ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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そんなこんなで、いろいろと絡んでいくハヤルト眷属。

さて、新主人公と明言されたサラト君はどうなるかというと―


第二部一章 10

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃、ペト・レスィーヴは繁華街に繰り出していた。

 

 冬という事もあって露出度は控えめ。しかし僅かに化粧もして、男の目を引く姿だった。

 

 こうしていると、少し寂しい感覚にも襲われる。

 

「……お姉様………」

 

 いつもなら、リセスと共に行動している時だ。

 

 それも万全の安全を確保する為、他の男子や女子を近くに待機させる厳戒態勢。そして最終的には分散戦術で大量に男女をひっかけて、大規模乱〇をしたり、ヤリ部屋の常連を増やすのが定番パターンだ。

 

 だが、今回は完全に一人で行動している。

 

 なんというか、新しい男を個人でキープしたい形だった。

 

 ……リセス・イドアルは英雄でいる事を選んだ。ペト・レスィーヴを選ばなかった。

 

 それは仕方がない。リセスは何より英雄でいる事を望んでおり、そしてペトと共にいる事を選ぶ事はできない。もしできたとしても、それはペトがリセスやヒロイと共に死ぬようなものだ。

 

 それを望んでないからこそ、リセスもヒロイもペトをどこかで拒絶した。

 

 例え死んでも、自身が定義する英雄らしく死ぬ。生きる事以上に死に様を重視した人生設計をしている、2人らしい決断だ。

 

 それは仕方がない。そこに関しては、自分にも責任の一端はある。

 

 神代小犬はリセスのそれに気づいて、だからこそリセスから距離を取った。シシーリア・ディアラクはそれに気づいて、その上でヒロイがそうである事を望んだ。ペト・レスィーヴはそれに気づかず、そして距離を取りきる事もそれを望む事もできなかった。

 

 一番半端なのは自分だ。ヒロイもリセスも自分の矜持を優先する事を決め、そして貫いて行った。

 

 最後の最後で決別宣言はしたはずだ。だからこその援護射撃だったと思っている。

 

 にも関わらず、自分は未だに二人のMIAを引きずっている。

 

 頑張って乗り切ろうとはしている。なにより、乗り切るつもりであの射撃を叩き込んだ。そして同じぐらい引きずっている仲間達も多い。

 

 だから率先してガス抜きを手伝ったりしている。具体的にやけ食いとかやけ歌とかだ。エロに走らない辺り、自分でも制御はできていると思っている。

 

 だが、ふとすると暗い何かを感じてしまう事も多いのだ。

 

 だから、淫乱である自分らしく、性的に発散する事も必要だ。もとより自分は淫乱になってきた身なので、そっちの方が性に合っている。

 

 そう言うわけで、最近はいろんな形で新たな形の性発散を画策中だ。

 

 とはいえ流石に止めた方がいいかとも思う。

 

 売春が多い地域で無料で男をひっかけたりなどすれば、敵視する者が出てきてもおかしくない。

 

 いわゆるレイパーをわざと誘って撃破など、常人なら考えたりしないだろう。そういう手合いが凶悪な行動をとる可能性は、少なからずある。

 

 民間人が相手ならたやすく無力化できる自信はある。腐っても上級堕天使は伊達ではない。更にオーフィスから貰った蛇もあるのだから、ただの一般人相手にどうにかされるのは超特化型とは言え流石に不名誉極まりない。

 

 異形が仕掛けてくる可能性も低い。なにせ駒王町は結界が張られている。何気にちょくちょく破られているが、並大抵の悪意ある輩は侵入困難なのだ。ましてや赤龍帝有するリアス・グレモリーの積極的に喧嘩を売る輩はそうはいない。イヤほんと少数しかいないのである。

 

 とは言え少々趣味も悪い。獲物が多いところを狙ったわけだが、そろそろ自粛するべきか。

 

 そう思い、ペトは少し苦笑し―

 

「お、天然ピンク髪!」

 

 其の声に、ペトはそちらに顔を向ける。

 

 そこには明らかに遊び慣れている類の男が複数人いた。

 

 ……経験則で分かる。あれは小物だ。

 

 単純に性欲を発散したいだけ。しかし犯罪行為に走るほどの度胸はない。そういう手合いだ。

 

「ほら言ったじゃねえか! 最近出てるってよ!」

 

「いよっしゃ! 俺達ついてる!!」

 

 などとスマートフォンを見ながら言い合ってるのを見て、ペトも流石に今度から場所を変えた方がいいと思った。

 

 どうやら噂になっているらしい。まあ、自分の髪の色はどう考えても珍しいから当然といえば当然か。

 

 これ以上悪目立ちして、ここで商売をしている人達に絡まれるのは避けたい。

 

 気楽に楽しくエロい事をする。それが性分なのだから。

 

「……ハハッ」

 

 そこ迄思って、自嘲する。

 

 なにが気楽だ。沈んだ気持ちで行為に及び、快楽に耽溺する事で辛い事実から目を背けているくせに。

 

 今の自分は快楽を貪っているのではなく、快楽に貪られようとしている。それは、リセスが自戒しペトにも戒めさせた事柄だ。

 

 それでも、このままだとスッキリできないからそうするしかなく―

 

「……お姉ちゃん?」

 

 ―その時、明らかに不機嫌そうな少年の声が届いた。

 

 その場にいた者が全員ぎょっとして振り返るほど声が届くが、それは断じて大声というわけでもない。

 

 其の声はしっかりはっきり澄んだ発声は、人の耳によく届く。つまりはそういうことだ。

 

 そして、それをなした少年はペトの手を掴むとそのまま引っ張った。

 

「またこんなところで遊んで。いい加減パパとママも怒ってるからね。家族会議」

 

「え、あ、ちょっとッス……!?」

 

 ペトはわけもわからず引っ張られる。

 

 いや、とりあえず振りほどこうとはしているのだが、絶妙な力加減で外しにくい。強引に外しすぎるのもあれだという気持ちもある。

 

 そして何より、少年の登場で完全に場の空気が白けてしまっていた。

 

 これでは、しのいでも意味がない。男たちも完全にそんな空気じゃなくなってしまっている。

 

 そんなこんなでペトは完全に勢いに飲まれる形で、その少年に引っ張られていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、とりあえずカラオケボックスに連れ込まれて、その少年はジト目をペトに向けた。

 

「……何やってるのかな、お姉さんは」

 

「うぅ……」

 

 年齢差は自分の方が一見上に見えるが、なにせ相手は悪魔である。

 

 外見年齢は全くあてにならない。下手をすると自分の親より年上という可能性もある。

 

 何より、動きに隙を見つける事が困難なその様子から、この状況下では逃げるのも困難だ。

 

 まさか男漁りした事の説教から逃げる為に、高位の異形が本領を発揮しながらカラオケボックスから逃走など、堕天使側の醜聞にしかならない。自分が英雄扱いされている事を考えれば、ヴィクター経済連合が何を言ってくるか。

 

 ゆえに、ペトは素直にその少年の前で正座するしかなかった。

 

「あ、あの~。サラト……さん?」

 

「何?」

 

 目線だけで見下ろしてくるサラトは、呆れ半分の表情を浮かべる。

 

「あのねえ。レスィーヴさん? ああいうところで遊ぶのは、流石にまずいと僕思うんだけど」

 

「男漁りは昔からの趣味っす!!」

 

「でも流石に不用心すぎるから」

 

 正論である。

 

「福津兄が調べた情報だと、不用心にそういう事はしないって聞いたけど? あれ、手当り次第にしか見えないんだけど」

 

 正論である。

 

 普段は鍛えられた嗅覚で安全牌を見据え、念の為の保険もしっかり用意したうえで事に及んでいる。具体的には緊急用の連絡コードと転送用の魔方陣などだ。

 

 今回はそういう事を一切していない。戦闘能力が高いというある意味で最大の防衛ラインこそあるが、確かに不用心だった。

 

「……会ったばかりの僕がこういうこと言うのはあれだけど、発散するにしても他に何かなかったの?」

 

「うぅ……。ペトはビッチだからこれが一番効率良かったんす」

 

 ……実際のところ。やっぱりこれに落ち着くのが実情だった。

 

 色々他にも発散しようとしているのだ。やけ食いからふて寝。カラオケで思いっきり歌い倒したりもしている。

 

 とにかく引っ張られない事が必要で、リセスもヒロイもそれを望んでいるだろう。周りのメンバーはなんだかんだで身内の死に慣れてないから、比較的慣れている自分がそう言う事を率先して巻き込む必要もあった。

 

 だが、どうしてもそれだけでは発散できない。

 

 性根が淫乱な事もある。周りのフォローをする都合上、発散しきれない事もある。

 

 だが、それ以上に、自分が一番ダメージが大きいのだろう。

 

「……僕が言えた事じゃないけど、引きずられると、死ぬよ?」

 

「……分かってるっすけどね。これがもろに引きずられてて」

 

 同時にため息が出てしまった。

 

 本心からこのままではいけないと思っているのだ。だからこそ決別宣言迄した。

 

 だがしかし、蓋を開けてみればこの様である。

 

 まごうことなく引きずられている。自覚はあり、どうにかしようとして、周りの方は少しは改善出来て、しかし自分に関してはどうしようもない。

 

 あまりに情けない話だった。

 

「……ほんと、情けない話っすよ」

 

「……ちょっと、愚痴でも聞こうか?」

 

 そんなペトの隣に座って、サラトは続きを促す。

 

 どういうつもりか分からないが、なぜか親身になってくれているようだ。

 

 意外とイッセー達みたいなお人よしなのかもしれない。

 

 だったら、少しぐらい話してもいいかもしれない。よく知らない相手に迷惑をかけるのもあれだが、カラオケボックスの料金を払えば愚痴代ぐらいにはなるだろう。それで無理なら体で払う。

 

 そして、ペトは話し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ペトと絡みました!

そして次の次から事態は急変します。









なにせ、この作品の真の敵はヴィクター経済連合の保有する禍の団。

彼らもまた、第二部に伴ってリムヴァン無しでもやっていけるようにパワーアップしていきますぜ?
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