ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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さて、第二部が始まってからすぐだけど………。









いきなりとんでも展開です


第二部一章 2 兵藤一誠を信仰する者たち

 

「……さて、そろそろテストだなぁ」

 

 俺は、なんとなく休み時間にそう呟いた。

 

 三学期のテストは学生の総決算。割と重要なテストかもしれない。

 

 まあ、赤点の心配はない。だけど、高得点を取れるかどうかはまた別の話だ。

 

 なにせリアス達が勉強を教えてくれるから、今迄より勉強はできる。だけど、それに比例してもめ事も多かったから、勉強が万全かと言われるとあれだ。

 

 ヴィクター経済連合は、そんなこといちいち考えてくれなかったもんなぁ。

 

 それに、クラスメイトもちょっと雰囲気がテスト前のそれとは違う。

 

 まあ、そうなんだよな。

 

 ……日本攻防戦で、アザゼル先生は、トライヘキサを一万年かけて倒す為、隔離結界領域に旅立っていった。

 

 それについては公表されてる。人間達も巻き込んだ第一次真世界大戦で、最も大きな戦いだ。知らせなければならないということらしい。

 

 だから、駒王学園の人達もアザゼル先生が堕天使で、隔離結界領域に旅立った事も知っている。

 

 アザゼル先生が神の子を見張るもの(グリゴリ)のの元総督だってのも驚いてたけど、一万年間も戦い続ける事になったのも驚いている。

 

 そして、ショックも受けている。

 

 死んだわけじゃない。だけど、一万年は会えない。そして、それは人間にとって二度と会えないようなもんだ。人間の寿命なんて、百年持てば永い方だもんな。

 

 そして、ヒロイとリセスさんのMIAも報告された。

 

 ……2人とも関係者だって事は知られてたからな。特別な事情で別の任地に行ったって事にもできたけど、ペトが素直に言うべきだって言い出した。

 

『じゃないと、こっちが逆に引きずられるっすよ?』

 

 そう言う意見には一理ある。なにより、ペトが引っ張られるんだろう。

 

 ペトは、割といつも通りに行動している。

 

 ショックを受けたってそれは素直に言ってる。だからこそ、いつもよりも暴れてスッキリすると思っている。その所為か、最近はヤリ部屋だけじゃなくて新しい男あさりを模索してるらしい。

 

 売春している人が多いところに行って、無料を売り文句に中年男性を誘ったり。女を襲いたがる連中にわざと襲われてそのまま警察に報告して逮捕させたり。新しいジャンルを開発しようと、ミルたん達相手に地道な活動をしでかしたり。

 

 ……正直、無理してるのは誰が見ても明らかだ。

 

 だけど、だからこそ俺達と距離を置かずに接してる。

 

 毎日朝起きて朝食も食べてるし、朝帰りなんてしない。むしろ積極的に俺達を食べ放題やカラオケに誘って、やけ食いとかで発散しようと行動してる。

 

 正直に言えば、俺達もへこんでる。当たり前だろ。仲間が、ほぼ確実に死んだんだから。

 

 むしろペトがいなけりゃ、誰か一人ぐらい寝込んでたかもしれない。俺が龍神化の影響で寝込んでる中、ペトはむしろメンタルケアに尽力してくれていた。

 

 それでも、まだ十日ちょっとだから俺達も結構きつい。

 

 一番周りのフォローができているのは、一番二人を大事に思っていたはずのペトだ。そのペトが自分の鬱憤晴らしをしてるのまで、止めれる余裕がない。

 

 だからまあ、本当に致命的な事にならないように気を付ける程度だ。こっそり交代でつけていて、マジヤバイ事になりそうだったら強引に乗り込んでどうにかするって感じだ。

 

 ……それにあてられて俺が貞操を奪われそうになる事もあるけど、それはそれ、これはこれ。

 

 ペトには世話になってるし、今大絶賛俺たちのメンタルケアしてくれてるしな。ちょっとぐらい好きにさせて苦労するのは当然だ。

 

「……イッセーどうだ? テスト勉強は何とかなるか?」

 

 と、松田と一緒に元浜が俺のところに来た。

 

「ああ。俺はまあ、最近は勉強できてるよ」

 

 実際、最近はヴィクター経済連合も動きが見えないしな。

 

 前提条件だったトライヘキサが封印されて、向こうもだいぶ大打撃だって事だ。

 

 こっちもこっちで各異形勢力のトップクラスがいなくなったから、勝ったって言いきれないのがあれだけどさ。それでも、それなりに何とかなってる。

 

「おいイッセー! 久しぶりにお前の家で勉強会しようぜ?」

 

 と、松田が目を血走らせて俺に詰めよる。

 

「ゼノヴィアにアーシアちゃんにイリナ! 小猫ちゃんやレイヴェルちゃんと一緒に勉強するんだ!!」

 

「そして教えてくれるのはリアス先輩に姫島先輩、そしてロスヴァイセ先生!! お前の家は美少女が下宿しまくってるからウハウハだぜ!!」

 

 と、すごいテンションで二人が盛り上がってる。

 

 って下心満載じゃねえか!! くそ、俺の女達だぞ!! 俺のハーレムだぞ!!

 

 もうそんな感じなんだからな!! リアスとは各勢力公認の中だし、アーシアとは千年単位で一緒にいるし、朱乃さんは不倫相手に指名してくれてるし、小猫ちゃんには逆プロポーズされてるし!! ゼノヴィアも俺を選んだとか言ってるし、イリナともキスしたし!! レイヴェルはパートナーだからな!! ロスヴァイセさんもそう簡単には渡しません!!

 

 そんな俺の花園に、普通男を連れ込むとでも思ってるのか!! しかも下心100%のこいつらを!!

 

 普通しねえよ!!

 

「…………………まあ、いいか」

 

 そう、普通ならな!!

 

「「………え!?」」

 

 松田と元浜が目を見開いて固まる。

 

 あ、これ断られるもんだとばかり思ってたな?

 

「桐生も来いよ。あ、匙や元生徒会の人達もまとめて招待した方がいいかな?」

 

 俺は更に人を増やす事も考える。

 

 そうだな。いっそのこと、鳶雄さんを招待するのもいいかもしれない。あの人大学生だし、教えてくれるかも。

 

「まままま待てイッセー! い、いいのか!?」

 

「我々は変態だぞ!? 下心だらけだぞ!?」

 

 っていうか、むしろ二人が動揺してる。

 

 おい、行きたいっていたのはお前らなんだから、驚くなよ。

 

 っていうか桐生までちょっと怪訝な表情してるじゃねえか。どういうつもりだよ、オイ。

 

「どしたの兵藤? いつもなら全力で拒否ってるでしょうに」

 

 まあ、普段ならそうなんだけどさ。

 

 だけど……。

 

「ヒロイのこともあるしな。ちょっと、お前らには俺達の事情を知ってもらいたいんだよ」

 

「「……」」

 

 その言葉に、三人とも暗い顔になる。

 

 さっきも言ったけど、ヒロイとリセスさんの事は日本人ならある程度は知ってる。それぐらい、毎日ニュースでトライヘキサ封印とリムヴァンの戦死は日本で報道されてるんだ。

 

 その詳細については色々気遣いで伏せてくれているところもあるけど、それにも限度がある。

 

 言っちゃあれだけど、99%死んでいるヒロイ達を囮に、俺やペトに現役の高校生生活を送り易くさせたいって配慮らしい。

 

 その配慮は嬉しい。だけど、それは二人を死んだ事にするって事だ。

 

 そして、それはほぼ確実で……。

 

「お前らにはさ、やっぱ知って欲しいんだよ」

 

「ふむ。お前やっぱりあっち側か」

 

 元浜の眼鏡が輝く。

 

 ああ、お前ら薄々気づいてたのか。

 

 それなら、少しはスムーズに進むかも―

 

『―駒王学園の皆さん! 避難警報です!!』

 

 ―その時、緊急放送が鳴り響いた。

 

 なんだ!? 一体何が―

 

『駒王町の結界が何者かによって破られました!! 百人以上の何者かが、こちらに向かってやってきます!!』

 

 ―なんだと!?

 

 駒王町の結界を、侵入するんじゃなくて強引に破ってこっちに来た!?

 

 こんな状況で、誰がそこまで強引な手段を使ってくるんだよ。それも、日本でもトップクラスに頑丈なはずの駒王町の結界を破るだけの実力者に率いられた百人以上の敵!?

 

「チッ! 全員逃げろ!! そいつらは私達が足止めする!!」

 

「アーメン! ここは私達に任せて頂戴!!」

 

 ゼノヴィアとイリナが、素早く聖剣を引き抜きながら前に出る。

 

 他のクラスでも、俺達の仲間や異形関係者達がゴロゴロと外に出ながら構えるのが見える。

 

 ああ、ヴィクター経済連合が駒王学園を襲撃してきた時、関係者達が動いて迎撃したからな。半分以上のメンツは既に知られている。

 

 つっても、俺達オカルト研究部や生徒会で知られてるのはゼノヴィア達教会関係者が殆どなんだけどな。

 

 だけど、こうなったら俺達も黙っていられない。

 

 こんな強引な手段を取ってくるような連中だ。腕に自信がある連中が、本腰入れて攻撃に来たんだろう。

 

 なら、俺もやるしかない!!

 

 そして、俺達の視界に百人以上の人影が見えてくる。

 

 先制攻撃も十分できる数だな。こりゃ、すぐにでも鎧を展開しないと―

 

「―待たれよ!! 我らは殺し合いが目的でこの場に来たのではない!!」

 

 ―思ったその時、その集団から大声が届いた。

 

 そして集団から一人の男が前に出る。

 

 ……やけに露出度が高い、股間が強調される服装だった。

 

「私はニースペ・フロンタル!! 我々は戦闘が望みではない、乳龍帝、兵藤一誠様にお会いしたいのだ!!」

 

 ………

 

 俺、名ざし?

 

「え? あれ、兵藤のお客様?」

 

「いや、こんな豪快な真似するお客さまってなんだよ。兵藤、お前何をした?」

 

「いや待て! 兵藤の名前が出てきて気を取られてけど、なんか変なこと言ってなかったか!?」

 

「ち、ちちりゅうてい?」

 

 クラスメイトからものすごい勢いで視線が向けられてるぅううううう!!!

 

 っていうか、学校中でどよめき声が上がってるぅううううう!!!

 

 そりゃそうだよね。乳龍帝とか頭おかしいよね!! いきなり聞いてもそんな翻訳できないよね!!

 

 っていうか、そんなことを堂々とこんなところで言ってるんじゃねえええええ!!!

 

 俺はふつふつと怒りが燃え上がる。

 

 日本政府の人達も協力して、俺の人間としての生活を送れる余地を作ってくれている。

 

 それを、その一番基本の学生生活を台無しにしやがって!!

 

「てめえこらぁああああああ!!!」

 

 俺は窓から飛び出すと、そのまま着地して指を突き付ける!!

 

 そしてそいつらは俺の姿を認めて―

 

「おお。ご尊顔に拝することが、できた」

 

 ―なんか泣き始めたぁああああああああ!?

 

「おお、一誠様だ! 一誠様だぞ!!」

 

「ああ、生で見れることができるなんて、感激!!」

 

「こ、こっちに視線むけてくれた! くれたわよね!!」

 

「サインください、乳龍帝!!」

 

 もう飛んできて連中は、全員感極まってる。ハイテンション以外の何物でもない。

 

 なんかもうお祭り騒ぎだ。すっげえ感極まって、気絶している人までいる。

 

 何だろう。一周回って、引く。

 

「起きろ馬鹿者!」

 

 そして、気絶した人に叩き込まれる拳。

 

 その一撃意識を取り戻しながらも、その人は悶絶してもだえ苦しむ。

 

 だけど、その殴られた人は怒るでもなく、なんだか泣き出した。

 

「申し訳ありません! 我らが生き神様を前にして、意識を失うなどなんという失態!!」

 

 生き神様ぁあああああ!?

 

 いや、ちょっと待とうか。

 

 俺なんかした? いや、何もしてない気がするんだけど!! 何もしてないよね!?

 

 っていうか間違いなく初対面なんだけど!? 俺、一度たりともあの人たちと会ったことないよね!?

 

 なんでそんなレベルで神様扱いされるんだよ!? そんなことした覚えないんだけど!?

 

「あ、あの……どちら様で?」

 

「ハッ!? これは失礼いたしました。感極まったあまり、失礼を」

 

 一斉に跪かれた。

 

 誰もかれも、おれに対する敬意があった。っていうか崇拝?

 

 なんか知らないけど、とりあえずこの人たちが俺のことをすっごい扱いしたいのだけはわかる。

 

 でも、俺は別にこの人たちに何かした覚えはない。かしずかれるようなことをした覚えがない。

 

 マジでなんでこの扱い? 俺、マジでなんかしたことあったっけ?

 

「お初にお目にかかります。我々は三情という組織です。私はこの部隊の指揮官の二―スぺ・フロンタルと申します」

 

 そういう二―スぺさんは、目を潤ませると俺に跪いた。

 

「どうか、あなたには我々三情の生き神様として我らの象徴となっていただきたく存じます」

 

『『『『『『『『『『お願いいたします、一誠様!!』』』』』』』』』』』

 

 すっごい勢いでそんなことを言われた。

 

 え、え、ええ?

 

 俺、今凄いこと言われてるよな。

 

 生き神!? 神扱い!? いや、俺一応龍神の力すら手にしてるけど。

 

 でも、そこまで言われることか? あの戦いだって、どっちかっていうとヒロイの方が重要だったんだけどなぁ。

 

「それは、俺がリムヴァンをぶっ倒したから?」

 

 思わず聞いて、後ろの方が騒がしくなった。

 

 あ、しまった。そのことは特に知らされたりはしてなかったんだ。しまった。

 

 あの戦いは確かに五人がかりでリムヴァンを倒したことは知られてるけど、人間にヒロイとリセスさん以外の人が倒したことは伝えられてない。

 

 ヴァーリはともかく、俺とペトが倒したことが大々的に報道されれば、高校生活を送ることが不可能だと思われたからだ。

 

 総理大臣やアジュカ様の配慮には感謝してたのに、俺がうっかりでばらしたら意味がないじゃないか。

 

「おい、どういうことだよ?」

 

「たしか、五英雄ってのはヒロイとリセスさんも含まれてたんだよな?」

 

「でも兵藤先輩が? 面倒見は良いけど変態だよね?」

 

 あっちゃ~。後ろが騒がしくなってるよ。

 

 俺がちょっと額に手を当てると、ニースペは俺を見て恍惚の表情を浮かべる。

 

 そして、はっきりと言い切った。

 

「どうか、我々と共に世界を色欲で包みあげましょう!!」

 

 …………。

 

 俺は、四秒ぐらい真剣に頭の中で吟味した。

 

 そして、まっすぐはっきりと見据えて言い切った。

 

「帰ってください」

 

 なんだ、そりゃぁあああああああああ!!!

 




乳龍帝を信仰する者たちにしたかったけど、それだとこの話がギャグなのがすぐわかるから我慢しました。
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