよ。

 

 一人一人の戦闘能力がかなり高い。そこに来て二対一という数的不利。とどめに、連携がしっかりとできてやがる。

 

 間違いねえ。こいつらかなり前からバディとして活動してたな?

 

「いい連携してるじゃねえか!」

 

「それはもう! 私とフィーニクスは親友だしね!!」

 

「鈴蘭ちゃんがプルガトリオ機関に配属された時からの付き合いだよッと!!」

 

 なるほどな。

 

 だったらこっちも、負けるわけにはいかねえな!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてその攻防が長く続いた時、俺達の体にシャボン玉が触れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんだ、このシャボン玉。

 

 なんか、悪魔祓い達を中心として、涙を流して崩れ落ちている人がたくさんいるんだけど。

 

 なんだなんだ? いったい何があった?

 

『ほぅ。これは中々凄い能力だな』

 

 ドライグ、どういうことだ?

 

『これは、触れた者の大切な思い出を想起させる能力だ。迷走している人間を正気に戻すには効果的だな』

 

 なるほど。誰が出したのかは分からないけど、立派な能力だと思う。

 

 でも俺、全然思い出したりしないぜ?

 

『これは推測だが、相棒は常に大事なものを心に持っているから大丈夫なのではないだろうか』

 

 なるほど。常におっぱいに目が行ってるからな!!

 

 俺が納得していると、ストラーダ猊下がうんうんと頷きながら一歩前に出る。

 

 ここに来るまで、この爺さんは一人だけ闘っていなかった。

 

 たぶん、信徒達を思う存分戦わせたかったんだろう。それが目的で、この演習に乗ったんだと思う。

 

 そして、この人は悪魔に対する怒りで行動しているわけでもなさそうだ。

 

 少なくても、迷走はしてない。だからこのシャボン玉が効いてないんだ。

 

「素晴らしい力に目覚めたな、デュリオよ。……そして若き悪魔達よ。諸君らはデュリオと肩を並べるに相応しい勇士達かな?」

 

 この感覚。……俺達を試す気か?

 

 対クリフォト部隊、D×D。そのリーダーはデュリオだ。

 

 そして俺達もD×Dの一員。デュリオと肩を並べる仲間達だ。

 

 そして、D×Dはトライヘキサの封印が解けた時、間違いなく前線に出る。

 

 世界の命運がかかった戦いになるだろう。なにせ、相手はグレートレッドに匹敵すると言われている化物だ。たった一体あるだけで、今の戦局をひっくり返しかねない。

 

 この爺さん、もしかして俺達がそれをなすに相応しいか計りに来たんじゃないか?

 

 たぶん、それも目的の一つなんだろう。

 

 信徒達の鬱憤を晴らす。俺達を試す。どっちも今後の教会や世界の為に必要な事だしな。

 

 なるほど。だったら俺達も本気でいかなきゃならねえな!!

 

「いくぜ、皆!!」

 

 俺はそう言うと、真正面からドラゴンショットを放つ。

 

 それを猊下は避けずに立ったまま見据えた。

 

 いや、ちょっと待って?

 

 なんかこの人、デュランダルのレプリカすら構えてないんだけど!?

 

「中々いい魔力が籠っている。戦場を知ったのも神器に目覚めたのも一年も経ってない時期だとは思えないが……」

 

 そして直撃するかと思った瞬間。

 

「―だがまだまだだぞ、赤龍帝ボーイ」

 

 一瞬で裏拳を放つと、そのままドラゴンショットは吹っ飛ばされた。

 

 マジかよ。結構力込めたはずなんだけど、あっさりはじかれちまった。

 

 しかも、相手もまだ本気出してないってのが見てるだけで分かる。やせ我慢でもなんでもなく、ほぼ片手間のレベルで弾き飛ばしやがった。

 

「その程度で猊下は倒せんぞ、イッセー!」

 

 そう言うなり、今度はゼノヴィアがエクス・デュランダルを構えて切りかかる。

 

「戦士ゼノヴィア。デュランダルをどこまで扱えるか、見せてもらおう」

 

 そう言いながら、爺さんはゼノヴィアの攻撃を素早く避ける。

 

 ゼノヴィアの攻撃は威力重視だけど、これが鋭い。振るう速さも込められた力も、並の上級悪魔ならそれだけで終わりそうな勢いだ。

 

 だけど、あの爺さんはそれを易々と躱してくる。

 

「言葉ではなく行動で示す。デュランダル使いとしてまさにと言ったものだが―」

 

 そして、ゼノヴィアが大上段から振りかぶった斬撃を―

 

「―残念ながら、まだまだのようだ」

 

 ―指二本で白刃どりしやがった!?

 

 冗談だろ!? デュランダルの一撃はかなり重いのに、指二本で止めるってのか!?

 

 何をどうすりゃ、そんなことできるんだよ!!

 

「流石は猊下ということか!」

 

 ゼノヴィアのショックを受けたのか、目を見開く。

 

「だったら魔法で!!」

 

 そこにロスヴァイセさんが大量の魔法砲撃を叩き込む。

 

 た、確かに。物理が効かないなら魔法や魔力で対応するのは当然だ。特にロスヴァイセさんは魔法攻撃のスペシャリストだから、そういうのも向いているはず―

 

 そう思った次の瞬間。俺はとんでもない光景を目の当たりにする。

 

「ふむ、中々よく練られている。……だが、まだ若い」

 

 そういうなり、爺さんは指を一本だけ立てると、ロスヴァイセさんの魔法に次々と触れていく。

 

 そして触れられた魔法はそのまま霧散していく。

 

 はい!? え、ちょ、どういうこと!?

 

 ロスヴァイセさんの魔法は、上級クラスでもそのまた上ぐらいはあるハイレベルな魔法だ。威力だってシャレにならないし、術の練り上げも綺麗だって言われている。

 

 それを指先で触れただけで、どうやって消滅させるってんだよ!?

 

 唖然とする俺達の視線の先、爺さんは俺達の疑問に気づいたのか、手を止めると口を開いた。

 

「魔法とは計算だ。方程式を崩す理をぶつければ、相殺は可能なのだよ。特に若い使い手は形だけで術が洗練されていない事が多い。僅かな綻びを見つければ、パワーでこのように崩す事ができる」

 

「……っ」

 

 もうロスヴァイセさんは言葉も出ない。

 

 いやいや。ロスヴァイセさんの魔法は同じ魔法使いから見ても、洗練されていて無駄がないって話だった。

 

 それを若いという一言で片づけますか!? 何なんだよ、この爺さん。

 

「若さとは、強さであると同時に弱みでもある。その弱みに力を注ぎ込めば保たなくて砕けることは当然。……若き悪魔たちよ、若さを武器にするのは良いが、それに頼ってはいかん」

 

 す、すげえ。

 

 この爺さん。間違いなく人類最強格の化け物だ……っ!!

 

 勝てんのか、俺達!?

 




次回、ハイスペック爺ちゃん本気バトル編。

イッセー達は生き残ることができるか!?(まだ演習です
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