ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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昨夜は投降しなくて失礼しました。なんか疲れてまして。


最終章 20話

 イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は、ユーグリットと激戦を繰り広げていた。

 

 原初の水を自由自在に操りながら、大量の魔力攻撃を併用してくるユーグリットは、余裕の態度で俺を攻め立てる。

 

 クソッタレ!! 性能差がもろに出てやがる。真女王よりも性能が上とか、アポプスはどんだけの化け物だったんだよ!!

 

 しかもユーグリットのポテンシャルは俺をはるかに上回っている。装備でも使用者でも凌がれたら、俺達じゃ勝ち目がねえ!!

 

 くそ! 一瞬でもかすったら即アウト! この状況だと、俺達ってめちゃくちゃ追い込まれるんじゃねえか!?

 

『ユーグリットもそうだが、コアとなっているアポプスがまずいな。奴の能力は全盛期の俺やアルビオンに匹敵するぞ』

 

 マジかよ。全盛期の二天龍クラスとか、化け物じゃねえか。

 

 ってことはアジ・ダハーカもそれぐらい? それってかなりまずくねえか!?

 

 いや、ヴァーリは普通に魔王化ができるし、勝つことは十分できるか。うん、大丈夫だよな。

 

 問題は俺だ。龍神化が使えない俺の場合、押し切られて倒される可能性がかなりある。

 

 くそ! 原初の水だけは意地で回避してるけど、魔力攻撃までは避けきれねえ!!

 

 っていうか魔力そのものも色を黒くしてる所為で、見分けがつきにくい。おかげで当たりそうになった事も何度もある。

 

 まずいな。このままだと、一気に押し切られる!!

 

「まったく、グレイフィアハーレム建設前にこの大一番とは。流石に苦労します」

 

「うるせえよ変態!! おまえちょっと黙っててくれない!?」

 

 ホント黙っててくれ!

 

 っていうか、グレイフィアハーレムとか勘弁してくれよ。そっくりさんを整形で更にそっくりにして、それをたくさん集めてハーレムとか、シスコンにしても限度がある。

 

 質は諦めて数で勝負って発想があれだ。ドンビキだ。

 

 きもいっていうかなんて言うか。正直、引く。

 

「なぜですか? 同じ変態として共感を抱かれてもおかしくないと自負していますが」

 

「本気で言ってる!?」

 

 一緒にすんな。マジですんな。

 

 お願い辞めてくれ。っていうか、本気で滅ぼした方がいいんじゃないか?

 

 くそ。俺も確かに変態だって自負してるけど、それでも方向性が明白に違う。

 

 なにが腹立つかって。アイツ金持っている上にイケメンでしかも地位もあるから、ホントに女が寄ってきてる感じがすることだよ。

 

 なんでだ。なんで俺は未だに学校では女の敵として見られてる事も多いのに、なんであいつは気持ち悪さなら俺を遥かにしのぐのに女が寄ってくる。

 

 え? 俺もハーレムできてるって? それとこれとは別だよ!!

 

 なんて思ったのが悪かったんだろう、不意打ちで原初の水が襲い掛かる。

 

 俺はそれを躱そうとしたけど、そこにユーグリットの魔力攻撃が放たれた。

 

 そしてそれは、原初の水とぶつかって破裂した。

 

 ヤバイ、原初の水の散弾なんて、流石に躱せない―

 

 そう思ったその時、左足に激痛が走る。

 

 一発かすめた!? それだけでこの激痛―

 

 そして、その隙に更に何発も原初の水が被弾する。

 

 ぐぁあああああああ!? これはマジでキツイ!!

 

 俺は力が抜けて地面に落ちる。

 

 ってまずい! このままだと、海面を覆っている原初の水の中にもろに落ちて―

 

「兵藤一誠!!」

 

 その時、黒と白の光が俺をかっさらった。

 

 有機的な、白銀と漆黒の鎧。魔王化したヴァーリだ。

 

 見ればその鎧もボロボロで、隙間から血が少し流れている。

 

 ヴァーリがこれだけ苦戦してるのかよ。カテレアの奴、どんだけ強くなってやがる!?

 

 そう思ったその時、炎を纏った蛇のような龍が大量に襲い掛かった。

 

 さらにその龍は口からいろいろな属性の攻撃を放ち、ヴァーリを攻め立てる。

 

 ヴァーリも流石に全部回避する事は出来ず、流石に追い込まれたのか近くの島に着地した。

 

 そして、炎を操ったカテレアと、俺を追いかけてきたユーグリットが同時に着地する。

 

「やれやれ。流石にあの状態の白龍皇は楽には倒させてくれませんか」

 

「そちらも、流石に兵藤一誠を相手にするのはやりにくいようですね」

 

 この野郎。余裕が見え隠れしてやがるぞ、オイ。

 

 こっちは結構追い込まれてる。っていうか俺が大ピンチだ。

 

 ……今のままじゃ、ヴァーリの足を引っ張っちまう。でも、龍神化を使うわけにはいかないし……。

 

「まあ、いいでしょう。では勝利の食前酒と行きましょうか」

 

「そうですね。少し疲れましたし、リフレッシュは必要でしょう」

 

 なんだ? なんか瓶を取り出したぞ。

 

 中には液体が入っている。……業魔人とかいうドーピング剤か何かか?

 

 そう思った俺達の前で、2人は瓶の中身を飲み干した。

 

 ……そしてその瞬間、全身を震わせながら恍惚の表情を浮かべた。

 

 男の恍惚の表情って、男からすると割ときもいな。

 

 いや、そうじゃない。

 

 なんか明らかに異常だよ、あれ。薬でも決めてるのか!?

 

 俺が正直引いていると、ヴァーリがそれを見て怪訝な表情を浮かべる。

 

「なんだ、それは?」

 

 ヴァーリも流石に思うところがあるみたいだ。ま、あんな光景見せられたら、思うところの一つぐらいはあるに決まってるよな。

 

 飲んでからの反応が、明らかに普通じゃない。まるでファーブニルがアーシアの使用済みパンツを食べた時のような感じだ。

 

 比較対象がファーブニルって辺りで察してくれ。それ位変態的だ。すっげえ変態的だ。いや、ユーグリットは変態だけど。

 

 でも、それとも方向性が違う。なんていうか、すっげえおかしい。

 

 そして、それを聞いたカテレアは恍惚の表情で瓶に頬ずりしながら応えてくれる。

 

「これはリムヴァン様が生成する神酒です」

 

 ……なんかすっげえ変態的な言葉が出てきたんだけど。

 

 リムヴァンが、生成!?

 

「安心してください、複合禁手です」

 

 ユーグリットが俺の勘違いを察したのか、そう訂正する。

 

 あ、そうなんだ。なんていうか嫌な予感がしたから安心したぜ。

 

 いや、別の意味で嫌な予感が満載なんだけどさ。

 

「これはリムヴァン様の複合禁手、神酒の魅了者(ソーマ・オブ・ドラッグ)で作られた神酒です」

 

 そう言いながら、ユーグリットは一滴も無駄にすまいと舌を出して水滴を飲もうとしている。

 

 ……この様子と名前だけでよく分かる。絶対碌なもんじゃねえ。

 

「ええ。依存性はありませんが、凄く幸せな気分にしてくれます。私はもうこれの為に生きていると言っても過言ではありません……!」

 

 そう生き生きとした表情で語るカテレアも、明らかに常軌を逸した表情だった。

 

 ……ああ、なんとなく分かったよ。

 

 やっぱり、リムヴァンは碌な奴じゃない。

 

 ユーグリッドもカテレアもあれだけど、こんな奴じゃなかった気がする。いや、ユーグリッドは会った時からこんなだけど。

 

 それにこれはなんとなくだけど、リゼヴィムの生きがいってのもあれなんだろう。

 

 何千年も退屈だったらしいし、そんな時にそんなものに出会ったら、魅了されてもおかしくない。

 

 麻薬みたいな依存性はない。だけど、それに縋るしかない人達は、あっさりとそれに転ぶはずだ。

 

 ……やっぱり、リムヴァンは倒さないといけない奴だ!!

 

 そして、俺は覚悟を決める。

 

 目の前の2人は、壊れてるんだろう。

 

 どこか追い詰められたあいつらは、神酒に縋ることで生き甲斐を得た。きっとリゼヴィムもそうなんだろう。

 

 でも、そんな奴に世界を好きにさせるわけにはいかない。

 

 松田を、元浜を、桐生を、父さんと母さんを、リアスやアーシア、そしてみんなを……。

 

 あんな糞野郎にどうにかされるわけには、行かねえんだよ!!

 

「……ドライグ。俺は、覚悟を決めたぜ」

 

『いいのか、相棒? 二度目の龍神化は、本当に何が起きるか分からないぞ?』

 

 ああ、そうだろうな、ドライグ。

 

 一度目で多臓器不全の上に致命的な後遺症だよ。ホント俺は絶望したね。

 

 今度使えば死ぬかもしれない。もし生き残っても、女の体を見ただけでやばいことになる可能性がある。

 

 それでも、今この場を生き残れなけりゃ意味がない。こいつらをどうにかできなきゃ、それどころじゃない!!

 

 行くぜ、ドライグ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 

 

 

 

 

 

 

 

 追い込まれている。追い込まれている。マジで追い込まれている。

 

 ああ、そうだ。俺たちは今追い込まれている。

 

 曹操と長可のコンビは規格外だ。たぶんだが、D×Dに至ったイッセーとヴァーリがコンビを組んでも、まともにやり合えるんじゃないだろうか。

 

 そんな奴らに追い込まれながら、俺と姐さんは、ふと笑ってしまった。

 

「何だろうな」

 

「なんでしょうね」

 

「楽しいよな、姐さん」

 

「ええ、そうね」

 

 追い込まれている。死にかけている。このままだと負ける。

 

 そんな状況下なのに、それでも俺達は楽しかった。

 

 ああ、世界の命運が懸かった戦いだ、それも大絶賛苦戦している。

 

 それでも。それでもだ。

 

 今俺達は、全力で輝いている。

 

 命を燃やし、愛する人と一緒に、全力で最強の強敵と鎬を削っている。

 

 ああ、なんだろうな。俺達、今輝いている。

 

 そして、勝ちたい。

 

 目の前の敵に、勝ちたい。

 

 俺達の最期の輝きを、最高の輝きで終わらせたい。

 

「敗けられないな、姐さん」

 

「勝ちたいわね、ヒロイ」

 

 そうだな。だから、俺達が出来る事をしよう。

 

 俺達は、無理をして死にに来た。

 

 だから―

 

「勝つぜ姐さん!!」

 

「そうねヒロイ!!」

 

 俺達は、今までにないぐらいに全力で戦う。

 

 心から、魂から、全ての力を振り絞って戦いを挑む。

 

「いいぜ! お前ら、滾らせてくれるじゃねえか!!」

 

「最高だ。これでこそ、先駆者(英雄)として戦い甲斐があるってもんだ!!」

 

 あちらさんもその気なようで何よりだ。

 

 ああ、そうだ。

 

 俺達は常人とは違う。自慢にしろ先駆者にしろ輝きにしろ、まともな奴では理解できないぐらい何かに執着している。狂人だ。

 

 それでも、俺は……!!

 

「輝くさ。この命が燃え尽きるまで、俺は何があろうと輝いて見せる!!」

 

 そうだ。それだけは譲れない。

 

 焦がれた、憧れた、こうなりたいと切に願った。

 

 そうだ。だからなる。少なくとも、なるために努力し続ける。

 

 誰が何と言おうと、俺は―

 

輝き(英雄)に、なって見せる!!」

 

 だから、ここで勝つぜ!!

 

 そして、俺の中でプツンという音が聞こえた。

 




神酒についてはリムヴァンに直接ネタ晴らしさせたかったのですが、タイミングが合わずにこうなってしまいました。

まああれです。リセスたちが雌になりかけたのとあれです。きわめて強烈な多好感というのは、依存性が無くても人格汚染するほどの影響力を発揮するということです。

リゼヴィムがヒャッハー入ったのもそれですね。人生に生きがいを覚えるほどの桁違いの美酒に酔いしれ、欲さずにはいられなくなったわけです。

……現代社会の人間にはめちゃくちゃ聞きそうな能力です。生産能力が爆裂だったらすごいことでしょうね。





そしてイッセーとヴァーリが勝つと決め、イッセーが覚悟を決めたその時にヒロイとリセスもまた一段パワーアップ。


まあ、その前に前座を終わらせます。シシーリアの決意をどうか見届けていただきたい。

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