ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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サラト・アスモダイの本格戦闘も勃発。

そして、本章のクライマックスが本格的にスタートします!!








英雄たちの物語である、ロンギヌス・イレギュラーズ。

その新たなる根幹である、サラト・アスモダイがなる英雄とは―


第二部一章 17 ヒーローでも、先駆者でも、閃光でもなく

 

「ペトさん! ペト・レスィーヴさん!!」

 

 サラトは、聖槍で相手を迎撃しながら声を張り上げる。

 

 届け。届いて。届いてください。

 

 などと心の中で思いながら、後ろのペトへと声を張り上げる。

 

「な、なんすか!?」

 

 ペトが返事をしてくれたので、サラトははっきりと言う。

 

「はっきり言います。僕はヒロイ・カッシウスとリセス・イドアルが大嫌いになりました!!」

 

「それ今言う事っすか!?」

 

 本当に今言う事ではない。

 

 だが、前提として知っていてもらわなければ困るのである。

 

 そして、サラトは続ける。

 

「だってそうでしょう!? あなたという大事な人を放り投げてまで、自分の矜持を守るような人、嫌いな人は何処までも嫌いになりますよ!!」

 

 それがサラトの本心だ。

 

 英雄であろうとするあまり、あの二人はペトを切り捨てた。

 

「よく知らない僕が言う事じゃないけど、よく知らないからこそそうとしか思えない!!」

 

 振るわれる流星滅装を受け止めながら、サラトはそう吠える。

 

 それほどまでに、サラトはヒロイとリセスに対して怒っていた。

 

「ま、まあ、万人受けはしねえよなぁ」

 

「確かにペトちゃん可哀想だけど……」

 

「でも、ちょっと言いすぎじゃね?」

 

「外野うるさいな!」

 

 緊張感が欠けた相談事を始める駒王学園生徒(外野)にツッコミを入れながら、ジェームズは反撃を試みる。

 

 その攻撃で少しずつ鎧を損傷させながら、サラトとはしかし言葉を続ける。

 

 何故なら、今から言う事は、目の前のジェームズより重要な事なのだから。

 

「それぐらいに嫌いになったよ! だって、好きな人捨てた奴らとか、普通嫌いになるし!!」

 

「………へ?」

 

 その言葉に、ペトが固まった。

 

 戦闘をしている者達も、一瞬固まる。

 

 駒王学園で事態を見守っている生徒達も、しっかりと固まる。

 

 そしてその隙をついて、サラトははっきりと思いを告げた。

 

「一目ぼれしました、ペト・レスィーヴさん! 友達になってください!!」

 

『『『『『『『『『『……ぇえええええええええええっ!?』』』』』』』』』』』

 

 絶叫の合唱が発生したのも、無理はない。

 

 そしてそれに気づかず、ペトは顔を真っ赤にしておろおろとなった。

 

 想定外である。想定外極まりない。

 

 リセス・イドアルを敬愛しているペトは、ある意味でそういう事に疎かった。

 

 リセスが存命なら「リセスに夢中」という事実で完全に対応できたのだろうが、しかしこのタイミングは不意打ちだった。

 

「……いや、お友達から!? 結婚を前提にじゃなくてっすか!?」

 

「……外見見ただけで結婚してくれとか、相手を真剣に見てない証拠だよ。まずはしっかりお互いを知っていかないと」

 

「戦闘中だぞ!?」

 

 ジェームズがツッコミを入れながら、会話を断ち切って攻撃を叩き込む。

 

 嫌な予感が当たった事で、ジェームズは軽く頭痛を感じていた。

 

 アガレスのロボット攻勢ほどではないが、戦闘中の告白など空気が読めていない。

 

 しかし、サラトはそれを捌きながら、意識をしっかりとペトの方に向けていた。

 

「リセス・イドアルとヒロイ・カッシウスに怒ってるのが嫌なら、2人の良いところも教えて! それに、ペトさんの良いところをもっと知りたい!!」

 

「ぺ、ぺ、ペトは淫乱っすよ!? 今更ビッチをやめる気はないっすよ!?」

 

「が、頑張ります!!」

 

「ぺ、ペトと付き合うなら、毎日職場帰りに若い子ひっかけてしっぽりやって、帰ってから晩御飯の会話のネタにお互いのSEX経験を話し合うぐらいじゃないとダメっすよ!?」

 

「……………頑張ります」

 

「あ、流石に言いすぎたッス。たまにスワッピング〇レイや乱交に付き合う程度でいいっす」

 

「……そ、それぐらい……なら?」

 

「感覚がマヒしてるぞ!?」

 

 ジェームズはつい親切心でそう忠告した。

 

「そ、そうかな?」

 

 サラトも納得しかけて、しかしすぐに首を横に振る。

 

「いや! 相手の趣味にある程度合わせるぐらいできなくてなにが愛だ!!」

 

「カッコいい事言ってる!」

 

「でも流れ的にあれじゃね?」

 

「「外野うるさい!!」」

 

 思わずサラトとジェームズは共に怒鳴り、そして攻撃が共に当たる。

 

 それで距離を取られながらも、サラトは首を振って意識を立て直しながら、戦闘を継続する。

 

「ペトさん! 僕は、ヒロイとリセス(あの二人)のようにはならない!!」

 

 ジェームズの攻撃を凌ぎながら、サラトはそう言う。

 

 ジェームズは強敵だ。こと攻撃力では向こうが上である以上、その強大さはものの見事に難敵である。

 

 現段階ではお互いに攻撃が掠める程度だが、威力の差故に押されているのはサラトの方だ。

 

 そんな中、サラトは攻撃を凌ぎながら言葉を続ける。

 

「一瞬でも輝ければ、あとは死んでも構わないなんて言う英雄(閃光)になんてなりたくない!」

 

 そう吠えながら、しかし続ける。

 

「なるのなら、僕が英雄になるのなら―」

 

 そう、サラト・アスモダイが英雄と称されるようになるのなら。

 

「不特定多数の為の英雄(ヒーロー)じゃなく」

 

 兵藤一誠のような在り方には、なろうと思ってなれるものではない。

 

「矜持の為の英雄(閃光)でもなく」

 

 ヒロイ・カッシウスのようには生きたくない。リセス・イドアルのようにもなりたくない。

 

 そう、サラト・アスモダイが英雄になるとするのなら。

 

「君をずっと慈しめる、太陽のような英雄(陽光)になりたいんだ!!」

 

 それは、まさしく陽光(サンライト)

 

 愛する誰かかを慈しみ、そして照らし続ける事を目標とする、日の光のような英雄でありたい。

 

 それが、サラトの決意表明だった。

 

 その言葉に、ペトはあわあわしながらも考える。

 

 ……可愛い少年である。魔王血族の眷属悪魔と、待遇もいい。既に中級悪魔なうえ、神滅具二つ持ちである以上、上級悪魔に出世する可能性は莫大だ。

 

 そして何より、その告白の言葉は強かった。

 

 ……閃光ではなく、陽光。

 

 一瞬でも強く輝いて残すのではなく、照らし続けたいという決意。

 

 できるかどうかは分からない。

 

 だが、そうでありたいと願ってくれている。

 

 一瞬でもいいから強く輝きたいという願い故に、リセスとヒロイは死んだ。

 

 彼はそうではない。好きになった人の為に、ずっと寄り添えるような存在になりたいという願いがある。

 

 この少年は、少なくともペト・レスィーヴを置いて死ぬという選択肢を取りたがらないだろう。

 

 それは、とても甘美だった。

 

 とは言え、付き合いもろくにない。

 

 だがしかし、確かにこれは強烈だ。

 

 ペトは一瞬だが真剣に考えこんで―

 

「せ、セック〇フレンドからならOKっす!」

 

『『『『『『『『『『そういう返答!?』』』』』』』』』』

 

 流石の淫乱脳に、ほぼ全員がツッコミを入れた。

 

「………頑張ります!!」

 

『『『『『『『『『『それでいいんだ!?』』』』』』』』』』

 

 ただし、相手側も結構あれな人物だった。

 

「疑念。本当に大丈夫なのか?」

 

「ご安心ください。この駄娘よりは立派な人物です」

 

「まあ、リセスちゃんの妹分だし……ね?」

 

 同僚がそんな会話をしている。

 

「ふむ。癖はあるが立派な御仁だと聞いておる。……余の義弟を頼んだぞ、ペト嬢!!」

 

 そして、一誠を抱えながらハヤルトはそう言って声を張り上げた。

 

「……ハッ! なんか今、凄い事を聞き逃したような気がする!!」

 

 そして意識を取り戻したイッセーが顔を上げ―

 

「覚悟しやがれこの野郎がぁああああああ!!!」

 

 速攻で超絶雷霆鎚を振り回しながらヤクサが襲い掛かってきて離脱する羽目になる。

 

「……チッ! 思った以上に強敵のようだな」

 

 そしてコカビエルと、展開が動き始めた事に舌打ちし、そして即座に防壁を展開する。

 

 そこに、リアスの必殺技である消滅の魔星が叩き込まれる。

 

 そこから離脱するコカビエルだが、そこに一斉に攻撃が叩き込まれ、軽くではあるが、明確なダメージを負う。

 

「ガキどもが……! たかが半年そこらで此処迄腕を上げるとはな!!」

 

 そう吠えるその瞬間、シシーリアとプリスがコカビエルを左右から挟撃する。

 

「もらいました!」

 

「いただくよ!!」

 

 どのような理論が具現化された聖槍。

 

 その聖槍とすら撃ち合った、熱衝撃による丸鋸。

 

 直撃させれば最上級クラスにすら届く攻撃が、コカビエルに襲い掛かり―

 

「さ、させないから!!」

 

 ―そこに、最後の一人がついに戦闘に参加する。

 




強くても一瞬で消えてしまうかもしれない閃光ではない。前に進めたのなら、死んでも構わない先駆者でもない。

サラト・アスモダイが鳴るべきなのは、恋という感情を教えてくれた彼女の未来を照らし続ける、陽光である。








と、いうわけでサラト・アスモダイ、告白しました。

一目ぼれというある意味安直な理由ですが、だからこそストーリーの展開で速攻で示すことができるという物。此処からいろいろと知っていけばいいのです。







因みにサラトとはサンライトの略です。まんま彼の目指す英雄の形を示しています。
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