ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ 作:グレン×グレン
イッセーSide
……混戦のあまりはぐれた!
ヤバイ! 敵が多すぎて見失った!! リアスは何処? アーシアは何処? 皆何処だ!?
い、一応前線に突入する前に信頼の譲渡はしたけど……。あれ、どこまで長続きしたっけ。
既に乱戦状態の前線で他の人達も混ざって乱戦になってるから、俺が集中砲火されてるわけじゃない。
だけど、仲間達が無事なのかどうかがちょっと不安だ。
いや、いかんいかん!! 仲間達を信じるんだ!!
そもそも休んでいるように言われたのに、無理やり連れてきてもらったんだ。それなのに仲間達を信頼しないなんて失礼だ。
俺も頑張って生き残る! だから、皆も頑張って生き残れるはず!! そう考えろ!!
だから、俺がやるべき事は―
「いたぞ、赤龍帝だ!!」
「目には目を、歯には歯をだ!!」
接近してくるイグドラゴッホの部隊。
ヴィクターの連中、量産化しやがったのか!! コストパフォーマンス最悪とか言ってなかったっけか?
「いや、赤龍帝の敵といえば白龍皇だろ!!」
「そうそう! 俺らに任せろ!!」
と、思ったらイグドラグウィバーまで何人も来やがった!!
偽二天龍、量産されすぎだろ!! 生産性悪いんじゃなかったのか!?
いや、ここがそれだけ重要だって事なんだろうな。最強戦力のトライヘキサを三体も投入してるんだ。
それだけ、駒王町は奴らにとって重要なんだろうな。
まあ、きっかけとなった三大勢力の和平が結ばれた地だもんな。和平を結んで共闘している三大勢力に精神的打撃を与えるのに、和平の地を制圧するのはあるのかもしれない。聖地イスラエルをユダヤ教徒から奪還したがる人がいるのも同じ事かもしれない。
『確かにな。資源の算出や交通の便なども重要だが、そういう士気的なものも確かに戦略的にはありなんだろう。軍事的価値の低い政治的重要人物や、国家の首都を制圧するのが効果的な面があるのと同じ事か』
サンキュー、ドライグ。おかげで少し分かった気がする。
なるほどな。異形社会は政治的に重要な地位にいる人は、戦闘能力も高い事があるからちょっとよく分からなかった。
あ、でもリアスの曽お爺ちゃんとかそんなに強いのか? 一応初代バアルだし強いかもしれないけど、あれもどっちかっていえば政治的権力の方が主体なのかもな。
っていうか、ヴィクターってそもそもローマ教皇を殺してたな。あれが原因で教会関係者をごっそり離反出来たし、そういう意味でも戦闘能力が士気に直結するわけじゃないんだろう。
やっぱり世の中は複雑だなぁ。俺、よく分からな事も多いしやっぱ結構馬鹿だよな。
でもまあ、そんな馬鹿が今一番分からない事は―
「……バカな、このイグドラゴッホがああああああ!?」
「は、白龍皇は、赤龍帝と並び称される……はず……?」
―なんかあっさり撃退できた事だよな。
あっれぇ? 俺、まだ真女王だって出してないんだけど。
吸血鬼の里じゃヒロイと共闘しても苦戦したのに、なんか数か月であっさりどうにか出来てるな。数でも圧倒されてたのに。
あれ? 俺、滅茶苦茶強くなってねえか?
『それもあるが、そもそもイグドラゴッホの使い手が格下なんだ。ユーグリットは確かにお前と同様のどうしようもない変態だが、それでもあのグレイフィア・ルキフグスの弟でリゼヴィムの側近だぞ? 低く見積もっても最上級悪魔クラスが素体だということを忘れるな』
あ、そうか! こいつらは流石にそこまで行くわけないか!
確かに、ユーグリットは強かった。変態極まりないしな。いろんな意味で引いたよ。
なるほど。苦戦したのはあくまで変身するアイツの能力が俺を圧倒してるからか。イグドラゴッホ事態の戦闘能力は、赤龍帝の鎧より遥かに下と。
いや待て。今俺とユーグリットを変態で一括りにしなかった? いや、俺、変態だけどあれと一緒は嫌だよ?
『第一、今のお前は歴代でも唯一無二の領域だ。龍王の力まで追加したあのリゼヴィム相手に、神器主体にも拘わらずまともに戦うのはエルシャやベルザードでも不可能だろうよ』
おお! 俺ってば、何時の間にかエルシャさんやベルザードさんを超えちゃったのか。歴代最強の赤龍帝ってことかよ。
いや、まあ龍神の肉体とか歴代でもありえないしな。そういう意味じゃあ性能だよりだろうし、あの二人は俺より長く戦ってるだろうから、もし戦ったとしても簡単には勝てないよな。
油断は禁物だよな。謙虚にいこう。
『そう言うところが、お前が最強の二天龍になった理由かもな』
そうかもな。前にアルビオンやヴァーリにも褒められてたし、アイツのライバルならこれぐらい出来ないといけないしな。
ま、今はもう龍神化は使えないんだけどさ。使ったら何が起こるか分かったもんじゃない。リアスもアーシアも皆悲しむだろうし。
まあ、だからって敗ける気はない。絶対に勝つ!!
俺は気合を入れて、皆を探そうとし―
『―相棒』
なんだよドライグ。もしかして、誰か見つけた?
『気合を入れろ。正念場だ』
―ッ。
なるほど。お前がそう言うだけの敵が、来たってわけか。
俺はすぐに気づいた。視界の先に奴がいる。
三目の、蛇を模したプロテクターを身に纏ったイグドラシリーズ。
だけど、この気配は分かってる。
なるほど。俺達の進化に合わせて、新型のイグドライバーシステムで対抗ってか。
「偽赤龍帝じゃ勝てないってか、ユーグリット!」
「そうですね。なのでアポプスを使わせてもらいます、赤龍帝」
その言葉と共に、気づけば太陽が黒く染まり、ユーグリットの周囲を黒い水が覆っていた。
そういや、アポプスとアジ・ダハーカはリムヴァン達が封印したんだっけな。
ニエの裏切りで警戒してたところに復活し直したから、それ位の余裕はあったってわけか。転んでもただじゃ起きない奴だよ、ホント。
だけど、なんかむかついてきた。
『そうだな相棒。流石にアポプスが不憫だし、さっさと片づけてやろう』
ああ、そうだな。アイツはグレンデルのような乱暴者なだけのドラゴンじゃない。誇りを踏みにじられるのは流石にちょっと可哀想だ。
……行くぜ、ドライグ!!
「決着をつけるぜ、ユーグリット!!」
「いいでしょう。私のグレイフィアハーレムの結婚式には、貴方の剥製を飾るとしましょう!!」
Other Side
一方その頃、ヴァーリ・ルシファーもまた、激戦のあまりはぐれながらも単騎で敵を屠っていた。
元よりこちらは魔王化も消耗が激しいだけで十分に実戦で運用できるレベルだ。兵藤一誠よりも遥かに戦力としては高いレベルにある。
故に敵戦力も集中投入されている。
量産型のグレンデルにラードゥン。ドーインジャーもF型を大量投入。そしてイグドラゴッホにイグドラグウィバー。とにかく高水準の戦力や天敵をこれでもかといわんばかりに盛り込んできていた。
普通なら、F型の相性差もあって押し切られていただろう。ヴァーリも、リゼヴィムを倒す前ならいったん後退することを視野に入れていたかもしれない。
しかし、もはや今のヴァーリの前では手間はかかるが作業で倒せる程度の敵に過ぎない。
ただ単に魔力を開放しただけで、有象無象は塵と化す。
さらに悪魔の翼を分離させて飛竜とし、一気に空間ごと半減を連発して吹き飛ばした。
飛竜に関しては兵藤一誠の影響だろう。自分もつくづく彼を意識していると笑えてくる。
しかし、実際のところは笑えない。
いい加減、偽赤龍帝と偽白龍皇を相手にするのも面倒だ。苛立たしいを通り越して、嫌悪感を抱くといってもいい。
自分や兵藤一誠は愚か、歴代の二天龍と比べてもお粗末だ。いくら状況が許さないうえに他の敵を相手にする必要に迫られているからといっても、魔王化で倒すことには屈辱すら感じる。
ましてや、小国なら一日かからず攻め落とせる力を手にした今の自分に、数で押す戦術が通用すると思われているのもあれだ。なめられているとしか言いようがない。
今ならイグドラフォースですら、単独で仕掛けられたのなら余裕をもって相手ができると自負している。数で攻め落とすのなら、イグドラフォースを全員投入する程度のことはしてほしい。
だが、なんとなくだが高揚感も感じている。
……おそらくもう、すぐ近くに来ているのだろう。
強敵との死闘という興奮と、龍の誇りを汚された怒りが同時に湧き上がる。どちらにしても、全力で戦い勝てれば、非常にすっきりすること請け合いだ。
ゆえに、もう我慢の限界だ。
ゆえに、雑魚にもう用はない。
「この明星の白龍皇の奥義を受けること、光栄に思うといい」
『Satan Compression Divider!!』
全身から耀として放たれたヴァーリの力が、一斉に敵を圧縮して消滅させる。
そして、その力で一瞬で敵の群れは消滅し―
「なるほど、流石にこれは強敵ですね」
たった一人、それを完全に封じ込めた猛者が残っていた。
三つ首の龍を模したプロテクターを見に纏い、全身の負傷を炎によって回復しながら、魔王の末裔が飛んでいる。
「……来たか、カテレア」
「ええ、イグドラハーカ、参上しました」
強敵と戦える高揚感と、龍の誇りを汚された不快感が同居する。
今のカテレアはただでさえ魔王の末裔として及第点の力を持っている。おそらく生身でも現レヴィアタンであるセラフォルーと戦えるだろう。
そして、目の前で装備しているのはアジ・ダハーカを素体としたイグドライバーシステム。その戦闘能力は、間違いなく自分と真正面から渡り合える。
しかし、だからこそこの苛立ちが残念だ。
邪龍なりの誇りを持っているアジ・ダハーカを、このような形で使うのは、流石にいただけない。
ヴィクター経済連合とは、やはりそりが合わない。こんなことならヴィクターに関わらない方がいい方がいいかとも思ったが、しかしそれではヴァーリチームは結成できなかったと思いなおし、少しだけ評価を改める。
まあ、それはそれとしてどちらにしても叩き潰すが。
「さて、魔王の末裔同士の戦いを始めようか。……最も、お前程度がどこまでできるかは不安なんだが」
「ご安心ください、こちらにも切り札の一つや二つはありますので」
その瞬間、2人の魔王の末裔が、ハルマゲドンの前哨戦を開始した。
二天龍の相手は二大邪龍を取り込んだ、ユーグリットとカテレアですね。あ、そのあとトライヘキサのコアや、超越者リムヴァンが控えております。