ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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いきなり前回で致命の呪いをかけられてしまったヒロイ。

そして、ここからが最終章の序曲です……!



第六章 89 黙示録の序曲

 

 イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アーシアぁああああ!!

 

 母さん、父さん!!

 

 いったいどこに行ったぁああああ!?

 

「落ち着け兵藤一誠。あの皇帝ベリアルがいる以上、よほどのことがない限り君の両親は大丈夫だ」

 

 ヴァーリにそう諫められるけど、ここ敵の拠点だからね? 敵陣営の真っただ中だからね?

 

 わかってても心配なんだって! だってリゼヴィムが誘拐したんだし。

 

 なんか聖杯使って細工してるかもしれないじゃん! 吸血鬼の里では煽られた吸血鬼を邪龍にしようとかたくらんでたみたいだし!!

 

 トライヘキサの封印が解除されれば、それで勝てると思ってるから遠慮がなくなってるみたいだしな。本性が透けて出てきた作戦だっただろ、今回。

 

 だから、すぐにでも動いてアーシアと父さんと母さんの安全だけでも確保しないと―ッ!?

 

 その時、俺の視界にリムヴァンの姿が映った。

 

 それも、カテレアとユーグリッドまで一緒にいやがる。しかもなんか明らかにやばいドラゴンまでいるぞ?

 

 あ、あれ、アジ・ダハーカってやつだ!!

 

 くそ! こうなったら俺たちがどうにかしないと……っ!?

 

「まじかよ!?」

 

 俺の目に、父さんと母さんを抱えているディハウザーさんの姿が映る。もちろんアーシアもすぐ近くにいるけど、様子がおかしい。

 

 そして俺はすぐに気が付いた。

 

 ……顔色を悪くして狼狽しているヒロイとリセスさんがいる。

 

 すぐにアーシアが駆けつけて回復のオーラを展開するけど、2人の様子が変わる気配がしない。

 

 なんだ? なにがあった?

 

 いや、よくわからないけど、わかることも一つはある。

 

 目の前にリムヴァンがいる。この時点で、誰が犯人かなんて明白だ。

 

「リムヴァァアアアアアアアアンっ!!」

 

 俺は龍神化を維持した状態なのをいいことに、遠慮なくリムヴァンに突進すると拳を叩き込もうとし―

 

「―ゴフッ?」

 

 途端に、血反吐を吐いて力が抜ける。

 

 ……なん、だ? なにが……いったい……。

 

「イッセーさん!? イッセーさんしっかりしてください!!」

 

 アーシアが慌てて俺に回復のオーラをかけるけど、おかしいな、痛みが、消えねえ……

 

「イッセー!? イッセーしっかりして!!」

 

「どうしたんだイッセー! オイ、イッセー!!」

 

 母さんと父さんの声まで聞こえてくるけど、俺は返事もできやしない。

 

 くそ……。今目の前に、リムヴァンすらいるってのに……!!

 

 駄目だ、あとちょっと、あとちょっと……だけ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side Out

 

 

 

 

 

 

 

 

 イッセーがぶっ倒れた。

 

 なんか鎧の色もぜんぜん違うし、完全に俺たちがいない間に何かあったみたいだ。

 

 てっきりヴァーリの秘策とイッセーの透過で何とかしたのかと思ったんだが、そういうわけでもないみたいだ。っていうか、このタイミングで新形態とか空気読みすぎでなんか腹立つ。

 

 ……もっとも、こっちもそんな場合じゃないみたいなんだけどな。

 

「これは、まずいわね」

 

 姐さんも、さすがに衝撃を受けている。そして、かけられた呪詛のせいで一気に不調になっている。

 

 そりゃそうだ。同じ呪詛をかけられた俺もそんな感じだからな。

 

 長生きは難しいことはわかっていた。そもそもそういったものに興味は薄い。人間の寿命なんてそもそも短いしな。

 

 つっても、流石にいきなり「お前の寿命は下手すりゃ半日」って言われるのはキツイって。ちょっとショックだ。

 

 そして、それ以上に呪詛の影響が酷い。

 

 見えない巨大な枷をかけられたかのように重い。明らかに絶不調になっている。

 

 まずい。このままだと、戦えない……!

 

「ふむ~ん。これはさすがに片手落ちだねぇ。Lを倒すのはさすがに代償が必要だったってことかな?」

 

 小首をかしげるリムヴァンの視線は、イッセーにむけられている。

 

 同時に、俺たちにも注意が割かれているが否でもわかる。

 

 この野郎。この圧倒的な状況下で、俺たちにもある程度の警戒を向けていやがる。

 

 やべえ。こいつ、まず間違いなくこの場で最強だ。

 

 そんな状況下で、不意打ち喰らって碌に戦えないとか、馬鹿にもほどがあるだろうが!!

 

「あ、心配しなくても呪詛はすぐに慣れるからね? 数日もすれば全力戦闘もできるようになるよ?」

 

 そう軽い口調で俺たちにとんでもないことをぶちかましやがった。

 

 え、この呪詛の影響、そんなすぐに慣れんの?

 

 だったらすぐにどうにかできそうだな。さっさと回復して、即座にてめえをぶちのめして―

 

「もっとも、死んでもいいならって前提が付くけどね?」

 

「やってくれるわね、この外道が……っ」

 

 そのにんまりとした笑いに、姐さんがマジギレしたのか額に青筋を浮かべる。

 

 つってもどうする? こいつ相手に今の俺たちで勝ち目があるのか……?

 

「……やってくれるな、リムヴァン」

 

 そこに、イッセーみたいな感じの鎧になったヴァーリが割って入ってきた。

 

 こいつもパワーアップしてるのかよ! どんだけだ、どんだけだよ。

 

「これではヒロイ・カッシウスとリセス・イドアルに勝負を挑めないじゃないか。せっかく見つけた好敵手を、よくも台無しにしてくれたな……!!」

 

「こっちのセリフだよヴァーリきゅん。せっかく見つけたLという友達を、よくも殺してくれたね」

 

 鋭い殺気交じりの視線をぶつけあう、ヴァーリとリムヴァン。

 

 だが、リムヴァンの発言が本当なら、アイツはかなり消耗している。

 

「ヴァーリ! リムヴァンは弱体化してる。倒すなら今が好機よ!!」

 

「なるほど。こちらも疲弊しているのでね、すぐにでも倒すとしよう……っ」

 

 殺気を込めた動きは、俺たちでも追い切れない。

 

 そんな文字通り目にもとまらぬ速さで繰り出された攻撃を、然しリムヴァンは回避しない。

 

 理由は簡単だ。防ぐ必要がないからだ。

 

「させませんよ、ヴァーリ」

 

「全くです。恩人に手は出させません」

 

 その腕をつかみ取るのは、プロテクターに身を包んだカテレアとユーグリッド。

 

 だが、そのプロテクターは今までとは全く違う形だった。

 

「イグドラポプス、展開完了しました」

 

「イグドラハーカ、こちらもです」

 

 気づけば、動きを完全に止めていたアポプスとアジ・ダハーカの姿がない。

 

 まじかよ。こいつら、やりやがった。

 

 ……アポプスとアジ・ダハーカで、イグドライバーシステムを作りやがった!?

 

「何処までも、龍を虚仮にしてくれる輩だな、貴様らは……!」

 

「蜥蜴と蛇に斟酌するほど、僕に動物愛護精神はないよ」

 

 タチの悪い精鋭を盾に、リムヴァンはヴァーリの殺意のこもった言葉を受け流す。

 

 さらに、その場にイグドラフォースが全員集合。さらに大量のイグドラゴッホとイグドラグウィバーが現れる。

 

 やべえ、コレ、詰んだんじゃねえか?

 

 俺がそう思ったその時だった。

 

「じゃ、元老院に戻るよー! 作戦開始は一時間後ね?」

 

 ……そんな、明るい声がリムヴァンから放たれる。

 

 なん……だと?

 

「見逃す気かよ、リムヴァン!!」

 

「負け犬の遠吠えありがとう。ま、こっちにもやることがあってね」

 

 俺にそう答えながら、リムヴァンは視線をトライヘキサに向ける。

 

 覚醒するトライヘキサは、すでにヴィクター経済連合の制御下にあるのかヴィクターの護衛部隊と行動を共にしている。そして、そのまま転移の光に包まれていく。

 

 見ればD×Dのメンバーや連合部隊から攻撃が飛んでいるが、それをまったく意にも介していない。

 

 マジかよ。それだけの化け物だってのか。冗談抜きで、グレートレッドクラスはあるじゃねえか……!

 

「まあ、最終決戦の舞台はそれ相応のものでなければいけないからね。ここはあまりにも無粋な場所だと思うんだ」

 

 そう言いながら、イグドラシステムの装着者たちに護衛されつつ、リムヴァンは空に浮かびながら告げる。

 

「吸血鬼の里で言った通りに、僕達ヴィクター経済連合は、トライヘキサの力を使って全面戦争を引き起こさせてもらう。……決着をつけよう、三大勢力及び敵対神話」

 

 その言葉と共に、リムヴァンはトライヘキサと一緒に転移してきやがった。

 

 ……クソ。ここにきてヴィクターはついにまじの戦争をぶちかますってか。しかも、グレートレッドクラスの化け物を引き連れて。

 

 そのくせ俺は、戦えば確実に死ぬ。イッセーはイッセーで下手したらこのまま死ぬかもしれねえ。

 

 ……そっか、俺、死ぬのか………。

 

 あ、やべ。呪詛の影響か意識が遠のいて………。

 

 気づいた時には、俺は意識を失ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こんにちわ、世界の諸君。

 

 これより我々ヴィクター経済連合は、初期の警告通りに本格的な侵攻を開始させてもらう。

 

 今僕の後ろに見えるのが、ヴィクター経済連合の切り札である「黙示録の皇獣(アポカリティック・ビースト)」トライヘキサだ。

 

 その戦闘能力は世界最強クラス。至近距離でツァーリ・ボンバが爆発したってへでもないぜ!!

 

 あ、因みに真っ先に仕掛ける地点はこの七か所だ。……どこもかしこも世界的にみるとマイナーな神話の勢力図だね。因みに、その神話は実在します。

 

 いや、この神話体系って、いまだに鎖国を決め込んで、ほかの神話体系がヴィクター経済連合(僕ら)とやり合って潰し合うのを待っているみたいなんだよ。うん、鬱陶しい。

 

 そういうわけで、先ずは彼らをぶちのめしてデモンストレーションだ。

 

 はい、サン、ハイ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この宣言の後、いまだ和平を結んでいなかった神話体系は、即座に七体のトライヘキサの攻撃を受け、大打撃を受ける。

 

 その被害は文字通り甚大。わずか数時間で蹂躙され尽くされた神話体系は、復興を行うのに各勢力に頭を下げる必要に迫られる。

 

 そして、こののちに七つのトライヘキサは天界・冥界堕天使領・アメリカ合衆国・アースガルズ・オリュンポス・ロシア・中国などの大勢力に現れ、重要拠点を攻撃する。

 

 ヴィクター経済連合と、のちにピースキング和平連盟と呼ばれる勢力の戦いにおける、最大規模の戦いの一つ、「邪龍戦役」の戦いの最後の狼煙となった。

 

 この戦いにおいて、ピースキング和平連盟と呼ばれる三大勢力を中心とした勢力は、数多くの戦力を失うこととなる。

 

 そう、それは、ヴィクターとの戦いの最前線で戦い続けてきた、英雄たちも例外ではなかった……。

 




既に一度封印を解除しているため、能力を最大限に発揮して大暴れするリムヴァンコントロール下のトライヘキサ。開幕から飛ばしています。

そして次回から第一部の最終章に突入です。……題名どうしよ? まだいいのが思いついてないので、速攻で考えます!!
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