ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ 作:グレン×グレン
つまり、そういうことです
とりあえずディオドラを始末する事は出来た。これで難関の一つはどうにかできた。
しかし、それでイッセーの
流石にお嬢達を襲ったりはしねえだろうが、このままほっとくわけにもいかねえ。
いくら悪魔の寿命がシャレにならないぐらい長いとはいえ、削れていいってわけでもねえからな。
と、言うわけで俺とシシーリアは全力で走っている。
「え? 姐さんに預けた……っていうかボロボロなのかよ!?」
「ね、姐さん……? ヒロイさん、この愚図が知らない間にそんな人ができたんですか……?」
シシーリア。お前は自分のことを罵倒しないとしゃべれないシステムでも組み込まれてんのか?
なんか、初めて会った時からこいつ後ろ向きっつーか自分のこと卑下してるよな。ディオドラの所為でさらに悪化してやがる。
おのれディオドラ許すまじ。いろんな余裕がありゃぁ、磔ぐらいにはしてたぜこの野郎。
少しは英雄を目指すと公言してる俺を見習えって。仮にも聖女と呼ばれるまでのその特性、もっと誇った方がいいぜ?
っと。今はイッセーに集中しねえと!!
そして、俺達はお嬢達がいる隠し扉の先に入って―
『おっぱいドラゴン、はっじまっるよ~!!』
『『『『『『『『『『おっぱい!』』』』』』』』』』
立体空間に、イッセーと子供達が映っていた。
「「はい?」」
乳龍帝おっぱいドラゴンの歌
作詞 アザ☆ゼル
作曲・企画 サーゼクス・ルシファー
ダンス振り付け セラフォルー・レヴィアたん
バックコーラス 聖歌隊
なんか、テロップが出てるね。
「………楽になったな」
「楽に……なったわね」
なんで姐さんはともかく、ヴァーリまでイッセーを取り押さえてんだ?
「狙撃は、来ないですよね?」
「狙撃こわいにゃ狙撃こわいにゃ狙撃こわいにゃ」
「二人ともしっかりしろぃ!」
「お兄さま、黒歌さん!!」
ヴァーリチームまで全員集合してんじゃねえか。
あと、アーサーらしき人物と黒歌らしき人物が、完璧に狙撃恐怖症になってる。
ペト、恐るべし。
「お、おっぱい……」
イッセー。暴走状態でなんで流暢におっぱい言ってやがんだ?
っていうかなんだあの三大勢力豪華メンバー。総力挙げすぎだろ。
三大勢力和平の結晶がこんなのでいいのかよ!!
「リアス! 今こそあなたの乳首の力を使うのよ!!」
「ええ!?」
なんか異次元の狂人の言葉が飛んだ気がするんだけどよ。
おいこら朱乃さん。あんた、この意味不明空間でSAN値0になったか?
とりあえず、一言いいか?
「「なにこれ」」
俺とシシーリアのツッコミが、ハーモニーを奏でるのも当然だ。
いや、ホントになにこれ?
子供向け番組のオープニングみたいだけど、なんでおっぱい?
「イッセー君の禁手の覚醒の逆を行うの。あなたの乳首をつつかせれば、イッセー君は正気に戻るはずだわ!!」
あ、朱乃さん? まだ話してんの?
「あ、ヒロイ君」
と、立体映像発生装置を起動させているイリナが手を振ってきた。
「い、イリナ? これどういうこと?」
「うん! イッセー君が大変になった事にミカエル様達が気づいたから、アザゼル先生がこれを届けてくれたの! 実際効果があるからすごいわ。さっすが堕天使総督の切り札よね!!」
お前はそれでいいのか。天使としてそれでいいのか。
「ぽちっと、ぽちっと・・・・・・ずむずむ…いや~ん」
イッセーお前黙ってろ!!
「こ、こんな歌で反応するなんて……」
「流石はイッセー君だよね……」
「イッセー先輩がイッセー先輩たるゆえんです……」
ああ、小猫ちゃんも木場もギャスパーもなんていうか微妙な感じになってるし。
「ぶ、ぶふ・・・・・・っ。は、腹が痛いぜ」
美候、お前大丈夫か? これ、笑ってられる空気でもない気がするんだけどよ?
「よ、よくわからないけど……わかったわ」
お嬢、大丈夫ッスか?
いや、確かに神器は想いに応えるシステムだ。
覇龍もまた、神器のシステムの一つには違いねえ。
なら、精神的に莫大な衝撃を与えりゃ正気に戻るってのは理屈じゃ合ってるが……。
とりあえず、お嬢の胸は眼福だぜ!!
「いやんっ」
その言葉とともに、イッセーの鎧が解除された。
「……リアス・グレモリーの胸は、兵藤一誠の制御スイッチか何かなのか?」
「なるほど、スイッチ姫か! そりゃおもしろいねぃ」
ヴァーリと美候の漫才はスルーして、俺はとりあえず天を仰いだ。
ああ、特に信仰してませんけど主よ。俺なんかすごく疲れたんで帰って寝ていいですかい?
Other Side
「なんか、ものすっごい面白い見世物を見逃した気がする」
半分ぼけて言ってみたが、しかし反応が返ってこない。
それを残念に思いながら、リムヴァンはカテレアに視線を戻す。
カテレアは、明らかに沈み切っていた。
理由は三つもある。それら全てが、旧魔王派のカテレアにとって大きなダメージであった。
一つ目は当然作戦失敗。
旧魔王派の蛇保有者の八割を投入したこの作戦。ものの見事に失敗して、参加者の多くが討ち死にもしくは捕縛された。
独断専行の果てに大敗。これによる精神的苦痛は相当なものだろう。
「とりあえず、旧魔王派の権限の大半は凍結させてもらうよ。……悪いけど、悪魔の妙技を利用して、工兵として活動してもらうからね」
そして、その後の処罰も大きなダメージだ。
あくまで三強の一角とは言え、旧魔王派はヴィクター経済連合でも有数の派閥だった。
そして旧魔王の末裔は魔王の末裔なだけあって、プライドが肥大化しているといっても過言ではない。
それが、今回の処罰で大きく立場を失墜することとなった。
流石に末端派閥ほどにまで縮小される事はないが、しかし有力派閥などとはとても言えない。精々が中堅どころと同じだ。
大きな弱体化と失態及び暴走の処罰。これによる社会的地位の失墜は、カテレアの心に大いなる負担をかけていた。
そして、最後の一つ。
「……クルゼレイ………っ」
クルゼレイ・アスモデウスの戦死である。
今回の暴走に関わった二人の幹部はどちらも敗北した。
赤龍帝、兵藤一誠を暴走させた挙句、内通者であったディオドラの暴走。これにより、シャルバ・ベルゼブブはかろうじて生き残っていたが瀕死の重傷。そして、クルゼレイ・アスモデウスは戦死した。
ある意味二階級特進であり悲劇の死であるクルゼレイはともかく、シャルバを追求するものはゴロゴロ出てくるだろう。
有力幹部の一人でしかないにも関わらず、まるで禍の団およびヴィクター経済連合の盟主のように振る舞うシャルバの傲慢さは、連合内でも毛嫌いされていた。
まず間違いなくこれを機に徹底的に追及が行われるだろう。連合内での権威は地に落ちると言ってもいい。下手をすればこのまま処刑だって十分にあり得る。
とはいえ、そんな事をすれば旧魔王派の残存勢力が暴走を起こしかねない。彼等は偉大なる魔王の末裔に忠誠を誓っている存在で、それ以外を見下していると言ってもいいのだから。
ゆえに、なんとしてもカテレアには持ち直してもらわないと困るのだ。
リムヴァンとしても、いまだ旧魔王派の力は利用したい。悪魔の妙技による建築速度の速さは、今後の勢力拡大に大きく貢献するからだ。
だが、其の為にはカテレアの再起が必要不可欠だ。
今のカテレアは抜け殻一歩手前といってもいい。それほどまでにクルゼレイの死が大きな傷となっている。
ヴァーリが旧魔王派側についてくれない事もあり、このままでは旧魔王派はさらに暴走を悪化させる。それを抑えてくれる者がいないからだ。
―仕方ないな。
そこまで考えて、リムヴァンは最終手段をとる事にした。
「ま、とりあえずやけ酒でも飲んで気を晴らしなよ。……ここからが大変なんだしそれ位の気遣いはするさ」
「気遣い? 処刑としての毒殺ではないですか?」
疑心暗鬼に陥っているカテレアに、リムヴァンは苦笑する。
カテレアクラスの存在は貴重だ。権威が失墜したとはいえ、旧魔王派はわりと価値のある戦力でもある。
ゆえに、そんな事はしないとリムヴァンはワインをあえて自分のグラスに入れ、一息にあおった。
最高の多幸感が体を襲い、リムヴァンは身震いする。
そして、其れに任せて満面の笑みを浮かべた。
「ほら、大丈夫。毒なんて入ってないでしょ?」
「そうですか。まあ、毒でもいいんですけどね」
そう言いながら、カテレアは自分のグラスに酒を入れる。
そして、其れを飲む姿を眺めて、リムヴァンはにやりと嗤った。
「ほら、毒は入ってないし美味しいでしょ?」
その直後、ワイングラスが床に落ちて砕け散った。
今回は短めでした!
原作以上に盛り込まれたおっぱいドラゴンの歌。教会もサポートしている本気仕様です。まさに三大勢力和平の象徴(汗
その裏でリムヴァンは行動開始。旧魔王派をどうにかするため動きました。
割と何でもありなのがリムヴァンのいいところ。なにせ神滅具級の奇跡すらこいつなら比較的楽に出せるので、説得力が違う。
さて、カテレアがどうなったのかはまた次の機会に……。