ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ 作:グレン×グレン
それと、感想で指摘されたので補足説明。
ヒロイは曹操と比べると聖槍使いとして格が数段劣りますが、唯一聖槍に宿る聖書の神からの加護だけは上回っております。この辺、アーシアの即効性やレオナルドのアンチモンスター精製能力などを参考にしました。都合が合えば同じ神器でも性能さが出るような描写を出したいです。
ヒロイの場合は聖槍からの加護により、ディフェンス面が曹操より上です。破壊の聖剣や赤龍帝の籠手でどつかれたり、全力疾走の悪魔の自転車ではねられても割とぴんぴんしてるのもそれが理由だったります。
それと、箇条書きマジックですがヒロイと曹操の来歴は結構似通っていることに今日気づきました。
どちらもはたから見れば底辺といわれるような環境の出身で、化け物に襲われたことがきっかけで人生が一変し、そして英雄を目指している。
……ヒロイの方が環境的には下ですが、曹操は半端に親に愛されていたため、死んだこと射思うところがあるなどの違いはありますけどね。
なんだぁああああ!?
俺は、いきなり自分のすぐ近くに墜落してきたやつを見ていろんな意味でびっくらこいた。
「おやおや総督殿。その様子ではついにあいつが動いたようですね」
曹操が言う通り、墜落したのはアザゼルだった。
「痛てて……っ。この状況で反逆かよ、ヴァーリ」
起き上がったアザゼルの視線の先には、ヴァーリがいた。
おい、叛逆ってことは……っ。
「貴方、まさか禍の団についたの!?」
「そうだよリセス。こっちの方が面白そうなんでね」
そう告げるヴァーリは、宙に浮かびながら平然としていいた。
「真なる白龍神皇になるといっていた男が、夢幻の宿敵たる無限に降るの?」
「そんなつもりはない。あくまで協力するだけだよ。魅力的なオファーをもらったんでね」
「いつの間にそんなもんもらったんだよ。聞いてねえぞ?」
姐さんに対してこたえたヴァーリの言葉に、アザゼルが追加で質問する。
ホントだよ。っていうかオファーってなんだオイ。
「オファーを受けたのはコカビエルを連れて帰るときさ。そして、オファーの内容は「アースガルズと戦ってみないか」」
アースガルズ。北欧のアース親族の集まりか。
なんだそりゃ。こいつ、強い奴と戦うためだけに組織を裏切るってのか!
「アザゼルは絶対に反対するだろう? 戦争が嫌いだもんな」
「当たり前でしょう!! あなた、アザゼルに「世界を滅ぼす要因にだけはなるな」って言われたの、忘れたの!?」
「関係ないね。俺は強い奴と戦えればそれでいい」
姐さんの言葉もヴァーリには届かない。
そして、其れをあざ笑うかのようにカテレアの声が響いた。
「彼の性根を知っておきながら放置していたあなたの失態です。世界の安定を壊しかねない神器の持ち主を殺害してきたあなたらしくもない」
「痛ぇところをついてくんな、カテレア。俺だって殺さずに済ませられるならできるだけそっち取ってんだよ」
「その甘さが原因で、白龍皇の造反を招いては意味がないでしょう」
反論できねー。
暴走の危険性がある神器保有者を殺しておきながら、一番危険な奴を放置してたとかさすがにないわー。
いや、暴走は暴走でも神器じゃなくて使い手が暴走してるんだけどよ。
くそ、こんな時戦えないとかさすがにキツイ……っ。
「ヒロイ!」
「大丈夫かよ!?」
「すぐに治します!」
と、そこにお嬢がイッセーとアーシアを連れて駆け寄ってくる。
よし。これでとりあえず怪我を治療することはできるはずだ。
「悪ぃ! 直ぐに回復を頼む。……こんなところで寝てらんねぇ」
「はい! 直ぐに治しますからしっかりしてください!!」
「ヴァーリ! 裏切り者はてめえか!!」
アーシアが俺を治してるなか、イッセーはヴァーリに指を突き付けてにらみつける。
それを不敵に笑って受け流しながら、ヴァーリは視線を俺に向けた。
「しかし君は曹操に一蹴されたか。しょせん後天的な保有者では、先天的な保有者にはかなわないということかな?」
「それが聖槍から加護を強く受けているようでね。そこ
だけを強調すんな、曹操!!
くそ、事実だけにマジでむかつく。
「天然もの……。つまり、そちらの彼は生まれつき聖槍を保有していたということね?」
「御名答。そちらの彼とは違い、俺は生まれつき聖槍に選ばれたものさ」
お嬢の言葉に曹操は得意げに嗤う。
そして、その隣によくわからない奴が降り立った。
……いや、あいつどっかで見たことあるぞ?
「やっほぃヒロイ君とリセス君! 僕のこと、覚えてるかなー?」
「あなたは……っ」
やけになれなれしく挨拶しやがる奴をみて、姐さんは目を見開いた。
そして、すぐにアザゼルに顔を向ける。
「アイツよ! あいつが私に神器を金で売ったやつよ!!」
「ああ。そうらしいな……っと」
そう答えながら立ち上がると、アザゼルは鋭い視線を奴に向ける。
「リムヴァンとかいったか! ヒロイとリセスが神器を複数持ってるのは、お前が移植したから……でいいんだな!」
「ザッツライト! 神器の複合保有の研究のためにね! 金で釣ったり金をせびったりは気分でやらせてもらったぜぃ!!」
即答されて、俺はようやく思い出した。
まだ俺が姐さんに救われて孤児院に入る前、俺は食い物に困って人体実験を受けた。
……冷静に考えりゃどう考えてもあぶねえ橋渡ったんだが、それはもういい。
つーか、奴が移植したってことは―
「てめえが、俺に神器をあたえたってのか!」
「そ・の・と・お・り!! いや。神器を全く持ってない子が、あっさり二つも適合したってのがマジすごくてね! ついでに聖槍を移植させてみたらこれまた成功したんだよぉ」
しみじみとうなづいたリムヴァンは。其のままにやりと笑うと軽く手を上げた。
「サンキュっ。君のおかげで研究が十段飛ばして進んだぜ!」
くそむかつくことを言ったうえで、さらにリムヴァンはリセスにも笑みを向けた。
「そして最後のデータが君のおかげで集まった。おかげで誰をどうすれば神器を安全に移植できるのかがわかったよ」
「だから君たちは試作品の成功作なのさ。君たちのおかげで俺達完成品が誕生したんだよ」
リムヴァンの言葉を曹操が継ぐ。
ってことは。曹操の野郎も神器をいくつも移植してやがるってことかよ!!
「じゃあリムヴァン。俺はやることも終えたし先に帰る。君は?」
「もうちょっと様子を見てからにするよん。カテレア、誰か一人ぐらい殺せそうかにゃん?」
「安心なさい。オーフィスから蛇を賜った今の私なら、確実に一人は殺せます」
そう思い思いに言葉を放ちながら、カテレア・レヴィアタンは一歩前に出る。
俺も傷の回復が終わったんで戦闘しようとするが、其れより先にアザゼルが前に出た。
「思った以上に力が出てやがったが、お前、オーフィスに何かもらったな?」
オーフィス? オーフィスが何かしたってどういうことだ?
アザゼルの言葉に、カテレアは不敵に笑う。
「彼には力をもらいました。この力をもって、私は貴方はもちろんセラフォルーも倒します」
それができると確信してんだな、アイツ。
すっげぇ自慢げなんだけど、ものすごくカマセっぽいのは俺の気のせぇか?
俺と同じことを思ったのか、アザゼルも鼻で笑った。
「はっ! お前にセラフォルーの代役は務まらねえよ。第一……俺の研究の邪魔するやつは消えてなくなれ」
そう言いながら、アザゼルは懐から何か取り出す。
それは、一本の短剣……というより単槍か?
なんか金色で目立つ感じだ。しかもなんか強いオーラも感じてんだけど。
「あら、それ使うの?」
「ああ。今のカテレアならテストにはもってこいだろ」
姐さんにそう答えると、アザゼルは取り出したその短槍を見せつける。
「これが、戦争なんぞよりよっぽど楽しい俺の研究、その集大成である人造神器、堕天龍の閃光槍《ダウンフォール・ドラゴン・スピア》だ」
人造の神器!? 堕天使の神器研究は、そんなところまで進んでやがったのかよ!
リムヴァンも大概だったが、こいつもこいつでとんでもねえなぁ、オイ!!
そう思った瞬間、槍を中心に光が発生して、アザゼルを包み込んだ。
そしてそれがやんだ時には、アザエルの全身が金と黒の鎧に包まれていやがった。
「で、これがその人造禁手、
さ、さらに禁手まで再現だとぉ!? いや、神器の人工品だっていうなら、禁手も再現できなきゃいけねえってのか!?
『いや、厳密にはあれは禁手ではない』
と、イッセーの籠手からドライグの声が聞こえた。
あれ? でも禁手っていってたじゃねえか。
『あれは神器を暴走させて、禁手に近い状態にしているだけだ。アザゼルめ、あんな使い方をすればすぐに壊れるぞ』
ああ、さすがにそこまで研究は進んでなかったのか。
あー、びっくりさせんなよ。
……いや充分すげえじゃん!?
「そんな馬鹿な! そこまで研究は進んでなかったはずです!!」
「うちにも内通者がいるって言ってるぞ、それ。まあ、こっちも内通者に対する警戒の一つぐらいはしてんだよ」
驚愕するカテレアにアザゼルはそういうと、槍の先端をしっかりと突き付けた。
「ほら来いよ。オーフィスさまの蛇があるんだろぉ?」
「な……めるなぁあああああ!!!」
激高したカテレアは、両腕に魔力を込めながらアザゼルに仕掛ける。
あ、馬鹿。それ完全に負けフラグだって。
俺がそう思った瞬間に、一瞬で勝敗は決した。
アザゼルの鎧には傷一つなく、そしてカテレアの体からは鮮血は吹いた。
あれは致命傷だ。遅かれ早かれ治療しなければすぐに死ぬほどのな。
「舐めんな。
「すっげぇ!!」
得意げなアザゼルにイッセーが感嘆の声を上げる。
そりゃそうだろ。なんだあの性能は!!
今まで互角の勝負になってたのに、一瞬で状況をひっくり返しやがった。
「まあ、材料が材料だから当たり前だけどね」
「おまえ、一言多いぞ」
姐さんの軽口にアザゼルがぼやく中、カテレアはそのまま立ちすくんでいた。
「まさか、オーフィスの力を借りながら届かないとは……」
カテレアはそう呆然とつぶやき―
「―まさかこれまで使うことになるとは、思いませんでした」
そして炎に包まれた。
やっぱり裏切るヴァーリ。まあ、ここで裏切ってくれないと話が進みませんし。