ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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最近になって「英雄になろうとする者はその時点で英雄失格である」とかいう言葉の元ネタ当たりの情報を詳しく知ることができました。




……アニオタwikiの「実は言ってない台詞(架空人物)」の「いったことは言ったが意味が違う系」で紹介されていました。

……逃げる隙を稼ぐために適当ぶっこいた悪徳弁護士のセリフで、そもそも言われた対象の英雄願望が歪んでるので真っ当に英雄に憧れる人と同列に語ることが失礼てきな事欠かれてましたよ。

こんなセリフをさも絶対の真理のように使われるとかすごい酷いなオイ。



第二部二章 13

 

 おっす、俺イッセー。

 

 二月も後半になって、寒さも少しずつだけど減ってきた。

 

 だけど、俺の心は少し寒い。

 

「………うへぇ」

 

 俺はため息をつくと、教室の机に突っ伏した。

 

「どうしたんだ、兵藤の奴」

 

 男子生徒の一人が首を傾げるけど、俺は返答する気力もない。

 

 いや、本当にだらけさせてくれない? マジで。

 

 俺がだらける理由は、割と単純。

 

 ………俺は、一枚の紙を取り出した。

 

「なんだよ、イッセー。……まさか、ラブレターか!?」

 

「何だと!?」

 

 松田と元浜が反応するけど、そんなんじゃない。

 

 いや、ラブレターならむしろ最高なんだけどね。ハーレム王として、今のままじゃなくて更に増やす気満々だからさ。

 

 だけど、そうじゃない。

 

 そして、手紙の中身を見た松田と元浜もぎょっとした。

 

 そして、他のクラスメイトも手紙を覗き込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「「怖いっ!?」」」」」」」」」」

 

 クラスメイト全員がそう言ったよ。

 

「なんだよコレ、殺意みなぎってるじゃねえか!」

 

「っていうかコレ、血文字じゃねえか!!」

 

「うわぁ、恨まれてるわね、コレ」

 

 クラスメイトが次々にそういうのも当然だ。

 

 血文字で書かれた百文字以上の殺の文字。これで殺意を感じなかったら、それはたぶん、すごいおめでたい頭してるんじゃないか?

 

 とにかくそういうわけで、俺は本気でドン引きしてる。

 

 ついでに言うと、この一枚なわけがない。

 

「恐ろしいことに、同じものが数百枚届いていてな」

 

「しかも全部ダーリンとファーブニル宛てなのよ」

 

 ゼノヴィアとイリナが、額に汗を浮かべながらそう言う。

 

 ああ、俺とファーブニルに宛てたこの殺意満々の手紙。マジで数百通届いた。

 

 思わず悲鳴上げたね、俺。

 

「DNA鑑定という検査方法によると、全部別々の人が書いたものだそうです」

 

「そりゃまた、凄い恨まれてるっていうか……組織的な嫌がらせね」

 

 アーシアの説明に、桐生もドンビキしている。

 

 ああ、ほんとにそうなんだよ。

 

「因みに、犯人は分かってるのか?」

 

「堂々と書かれてたぞ。……貞淑委員会だ」

 

 元浜の質問に、ゼノヴィアが答える。

 

 貞淑委員会。変態を滅亡させる為に日夜活動している犯罪組織。三情の永遠の敵。

 

 数多くの性犯罪者を私刑で死刑にする連中で、最近の異形技術の取り込みでテロリストの領域になっている。

 

 しかも強い。最近だと、堂々と名乗って性犯罪者が集まっている監獄を襲撃して、軍隊と戦闘迄したとか。

 

「……中国のフードフェスタじゃ名指しで襲われたし」

 

「大変だな、イッセー」

 

 松田が、俺の肩に手を置いてくれた。

 

 ああ、なんか厄介なのに目を付けられちまったよ。

 

「俺、そこまでするようなこと、したか?」

 

 覗きはこんな連中に睨まれなきゃいけない程の罪か? こんなのおふざけの範囲内じゃねえか?

 

「まあ、いい歳こいて覗きやってるのもあれっすからねぇ」

 

「ペトに言われた!?」

 

 マジでショックなんだけど!?

 

 エロ仲間のペトに言われたよ! マジでショック桁よ、俺!!

 

 エロにおいて俺の遥か高みを行く経験者。そして、桐生みたいなからかいをしないでエロに燃える会話をする事ができる、貴重な女友達。それが、ペト・レスィーヴだ。

 

 そのペトにこんなこと言われるだなんて、マジでショックだ!!

 

 そんな、そんなぁあああああ!!!

 

「いや、高校生になって覗きはマジで警察動くっすよ? やるならアザゼル先生が残した性別変換光線銃で女になって堂々と女湯に入るッス」

 

『『『『『『『『『『なに開発してるの、アザゼル先生!?』』』』』』』』』』

 

 ああ、そういやそんなもん開発してたっけなぁ。

 

「そういえば、オカルト研究部(私達)では、イッセーとレイヴェルはまだあれを体験してなかったな」

 

 ゼノヴィア、余計な事を言わなくていいから!!

 

「ほ、他は全員性別変換してるのかよ!?」

 

 ほら、ドンビキしてるし!!

 

「ゼノヴィアちゃんが男になってる姿なんて、見たくねぇえええええ!!!」

 

「え、私逆に見たい!!」

 

 なんか話が変な方向に行ったし!!

 

 まあいいか。俺も少し気が晴れた。

 

 こう、異形関係について隠し事しないで話せるのは、ヴィクターに感謝しなくちゃいけないのかもな。

 

 そういう意味だとリムヴァンのおかげなのか。うぅ

、やっぱりお礼は言いたくなくなってきたぞ。

 

 ま、それはともかく。

 

「そういやペト。今日はサラトとデートしないのか?」

 

 なんだかんだで、ペトはサラトとよく会っている。

 

 週に一回は駒王町の中でだけど外食もしているらしい。ハヤルトさんがその辺気を使ってるとかなんとか。

 

 まあ、自衛隊員だから必ず土日が休めるってわけじゃないからな、サラトも。そういう意味だと学生やってるペトは得だよな、午後とかあくし。

 

 そろそろ一週間経つし、タイミング的には今日だと思うんだけど―

 

「あ、今週はないんで大丈夫っす。部活にきちんと出るっすよ」

 

 あれ、そうなの?

 

 俺が首を傾げてると、イリナがはたと手を打った。

 

「ああ、そうだったそうだった。今、異人第一特務隊は国外で仕事してるのよ」

 

 そうなのか。

 

 まあ、()()自衛隊だもんな。国外で活動するよな。

 

 ……もう、自衛隊じゃなくて日本軍に改名した方がいいと思うんだけど。

 

「で、なんでイリナが知ってんだよ」

 

「あ、教会との合同作戦らしいのよ」

 

 と、イリナが指を立てる。

 

 そして、その表情は何処か暗かった。

 

 ……なんか汚れ仕事なのか?

 

 そう俺がふと思ったけど、ある意味もっと面倒だった。

 

「……カルディナーレ聖教国と戦闘するみたいなのよねぇ」

 

 ……あ、あぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてその頃、とある場所のブリーフィングルームで、ハヤルトが作戦に参加する戦闘要員とブリーフィングを行っていた。

 

「諸君! これより我々はカルディナーレ聖教国との戦闘を開始する事になる」

 

 真剣な表情を浮かべ、ハヤルトは告げる。

 

 場所は中東。カルディナーレ聖教国とイスラム過激派、更に「イスラム教徒を淫乱にしてあげることこそ善意」とでも言わんばかりに三情まで乱入し、ヴィクター経済連合までいる混沌とした地域である。

 

 そこに戦力が集まるのはごく当然。ピースキング和平連盟もまた、腕利きの戦力が集まっている激戦区である。

 

 そこに今回異人第一特務隊が派遣されたのには、理由がある。

 

「今回の作戦目的は、亡命を行い移動している、英国陸軍高官のカルディナーレ聖教国入国を阻止する事なのは、諸君らも知っての通りだ」

 

 そう、カルディナーレ聖教国は、日に日に戦力を増していっている。

 

 聖書の神の死及び、悪魔や堕天使との和平。その不満が根幹の一つとなって、カルディナーレ聖教国は生まれた。

 

 結果として、自称敬虔な信者の類は断続的にカルディナーレに亡命を行っており、それによってカルディナーレは人材において順当に豊富になっている。

 

 軍部の高官が亡命するケースも今回が初めてではない。聖書の教えを信仰するものが大半の国家では、軍部関係者から亡命するケースも珍しくはない。

 

 そして今回もそうなのだが―

 

「だがしかし、今回は間違いなく陽動作戦の一環だと考えられる」

 

 そう、それほどまでに今回は足取りを掴み易いのだ。

 

 この調子でいけば確実に追撃部隊が追い付く事ができる。そして捕縛されるだろう。

 

 これはおかしい。転移などが使える異形技術がばらまかれた現状で、ここ迄足取りが掴み易い逃避行をする意味はない。

 

 断言してもいい。これは陽動である。

 

 これまでにない重要人物を囮にして、カルディナーレは追撃の為の戦力を叩き潰す気なのだ。

 

「ゆえにこそ、余ら異人第一特務隊が動く事になった。……とはいえ、捨て駒ではないぞ?」

 

 そう前置きし、ハヤルトは得意げな表情を浮かべる。

 

 そして、勢いよく親指を下に向ける。

 

「舐めた真似をしてくれたカルディナーレを後悔させてやるのだ! 各勢力の合同戦力をもってして、我々を始末しにきた奴らを叩き潰せ!!」

 

『『『『『『『『『『了解!!』』』』』』』』』』

 

 全員が敬礼をしたうえで、すぐさま持ち場へと移動する。

 

 そして、自身の持ち場であるブリッジへと移動しながら、ハヤルトはミラリルに師事を告げる。

 

「ミラリル。おぬしは後方に移動して、追撃している英国陸軍と合流せよ」

 

「……了解した。しかしいいのか? わたしも並みの上級悪魔よりはやれるが―」

 

 多少怪訝な様子を見せるミラリルに、ハヤルトは苦笑を見せる。

 

「しかし、本意ではなかろう?」

 

 その言葉に、ミラリルは応えない。

 

 それを見て苦笑を深め、ハヤルトは前に進み出す。

 

「案ずるな。必要とあれば呼び出すとも」

 

「あら、かまわないさ。王の指示には従おう」

 

 そう答えると、ミラリルは即座に転移を行った。

 

 それを理解しながら、ハヤルトは苦笑する。

 

「……さて、あれの開発も進めねばな」

 

 そう独り言ちながら、ハヤルトはブリッジへと到着した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして数分後、戦闘は既に勃発していた。

 

 カルディナーレに向かって逃避行を続けていた英国陸軍高官が、途中で廃村に立ち寄ったところを、追撃部隊が斥候を送ってみたところ、一気に動きがあった。

 

 既にその廃村でカルディナーレが合流していたらしく、戦闘が勃発したのだ。

 

 すぐさま潜伏していたカルディナーレと追撃部隊との間で戦闘が勃発。

 

 現在、戦線は膠着状態になってしまっていた。

 

「……異人第一特務隊が来るまでは?」

 

「現在急行中。あと五分で着くとの事です」

 

 火砲による援護射撃を担当する支援部隊では、既に牽制の為の砲撃が続けられていた。

 

 とは言え相手は、高位の異形を相手取る事を前提としてきた悪魔祓いを中心とした組織だ。そう簡単に当たるとは思えない。

 

 なら、化け物じみた相手には化け物を当てるといった判断ではあるが、しかし必要な事でもあった。

 

「日本からの虎の子が来てから、本格的な攻勢に移った方がいいな。……それまでは牽制に」

 

 そこまで言いかけたその時だった。

 

 動きは、ここから一気に変化していく事になる。

 




そんなこんなで、次はカルディナーレ聖教国との戦いです。三情の幹部もだそうかと考えています。あと御使いが今回のゲストの予定です。
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