ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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そろそろレーティングゲームの闇が明かされる今日この頃。

嵐の前の静けさ的な話になります。


第六章 81話

 

 でだ。俺たちは駒王町の地下にある空間に訪れてた。

 

 教会との演習に前後する形で、最上級悪魔のタンニーンさんから頼みごとをされたんだ。

 

 絶滅危惧種レベルの希少種ドラゴン、虹龍(スペクター・ドラゴン)の卵が産まれたってよ。希望の星だとのことだ。

 

 だが、冥界の空気は卵に悪くて孵化する前に腐るかもしれねえそうだ。そういうわけで、孵化寸前の卵を人間界に置くことにしたらしい。

 

 タンニーンさんはドラゴンアップルっていう人間界では絶滅しちまった果実を確保するために転生悪魔になった、非常に人格者なドラゴンだ。

 

 だけど、今度は冥界の空気だと卵が産まれないドラゴンが出てくる。難儀なもんだぜ。

 

 で、その保管場所して選ばれたのはこの駒王町。

 

 いろいろトラブルが頻発してるこの街だが、それゆえに厳重な警備がされてる。今更警備が薄いところにおいて、この希少種な卵を狙った不埒な奴に狙われるのもあれだ。警備を厳重にするにも限度があるしな。

 

 と、いうわけでピーキーな判断だがここが選ばれたわけだ。つーわけで俺たちもいろいろと様子を見てる。

 

 まあ、ある意味最強の守護神が守ってるわけなんだがな。

 

「我、卵守る」

 

 などといって卵を抱きかかえるのはオーフィスだ。

 

 今でも準最強格のドラゴンが守護者やってる卵。どう考えても襲ってきた連中がご愁傷様だろ。仕掛けてきたやつの冥福祈るぜ、俺。

 

「オーフィス、その卵気になるのか?」

 

「我、子育てしたことないから興味津々」

 

 と、イッセーに応えるオーフィス。毎日ここに通い詰めている。

 

 なんか卵やら孵化やらドラゴンやらのキーワードが気になったのか興味津々らしい。

 

 ……力加減に失敗して割るとかいうオチだけは勘弁してくれ。龍王VS龍神のガチバトルとか巻き込まれたくねえ。

 

 なんか、卵からドラゴンから生まれる瞬間を見たことないらしい。長い間生きていてるわりに、オーフィスはそういう経験が全くねえな。

 

「オーフィス、そういう時はしっかり温めるッス。ちょうど冬だし厚着するのもありっすよ」

 

「分かった。ダッフルコートもらってくる」

 

 なんでコートの種類の知識なんて知ってるんだ?

 

 まあ、そんな事より俺が気になるのは……。

 

「……」

 

 少し離れた視線で座り込んで、オーフィスをじっと見ている人間体のクロウ・クルワッハ。

 

 なんか知らんが、いつの間にやらタンニーンさんの食客やっていたらしい。

 

 こいつもこいつでよくわからん奴だ。ヴィクターの用心棒やってたくせに、ヴァルプルガが共闘の意志を見せたら機嫌を悪くしたらしい。

 

 ヴァーリにしろこいつにしろ、ヴィクターに参加しておきながらなんで平然とこっち側に来てんだろう。もうちょっとこう、帰属意識とか味方意識とか持てよ。食客にするあたりタンニーンさんも俺らとは違う価値観だな。

 

 まあ、イッセーやオーフィスに勝負を挑んで断られたらあっさり引き下がるあたり、アポプスやアジ・ダハーカよりはましなんだろう。タンニーンの頼みもきちんと聞いてるし。

 

 普通に見ると通報される絵面だが、まあそこはスルーしてやろう。年齢差はむしろ逆だろうし。武士の情け武士の情け。幼女を見ている黒コートの男なんて言うあれな絵面は気にするな。

 

「……そういえば聖槍使いと煌天雷獄使い。俺と戦え」

 

「いや、今ちょっと勘弁してくれ」

 

「身内が行方不明で気が気じゃないのよ。それが終わったら手合わせぐらいは受け付けてあげるから」

 

「……そうか」

 

 あっさり引き下がるなこいつも。アジ・ダハーカとは別の意味で理解できん。

 

 俺が首をかしげてると、アーシアがなぜかバナナをもってクロウ・クルワッハに持っていった。

 

「あ、あの。何もしないのもあれですし、良かったらこれをどうぞ」

 

 ……邪龍にバナナか。

 

 そういえば、オーフィスも食ってるな。あむあむと無表情なのか笑顔なのかよくわからんかんじで。

 

「バナナといいます。おいしいですよ?」

 

「………」

 

 すさまじい絵面だ。クロウ・クルワッハも受け取ってるが困り顔だ。

 

 まあ、大丈夫だろう。

 

 オーフィスから加護をもらって契約関係で効果が出ているらしいしな。邪龍との相性も量産型四体と契約しちゃった分あるだろうし、ファーブニルもいる。

 

 アーシアに暴力を積極的に振るうような下衆じゃねえだろ。タンニーンさんも認めているドラゴンだしな。いくらバトルマニアでもそんな挑発行為はないだろ、うん。

 

 ……ファーブニルか。

 

「そういや、ファーブニルって目覚めたのか?」

 

 最近全然見てないしな。ちょっと気になる。

 

 リゼヴィムにボコられながらもボコり返したらしい。タンニーンさんが火力『だけ』なら魔王クラスってことを考えると、超越者相手に大金星だ。

 

 だが、そっからずっと眠っているらしい。

 

「それが、最近全然呼びかけにも答えてくれないんです」

 

 ああ、やっぱり。

 

 まさか猫のごとく死ぬときに姿を消すとかいうわけでもねえだろうが、ちょっと気になるな……。

 

 俺たちが神妙な感じになるが、その空気に声が飛んだ。

 

「心配いらない。ファーブニルは戦ってる」

 

「奴も龍王だ。あのまま引くようなタマではあるまい」

 

 ……バナナ片手に龍神と邪龍がなんか言ってるよ。

 

 別の意味で空気がほぐれちまったな、コレ。

 

 っていうかどこで戦ってるんだ? 今負傷中だから戦いようがねえだろ。

 

 っていうかリゼヴィムをどうやって倒す気だ? あいつ、今現在ヴィクターの勢力圏内だから龍王が暴れたらさすがに騒ぎになりそうなんだが……。

 

 さてさて、どうしたもんか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「L~! 準備完了だよ~」

 

「サンキュー! これでおじさんも意趣返しができるってもんよ!! そっちも準備は?」

 

「後は生贄がちょっとあれば行けるね。じゃ、天龍になってもらおうかな?」

 

「いいねいいね! クリフォト(俺たち)に対抗するための組織の主力で、トライヘキサが封印解除だなんて皮肉が効きすぎてるぜ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなある日、俺たちはある人物から呼び出しを受け、行動することになった。

 

 呼び出されたのはグレモリー眷属&シトリー眷属に俺らとイリナっていういつものメンバー。

 

 そして呼び出したのは、四大魔王が一角、超越者アジュカ・ベルゼブブ様。

 

 ……なんかすっげえ嫌な予感がするぜ。大事確定だろ、コレ。

 

 そんなこんなでちょっと緊張していた俺だが、ふと出くわした人がいた。

 

「あ、親父さん」

 

「ああ、ヒロイ君か」

 

 と、親父さんが苦笑を浮かべていた。

 

「何かあるのかい?」

 

「ええ、ちょっとオカ研と生徒会に関係者が会いたいと」

 

 さて、どこまで話したらいいものかと思ったが、親父さんは朗らかに笑った。

 

「ああ、気にしなくていいよ。学生さんには学生さんでいろいろとあるんだろ? リセスさんもついているし大丈夫だと思ってるよ」

 

「……姐さんは別の意味で監視役が必須っすけどね」

 

 あの淫乱お姉さんは、ちょっと監視が必要なんじゃないかって気がして困るぜ。

 

 頭痛を押さえていると、親父さんは俺に向かって頭を下げる。

 

「……イッセーと仲良くしてくれて、本当にありがとう」

 

 へ? いや、別にそこまでするようなことじゃ……。

 

 俺はちょっときょどるが、親父さんはしかしなんか頭を抱え始めた。

 

「うちのイッセーはいい子なんだがスケベすぎてな。松田君と元浜君も同じ感じだから、それ以外の友達があまりいなくてなぁ」

 

 ああ、確かに。

 

 あいつド級の変態だもん。覗きの常習犯のままハーレム作ろうとか甘いっての。せめてバレるな。

 

 そりゃ親御さんとしても不安だろう。なまじいいやつだから嫌いになれないところもあるだろうしな。

 

「それが最近はたくさんの女の子に好かれて、君達みたいな男友達にも恵まれてる。……それも三大勢力のエージェントとかいう、すごい人にだ」

 

「まあ、アイツはアイツで味ありますから。付き合ってると嫌いになれねえんすよ」

 

 ホントそれだ。

 

 変態の女の敵だからとっつきにくいが、一度付き合っちまうと嫌いになりにくいタイプだ。味がある。

 

 それに、アイツは冥界におけるヒーロー(英雄)だしな。

 

 俺にとってもライバルだ。英雄を目指す身としては負けられねえ。

 

「俺の姐さんもペトも、イッセーのことは仲間だと思ってます。だからまあ、アイツがその信頼を裏切らない限りダチでいますよ」

 

 ま、この言葉は信頼を裏切ったら敵になるって意味だけどな。

 

 そんなこと……ないよな? いや、変態だしいつか性犯罪をさらに悪化させるか? いやいや、あんだけ美少女に囲まれてそんな馬鹿な真似は…‥まだ時々覗きしてるなぁ。

 

 俺が困ってると、親父さんは自信満々な表情を浮かべた。

 

「それは大丈夫! あいつはホントに誠実な奴だから、安心できるよ」

 

 ……ああ、そう言われたら安心だ。

 

「ま、これからもいろいろあると思いますけど、俺は基本的にあいつの味方っすから」

 

 俺は言うと、アジュカ様に会うべく行動を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 できれば、もう少し話をするべきだと、今になると思ってしまうんだけどな。

 

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