ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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第二章 15

 

祐斗Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ふむぅん。そろそろ潮時かにゃ~ん?」

 

 撃ち合いを続けていた僕たちは、しかしフリードが距離を取ったことでいったん仕切り直しになる。

 

 銃撃を仕掛けてくる気配もない。距離を詰めなおす気配もない。そもそも戦意が消えていた。

 

「どういうつもりだい?」

 

 何を考えているのか全く分からない。

 

 この挟撃。おそらく禍の団からしてみればこの戦いで最大の好機のはず。

 

 それでも現状では勝算は僕らの方が圧倒的に上だけど、だからこそここにかけるしかないとしか思えない。

 

 だけど、フリードは満足げに伸びをするとノートゥングすらしまう。

 

「いんやー。いい感じに殺し合えてスッキリしたし、僕もうお家帰るよん? これ以上は間引きに巻き込まれるしねぇ?」

 

 ……間引き?

 

 いったい何を言っているのかわからないが、首をひねったのがいけなかった。

 

 その隙に、彼は例のごとく閃光弾を取り出していた。

 

「んじゃ、バイビー♪」

 

 閃光が走り、それが消えることにはすでにフリードは混戦の中に紛れて消え去っていた。

 

 くそ、またしても逃がしたか。

 

 とは言え、イッセー君も戦っている。悔やむ前に、先ずはそこを何とかしなければ。

 

 ぼくはすぐに気を取り直し……しかしその心配は無用だったみたいだ。

 

「が……ぁ……!?」

 

「ぐぅ……あぁ?」

 

 悪魔祓いの服装をした男二人が、苦痛の表情を浮かべて崩れ落ちる。

 

「馬鹿な。俺は、衝撃吸収の神器持ちだぞ? それが、こんな小娘の拳で……」

 

「あり得ない、雷撃無効の神器を持つ、この俺が……?」

 

 どうやら神器を保有するものだったみたいだ。それも、割と高位の類みたいだね。

 

 だけど、その二人がすでにやられたことで、敵の悪魔祓いたちの戦意は低下していた。

 

 それも、僕から見ても相性が悪いはずの、小猫ちゃんと朱乃さんが返り討ちにしたのだ。これはさすがに驚いたよ。

 

「全身の気を乱しました。いくら体が無事でも、生命力が乱れれば動けません」

 

「私が放ったのは雷光ですわ。雷を無効化できても光が無効化できなければ、どうしようもありません」

 

 どうやら二人とも、自分の力を受け入れる決心ができたようだ。

 

 小猫ちゃんは、仙術すら使うことができる最高位の化け猫。そして仙術は生命力に直接干渉することができる。

 

 以下に肉体が頑強であろうと、気を乱されれば動けなくなる。こうなれば相性差は逆転する。

 

 朱乃さんは、雷光という異名そのままの能力を持つ最高位の堕天使であるバラキエルの子供だ。

 

 雷光は、文字通り雷撃と光力の複合。いかに雷撃に対する耐性があろうと、雷光を無効化することは不可能だろう。

 

 二人とも、自分自身が忌み嫌っていた力をあえて使うことで、敵の中でも高位の使い手を撃破した。

 

 これだけのことができたのも、イッセー君が心の支えになってくれたからだろう。

 

 やっぱり、彼はすごい。

 

 そう思った瞬間、体の痛みが引いて傷が治る。

 

 振り返ると、部長とギャスパー君に護衛されていたアーシアさんが手をのばしていた。

 

 アーシアさんも、回復のオーラを飛ばせるようになった。これで僕たちの戦術の幅はより大きくなった。

 

「……皆さん、お疲れ様ですぅ!!」

 

「朱乃と小猫が敵の主力を倒してくれたことで、彼らも戦意を喪失したみたいね」

 

 ギャスパー君とリアス部長がそう言ってくれる。

 

 うん、みんな本当に強くなった。

 

 しかし、敵も流石に強くなったみたいだ。

 

 まさかフリードに伝説の魔剣が渡るとは。それも、オーフィスの蛇で強化されているだなんてね。

 

 しかし、だからこそあっさり撤退したのが気になる。

 

 これだけの戦力を投入した戦いだ。ここで成果を上げずに撤退するのは損な気がするんだけど……。

 

 そして、そう考えたその時にはイッセー君の方も決着がついていた。

 

『Divide!』

 

 その音声とともに、龍殺しのオーラが大幅に減少する。

 

 そして、イッセー君はそのまま強引に槍を振り払う。

 

 そして、一瞬のスキをついて相手の体に触れた。

 

「行くぜ俺の夢能力! 洋服崩壊(ドレス・ブレイク)!!」

 

 その言葉とともに、相手の衣服が一瞬でバラバラになる。

 

 さすがに失礼だから視線をそらしたよ。うん、失礼だからね。

 

「……ふむ、助けに行くつもりだったけど、どうやら必要ないみたいだね」

 

 と、周りの敵を拘束したゼノヴィアが告げた。

 

 よく見ると、周辺の地形が谷間だらけになってる。どんだけ暴れたんだい、ゼノヴィア?

 

「……く、く……そぉっ」

 

 顔を真っ赤にしながら、しかし敵の女性は戦意を消していなかった。

 

「もうやめよう、ラシア」

 

「そうだ! とにかく服を着ないと……」

 

 戦意を失った元悪魔祓いたちが、押しとどめるように手を触れたり、上着を脱いで着せようとする。

 

 それを強引に振り払いながら、ラシアと呼ばれた悪魔祓いは一歩前に出る。

 

「……負けられるか! こんなところで負けられない!! ここで負けたら、私は―」

 

 羞恥で顔を真っ赤にしながら、だけどラシアは槍を構え―

 

「―やけを起こした上、負けて何もかもなくしちゃうから」

 

 その言葉を、イッセー君が引き継いだ。

 

 え? イッセーくん、何を?

 

 僕が首をかしげると、だけどラシアは羞恥の感情を消して、愕然とした。

 

「な、なにを言って―」

 

「聖書の神の死を知って衝動的に禍の団に入ったけど、冷静になってみればそれでも神様の教えも神の奇跡を代行するシステムも残ってる」

 

 ぺらぺらとしゃべるイッセー君に、ラシアは別の意味で顔を真っ赤にする。

 

 そして、丸裸の恰好をイッセー君は気にもしないで、気づかわしげな表情を浮かべていた。

 

 あ、あのイッセー君が女性の裸に目を向けないなんて!

 

「だけどもう戻れないから、禍の団で成功するしかない。あんなことがあったんだから、戻っても殺されるだけだから頑張るしかない……か」

 

 はぁ。とイッセーくんはため息をついた。

 

 それに対して、ラシアは反論しない。というより、表情が誰がどう見ても図星のそれだった。

 

 た、確かに。あんな衝撃の出来事の連続だと、衝動的につい魔がさしてしまう人もいるだろう。

 

 だけど、イッセーくんがそこまで見抜くなんて!!

 

 そういう駆け引きには向いてない性格だと思ったんだけど……。

 

 イッセーくんはぼりぼりと頭をかくと、籠手を消して手を差し出した。

 

「……ミカエルさんやアザゼル先生に相談するから、投降してくれよ。俺もそんな理由で仕方なく戦うことになってる人を倒すのは嫌だしさ」

 

「だ、だけど……」

 

 ラシアはそれでも槍から手を放さない。

 

 まあ、ここまで大きな戦いを仕掛けたり、意気揚々と教会から離反しておいて戻れるとも思わないだろう。

 

 だけど、イッセーくんはニカッと笑った。

 

「アンタみたいな可愛い女の子を倒したくないしさ? 俺も一緒に頭下げてやるから、一緒にミカエルさんに謝ろうぜ?」

 

 その言葉に、周囲の悪魔祓いたちは一様に崩れ落ちた。

 

 ……どうやら、ここにいる人たちは、冷静になって後悔した者たちがほとんどだったらしい。みんな涙を流して戦意を完璧に喪失した。小猫ちゃんと朱乃さんに倒された悪魔祓いも、涙を流している。

 

 うん。確かにこれはいい結果かもしれない。

 

 小猫ちゃんは、イッセー君に優しい赤龍帝になってくれと言ったらしい。

 

 うん、もうすでに、とっても優しい赤龍帝だ。

 

「ご苦労様、イッセー」

 

「イッセーさん。かっこよかったです」

 

 部長とアーシアさんが、へたり込んだイッセー君に駆け寄る。

 

 そしてアーシアさんの回復のオーラを浴びながら、イッセー君はほっと一息をついた。

 

「いやぁ。新技作って成功でした。おかげで死ななくていい人を見つけられましたしね」

 

「それはよかったけれど、一体何をしたの? 読心術?」

 

 部長の質問は、僕も確かに気になった。

 

 ペトのことは心配だけど、どちらにしてもいったん回復する必要がある。

 

 アーシアさんが広範囲に回復フィールドを張っている間に、ちょっと気になったので聞いてみた。

 

 そして、イッセー君はかなり自慢げににやりと笑った。

 

「俺、おっぱいの声を聴けるようになったんです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 イッセーくんの頭に、回復のオーラが集中した。

 

 ちなみにラシアはマジギレして槍をイッセー君にたたきつけたよ。さすがに刃は立てなかったけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐはぁああああ!?」

 

 ギガターンは、悲鳴を上げてもんどりうって倒れた。

 

 三回転ぐらいして、そのまま受け身を取れずに地面に倒れこむ。

 

 それを冷ややかに見つめて、リセスはため息をついた。

 

「少なく見積もっても数百年は生きてるんでしょうし、受け身の取り方ぐらい覚えなさいよ」

 

 まさか、()()を同じにしただけで、ここまで楽に戦えるとは思わなかった。

 

 アザゼルの策がうまくはまったというべきか、それとも敵が阿呆というべきか。

 

 巨大兵器に対する対抗策は、小型機が翻弄して潰すことが現代の基本だが、もう一つの定番もなかなかに有効だったらしい。

 

 そう思いながら、リセスは立ち上がるギガターンの文句をあえて受け止める。

 

「な、な、なんだ! その人形はぁあああああ!!!」

 

 ギガターンが狼狽するのも当然だろう。

 

 今、リセスは20メートル近い巨人に乗り込んでいる。

 

 その結果、同レベルのサイズの殴り合いが勃発。

 

 格闘技も当然習得していたリセスが、勢い任せで野蛮な戦法しか使ってこないギガターンを圧倒していた。

 

「これは、アザゼルが開発していた対大型異形用兵器、名前は……キョジンキラー」

 

 まんまである。正直名乗るのが恥ずかしいが、さすがに説明しないのもかわいそうな気がした。

 

 これは、神の子を見張るものが開発した、人工筋肉が使われている。

 

 驚異的な生産性と維持コストと馬力が圧倒的であり、格闘戦に限定すれば龍王クラスとまともに戦えるといわれるほどの代物だ。反面燃費が非常に悪く、まともに運用するならばバラキエルやリセスクラスの電力を確保できるものが必要になる。人間の技術で運用するには、大型発電施設が必須だろう。

 

 しかも格納用量が大きい。さらい図体がでかいため、すばしっこさを中心に翻弄するという戦法が有効なので、まともに運用するならば、必要に応じて引き出せて動力を確保できる、自分以外に適任がいなかった。

 

 これ、アザゼルが運用したかっただけではないだろうか? などと少し思ったが、運用技術を習得して正解だった。

 

「さて、あまり時間がないから……」

 

 リセスは、絶対零度の微笑を浮かべる。

 

 その意味を理解して、ギガターンは悲鳴を上げそうになった。

 

「……さっさとノしてあげるわ」

 

 その五分後、ミンチといいたくなるほどの跡形もないギガターンの磔が、敵の戦意を喪失させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side Out

 

 

 

 

 

 

 

 

 




乳語翻訳は出ますよ。イッセーですもん。

でもこの技ホントチートですよね。相手の思考を直接読むわけじゃないから、頭に血が上ってたりして話を聞いてない相手であろうと聞く可能性がありますもん。

それとルセスさんたちに関しては、この戦いのためにだした特撮の怪獣的なキャラですが、同時にいそうなキャラでもあります。じっさいあの前提条件の崩壊の連発なら、追加ッとなって脱走しちゃう人とかいるでしょうしね。









そしてリセスもしっかり仕事しました。新兵器お披露目。

ケイオスワールドの方でも兵夜の兵器として考えてたんですが、出す機会がなかった巨大ロボット。こっちで出してみました。
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