ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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第一章 15 神滅具の共演

 狙いは体のど真ん中。そこを最小限の軌道で一気にぶっ刺す。

 

 これが一番かわしづらい。そのままくたばれ白龍皇!!

 

「……まったく、ふざけた話だ」

 

 それを、ヴァーリは魔力を収束させた腕ではじいた。

 

 そしてその瞬間、今度は姐さんが炎をまとった斧で切りかかる。

 

 超高熱で溶断することを目的とした一撃を、しかしヴァーリは魔力を込めた籠手で受け止める。

 

 しかしそこにさらにイッセーが攻撃を仕掛ける。

 

「アスカロン!!」

 

 籠手にはミカエル様からもらったアスカロンを展開し、一気に真正面から切りかかった。

 

 しかし、其れすらも収束させた魔力による障壁が受け止めた。

 

「三人がかりでも余裕だってか!」

 

『当然だ。しょせん完全な禁手など一つもないのだから、魔王の血を継ぐ白龍皇ならできて当然だな』

 

 アルビオンが俺の文句にあっさりと答える中、ヴァーリはマジで不機嫌な感情を流していた。

 

「二天龍の血統に横槍を入れるとは。君たちには礼儀というものが欠けているな」

 

「礼儀? あなたにそんなものがあるなんて驚きね」

 

 ヴァーリの言葉に、姐さんは力を籠め続けながらも鼻で笑う。

 

「おのれの趣味のために、罪のない民間人を殺そうとする三流の屑が。初代ルシファーも子孫がこれじゃあ嘆いてることでしょうね!」

 

 その言葉とともに、雷撃をまとった蹴りがヴァーリを襲う。

 

 ヴァーリはそれを飛び上がって躱すが、しかし姐さんは俺に視線を向けて声をかける。

 

「ヒロイ! 紫電の双手!」

 

「……! 了解だ姐さん!!」

 

 俺は紫電の双手を発動し、さらに雷撃を上乗せする。

 

 それをヴァーリは結界を張って防ぐ。

 

 くそ、これでも無理だってのか―

 

「だったらこれだ!!」

 

 その瞬間、イッセーが俺と姐さんの肩に手を置いた。

 

『Transfer!』

 

 譲渡が発動し、相乗効果で上昇し得ていた雷撃がさらに極大になる。

 

 そして、其れを俺たちはとっさにヴァーリの方向に向けてぶっ放した。

 

「チッ!」

 

 ヴァーリは躱しきれないと判断したのか、結界を全力で展開して防御に徹する。

 

 そして、その瞬間イッセーが突っ込んだ。

 

「ちょっと!?」

 

「おい馬鹿!?」

 

 俺も姐さんも同時に叫ぶ。

 

 馬鹿かてめえ! 死ぬぞ!?

 

「死ぬ気でやりゃぁ―」

 

 イッセーは雷撃をもろに喰らいながら突進し―

 

「一発ぐらい殴れんだろ!!」

 

 渾身の右ストレートを、ヴァーリの結界をぶち抜いて叩き込んだ。

 

「ドライグ! アスカロンに力の譲渡だ!!」

 

 そしてさらに顔面をつかんで引き寄せると、腹に向かって左腕をたたきつける。

 

 龍殺しであるアスカロンの力が込められてるので威力は抜群。ヴァーリは思わず血反吐を吐く。

 

 そしてさらに、イッセーはヴァーリの光翼をつかんだ。

 

「ドライグから聞いたぜ! お前は半減で吸い取った力をそこから噴き出してるんだってな!!」

 

 なるほど! でもそこに譲渡してどうすんだ!?

 

「その能力をお前でも制御できないぐらい高めたらどうなるかな!!」

 

 イッセーの言う通り、ヴァーリの光翼はむちゃくちゃに輝くと機能を停止する。

 

 そして、其れを見逃すイッセーではない。

 

 左腕での拳をヴァーリは直接受けずに手首をつかんで受け止めるが、イッセーはそれに歓喜の声を上げてその腕をつかむ。

 

「捕まえたぜ、ヴァーリ!!」

 

 そのまま強引に、イッセーはヴァーリをつかんだっまこっちに向かって全力で突進する。

 

 ははぁん?

 

「どうする、姐さん?」

 

「決まってるでしょ、ヒロイ」

 

 だよなぁ。

 

『いかん! 振り解けヴァーリ!!』

 

 アルビオンが声を上げるがもう遅い。

 

「「「いっせーのーっせ!!」」」

 

 そのままイッセーに投げつけられたヴァーリに、俺と姐さんは渾身の一撃を叩き込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヴァーリの鎧が砕け散った。

 

 いや、それは厳密に言えば砕かれたのではない。

 

 意図的にヴァーリが砕いたのだ。

 

 それによって一瞬だけだが攻撃の速度が低下し、ヴァーリは軌道を修正して空へと逃げる。

 

 それをリセスが追撃するが、しかしヴァーリは魔力を打ち込んで相殺した。

 

「ふははははは!!!」

 

 そして、ヴァーリは歓喜の笑いを全力で浮かべる。

 

 神滅具一つに対して三つ掛かりで挑む。

 

 少々情けない恰好ではあるが、しかし自分の特別さを考えれば当然の対応だ。

 

 すでに覇すらある程度制御できるようになった魔王の末裔たる自分の禁手を相手にするのだ。禁手も使えない異能に関わりないただの人間の保有者たちが立ち向かうのならば、それぐらいはするべきだろう。

 

 そして、結果的にまともに戦えていることがとても楽しい。

 

 もっと楽しみたい。もっと鎬を削りたい。

 

 ではどうすればいい?

 

 兵藤一誠は、どんなときにより強くなった?

 

 そう考えた視界に、リアス・グレモリーたちが映る。

 

「そういえば、君は仲間のために奮起できる男だったな」

 

 なら、これをすればより力を引き出してくれそうだ。

 

 ヴァーリは魔力を込めると、その戦いに介入する隙を見いだせなかったリアスとアーシアに向かって魔力弾を放つ。

 

「そら、防いで見せろ兵藤一誠!!」

 

 間違いなく、上級悪魔といえどただでは済まない一撃。

 

 さて、兵藤一誠はどうでるか。

 

 そう考えた次の瞬間―その一撃はやすやすと聖なるオーラに吹き飛ばされた。

 

「む?」

 

 視線を向ければ、そこにはデュランダルを構えた青い髪の少女の姿があった。

 

「無事かアーシア、部長!」

 

「そういえば、リアス・グレモリーにはデュランダル使いがいたな。忘れていたよ」

 

 そうつぶやいた次の瞬間、後ろから来た雷撃をヴァーリは悪魔の翼で防ぐ。

 

「我らが主に手を出すとは、お仕置きが必要ですわね」

 

「バラキエルの娘か。だが、この程度とは片手落ちだな」

 

 心からヴァーリは落胆するが、しかしその瞬間に雷の威力は大幅に向上する。

 

「私を! あの者の娘と呼ぶな!!」

 

 そして、その雷撃の隙間を縫って、戦車の小娘がとびかかる。

 

「えい」

 

「おっと」

 

 ヴァーリはそれを片手で受け止めると、そのまま振りほどく。

 

「黒歌の妹がその程度なわけがないだろう? もう少し種族特性を活かすことをお勧めするよ」

 

 そうつぶやいた次の瞬間、ヴァーリの動きが一瞬にぶった。

 

 そして、その瞬間振り払われた聖魔剣がヴァーリの鎧を通り越して頬に傷をつける。

 

「ぶぶぶぶちょうぅうううう! 大丈夫ですかぁあああ!?」

 

「アーシアさんも下がって! こいつは危険だ!」

 

「停止世界の邪眼と聖魔剣も来たか! 本当に優秀な者たちを集めたな、リアス・グレモリー!!」

 

 グレモリー眷属の素質の高さに、ヴァーリは舌を巻いた。

 

 しかも、先日出くわしたときは圧倒的な戦力差に震えすら見せていたにもかかわらずこの勇敢さ。

 

「命を投げ出してでも守ろうと思わせるほどのカリスマ性。リアス・グレモリー、君はいい王になれる」

 

 素直に心から評価した。

 

 一人二人はまだまだ問題があるが、これだけ有望な若手が集まることなどそうはない。

 

 彼らはいずれ、冥界でも有数の戦力になることだろう。そしてその日はそこまで遠くはないのかもしれない。

 

 それだけの資質ある者を引き寄せるリアス・グレモリーに心から敬意を表し―

 

「こっちを忘れてんじゃねえ!!」

 

 兵藤一誠の渾身の拳を、ヴァーリは避け切れずに喰らってしまった。

 

 鎧が一時的に大きく砕かれ、しかしヴァーリはすぐに修復する。

 

 いったん仕切り直しの形となり、ヴァーリは地面へと降り立つ。

 

 そしてグレモリー眷属をカバーするように、リセスとヒロイもまた立ちふさがった。

 

「チンピラの分際でしつこいトカゲだな、この白野郎が!!」

 

「おいたの時間はそこまでよ。覚悟しなさい」

 

 二人の鋭い視線にさらされながら、しかしヴァーリは決して追い込まれたとは思っていない。

 

「そろそろ兵藤一誠の疑似禁手も切れるころだな。……できればもう少し見せてほしいんだが、何かないかい?」

 

 そう、所詮兵藤一誠の禁手は疑似的なものだ。

 

 アザゼルの研究によって完成した腕輪は強力だが、それでも限度というものが存在する。

 

 もう残り十分を切ったところだろう。それぐらいなら十分に凌げる。

 

「さあ、魅せてくれ兵藤一誠。そうでなければ君の仲間の一人ぐらいは殺しておくぞ?」

 

「上等だ。だったら見せてやるよ」

 

 即答だった。

 

 さすがに想定外だったのでヴァーリはいぶかしんだが、その視線の先に一つの球体が映る。

 

 先程砕かれた白龍皇の光翼。その抗生物質の一つである宝玉だった。

 

「……ヴァーリ、目ん玉ひん剥いてよくみやがれぇええええ!!!」

 

 その言葉とともに、兵藤一誠は宝玉を握りつぶす。

 

 そしてその瞬間、赤龍帝の鎧がめちゃくちゃに光を放った。

 

「ぐ……がぁああああああああああああ!!!」

 

 激痛に悶えるかのように絶叫を上げる兵藤一誠。

 

 何が何だかよくわからなかったが、しかしアルビオンが何かに気づく。

 

『正気か赤いの! 私の力を今代の赤龍帝に取り込ませるなど、無謀を通り越して馬鹿の所業だぞ』

 

『ああ、確かに馬鹿の所業だ。……だが、バカも貫き通せば結果を残せると相棒が教えてくれた!!』

 

 二天龍が言葉を交わす中、赤龍帝の鎧の一部が白く染まる。

 

 その右腕は、まるで白龍皇の籠手とでもいうべきものだった。

 

「俺の半減の力をものにしただと!?」

 

「ああ。木場の聖魔剣みたいに、反発する属性を取り込むことも聖書の神様が死んでるならできると思ってな!!」

 

 さすがに驚愕したヴァーリに、イッセーはにやりと笑って見せる。

 

「どうだこの野郎! 馬鹿だと思って甘く見るなよ!」

 

『流石に寿命が縮んだがな。十年や二十年ではないぞ』

 

 ドライグがあきれ、全員の視線がイッセーに集まるが、しかしイッセーは特に気にしていない。

 

「一万年も生きる気はねえよ。やりたいことは多いけどな」

 

 何の後悔も見せずにそう告げる兵藤一誠に、ヴァーリはその評価を修正する。

 

 確かに素質そのものは最低だろう。

 

 だが、この男は何をやってくるかわからない。

 

 面白い。彼と戦えば、まだ見ぬ地平を見ることができるかもしれないとさえ思う。

 

 ゆえに、ヴァーリは礼節をわきまえた行動をとった。

 

「いいだろう、なら、こちらも少し本気を出そう」

 

『Harf Dimension』

 

 白龍皇の翼が輝き、そして周囲の空間が圧縮される。

 

 力だけでなくあらゆるものを半減させる力。白龍皇の光翼を極めて高い次元にまで突き詰めた自分だからこそできる能力。

 

 さあ、赤龍帝は果たしてどういう方向でこれに応えてくれるのか?

 

「ああもう! 今代の白龍皇はまともじゃないわね……っ」

 

 リセスが頭を抱えてうめく中、カテレアとにらみ合っているアザゼルが面白そうに笑い始めた。

 

「こりゃいいぜ! だったらもう片方のまともじゃねえとこ突いてみるか」

 

 そう言って、アザゼルは兵藤一誠の方に顔を向けた。

 

「お前の頭でもものすごくわかりやすくいってやる。……このままだとリアス・グレモリーやリセスの胸が半分個になるぞー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その瞬間、兵藤一誠の動きが完全に止まり―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふざけんなぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

 次の瞬間、ヴァーリは顔面に拳を叩き込まれたのに気付くのに一瞬遅れた。

 

 俺が……気づかなかっただと!?

 

 そう思うのも無理はない。

 

 現状、兵藤一誠がヴァーリ・ルシファーに買っているのは赤龍帝の籠手との精神的相性がいいというただ一点のみ。それ以外のすべてにおいてヴァーリが格上だといっても過言ではない。

 

 神器の到達段階においては次元が違う。種族的なアドバンテージでも圧倒的。戦闘経験に至っては比べるのもおこがましい。

 

 だが、それなのに反応することすらできなかった。

 

「これは、部長のおっぱいの分!!」

 

「くっ!」

 

 とっさに距離を取るが、一瞬でそれが詰められる。

 

「俺より早…グッ!」

 

「これは、朱乃さんのおっぱいの分!!」

 

 カウンターでさらに頭突きが入り、鎧がお互いに粉砕される。

 

「これはアーシアのおっぱいの分!!」

 

 反撃の拳を放つが、クロスカウンターで逆にこちらが一撃もらう。

 

「これが、ゼノヴィアのおっぱいの分!!」

 

 更に膝が股間にめり込む。地味に一番痛い。

 

「これが、リセスさんのおっぱいの分!!」

 

 そして、渾身のアッパーカットがヴァーリの意識を一瞬だけだが吹き飛ばした。

 

「これが、半分になったらまるっきりなくなっちまう、小猫ちゃんのロリおっぱいの分だぁああああ!!!」

 

 その瞬間、ヴァーリは心のどこかで認定した。

 

 この男、歴代赤龍帝でおそらく一番面白いと。

 




イッセー。原作通りおっぱいでブチギレる。

しかしこの展開、ある意味秀逸だと思いますね。

想いの力で機能する神器の機能を改めて説明し、そこからイッセーのスケベ根性がシャレにならないことを示す展開。おかげで後々のおっぱいブーストも説得力があります。
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