ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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はい、第三章がついに始まります!!

まずはラグナロク編からスタートです!!


第三章 日出国の大動乱
第三章 1 ほのぼのとした日常の裏側で謀略が進んでるってよくあるよね


 

 北欧の片隅にある喫茶店で、一人の男が紅茶をたしなんでいた。

 

 その美しさは、まるで神像をそのまま肉体にしたかのようで、周りの女性たちはおろか、一部の男たちも見惚れている。

 

 それもそのはず。彼は正真正銘の神である。

 

 北欧のトリックスター、ロキ。世界でもトップクラスに有名な神の一柱である。

 

 こと、北欧神話においての知名度では三強に入るだろう。北欧神話の名前は知らなくても、ロキという名前に心当たりがあるものはたくさんいるはずだ。

 

 そんな彼は、今ある人物と会うべく人間の世界に足を運んでいた。

 

 そして、その人物がロキの前の席に座った。

 

 一見するとこの国ではどこにでもいるような風貌の男性。ロキも、一瞬人違いかと勘違いしかけた。

 

 だが、魔術に長けるロキは、それが隠匿の術によるものだと一瞬で理解した。

 

「ほう。一瞬とはいえこの我の目を欺くとは、極東の術式もなかなかのものだ」

 

「ふん。貴様らごときに一瞬で見破れるとは不快な限りだ」

 

 ロキの掛け値なしの賞賛に、男は心底苛立たし気な返答を返す。

 

 まるで、彼らに評価されることそのものが侮辱と思っているかのような態度だった。

 

 仮にも神の賞賛を素直に受けない態度は、いつものロキなら苛立ちの一つも覚えていただろう。

 

 だが、この男ならその反応もまあおかしくはない。ついでにいえば、こっちからわざわざ強引に呼び出した負い目もある。

 

 なにより、そういう人物だからこそ協力者になりえる。相いれない敵同士だからこそ、彼らは協調関係を結んできたのだから。

 

「この地域の人間が平和に過ごしていることすら苛立たしい、八つ当たりなのはわかっているが、ヴィクター経済連合は核でも落としてくれないものかと思うさ」

 

「貴殿の国ではできないしな。核も持てなければそもそも他国に攻め込もうともしない。それで大丈夫だと妄信しているものだらけだということは不幸だ」

 

 微妙に挑発の応酬になっているが、ロキは彼のことを評価している。

 

 自分からしてみれば関わるのは最低限に抑えたい勢力の存在だが、しかし同時に警戒するべき勢力でもある。

 

 そして、彼に匹敵する実力者など、北欧のヴァルキリーでも五人もいないだろう。

 

 研究方面に限っていえば、あのゲンドゥルですら劣るところも一つはあるだろう。戦闘に持ち込まれても、あのブリュンヒルデにも食い下がるだろう。

 

 それほどまでの人物と、しかし彼は本来相容れない。そう言う不倶戴天の立場なのだ。

 

 だが、自分達の願う世界の為には、だからこそ協力が必要だった。

 

 ゆえに、男はロキに話を進めるよう持ち掛ける。

 

「それで? オーディンが我が国に来訪するというのは本当だな?」

 

「ああ。忌々しいことにそちらの神話及び政府と和議を結ぼうとしている」

 

 ロキの言葉に嘘偽りはない。

 

 嘘は時として有効だが、正直に話す方が有効な時もある。それをロキは熟知しているのだ。

 

 そしてその予想通りに、男は顔を真っ赤にして怒りをあらわにする。

 

「……なんとしても阻止しなければならんな。北欧の神々との和議など、私の目の黒いうちは断じて許さん……っ」

 

 その決意を見て、にやりとロキは笑みを浮かべる。

 

 北欧神話と相いれない勢力のものは、だからこそ和議を結ぼうとするときにおいては頼れる味方となる。

 

「では、話を進めようか、鬼の研究の第一人者足る鬼、反魂法の使い手たる捧腹よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ふはははは!!! ここが貴様の墓場だ、おっぱいドラゴン!!』

 

 テレビの向こう側で、明らかに悪役っぽい恰好をした男がそう言い放つ。

 

 それに反発するように立ち向かうのは、赤い龍を模した鎧をまとった男。

 

『それは無理だ。守るべきものがある限り、俺は負けない!!』

 

 そして戦いが始まる。

 

 説明しよう。伝説のドラゴンと契約したおっぱい大好き若手悪魔、イッセー・グレモリー。彼は悪魔の平和を守るため、おっぱいドラゴンに変身して悪の組織と戦うのだ!!

 

 ……その番組を、俺たちはリビングで集結してみていた。

 

 ちなみに、著作権はグレモリー家が仕切っており、すごい儲かってるそうな。

 

 すでにブーステッド・ギアのおもちゃ版も試作品が完成してるそうな。仕事速いな。

 

 そして、そんなおっぱいドラゴンは子供たちに大人気だとか。初放送から視聴率50パーセントを超えてるらしい。

 

「……すっげぇな、イッセー」

 

 俺は、素直にモデルであるイッセーをそう褒めた。

 

「いやぁ、それほどでもあるな」

 

 そしてイッセーは調子に乗ってやがる。

 

 これ、そんなに調子に乗れるようなもんでもねえだろうに。

 

 だって……。

 

『どうした? この程度か、おっぱいドラゴン!!』

 

『く……っ! 子供たちのためにも、負けるわけには……っ』

 

 おっぱいドラゴンは敵の新兵器によって追い込まれていた。

 

 そう、子供のヒーローはたいていの場合、何かしらの追い込まれを見せるのだ。

 

 それがあるからこそ、その次での逆転劇が映える。これぞエンターテイメントとしての英雄物の妙技なり。

 

 そして、逆転タイムはやってきた。

 

『またせたわね、おっぱいドラゴン!』

 

 そこに現れるのは、部長をモデルにしたヒロイン、スイッチ姫。

 

 文字通りおっぱいドラゴンの覚醒スイッチである。

 

 で、何がスイッチなのかというと……。

 

『おっぱいドラゴン! 私のパワーを受け取って!!』

 

 そしてさらけ出されるスイッチ姫のオパーイ(修正済み)!

 

 くそ、なんで修正した、言え!!

 

『これで、俺たちの勝ちだ!!』

 

 その言葉とともにパイタッチ。

 

 そして、処刑用BGMとともに逆転した。

 

 ………ほんと、なにこれ。

 

「説明しよう!! おっぱいドラゴンは、スイッチ姫の胸にタッチすることで、パワーアップすることができるのだ!!」

 

 原案に関わりまくりのアザゼルがノリノリで開設する。

 

 そして、その後頭部に全力のお嬢のハリセンが叩き込まれた。因みに顔は真っ赤ですわい。

 

「グレイフィアから聞いたけど、スイッチ姫のアイディアを出したのは貴方なんですって!? おかげで私は、私は……っ」

 

 軽く殺意がにじんでる。

 

 だが、アザゼルはどこ吹く風で、むしろ自慢げというか一仕事終えた顔してやがる。

 

「何言ってんだ。そのおかげでガキからも人気がでてるんだろ? よかったじゃねえか」

 

「いや良くないでしょう。さらし者よ、コレ」

 

 姐さんが見事にツッコミを叩き込んだ。

 

 うん、これはこっぱずかしい。

 

「あのねえ。芸能業界っての魔窟なのよ? うかつにリアス見たいな美少女を送り込んだら、どんな野獣が襲い掛かるかわからないわ」

 

「いやいや。グレモリーの次期当主に手を出そうってバカはいねえだろ」

 

 確かにアザゼルの言う通りだ。

 

 お嬢に手を出したなんて知られたら、確実に死ぬぞ、いろんな意味で。

 

 だが、姐さんはビシリと指をアザゼルに突き付ける!!

 

「甘い!! 魑魅魍魎がうごめくのは、政界だけじゃないのよ!!」

 

「いえ、私が言ってるのはそういう意味じゃないのだけれど……」

 

 そう弱弱しくツッコミを入れながら、お嬢はソファーにへたり込んだ。

 

 あ、背中がすすけてる。

 

「恥ずかしくて、外を歩けないって言ってるのよ」

 

「それは我慢しなさい。多少の恥をかく気じゃなければ、芸能人にはなれないわ」

 

 いや姐さん、あんたが芸能人の何を知ってるんだ。アイドルか何かかよ。あとお嬢は芸能人になる気はねえと思う。

 

 いや、そういう意味じゃイッセーも心配だな。冥界を歩いたら注目されまくりになるよな、コレ。

 

 それに俺もだ。

 

 英雄も、また人々の注目を浴びるのは珍しくねえ。注目の的になる覚悟ってもんをしねえとな。

 

 それができて、初めて英雄ってわけか。

 

『フッ。相棒もここまで来たかぁ。俺とお前でおっぱいドラゴンかぁ』

 

 と、そこに落ち込みまくっている龍が一匹。

 

 ドライグ、ものすごく落ち込んでるな。

 

 まあ、乳だもんな。おっぱいだもんな。いろいろあれすぎてドライグとしてはきついだろ。ぶっちゃけ俺も思うところがある。

 

「いいじゃねえかドライグ。たまにはこういうのもさ?」

 

「いやぁ、人によっては一生御免って人種はいると思うっすよ、自分」

 

 励ますイッセーに辛辣なツッコミをペトが入れる。正論ではある。

 

 実際、ドライグみたいなタイプからしてみれば、おっぱいではしゃぐとか人前に見せるのは限度超えてるだろ。

 

『まったく。お前といると飽きないよ。そう言う意味じゃあ、歴代最強の赤龍帝だ』

 

 ドライグ……。

 

 背中があったら、すすけて見えるだろうな。それ位憔悴しきってやがる。

 

 ま、まあ元気出せ。おっぱいおっぱいってるところを除けば、特撮としちゃぁいい線いってるからよ。いやマジで。

 

「でもほんとイッセー君はすごいわね。幼馴染がヒーローってかっこよくて自慢になるかも!」

 

 と、イリナがポーズを取りながらはしゃいでるんな。

 

 こいつは何でも楽しめてうらやましいなぁ。俺、ちょっと引いてるところあるわ。

 

「そういや、イリナとは子供の時にヒーローごっこしたっけ。あの男勝りのイリナが、こんなかわいい女の子になるとか俺も自慢だぜ」

 

 イッセー。お前何サラリと口説き文句ぶちかましてんだ、オイ。

 

 ああ、イリナも顔真っ赤にしてやがるしよ。

 

「い、イッセー君ったらそんなこと言ってリアスさんたちを堕としてきたのね!? あ、わ、私も堕ちちゃうぅううう!!」

 

 あ、天使の羽が白黒に瞬いてるな。

 

「こんなことで堕天するの? 天使も大変ね」

 

「ペトは生まれつき堕天使だったので新鮮ッス!!」

 

「いやいや。当人にとっては一大事だからね?」

 

 感心する姐さんとペトに、木場が苦笑しながらツッコミを入れた。

 

 そんな空気の中、何も言わずに機嫌がよかったのは朱乃さんだ。

 

 いったいどうしたんだ? 誕生日とクリスマスが一緒に来たような感じの上機嫌だけどよ。

 

「朱乃さん、どうしたんですか?」

 

 小猫ちゃんがそう尋ねると、朱乃さんは今までにないニコニコ笑顔で振り向いた。

 

 そして、その視線はイッセーに向けられる。

 

「そろそろイッセーくんとのデートの時期ですもの。当然機嫌もよくなりますわ」

 

 ああ、旧魔王派の時のあれか。

 

 ちなみに、今ので空気が三度ぐらい下がって俺は風邪ひきそうだぜ。

 

 イッセー。小猫ちゃんに言われたことに疑問持たなかったお前が悪い。責任取って責められやがれ。

 




ロキ勢、超強化されますと予告します。









なにせ神滅具が三つもありますからね、駒王町。そこに逃げ込んだオーディンを殺すのなら、それ相応の戦力も必要です。











次、章ヒロイン登場。
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