ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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敵の主力に被害も出ながら、こちらも決して無傷ではなく。

ついにヒロイとリセスが命を捨てて戦線へと復帰する中、戦闘は未だに激化しているのです。


最終章 14話 

 Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 世界の趨勢がかかった激戦。その流れは、ついに変化した。

 

 一つ目は、超獣鬼が遂に倒れたことだ。

 

 数時間かかった激戦において、超獣鬼は限界を超えて崩れ落ちる。

 

 だが、彼らは己の役目をしっかりと果たした。

 

 その直後、トライヘキサの周りに魔方陣が展開し、そして動きが止まっていく。

 

 ヴァレリー・ツェペシュによる聖杯の停止。ロスヴァイセたちが編み出したトライヘキサの封印術式。その双方が効果を発揮して、トライヘキサを止めることができた。

 

 もとより、超獣鬼はトライヘキサに勝てないのは想定内。超獣鬼の目的は、この二つがなされるまでの時間稼ぎだ。

 

 それをなした以上、役目はしっかりとなすことができたのだ。

 

 そして、ここからが反撃の時。

 

 動揺したヴィクター経済連合を前に、対抗する三大勢力を中心とした連合軍は、反撃ののろしを上げる。

 

 それを見て、ニエ・シャガイヒはほっと息をついた。

 

「これで、少しは罪滅ぼしができたかな……?」

 

 まったくもって馬鹿なことをした。

 

 リセスに対する憎悪が抜けないとはいえ、正義がないと思える、俗物だらけのヴィクター経済連合についた。正気ではできない、馬鹿なことをしたものだ。

 

 それでも許せないと思ったリセスとも、彼女が後悔するような展開とは言え、謝罪の言葉をもらったことで溜飲は下がった。その足でヴィクターを裏切ったのは、我ながらどうかと思うが。

 

 だが、それでも罪が消えたわけではない。

 

 千を超える子供たちに、記憶をもとにしたポルノ映像を見せたりした。吸血鬼たちの暴虐をどうにかするための部隊相手に、大立ち回りもした。天界でも、リセスが動ければなくせた被害は数多い。

 

 個人的な恨みでこれだけのことした。その罪は償わなければならない。

 

 これだけではまだ足りないだろう、下手をすれば、一生監獄で暮らすことになるかもしれない。それだけのことをしてしまったと思う。

 

 だからこそ、ここで死ぬわけにはいかない。

 

 一人でも多く敵を倒す。そうしなければ、彼らに対して詫びても詫びきれない。

 

「……ドーインジャー!!」

 

 大量のドーインジャーをできる限り呼び出し、数での戦闘を行う。

 

 同時に自身の魔獣変成で変化させ、さらにダイドーインジャーを大魔獣師団創造で構成。一気に攻撃を再開する。

 

 この数の暴力なら、いやでも敵は戦力をまわさなければならない。肝心かなめのトライヘキサも封じられているのだ。いやでも動かざるを得ない。

 

 そして、当然のごとく敵は猛攻撃を仕掛けてきた。

 

 量産型の邪龍の中でも、最高峰のグレンデルとラードゥンの量産型が何体も出てきて攻撃と防御を担当。更に、イグドラゴッホとイグドラグウィバーが大量に出てきて、ドーインジャー削っていく。

 

 しかもダイドーインジャーも大量に出てきて、猛攻を仕掛けてきた。

 

 これ以上強敵を長く行動されてはならない。そういう考えが透けて見える。ニエですらわかることを、あえて隠そうという気もないということか。

 

 これは死んだか。その状況に、ニエはしかし冷静だった。

 

 壊れたのかと思ったが、そういうわけでもなさそうだ。

 

 どうやら、自分は荒事に巻き込まれてかなり成長してしまったらしい。

 

 これでは普通なんて語れない。かなり立派な人物だ。

 

 これではもう、リセスのことを立派すぎると文句を言うこともできない。もしかするとリセスよりも立派なのかもしれない。

 

 そう苦笑すると、しかしここで死ぬわけにはいかないと全力で反撃の体勢を整え―

 

「おぉっと! そうはいかないね!」

 

「ああ、ここで彼に死なれると困るしね」

 

 大量のシャボン玉によって生まれる神罰と、広範囲を包み込む闇の領域から放たれる刃が、敵を蹂躙する。

 

 一瞬で敵の過半数が蹂躙され、一気に趨勢はニエが生み出した勢力に傾いた。

 

 唖然とするニエ、それをなした者たちが並び立つ。

 

「やぁ。ニエ君だっけ? 君はいろいろ大変だったみたいだねぇ」

 

「それが、こんなところで死んではダメだと思うね」

 

「貴方たちは……?」

 

 現れた黒と白に目を見開いていると、2人はニエをかばうように前に立つ。

 

 場馴れしている自分達がカバーするべきだ。そう言わんばかりの戦闘態勢だった。

 

「俺はデュリオだよ。君のことはニエきゅんとよぼう。あとでうまいもんでも作ってあげるよ」

 

「俺は幾瀬鳶尾だ。俺も料理には自信があるから、ついでに一緒に作るとしよう」

 

 そう言いながら、2人は難敵の軍勢を前に、不敵な表情で構えを取る。

 

 なんでだろう。自分は、そんなことをされるような人物じゃない。

 

 極めて個人的な理由で、趨勢を傾けるような戦いに関わってきた。その形次第で、彼らのどちらかが死んでおかしくない。

 

 そんなことはわかっているはずだ。それ位に、グレモリーとバアルのレーティングゲームで自分は大暴れしたはずだ。

 

 なのに、それを知っているはずの2人は普通の表情だ。

 

「リセスさんがポカしていろいろ大変だったんだって? だったら、うまいものを食ってスッキリしないと損ってもんだ」

 

「同感だ。理不尽に巻き込まれた経験には俺も一家言あってね。此処で君が死ぬことを見過ごすのはさすがにできないね」

 

 その温かい言葉に、ニエは涙をこぼしそうになる。

 

 しかし、それを渾身の力で抑え込んだ。

 

 今この場で、泣き崩れている暇はない。

 

 だから、ニエは笑顔を浮かべると二人と並び立った。

 

「力を借りるよ。……ちゃんと食べさせてもらうからね!!」

 

 そして、三人の神滅具使いによる共闘が発生した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてそのころ、グレモリー眷属たちも趨勢を理解した。

 

「ギャスパーも、ロスヴァイセも、よく頑張ったわ」

 

 眷属たちの雄姿に、リアスは笑みをこぼしてしまう。

 

 直ぐに気合を入れなおすが、然し歓喜の感情は下がりはしない。

 

 三大勢力の命運がかかったこの一戦。その趨勢を左右する根幹を、2人は見事成し遂げてくれたのだ。

 

 なら自分たちも負けるわけにはいかない。有象無象を少しでも減らして、トライヘキサに対する止めまでに戦力を温存しておかなければならないだろう。

 

「行くわよ皆! ここで、私達が勝たなければいけないわ!!」

 

「「「はい、部長!」」」

 

 幸か不幸か、ここにいるのはかつてイッセーと出会う前まで活動していた古参の眷属。

 

 女王、姫島朱乃。

 

 戦車、塔城小猫。

 

 騎士、木場祐斗。

 

 そのころは封印処置がされていたギャスパーがいないのは、ある意味でギャグのような展開だ。運命すら感じてしまう。

 

 この戦いはもはや運命、そうとすら感じられ―

 

「―なるほど。どうやら私はついてないようです」

 

 その言葉に、全員が戦闘意識を切り替えた。

 

 そこにいるのは、狼を模したプロテクターを身に着けた一人の女性。

 

 リムヴァン直轄部隊、イグドラフォースの一員。反オリュンポス組織、アルケイデスの1人。イグドラハティ、デイア・コルキス。

 

 今この戦場において、ヴィクター経済連合の最高戦力の一角。

 

「ごきげんよう。どうやら、私達の相手は貴方のようね」

 

「ええ。できれば神滅具使いを相手したかったのですが、そうさせてくれる相手でもないですしね」

 

 お互いに苦笑を浮かべながら、お互いに相対する。

 

 神器に対する封印能力を持ったデイアとしては、もっと多くの神器使いを相手にするべきだろう。

 

 だが、仙術にたける小猫ならばすぐに気づかれてしまう。そうなれば、どちらにしても足止めを喰らうのは当然だ。

 

 ゆえにここで戦闘を行い、倒すほかない。

 

 デイアとしては苦肉の策であろうが、しかしそうするしかない。

 

「さて、それじゃあサイラオーグとのレーティングゲームを台無しにしてくれた借りを返しましょうか」

 

「いいでしょう。魔王の末裔程度倒せなければ、オリュンポスの神々に復讐できませんから」

 

 そして、この空域でも大激戦が開始される。

 

 いずれ生半可な魔王クラスを凌駕する鬼才と化すリアス・グレモリー。

 

 彼女がその才能を開花できるかどうか、それはこの戦いを潜り抜けれるかどうかにかかわっている。

 




神滅具保有者三名による防衛線。ある意味一番強大な戦力ですね。

そしてリアスたちも強敵と接敵。まだまだ激しい戦いは続きます。
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