ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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区切りがいいのでちょっと短め。

……でも感想次第じゃ今日中にもう一話出すかも


第一章 16

 ………ぽかーん。

 

 ぽっかーん。

 

 ぷぅぉおおおおっくわぁあああああん。

 

 え? え? えええ?

 

 え? えっと……なにこれ。

 

「私も入れてくれたのは、喜ぶべきかしら?」

 

「……後でシメます」

 

 姐さんはどう反応していいのかわからず、小猫ちゃんは完全に怒っていた。

 

 そしてほかのメンツはどう反応していいのかもわかっていなかった。

 

 だってそうだろ。

 

 周りの女性の胸を半分にするなどといわれて、ぶちぎれて圧倒的格上をボコボコにするとか、普通わけわかんねえよ。

 

 見れば、魔獣をほぼ掃討した護衛部隊も呆気に取られていた。

 

「あっははははははははあははははははははははあ!! マジかよ! マジで主様の胸が半分になるといわれてブチギレやがった!!」

 

 言い出しっぺのアザゼルは大笑いしてる。

 

「ぶははははは!! うっそぉ! こんなの見たことないよ!!」

 

 そしてリムヴァンもまたかなり受けていた。

 

 そして、倒れ伏すヴァーリをカバーするように曹操とカテレアが立ちふさがる。

 

「……今代の赤龍帝は意味不明ですね」

 

「まったくだ。まさかこんな形でヴァーリに勝つとは」

 

 あきれ半分驚き半分ってところだよなぁ。

 

 いや、おれもどうすればいいのか反応困るっつの。

 

 だが、こっから先がまた大変だ。

 

 神器まで移植してパワーアップした魔王血族と、生まれつきで神滅具持っている英雄の末裔。

 

 間違いなく、こいつらだって強敵だっつの。

 

 俺たちは静かに構えて、にらみ合う。

 

「……待ってくれ。ここからがいいところなんだ」

 

 と、そこでヴァーリが立ち上がる。

 

 口から流れた血をふき取って、ヴァーリは静かに闘士を燃やしてやがる。

 

 んの野郎! むしろ今のでスイッチでも入ったのか?

 

「ああ、とてもいい攻撃だ。俺も返礼に何か見せねばならないだろうな。……そうだ、覇龍(ジャガーノート・ドライブ)はどうだろう?」

 

『やめておけ、ヴァーリ。あれを使えばお前もただではすまんぞ ドライグも力を開放するかもしれん』

 

 アルビオンがとがめるが、しかしヴァーリは笑みを浮かべたままだ。

 

「そうでなくては困るさ。我、目覚めるは―」

 

『ヴァーリ! 我が力に翻弄されるのがお前の望みか!!』

 

 詠唱を始めるヴァーリにアルビオンが叱責しようとしたその時だった。

 

「……いや、今日のところはここで引き揚げよう」

 

 と、リムヴァンが指を鳴らす。

 

 それと同時、白龍皇の鎧が掻き消えた。

 

 ……神滅具の禁手を強制的に封じただと!?

 

「……何のつもりだ、リムヴァン」

 

「いやいや。さすがにそろそろ三大勢力の増援も来るでしょ? 引き際はわきまえないといけないよん?」

 

 そうおどけるリムヴァンをヴァーリはにらみつけるが、そんなヴァーリに声をかける者がいた。

 

「いやいや。結局こっちの手勢は壊滅してるんだし、これ以上は他の魔王やミカエルもくるぜ? その辺にしとこうや」

 

 現れるのは、中国風の鎧を着た猿みたいな奴だった。

 

 その姿を見て、アザゼルは片眉をあげた。知り合い?

 

「美候か。お前さんも禍の団に参加したのかよ?」

 

「かっかっか! 俺っちは仏になった爺さんとは違い、自由気ままに生きたいんでねぃ。ヴァーリとは気が合うしよ」

 

 そうからからと笑う猿顔は、興味深そうな顔で俺たちを見る。

 

「おーおー。お前さんがリムヴァンが神滅具を移植したっつー連中かい? なかなかできそうじゃねえか」

 

「まあ、見所はあるといったところかな?」

 

 ヴァーリがそう答えるが、しかし誰だよコイツ。

 

「そっこーで馬鹿でもわかる名前を言ってやる。西遊記の孫悟空、その末裔さ」

 

 ………大御所キタコレ。

 

 っていうか孫悟空の末裔ってことは、まさか中国からも参加者が出たってことかよ!!

 

 まじか、さすがにそれは想定外だぜ。

 

 俺たちが唖然とする中、イッセーの鎧が粒子となって消える。

 

 チッ! 腕輪の方は時間切れか!

 

「どうやら本当にこれまでのようだ。……また会おう兵藤一誠、今度会う時は、ぜひ禁手に目覚めていてくれ」

 

「あばよ赤龍帝。今度は俺っちとも戦ってくれると嬉しいぜ!」

 

「今回は失敗しましたが、我々の牙があなたたちに届くことは証明されました。……次に会う時は、必ず倒させていただきます」

 

「真なる聖槍の使い手がどういう者か知ってくれたと思う。それでは、人間の強さと恐ろしさを思い知るといい」

 

 思い思いに捨て台詞を吐きながら、ヴァーリたちは霧の中へと消えていく。

 

 そして、最後に残ったリムヴァンは不敵な笑みを浮かべた。

 

「三大勢力の諸君! 我々禍の団のスポンサーが、少し後に大きな祭りを行う」

 

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 オーフィス以外にどんな後ろ盾を得たってんだ、あいつらは!

 

 つーか祭りってなんだよ? 今度は何処で暴れるつもりなんだよ!!

 

「ぜひ鑑賞してくれ! そして、思い知るといい」

 

 そしてリムヴァンは霧に包まれ―

 

「……これが、本当に世界を股にかけた大戦争なのだということを!!」

 

 ―最後に、そんな不吉な言葉を残した。

 

 

 

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