ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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お気に入りは順調に増えっててるけど、評価は着実に下がっててる……(泣

10とか9とかわがままは言わない。8とか7とか増えてくれぇええええ!!! なぜお気に入りは増えてるのに高評価は増えないんだ!!


第二章 21

 

 で、数日後。

 

 事態は急展開になりやがった。

 

 例の次期当主候補同士のレーティングゲームだが、マッチングを変えて再開されることになった。

 

 バアルとグラシャラボラスの戦いは、ゼファードルが熱望したことで続投だが、ほかが変わる。

 

 なんでも、ディオドラが積極的にグレモリーとのレーティングゲームを求めたらしい。同時にお偉いさんは会長を指揮方面に長けていたアガレスの次期当主とぶつけたくなったとか。それでマッチングが変更になった。

 

 まず一回目が、サイラオーグ・バアルVSゼファードル・グラシャラボラス。

 

 二回目が、お嬢ことリアス・グレモリーVSディオドラ・アスタロト。

 

 そんで最後が、生徒会長ソーナ・シトリーVSシーグヴァイラ・アガレス。

 

 ……ディオドラの奴、お嬢とのレーティングゲームの景品にアーシアを求めるとか言い出さないだろうな。

 

 いや、相当ご執心のようだし、可能性は考慮すべきか?

 

 とにかく、そういうわけで急遽作戦会議が開かれた。

 

 幸い、すでに参考資料としてバアル対グラシャラボラスの戦いはすでに終わっている。バアルの圧勝だそうだ。

 

 ……で、それを見ることになったわけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなわけで、俺たちは部室に集まった。

 

 いや、グレモリー眷属だけでもいいと思ったんだが、関係者も含めて集まった。

 

 すでに身内って認識されてるってことなんだろうな。ちょっとうれしい。

 

「それじゃあ、みんな集まった所で始めるわよ」

 

 お嬢が確認して、記録メディアらしきものを取り出す。

 

 ここに、ちょっとまえに行われたバアルVSグラシャラボラスの戦いが映ってるわけか。

 

 で、それを見た。

 

 ぶっちゃけ、最初は面白全部だ。だって俺、レーティングゲームには参加しねえもん。

 

 んなわけで完璧にスポーツ観戦のノリだった。ポテチとか持ってきてたし、イッセーの膝の上に座っている小猫ちゃんにもプレゼントしたし。

 

 だけど、ちょっとマジでビビった。

 

 はっきり言おう。サイラオーグ・バアルは圧倒的な存在だ。

 

 どちらの眷属も、はっきり言ってこれまで戦った悪魔の眷属の中でも有数だ。

 

 さすがは次期当主候補の眷属。選球眼が優れてるって断言できる。

 

 ゼファードルの眷属も、俺が戦った正式な悪魔の眷属の中でも有数だ。それも、全員。

 

 特に、姐さんが気になった少女悪魔が強い。

 

 名前はプリス。担当の駒は僧侶だ。

 

 僧侶の駒の名に違わず、魔力によって炎や氷を即座に大量に操る手際はすごい。下手すれば、お嬢や朱乃さんにも匹敵するんじゃねえか?

 

 更に丸鋸のような魔力を形成して、バアル眷属の騎士のランスや剣をぶった切る手際は見事だな。

 

 こっそり姐さんがガッツポーズしてたのは、俺とペトの内緒だ。こっそり顔を見合わせて、ほほ笑んだのも内緒。いや、可愛いところ見れました。

 

 だが、それもすぐに掻き消えた。

 

 バアル眷属は、さらにその上を行っていると断言できる戦力だった。

 

 全員の能力も技術も練度も、ゼファードルの眷属を平均して圧倒的に上回っていた。しかも、兵士を運用していないため数で不利なのにもかかわらずだ。

 

 サイラオーグ・バアルの眷属はほとんど無事な状態でゼファードルの眷属は全滅。かろうじてプリスが敵の戦車の1人を道連れにしたが、それだけだ。

 

 で、追い詰められたゼファードルはサイラオーグに一騎打ちを誘った。

 

 一発逆転に全てかけたんだろうな。ま、普通は乗らねえが。

 

 しかしサイラオーグはそれを承諾。最終決戦の火ぶたが切って落とされた。

 

 ―そこから先が真の意味で圧倒的だ。

 

 ゼファードルの戦闘能力は、間違いなく高水準だ。少なくとも同年代の上級悪魔の中では頭一つどころか二つは飛びぬけてるな。ちょっと前の俺なら聖槍を抜いているところだ。

 

 特に攻撃力が高い。見た通りの脳筋かと思ったが、魔力の運用もそこそこできる。

 

 さすがは凶児と呼ばれてんのに次期当主の代役やってるだけあるな。実力だけは本物ってことか。

 

 だけど、サイラオーグ・バアルの前には霞んじまう。

 

 放たれる魔力弾を、サイラオーグ・バアルは素手で全弾迎撃。展開された魔方陣を素手で全部粉砕。そして喰らったゼファードルは悶絶。

 

 ぶっちゃけ圧倒的だろう。かわいそうになってきたぞ。

 

 その後も圧倒的な戦いにもならないゲームは続く。

 

 ゼファードルは意地で攻撃をサイラオーグに当てることができたが、ちっとも効いてなかった。

 

 もう、その時のゼファードルの絶望の表情とか、マジでシャレにならねえ。

 

 しかも何とか攻撃をかわしたはいいが、そのパンチの余波で建物が吹っ飛んだ。拳で、建物が、吹っ飛んだ!

 

 その時のゼファードルのビビりっぷりとか、マジで見るのがかわいそうになるぐらいだ。

 

「凶児と呼ばれ忌み嫌われた、ゼファードル・グラシャラボラスがこうも一方的にとは。……これほどのものなのか、サイラオーグ・バアル……っ」

 

 木場もその光景に驚愕する。っていうか、グレモリー眷属最速の木場の動体視力ですら把握できてないっぽいぞ、コレ。

 

 ぶっちゃけ俺は何とか見えた。聖槍を展開して加護受けてようやくだがな。

 

 そして、建物の陰に隠れながらおびえ切ったゼファードルが降参を宣言して、圧倒的な勝利をサイラオーグ・バアル眷属は見せつけた。

 

 下馬評の時点で勝ち負けはわかりきってたけど、ここまでかよ。

 

「ゼファードルって、どれぐらい強いんですか?」

 

「若手悪魔全体でいえば、決して弱い悪魔じゃないわ。本来の次期当主が死亡したうえでの代理とは言え、次期当主として出てきたわけじゃないもの」

 

 お嬢はそういうが、それがわかってるからこそ戦慄してる。

 

 下馬評じゃあゼファードルは若手六組の中でも最弱だったが、それは逸材ぞろいの若手当主の中での話だ。俺からすればチンピラのくせして化け物だといいたいね。

 

 それが、一蹴といってもいい大敗北。こりゃすげえ。

 

「恐れ入った。さすがは大王家バアルの次期当主。才能に恵まれてるというほかない」

 

「そうっスね。あの年で魔力も使わずあの拳、格闘技の天才といっても過言じゃないッス」

 

 ゼノヴィアとペトも、少し気圧されながらも認めるしかねえわな。

 

 いや、ペトも狙撃の化け物って意味じゃあ規格外なんだけどな?

 

 ……あれにダメージ与えるのは、光力の弾丸でも目玉とか狙うしかねえんじゃねえか?

 

 そんなわけで評価うなぎのぼりなんだが、アザゼル先生は首を振った。

 

「いや、奴はバアル家きっての無能といっても過言じゃない」

 

 はぁ? アザゼル先生、アンタ目の病気か何かじゃねえの?

 

 俺はそう思ったけど、姐さんは何かに気づいたみたいだ。

 

「……リアス、アザゼル。もしかして、彼が魔力を使わなかったのは手加減とか舐めプとかじゃないの?」

 

 あ、そういやあの人、魔力で戦闘しなかったな。

 

 純血悪魔の戦闘といやぁ、魔力が基本だ。

 

 特に、バアルの特色である消滅は強力。その血を引くお嬢やサーゼクス様の戦闘能力が規格外なのも、それが要因の一つといってもいい。

 

 使う必要もないから使わなかったとか、主義に反するだけとか思ったんだが。

 

「そうよ、リセス。サイラオーグは、産まれたときから魔力をかけらも宿してなかった、悪魔として無能の存在なの。現当主は、彼のことを欠陥品と蔑んでるわ」

 

 マジか。あれだけの戦闘能力なのに?

 

「……ま、バアルの血筋で今強力なのは、ヴェネラナ女史の方だからな。その血を継いだリアスやサーゼクスは規格外の領域だし、バアル本家としちゃぁ、もうご立腹だろうよ」

 

 あぁ~。それは本家の連中はマジギレしそうだな、オイ。

 

 本家のプライド丸つぶれだもん。仲悪いんじゃねえか、コレ。

 

「で、でも! ゼファードルの奴ぼっこぼこにされてたじゃないですか!!」

 

 イッセーがそう反論するが、アザゼルはそれに対して静かに告げる。

 

「本来上級悪魔の家系がしないことをして、極限まで力を高めたんだよ」

 

 そういって、アザゼルが指を慣らす。

 

 そして、ステータスが浮かび上がった。

 

 ……細かいところは省くと、こうなる。

 

 サイラオーグ・バアルのパワーは、二番手のゼファードルの数倍。天井にまで棒グラフが上りやがった。

 

「血がにじむなんて目じゃないぐらいの修行と鍛錬。尋常じゃない修練の果てに、奴はこれだけのパワーを得ることに成功したのさ」

 

 し、神器も魔力もなしにこれだけの身体能力を……だと!?

 

 ふざけんな、努力だけでここまで到達できるとか、そっちの方が化物じゃねえか。

 

「……才能は、あったんでしょうね。だけどそれは、本家が望むものではないから、本来日の目を見ないはずだった」

 

 そう、姐さんが感慨深げにつぶやく。

 

「だけど彼はあきらめなかった。それが、その才能を引き出したのね」

 

 それは、どこか共感の感情を感じさせるものだった。

 

 姐さん……?

 

「……ごめんなさい、こっちの話ね」

 

 姐さんはそれ以上その話には触れず、アザゼルに視線を向ける。

 

「だけど、そんな来歴だと、あそこまで行くまで相応の苦難が降りかかってきたようね?」

 

「ああ。魔力を持たない純血悪魔が、それを翻して次期当主と認められるなんて壮絶すぎる来歴さ。……そういう連中は例外なく本物だ」

 

 その言葉に、俺たちはしんとなった。

 

 そして、映像が終わってから、アザゼルは告げる。

 

「先に言っとくが、ディオドラと戦ったら次はサイラオーグになるはずだ」

 

「少し早いのではなくて? ゼファードルの方と先にやることになると思うのだけれど……」

 

 ほとんどのメンツの驚きを代表して、お嬢が聞く。

 

 そして、其れに応えたのは俺だ。

 

「いや、ゼファードルは完全につぶれましたよ」

 

 ああ、あの姿を見ればわかる。

 

 震えながら、みっともなく泣きわめきながら、そのうえで恥も外聞も投げすてて降参するゼファードル。

 

 ああ、あいつは間違いなく―

 

「―奴は心に恐怖が刻み付けられて、そのまま折れました。ああなったら再起不能ですよ」

 

 悪魔祓いの中にも、そういったやつがいたことがある。

 

 圧倒的強者とやり合う羽目になり、生き残ることはできたが闘志が死んだ手合いがいる。ゼファードルもそういった手合いになった。

 

「たかが競技試合であそこまでへし折るとか、あの男は殺す気でやってんですかい?」

 

「だろうな。お前らも気をつけろよ。あいつは本気で魔王になろうとしている。そこに一切の躊躇も妥協もねえから、相手の精神をへし折る程度のことは造作もなくやるだろうよ」

 

 アザゼル先生の忠告に、グレモリー眷属が気を引き締め治して頷いた。

 

「じゃあ、そろそろディオドラの対策を考えましょ―」

 

 その瞬間、部屋の片隅に転移用の魔方陣が展開された。

 

 あ、この文様は―

 

「これは、アスタロトの……」

 

 そして閃光が輝いた後、そこには優男が、美少女を伴って姿を現した。

 

「ごきげんよう、ディオドラ・アスタロトです。こちらは護衛のシシーリア・ディアラク。アーシアに会いに来ました」

 

 …………俺は、その顔を見た瞬間心に決意をした。

 

 英雄(輝き)として、これだけは譲れない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 なんかマジでむかついてきた。

 

 ディオドラの奴、アーシアをトレードしたいとか言ってきやがった。

 

 トレードについては、前にライザー(焼き鳥野郎)の妹のレイヴェルから教えられたから知ってる。悪魔の駒を保有している者同士で、駒を宿した転生悪魔や駒そのものを交換するというレーティングゲームにも認められた公式ルールだ。

 

 だけど、ディオドラは惚れた女と一緒になるためにトレードを使ってこようとかしてる。

 

 何考えてんだこいつ。順番が間違いなく逆だろ。部長もマジでキレてる。

 

 しかも、それを断られたら、今度は今度のレーティングゲームの勝敗で賭けてきやがった!

 

 ……本気で何考えてやがんだ、こいつは!

 

「……ディオドラ。何度来られようと私の答えは変わらないけど、一度叩き潰されないとわからないのなら、本気でつぶしてあげるわ」

 

「怖い怖い。だけど、勝つのは僕ですよ?」

 

 そう視線をぶつけ合う二人の間に、バチバチと火花が散ってるのがわかる。

 

 俺たちもかなりイラついてる。ゼノヴィアなんか今にも切りかかりそうで、ペトとリセスさんは抑えるために後ろに回り込んでる。

 

 そして、ディオドラの視線はアーシアに向いた。

 

「ああ、アーシア。君の目はつらい出来事のせいで曇ってしまったようだね。……必ず目を覚まさせてあげるから―」

 

 んの野郎、その汚らしい手でアーシアに触れ―

 

「……とりあえず、そこまでにしてくだせぇ」

 

 そこに、ヒロイが割って入った。

 

 い、いつの間に!! さすが歴戦の悪魔祓い!!

 

「……邪魔しないでくれないかな? 転生悪魔にもなってない、下等生物に邪魔されるのは心外だね」

 

 んの野郎……っ! それがお前の本性かよ!!

 

 ニコニコ笑顔を全く崩さず、平然と毒舌をぶちかましやがった!!

 

 そんな言葉を平然と受け止めて、ヒロイはニヤニヤと笑みを崩さない。

 

「いや旦那ぁ。今このタイミングでアーシアに触れたら、周りの連中全員ぶちぎれますぜ? 神滅具二つも向けられると、いくら上級悪魔の跡取りといっても危険じゃないっすかねぇ?」

 

 その言葉に、ディオドラは少しだけ考えこむと、小さくうなづいた。

 

「確かにそうだね。この程度なら僕一人で十分だろうけど、グレモリーの次期当主が癇癪に任せて暴れだしたなんて醜態、さすがにちょっとかわいそうだ」

 

 なんつー余裕だ。どんだけ自分の実力に自信があるんだこいつ?

 

 たしか、前評判ではディオドラの方が部長より下だったよな? なのに全員総出で勝てるという自信がある?

 

 なんだ? いったいディオドラの奴、どんな隠し玉をもってやがる?

 

 俺たちがその余裕に怪訝な表情を浮かべる中、動く人がいた。

 

 ディオドラの護衛として来てた、シシーリアだ。

 

「でぃ、ディオドラさまに手を出すなら、微力な雑魚ですが妨害させていただきます」

 

 震えながら、だけどハルバードを構えるそのシシーリアに、俺たちはちょっと戸惑う。

 

 そ、そこまでディオドラの奴、この子に忠誠を誓われてんのかよ。

 

 な、なんでそんなに……?

 

「……シシーリア」

 

 と、ヒロイがシシーリアに声をかけた。

 

 ん? なんだなんだ?

 

「お前は、照らされてるか?」

 

 ん?

 

 て、照らされてるか? 意味が分かんねえぞ。

 

「………」

 

 シシーリアさんも視線をそらした。

 

 意味が分からないから引いてんのか?

 

「……すまん」

 

 ヒロイの奴が謝ったけど、もう何を考えてるのか全く分からねえ。

 

「よくわからないことを言う下等種族だ。できればお仕置きをしたいけど、そんなことをしたらグレモリーが怒り狂いそうだ」

 

 ニコニコ笑顔を全く消さず、ディオドラはそんなことを言うとシシーリアの肩に手を置く。

 

「今回はここで帰るとするよ。シシーリア」

 

「は、はい!! 反応が遅いポンコツですいません!!」

 

 こ、この人自分のこと卑下しすぎだな!

 

 ディオドラも困り顔になったよ。さっきまで笑顔を消さなかったのに。この子ある意味すごいな。

 

 そして、ディオドラは魔方陣の輝きに包まれて転移する。

 

「……朱乃、塩をまきなさい!!」

 

「全くですわ」

 

 部長、日本の文化詳しいですね。

 

 俺が感心してると、ヒロイは何も言わずに部室のドアを開ける。

 

「悪い、ちょっと外の空気すってくる」

 

 そして返事も聞かずに外に出ていった。

 

 ………もしかして、アレ、口説き文句?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 




そう言うわけでディオドラの本性が出始めた回。

意味深というか意味不明なことを言ったヒロイですが、読者の視点からならよくわかると思います。

ヒロイ・カッシウスにとって、英雄とは輝きなのですから。



それと、リセスに関与しているグラシャラボラス眷属の名前はここで判明。

ちなみにリセスとプリスは同じ単語からとっている名前でもあります。結構すぐにわかると思いますよ?
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