ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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そんなこんなで第二章です。

第二章では、サラト達がいろんなところに行ってD×Dのメンバーと共闘しながら世界各地のテロリストと激闘を繰り広げます。


第二部二章 混迷する世界
第二部二章 1 「衝撃的でした……」byサラト


駒王駐屯地で、体力をつける為の走り込みを行っている、国外自衛隊偉人第一特務隊。つまりは僕達だ。

 

 一応自衛隊員である僕達は、毎日の労働とはすなわち基本的に訓練。体を鍛えることが仕事。

 

 毎日一生懸命トレーニングを行い、身体能力を上げる。そして戦闘訓練なども行い、闘う為の技量を向上させる。

 

 一の実戦は百の訓練に勝る。だからこそ、一の実戦を乗り越える為には百以上の訓練が必要なんだ。

 

 自衛隊員の一員として、冥界から日本国の防衛の為に派遣されている者として、僕達は強くなることが仕事だった。

 

 と、いうわけで僕達は今日もまた走りこんでいるわけなんだけど―

 

「うぁああああああああ……」

 

 はい、はっきり言って集中できておりません。

 

「同情。これは酷い」

 

「うわぁ。うっわぁ」

 

 福津兄とプリス姉が、同じく走りながら痛々しい視線を向けてくる。

 

 深く何も聞いてこないけど、色々と可哀想なモノを見る目に近いのはちょっときつい。

 

「仕方ありません。初めての性体験がいきなりあれでは、衝撃も大きいでしょう」

 

 うんうんと、シシーリア姉はそんなこと言ってくるけど、貴女分かってるなら止めてよ!

 

 福津兄とプリス姉もそう思っているのか、ジト目が突き刺さる。

 

 だけど、シシーリア姉は静かに首を振った。

 

「下手に止めれば巻き込まれます。ペトさんも、一応気を使って人数は少なめにしてくれましたし」

 

「疑念。体力的な問題以外に気を使うところがあるんじゃないか?」

 

 福津兄のツッコミが正論だと思う。

 

 いや、あの、そのですね?

 

 良かったです。凄い良かったです。気持ち良かったです。

 

 だけど衝撃的すぎるよ!?

 

 あれ、人生変わるって。下手したらそのまま凄い事になったって。

 

 ペトさんと付き合うのって、大変な気がしてきた。

 

「まあ、あそこにリセスさんがいなくて良かったですね。いたらもっと凄い事になっていたはずです」

 

「リセスちゃん、遠くに行きすぎ……」

 

 シシーリア姉の言葉に、プリス姉が遠い目をする。

 

 僕も遠い目をしたくなったよ。リセスって人、どんだけビッチなんだろう。

 

 まあとにかく、そんなこんなで訓練を積みながら、僕達は色々と頑張ってるわけだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 で、そんな時に任務が新たに下される事になったわけだ。

 

 その説明の為に駐屯地の一室に入ると、そこには見知った顔がいた。

 

「お、サラト久しぶりっす!」

 

「よ、サラト!」

 

「ペトさん! イッセーさんも? っていうか―」

 

 見れば、グレモリー眷属たち中心のオカルト研究部員が、全員集まってる。

 

 な、なんだろう? ここ一応、自衛隊の駐屯地だよ?

 

「……そこについては、すぐに説明がある」

 

 そう言ってきたのは、別の入り口から入ってきた女性。

 

 ピンク色の髪をした、クールな印象を受ける女性が入って来て―

 

「……こふっ」

 

 ―血を吐いた。

 

「……最近、吐血を見る事が多いな」

 

「吐血って、ブームなのかしら?」

 

「吐血ブームって、どんなブームなんでしょうか?」

 

 通称教会トリオとか呼称されている人達がそんなこと言うけど、そんなブーム聞いた事ないよ!?

 

 いや、吐血したけど。義兄さんも吐血したし僕も吐血したけど。その人も良く吐血するけど。

 

 まあ、とりあえず紹介した方がいいかな、これは。

 

「紹介。こちら、我々ハヤルト・アスモデウス眷属の1人、女王(クイーン)のミラリル・ベルフェゴールだ」

 

「よ、よろしく頼む。あと、できればティッシュか何かないかね……?」

 

 福津兄が代表して紹介するけど、割と残念な人を見る目が向けられている。

 

 うん、まあ、確かにこれだけ見るとね?

 

「虚弱体質なんです。基本的には補佐官として裏方を担当してるんですよ」

 

「なるほど。女王は王の側近でもありますからね。戦闘能力ではなく立ち位置としての眷属筆頭という事ですか」

 

 苦笑しながらシシーリア姉がそうフォローして、木場さんがそれに理解を示す。

 

 まあ、確かにこれだけ見るとねぇ。

 

「言っときますけど、この人かなり凄いですよ? 義兄さんが真っ先にスカウトした人ですから」

 

 一応そこ入っておく。

 

 いや、ホント強いから、この人。

 

 多分だけど、順当に最上級悪魔になるんじゃないかってぐらい強い。伊達や酔狂で女王の駒が与えられたわけじゃないからね。

 

 純粋なウィザードタイプは、僕達の中だといないだろうし、そういう意味でもかなり強い。

 

「まあ、私のような者の事は良い。それより、リアス様達グレモリー眷属達に来てもらったのには、理由があります」

 

 と、ミラリルさんは血をぬぐいながら、話を先に進めてくる。

 

 この人、なんていうか実力のわりに謙虚っていうか、自信がないっていうか……。

 

 まあ、理由は知ってるからそれはいいかな。それよりも。

 

「新しい任務ですか? リアス様達と一緒に任務って、なんだか意外ですね」

 

「それについては仕方ない。上からの指示でな。……まあ、今から説明する」

 

 僕の質問にそう答えると、ミラリル姉は紙を取り出した。

 

 更に魔力を操作して、半立体映像を展開する。

 

 そこに映るのは世界地図。そして、中国にクローズアップされる。

 

「……今週の土曜に、中国で国際的フードイベントが開催されるのは知っている者も多いと思う」

 

 中国かぁ。

 

 僕が思っている事をペトさんも思ってたのか、ポンと手を打った。

 

「確か、帝釈天が色々と動いてるんっすよね?」

 

「ええ。帝釈天は中国の国民を雇い入れる形で、大規模私兵集団を作っているそうだわ」

 

 と、リアス様が苦い顔でそう答える。

 

 そう、中国はこの時代で大きな成長を遂げている国の一つだ。

 

 魔法に代表される人間が使える異能。それらは兵器の質が大きく左右していた軍事業界を変え、再び戦う兵士の技量や才能が趨勢を左右する戦争体形を生み出し始めている。

 

 その結果犯罪なども増えているけど、その影響が最も大きいのは、世界最大の人口を持つ中国だ。

 

 人口は十億以上。その圧倒的な数は、其のまま高い戦闘能力を持つ人間の数に直結する。

 

 そして、帝釈天はこの世界における不穏分子の候補だ。

 

 英雄派の曹操をこっそり隠していたとされているそうだ。つまり、ヴィクター精鋭による被害の遠因というわけだね。

 

 しかも個人戦闘能力でも世界最強レベル。有力な神話体系の多くが主神クラスの多くを隔離結界領域に送り込んでいる今、インド神話のシヴァ神に匹敵する最強の神だと思う。

 

 まあ、曹操は暴走して手綱を握れなかったらしいし、どこまで恐ろしいかはちょっとよく分からない。

 

「言っておくが、帝釈天を舐めてかかる事はできない」

 

 と、ミラリルさんは言った。

 

「彼は争いが強者の育成を助長するという思想を持っている節がある。おそらく最終目的は、この戦乱で鍛え上げられた強者を確保して、シヴァ神を負かす事だと上層部は思慮している」

 

「憂慮。人の数で最高峰の中国を牛耳る以上、あの神が確保できる強者の数も莫大だろうな」

 

 福津兄もため息をついた。

 

 まあ、確かにそうなんだよねぇ。

 

 人口が多い分、貧乏な人も多かったりするのが中国。帝釈天はそこに目を付けている。

 

 今現在、須弥山の莫大な資金力を利用して、下部組織になる人間の軍事部隊を結成しているらしい。既に候補生の数は陸上自衛隊に匹敵するとか。

 

 表向きにはヴィクターに対抗する為だったり、貧困問題の解決を謳っているから周りが止めるのも難しい。割と金払いは言いそうだから、食うに困った人たちは積極的に参加しているそうだしね。

 

 今も昔も、食うに困った人間が行きつく先の候補は戦闘職。悲しい現実だよねぇ。

 

 かくいう僕もその類だったらしいし、なんというか止めるに止められない。

 

「で、だ。その帝釈天はこのイベントにも出資しており、それなりに異形関係者なども招待しているのだが―」

 

 そこでいったん切ると、ミラリル姉は半目で告げる。

 

「……総理がそこに参加する事になった」

 

 ああ、僕らが動く理由はそういう事。




初登場、ミラリル・ベルフェゴール。こやつもまた吐血枠です。








そして世界情勢の変化で一番得する可能性がある、帝釈天率いる須弥山陣営。

人の素質や才能が大きく戦争の趨勢を握る時代に一周回って戻ってきちゃったものなので、人口最多国である中国はいっきに軍事超大国になる可能性がやってまいりました。帝釈天はシヴァ戦を見越していろいろと動いております。

第二章最初の事件も、半分ぐらいは帝釈天のせいになるのですよ。
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