ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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活動報告を更新しましたので、もしよろしければ見ていただけると。


そして、ついに新主人公たちの所属部隊が判明いたします!!


第二部一章 7

 

 そして数分経って、ハヤルトがゴホンと咳払いをした。

 

「さて、それで話を戻すが……」

 

 しかし、どうしたものかとふと考える。

 

「あとはリアス嬢とソーナ嬢で説明するべきことでもあるしのぅ。さて、余はどうしたものか……」

 

「あ、じゃあ俺質問があるんですけど」

 

 と、そこで手を上げたのは百鬼黄龍。

 

 日本異能者の最大手である五代宗家の次期当主。それも、リーダー格である百鬼家のトップになる男だ。

 

 それをある程度知ったがゆえに、全員が注目する。

 

「そもそも、魔王直系のあなたが何で駒王町に来てたんですか? たまたまって事はないと思うんですけど」

 

 言われてみれば、その通りだ。

 

 兵藤一誠の窮地を救った救世主的な感覚で話していたが、しかしおかしな展開でもある。

 

 それだけの人物がいきなり出てくるとは、どういうことなのだろうか?

 

「あ、そういえばそっちのお二人さんには昨晩も助けてもらったっすね?」

 

 と、ペトがはたと手を打って、沈黙を続けていた少年と男性に視線を向ける。

 

「肯定。土地勘がないのである程度回っていたら、戦闘の音が聞こえたんでな。流石にグレモリーの縁者がいるのなら当然だ」

 

「まあね。っていうか、そういえばあの大きな人達……なに?」

 

 何があったのかよく分からない者が多数だが、一部だけ何があったのか最後の言葉で把握できた。

 

「ミルたんか」

 

「ミルたんだな」

 

「ああ、ミルたんだ」

 

 うんうんと変態三人組が何かに納得する中、ハヤルトが立ち上がる。

 

「うむ。そういえば言ってなかったな。……余は今、日本政府の預かりとなっておるのだ」

 

「え? なんで?」

 

 思わぬ展開にツッコミが飛ぶが、ハヤルトは静かに首を振る。

 

「色々とややこしい立場なのでな。余が冥界に戻れば確実に相応の高い椅子が与えられるが、旧魔王末裔を追放した者達からすれば面白くもなかろう。それに、余としても成果も挙げずして地位だけもらう気は毛頭ない」

 

 そう言うと、ハヤルトは指を鳴らす。

 

 そして即座に、シシーリア達は上着に手を掛ける。

 

 ハヤルトも服に手を掛けながら、にやりと笑う。

 

「自己紹介が足りなかったな。余は正当たるアスモデウスの末裔であるハヤルト・アスモデウス。そして―」

 

 そして服を振り払い、新たな服を見せつける。

 

 それは、日本人ならテレビで一度は見た事のある服装の、しかしバリエーション違いとでもいうべきものだ。

 

 そして、何より、胸に輝くのは日本の国旗を模した紋章。

 

 それは―

 

「余はハヤルト・アスモデウス。本日17時に発足発表がなされる、国外自衛隊の異人部隊、その第一特務部隊の指揮官であるハヤルト・アスモデウス一等外佐である!!」

 

『『『『『『『『『『な、なんだってぇええええええええ!?』』』』』』』』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 国外自衛隊。文字通り、国外を活動範囲として行動する自衛隊。

 

 憲法第九条に完璧に違反しているが、しかしその九条の凍結は、数日前に完璧に確定した。

 

 現在の世界情勢において、九条の存在は足かせにしかなりえない。下手をすれば致命的な事態が勃発しかねないほどの隙を生むだろう。それを、日本国国民も痛いほど痛感した。

 

 和平に反対する神による霞が関の攻撃。ヴィクター経済連合に先導された、京都でのクーデター。ヴィクターを離反したテロリストによる、有明での乱戦。そして、二度に亘る白昼堂々のヴィクターの駒王町侵攻作戦。

 

 之だけの事態は国民の警戒心を強くするのに十分だった。

 

 加えて異形の技術が大量に流出した事によるテロの活発化。

 

 白人至上主義団体、KKKの後継を名乗るKKKK。シーシェパードが平和主義に見える、過激派エコテロリストのオーシャンズK9。機械神の降臨による世界の新生を謳うダンシールズ。知識を一部に独占させる、秦のような在り方を復興させんとする新秦。

 

 それら数多くのテロリストは、異形の魔法技術を取り込んだ事で一気に勢力を増加している。

 

 鍛錬が必要であるがゆえに個人の素質に左右されるところもあるが、しかしコストパフォーマンスにおいては兵器よりも遥かに安上がりで、更に知識であるがゆえに情報の流出を阻止しずらい現状。それが、テロ組織の戦力を大幅に強化している。

 

 これらに対抗する為には、現行の国防政策では全く足りない。日本政府はそう感じているのだ。

 

 ゆえに大尽内閣が提案したこれらの改革は、与野党問わず賛成多数で可決された。

 

 それこそが第九条の凍結。そして、それに伴う国外派遣を前提とした国外自衛隊の設立。

 

 あくまで自衛隊という名称は変えておらず、それなりの建前は用意している。

 

 曰く、宣戦布告は既に攻撃を仕掛けてきたのも同じ。曰く、侵犯行為をしているものが警告を無視するのは宣戦布告も同様。曰く、日本で活動した事のあるテロリストは、その時点で戦争状態と同じ。攻撃を仕掛けてきた国家に対する報復行為は国家の発言力確保の為に必要不可欠。同盟国に危害を加えられる事は、すなわち間接的な日本に対する侵略行為。

 

 明らかな暴論ではあるが、しかしそれらの言い訳を盾に日本政府は即座に一個師団規模の部隊の編制を行った。

 

 それに伴い本格的な空母や揚陸艦の開発も決定。更に防衛力拡大までの時間稼ぎの為、これまでPMCとの連携を拡大化させている。報復攻撃用の弾道ミサイルの開発も行われている。

 

 むろん国外からは反発の声もあるが、それらの国家に対して日本政府はこう言い切った。

 

「……我が国を仮想敵国として認定している時点で、こちらからしても仮想敵と同様である。仮想敵の軍事的デメリットになる戦略をするのは当たり前の戦略である」

 

 極めて強気の発言であり、ヴィクターがいなければ攻撃を仕掛けてくる国家がいたかもしれない。

 

 が、これに各神話勢力は非常に好意的な反応を示し、技術交流や提供などを積極的に行っているからさあ大変。

 

 各神話勢力はこれらを技術交流の一環として行ない、更に人間の戦力を対ヴィクターに回す事もできると喜び勇んでいる。

 

 各神話体系は日本政府だけでなく他の国家にも技術交流を行う事を打診しており、日本をモデルケースの一つとしてみなした対応をしている。資金援助などの話も出している。

 

 しかし、世界有数の国家の多くは聖書の教えを信仰しており、他の宗教体系に対する排他的感情を完全には抑えきれていない。その為あくまで天界及び教会を経由しての軍備強化が中心だった。

 

 そんな中、自前の神話体系を持つインドと中国は日本に匹敵する軍事的強化を推し進め、更に三大勢力との和平と引き換えに技術提供を敢行。驚異的な軍備拡張を遂げている。

 

 かつての世界大国の座を奪わん勢いで、日中印の三国は成長を遂げていた。

 

 しかし、高水準の兵士の育成には莫大な時間が必要不可欠。

 

 知識で運用できる魔法といえど、雑兵までならともかく精鋭となれば育成には時間がかかる。兵藤一誠のような短期間で神すら超える力を発揮するような異才は極めて極小なのだ。

 

 ゆえに、日本政府はそれらに対する対策として、異人部隊の投入を決定。

 

 密接な関係である三大勢力を中心に、実力者を国外自衛隊に取り入れ、最低限の体裁を整えようと試みたのだ。

 

 その結果、国外自衛隊には二つの異人特務部隊が設立。その双方ともに、現政権がある意味で持て余す人材が宛がわれる事となった。

 

 ヴィクターの亡命者を中心に編成された、異人第一特務部隊。やむを得ない事情で現政権に敵対した者たちによって編成された懲罰部隊である、異人第二特務部隊。

 

 そのうち、第一特務部隊は、日本国内でも駐屯として、最も異形になれた駐屯地を待機場所とする事になった。

 

 それこそが、世界で最も異能を取り入れた軍事拠点。

 

 陸上自衛隊、駒王駐屯地である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まあ、そういうわけだ。昨夜はそれぞれ土地勘を得る為の分散活動を行っている時に出くわしての。本日は本日で、いきなり駒王町の結界が破られたとの事で緊急出撃を命じられたのだよ」

 

 そう苦笑を浮かべると、ハヤルトは立ち上がる。

 

「では、そろそろ余らはお暇するとしよう。他の者達が報告は行っておるが、隊長である余がきちんと報告を行う必要もあるのでな」

 

「……そうですわね。お手間を取らせて申し訳ありません、ハヤルト様」

 

 リアスは、心から感謝して頭を下げる。

 

 このハヤルトの行動の真意に、リアスは気づいている。

 

 簡単な話だ。衝撃の矛先をリアス達ではなくハヤルト達に向けさせる事で、リアス達の学園生活に支障が出ないようにしているのだ。

 

 むろんこの程度で完全に問題をどうにかできるわけがないが、それでも最低限の効果はあるだろう。

 

 その配慮を心から感謝して、リアスは頭を下げた。

 

 そして、それを満足げに頷く事で返答とし、ハヤルトは踵を返す。

 

「安心するがよい、民草よ。余は日本国の自衛隊に籍を置く者として、卿らの安全をきちんと配慮する事を誓おう!!」

 

 その言葉と共に、ハヤルト達は体育館を去っていく。

 

「あ、じゃあ、僕らはこれで」

 

 と、ハヤルトと共に来ていた眷属悪魔の内、少年が軽く頭を下げる。

 

 そして―

 

「………」

 

「っす?」

 

 その視線が、ちらりとペトに向けられた。

 




ハヤルト「とりあえず権力に見合う成果を上げに自衛隊に出向しました」


とまあ、そんな感じでハヤルトは自衛隊所属です。国外自衛隊の外人部隊とでも形容すればよろしいでしょうか。

そんなこんなで、第二部の前半は新主人公たちが世界各地に出向いては様々な問題を解決するスタイルになると思います。
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