ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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ところ変わって今度はイッセー。

こっちはこっちで大ピンチです!!


第六章 76

 イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今、俺はすっげえことが起きてショックを受けてる。

 

 真女王の持続力はまだまだある。っていうか、出してからそんなに時間は経ってないはずだ。

 

 なのにもう切れた。

 

 今の俺は通常の禁手状態。しかも出力もちょっと下がってる感じだ。

 

 くそ! あのプロテクターも洋服崩壊(ドレス・ブレイク)なら確実に砕ける自信があるのに!! これじゃあ触れる事もできない!! 飛竜も出せない!!

 

「アイツ、スタイル良いから裸も見たいのに、見たいのに……っ!」

 

「イッセー! そんなことを言っている場合じゃないでしょう!!」

 

 ごめんねリアス! でもちょっとショックなんだ!!

 

 っていうかリアス達は何ともないの? ちょっと羨ましい!!

 

 なんていうか、俺とギャスパーとアーシアが影響を受けてる。他のメンバーはあまり影響を受けてないっぽい。

 

 いや、そういえば悪魔祓いの何人かも調子が悪そうだ。

 

 そして、そんな中デイアの攻撃は苛烈だ。しかも邪龍達やドーインジャーも来ているから、正直キツイ。

 

 だけど、何故かデイアは戸惑っていた。

 

「……禁手が解除されない? 既にその上に至っているからですか。厄介ですね」

 

 禁手が解除されてない事に驚いてる?

 

 待てよ。まさか……。

 

「まさかこの空間、神器に対して影響を与えてるのか!?」

 

「まあそうです。箱庭の中に、神の威光は届くこと能わず(イノベート・シェルター・システム)。リムヴァン様より賜った蒼き革新の箱庭(イノベート・クリア)の亜種禁手です」

 

 マジか!! やっぱりこいつも神滅具かよ!!

 

 そう思った瞬間、俺達の真後ろに大量のドーインジャーが召喚された。

 

 っていうか俺の足元にも出てきやがった。神出鬼没にもほどがある。

 

 そして気が付いたら、俺達の真上に魔方陣が展開されて、魔法砲撃が放たれる。

 

 畜生! デイアの奴、神滅具を使いこなしてやがる!!

 

「おほほほほ!!! ファミリアの人達はもう撤退した様ですけど、どうやらこちらは燃え萌えできそうですわねん?」

 

 しかもヴァルプルガまで出てきやがった!?

 

 っていうかまさか、この禁手って……。

 

「て、敵味方識別とか―」

 

「勿論できます。でなければ連れてきません」

 

 最悪だぁあああああ!!!

 

 たぶんだけど、この流れだとヴァルプルガの奴も禁手使えるよ。しかも神滅具の禁手だから強力なの出てきそうだよ。

 

 そんなの相手に、真女王も信頼の譲渡も飛竜も無しでやり合えってか?

 

 無理だって! 俺、一応歴代最弱の赤龍帝ですよ!?

 

『いや相棒。最早龍神の肉体すら持っているお前は歴代最強候補だと思うのだが』

 

 ドライグ。今はその特性を殆ど発揮できないんだけど。

 

 しかもチートのギャスパーと生命線のアーシアも弱体化してるんだけど。俺達の強みがごっそり奪われてるじゃねえか。

 

 どうすんだよ、この状況!?

 

 っていうか、なんで俺は普通に禁手使えてるんだ?

 

『思うに、相棒は特殊な形で禁手を昇華させているからだろう。奴の禁手が神器の位階を強制的に一段下げているのなら、お前は三段あるから大丈夫ということなのだろうな』

 

 なるほど。アジュカ様のリミッター解除様様ってわけか。

 

 ……ん?

 

 ちょっと待てよ。それってつまり、二段進化してる奴なら一段目までなら使えるってことだよな。

 

 ってことは―

 

『兵藤、無事か!?』

 

 その言葉と共に、放たれた魔法攻撃の威力がごっそり削れた。

 

 もう鎧越しならビクともしない。それぐらいに魔法の威力が減っている。

 

 これは、匙の神器の一つだ!

 

「……ヴリトラ!? なんで、これだけの出力を維持して―ッ!?」

 

 匙の声がした方向に視線を向けて、デイアは絶句した。

 

 そこには、久しぶりの邪龍変成(ヴリトラ・プロモーション)状態の匙の姿があった。

 

 うん。インパクトがあるよな、アレ。

 

「匙くん? そっちは大丈夫なの!?」

 

『俺達の側は自衛隊が手伝ってくれて何とかなってます! それに、こっちにも増援が来てくれました!!』

 

「……いやぁ、邪龍君達がいっぱいいるとか悪夢だよねぇ」

 

「ぼやくなデュリオ。今こそ信徒と天使の動くべきところだろう」

 

 その言葉と共に、大量のシャボン玉が現れると邪龍達を包み込む。

 

 そして次の瞬間、シャボン玉の内側で大量の雷やら吹雪やら嵐やらが発生して、邪龍達を吹き飛ばしていく!!

 

 更に気が付いた瞬間には、大量の聖なるオーラが巨大な剣となって、邪龍達を切り刻んだ。

 

 おお、あそこにいるのはデュリオとクリスタリディ猊下!!

 

 ゼノヴィアがその姿を見て、目を輝かせる。

 

「猊下! ご無事でしたか!」

 

「無論だ、戦士ゼノヴィア。……こちらも決着がついたのでな、今更ではあるが共闘しよう」

 

「我々は最初からそのつもりです。ではいきましょう!」

 

 そしてゼノヴィアもエクス・デュランダルを構えながら、クリスタリディ猊下を共に敵を叩き潰していく。

 

 そして、気づいた時には更に増援が出てきてくれた。

 

「ふむ、どうやら無事なようだな、若き悪魔達よ」

 

 ストラーダ猊下も出てきたよ! うわぁ、すごい勢いで邪龍やドーインジャーがぶった切られて行ってるし!!

 

「猊下! この空間をどうにかできませんか?」

 

 と、ロスヴァイセさんが魔法攻撃で邪龍達を吹き飛ばしながら猊下に告げる。

 

「本来の空間には対邪龍用の制御術式を用意しています。それが使えれば邪龍達の無力化は出来るはずです!」

 

 そんなもの用意してたんですか!? え、マジで!?

 

「……先手必勝で発動して正解でした」

 

 デイアがそう漏らすのも当然だ。出てたら返り討ち確定じゃん、そんなの。

 

 今回のヴィクターの主力は邪龍だもんな。ドーインジャーもいるけど、クリフォトが主力な所為か邪龍の方が多いって感じだ。

 

 で、でもこれは神滅具で作られた空間だろ? そんなのどうやって……。

 

「……なら、私がやろう」

 

 と、そこでゼノヴィアが立ち上がっていた。

 

 そして剣を構えるけど、それはエクス・デュランダルじゃない。

 

 デュランダルとエクスカリバーを分けて、両手に構えていた。

 

 元々エクス・デュランダルは、エクスカリバーでデュランダルの制御をする為の物だ。そうでもしないとゼノヴィアはデュランダルを制御できなかった。

 

 だけど、今デュランダルもエクスカリバーも出力が大幅に向上している。エクス・デュランダル以上だ

 

 ど、どういうこと?

 

 俺達が戸惑う中、猊下はうんうんと満足そうに頷いていた。

 

「それでいい。エクスカリバーもデュランダルもここで完結している武器だ。それを組み合わせるという行いはすなわち、戦士ゼノヴィア、貴殿の未熟の証明に他ならない」

 

「仰る通りです。お恥ずかしいところをお見せしました」

 

 猊下にそう答えながら、ゼノヴィアはちょっと顔を赤らめて向き合った。

 

「全て猊下の指摘のおかげです。本当に感謝いたします」

 

「ならば振るうがいい、戦士ゼノヴィア。いいか、パワーを恐れてはならん。デュランダル使いはパワーと共にあるのだ」

 

 な、なんか俺達には分からない世界が作り上げられてる!?

 

 いや、でもどうすんのこれ?

 

 相手は神滅具の禁手だろ? しかも、俺達神器使いの力を軒並み抑え込んでいる禁手だろ?

 

 そんなの、いくらデュランダルでも―

 

「赤龍帝ボーイ。貴殿は一つ勘違いをしている」

 

 と、俺の不安を察した猊下がそう言った。

 

 そして、その声と共にゼノヴィアがデュランダルとエクスカリバーを構える。

 

 そしてその圧倒的な聖なるオーラが、巨大な刃を形作った。

 

 ……すげえ。ホントに今まで以上の威力になってる。っていうかこれ、俺のクリムゾンブラスターより威力上じゃないか?

 

 そう思ったその瞬間、猊下はそれを見てはっきり言い切った。

 

「デュランダルは、()()切れるのだよ」

 

「……行くぞ、蒼き革新の箱庭(イノベート・クリア)

 

 その猊下の言葉を受けて、ゼノヴィアは一気に踏む込んで―

 

「―クロス・クライシス!!」

 

 その言葉と共に振るわれた斬撃が、箱庭を両断した……ぁあ!?

 

 切れた空間から元々の試合空間が見え、そして一瞬で元々の空間に戻ってきた。

 

 嘘だろぉおおおお!? こんなあっさりぃ!?

 

「……まさか、魔法で強化した箱庭を破壊するとは!?」

 

「当然だ。若さゆえに術が甘い。これでは突破は容易だろう」

 

 焦ってるデイアに猊下がそう言い切るけど、マジですか?

 

 いや、この人デイア並みにすごいロスヴァイセさんの魔法を指先一つで吹っ飛ばしてたもんな。それぐらい言えちゃうんだろ。すげえ。

 

 でもゼノヴィアがやったのはパワーによる強引な解決だと思う。なんていうか、ゼノヴィアにそういう細かい芸当は出来ないような気がする。

 

 そして、そんなこんなで邪龍達が一斉に無効化された。

 

 おお、これは一気に戦況が変わったか!?

 

「ああもう! カルディナーレの連中は何を―」

 

 ヴァルプルガが辺りを見渡すけど、そこにあの空飛ぶ船の姿はない。

 

 どうやらあっちはあっちでもう帰っていったらしい。最初っから全部ヴァルプルガ達に任せて逃げる気だったって事か。

 

 そして、残っていたドーインジャーたちは自衛隊員と悪魔祓いの連合軍が一気に削っていく。

 

 よし! だったら後はヴァルプルガとデイアを倒すだけだ!!

 

「……失敗ですね。逃げますよ」

 

「そのようねん。じゃ、撤退術式を―」

 

 デイアとヴァルプルガは術式を発動させて―

 

「「え?」」

 

 何故か、二人とも転移しない。

 

 な、なんだなんだ?

 

「悪いが、そう簡単に何度も逃がすつもりはないな」

 

 と、そこに現れたのは、黒い狗を連れた鳶雄さんだ!!

 

 見れば、辺り一面に黒い刃が展開されてる。これ、鳶雄さんの神滅具の力だったよな。

 

「この辺りに展開されていた転移術式は全て()()()。これでお前達は転移できない」

 

「……数万単位でランダムに組んだ術式なのですが?」

 

 デイアがそう聞き返すけど、鳶雄さんはゆっくりと頷いた。

 

「ああ、全部切ったとも」

 

「この、化け物……っ」

 

 顔色を変えたヴァルプルガが、鳶雄さんを睨む。

 

 そして鳶雄さんも、鋭い視線をヴァルプルガに向けた。

 

「虚蝉機関から連なる事件では世話になったな、紫炎の。……先代よりは使いこなせてるようだが、まさかその程度で俺というイレギュラーを倒せるとは思ってないだろう?」

 

「……生まれつき禁手に目覚めながら、死ぬことなく成長した規格外。姫島の系譜であったが故とは言え、ここ迄強敵になるとは困りものですね」

 

 鳶雄さんに苦笑を浮かべながら、デイアはため息をついた。

 

 うん? 観念したのか―

 

「なら走って逃げます」

 

 あ、一気に走り出した!!

 

「ハッ!!」

 

 そして空間を破った。

 

 で、そのまま虚空を踏みしめながら、次元の狭間を全力疾走で逃げていきやがった!!

 

 ありかそんなの!! イグドラシステム何でもありだな、オイ!!

 

「ちょっと!? わたしを置いて行かないで―」

 

「……どうやら見捨てられたみたいだな、ま、性格悪そうだし嫌われてんだろ、あんたも」

 

 と、ヒロイが槍を構えながらヴァルプルガに迫ってる!!

 

「さっきは活躍できなかったが、ちょっとは手柄を立てねえとな!!」

 

「同感ね。色々あったのだから敵将の首ぐらい持って帰らないとね」

 

 更にリセスさんまで参戦だよ!!

 

 あ、これヴァルプルガ……死んだな。

 

 俺が味方に見捨てられたヴァルプルガに流石に同情した瞬間だった。

 

「な、嘗めないでもらおうかしらん!!」

 

 そう吠えると一緒に、ヴァルプルガの後ろにあった紫炎の十字架が勢いを増す!!

 

 黒いオーラを支援が混ざり合って、二百メートルはある、八首のドラゴンが形成される。

 

 あ、あれは―

 

「八岐大蛇ですって!?」

 

 リアスが驚くのも当然だ。

 

 あれは、八重垣さんの天叢雲剣に宿っていたのと同じ、八岐大蛇!?

 

「これが私の亜種禁手、『最終審判による(インシネート・アンティフォナ)覇焔の裁き(カルヴァリオ)』よん♪」

 

 なんか炎の十字架に貼り付けにされた、八岐大蛇来たぁああああ!?

 

Side Out

 




デイアの神滅具は蒼き革新の箱庭。そいて、その禁手は対神器仕様。

神器相手なら問答無用で同格未満にすることができる、質の悪い禁手です。さらに自身の魔法技量との併用で、オールレンジ魔法攻撃をぶちかます強敵に!! だけどイッセーとか佐治とかのイレギュラーには効果が薄かったぜ。残念!!
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