ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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そして止めれるものがいなくなり、ついにヒロイたちも動きます。


最終章 7話

 

 そして、俺たちはそれを窓の外からこっそり見ていた。

 

 ……行ったか。さて、行くか。

 

「で、姐さん? 俺たちは冥界で暴れた方がいいのかねぇ?」

 

 今から日本に行ったら、イッセーたちと鉢合わせしそうだ。そうなったら揉めるのは間違いねえ。

 

 そんなことで負けたら目も当てられねえしな。なら別の戦場で暴れた方がいいんじゃねえだろうか。

 

「そうね。私達、そもそも自力で世界間転移できないもの。そうするしかないわね」

 

 服を着なおしながら、姐さんもそう言ってくる。

 

 あ、因みに服を着なおしているのは俺もだ。つまりそういうことだ。死にに行くからちょっとすっきりしました。え? 体力消耗して大丈夫か? そんなことはスルーだスルー。その分メンタルが良好だからフォロー利くだろ。

 

 まあとにかく、俺たちは俺たちでこっそり外に出ねえとな。

 

 周囲の視線や監視カメラを警戒しながら、俺たちは病室を出ると裏口に回る。

 

 監視カメラは俺が電磁王でハッキングしてスルーする。こんなこともあろうかと、システムそのものにハッキングしておいた。

 

 思えば、俺もだいぶ電磁王を使えるようになったもんだ。大病院の監視システムを科学的にハッキングできるんだからな。ま、出力はちょっと足りねえから姐さんの力も借りてるけどよ。

 

「だけどまあ、ちょっとワクワクするな」

 

「まったくね」

 

 何ていうか、スパイみたいでちょっと興奮する。

 

 それに、この後の展開もテンションが上がってくることは間違いねえ。

 

 姐さんも、抑えきれない興奮を笑みで出して、うずうずしているのが丸見えだ。

 

「不謹慎なのはわかってるんだけど、これ以上ない英雄の出番だわ。世界の命運をかけた一戦に関われるだなんて、私、この時代に生まれてきてよかったわ」

 

 まったくだ。俺たち、英雄を目指す身としちゃついてるにもほどがある。

 

 なんたって世界の命運がかかった戦いだ。そこである程度の武勲を上げれば、間違いなく名が残るだろう。

 

 それができるかどうかは俺たちの実力次第だが、まあできなくてもそれはそれ。

 

 ……間違いなく、俺たちは輝ける。そんな予感が確信に変わる。

 

「ホント、俺たち頭がイカれてるな」

 

「ええ。私たちは立派な狂人だわ」

 

 ああ、それは本当にわかってる。

 

 俺たちは何処か狂ってる。イッセーもイッセーで狂ってるが、それは全く方向性が違う。どっちかといえば、曹操のほうがタイプとしては合ってるんだろうな。

 

 苦笑しながら、俺たちは病院を出る。

 

 念のために駆け足で結界にぶつかれば、護符が輝いてあっさりと出ることができた。

 

 ……シシーリア。本当にありがとう。

 

 俺は、輝き(英雄)として全うできる。

 

 心の中でシシーリアに感謝の念を送ると、俺たちは急いで冥界のトライヘキサ出現地点に向かおうとする。

 

 トライヘキサ迎撃作戦で、結局のところはトライヘキサ全てに攻撃が行われる予定になっていたはずだ。

 

 なら、俺たちは一番近くのトライヘキサを迎撃しに向かおう。イッセー達と出くわすとややこしいことになりそうだしな。

 

「さて、とりあえず足を確保しないと―」

 

 そう言いながら視線を動かしていた姐さんが、ぴたりと止まる。

 

 つられて俺がそっちに視線を向けたら、そこにはシシーリアがいた。

 

「……待っていました。駄馬の用意した不安の残るものですが、転移装置を用意しております」

 

「まじか。至れり尽くせりだな」

 

「いや、本当に大丈夫なの?」

 

 思わぬ待遇に、俺たちは思わず聞いてしまう。

 

 これがばれたら、シシーリアにも大きく被害が出そうなんだが。

 

 ちょっと心配になるが、シシーリアはふるふると首を振る。

 

「どうせ彼女たちは当分出てこれません、ここでヒロイさんたちが成果を上げれば、ある程度は情状酌量もされるでしょうから」

 

 そう言いながら、シシーリアは魔王の祝福を構えて、俺たちを先導する。

 

「転移には時間がかかります。おそらく、私達が転移するころには日本近海で戦闘は開始されているでしょう」

 

 なるほどな、どさくさに紛れる方向で行くってわけか。了解した。

 

「……ヒロイさん。私に、最後の輝きを見せてください」

 

 シシーリアの言葉に、俺は力強くうなづいた。

 

「ああ、目に焼き付けさせてやる」

 

「ついでに私も焼きつけなさい。ヒロイ・カッシウスの自慢(英雄)をね」

 

 姐さんも続き、シシーリアはクスリと笑う。

 

「ええ。彼女たちにいい土産話ができそうです。愚図の手土産にしては豪勢でしょうね」

 

 ああ、最高級の手土産を用意してやるぜ。

 

 さあ、行こうか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リムヴァン・フェニックスは不敵な笑みを浮かべ、自分たちの進行方向上に展開する、敵陣営を見据えていた。

 

 このままただで進ませてくれるわけがない。当然妨害は出てくる。

 

 とはいえ、散発的な攻撃が一切ないのは感心した。普通に考えればパニックを起こしたどこかの国軍隊などが無謀な襲撃を仕掛けるかと思っていたのだ。

 

 もはやそんな余力もないほどに削ってしまったのか。それとも、三大勢力などの異形の首脳陣が説得したのか。もしくはヴィクターにくら替えすることを考慮して静観しているのか。

 

 まあ、どれでもいい。

 

 自分は楽しみながら契約を遂行するだけだ。ヴィクター経済連合を勝利に導くのみ。

 

 そして、まず真っ先に放たれたのはミサイルだった。

 

 大陸間弾道ミサイルが、四方八方から発射される。

 

 日本から放たれるわけがない。そもそも今の日本で弾道ミサイルの開発は間に合わない。

 

 つまり、これは諸外国からの大陸間弾道ミサイルだ。後ろからも来ているということは、アメリカ・ロシア・中国が連携して仕掛けてきたのだろう。

 

 とは言え舐められたものだ。トライヘキサによる防壁をはっているこの軍勢相手に、弾道ミサイルの十数発で痛痒をあたえようなどと。

 

 戦略核であろうと防ぎきれるだろう、こちらも持ち込んだ絶霧を使って防衛態勢は整えている。

 

 無駄な努力ご苦労様と思い、そしてその瞬間、ミサイルが爆発した。

 

 迎撃したわけでもない、結界に触れたわけでもない、もちろん直撃したわけでもない。

 

 その謎の結果に怪訝な表情を浮かべたとき、爆発したミサイルの爆発規模そのものが小さいことに気が付いた。

 

 これは違う、何かが違う。

 

 そう思った次の瞬間、爆発したミサイルから落ちた何かが海面におち、そして結界を作り上げた。

 

「……なるほど。人工神器技術を応用した結界展開装置ですか」

 

 隣で神酒を傾けていたユーグリットが、それに気が付いて納得する。

 

 なるほど、どうやら向こうは先制攻撃をされる前に足止めをもくろんでいたらしい。

 

 見ればすべてのミサイルは、全方位を覆うような機動で飛んできていた。最初からこの結界装置を広範囲に展開することが目的だったようだ。

 

 そして、それを皮切りに連合部隊がこちらに迫りくる。

 

 飛行の術式を使用した人間。多種多様な妖怪。日本を縄張りにする悪魔に天使に堕天使。そして中には八百万の神々すら出てきている。

 

 なるほど。どうやら向こうも本気の本気、総力戦らしい。

 

「どうします、リムヴァン様? こちらも戦力を出すべきでしょうか?」

 

 カテレアが指揮系統の魔方陣を確認しながら告げるが、リムヴァンは首を振った。

 

「いやいや。ここは戦略ゲームじゃなくて無双ゲームでいこう」

 

 そう言うなり、リムヴァンは聖杯に手を伸ばすとそれを経由して、トライヘキサに指示を出す。

 

 三体のトライヘキサが同時に口を開け、そしてブレスを放つ体勢になる。

 

 その出力は、兵藤一誠が放ったことのあるロンギヌス・スマッシャーに匹敵するだろう。しかも、それが三体同時に放たれるのだ。とどめにいえば、これは手加減している。

 

 一発で富士山を跡形もなく吹きとばせるだろう、天変地異レベルの攻撃。それらが何の遠慮もなく、一斉に放たれた。

 

 もちろん結界など一瞬で吹き飛ばす。そして、それに耐えられるものなど全体の一割未満なのは当たり前だ。

 

 おそらく兵藤一誠とヴァーリ・ルシファーもいるだろうが、彼らが動けたとしてもチャージ時間が足りない。そして、2人では三発を同時に防ぐことなどできない。

 

 さて。これをどう切り抜けるのだろうか?

 

 トライヘキサの戦闘能力が主神を凌駕するのはとっくの昔に知れ渡っている。そういう戦いをしてきたわけだし、さらにその上なのも分かるだろう。天龍クラスが三体出てきている程度の認識はしてもらわねば呆れるレベルだ。

 

 ゆえに対処策は用意しているはずだろう。それとも、できないが悪あがきはする程度の決意で仕掛けてきたのだろうか?

 

 もしそうだとするならば肩透かしだ。日本神話の神々を総結集するぐらいの戦力は覚悟していたのだが。

 

 そう思ったその時だった。

 

「……リムヴァンさん。させませんよ」

 

 その言葉共に、海が盛り上がった。

 

 一瞬で百メートルを超える盛り上がりを見せた海面は、そして海水を弾き飛ばして、その原因の姿を現そうとし―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「あ」」」

 

 リムヴァンたち三人が見ている前で、トライヘキサ×3の砲撃をもろに受けた。

 




いきなり死んだぁああああ!?

いえ、そんなことはないのでご安心ください!!
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