ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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はい、それではこの話でロキが登場しますよ?


第三章 6

 

 そんなこんなで俺たちは、オーディン神の護衛を行っていた。

 

 すでに何日も付き合わされてるんだが、ぶっちゃけ殺意がわいてきた。

 

 このジジイ。都内のキャバクラやら遊園地やら、すし屋やらに連れ回してきやがる。

 

 俺たちは学生だからキャバクラとかいけねえしな。待合室とかで待機とか普通にあるしな。

 

 たまに総理が手回しした料亭とかに行くときは、総理が土産の手配までしてくれてんだが。

 

 おい、人間のトップの方がこっちに気を回せるとかどういうこった。っていうかなんでてめえは観光旅行に来たとか見たいなノリなんだよ。

 

「くそ。キャバクラを一回ぐらい奢ってくれてもいいじゃねえか」

 

 俺は、飛行のトレーニングもかねて外の護衛をしながら、思いっきり愚痴をぶちかました。

 

 どうせ中まで聞こえてねえだろうし、普通の音量で愚痴をぶちかますぐらい別にいいだろ。いくら英雄だろうと我慢の限界はあるんだよこの野郎が。

 

「まったくっス。自分もたまには美人の年頃のお姉さんにアーンってされたいっす!!」

 

 真っ先に便乗するのがペトってどうよ?

 

 しっかしあのジジイ。こっちが文句言うとぼけたふりして逃げやがって。一遍聖槍叩き込んでやろうか……っ

 

「まあまあ。すこしは落ち着きなさいな」

 

 と、俺とペトの肩に手を置いて姐さんがなだめてくる。

 

 ちなみに姐さん、煌天雷獄の応用で風を使ってジェット推進みたいに空を飛んでる。

 

 ほんと、便利だな煌天雷獄。汎用性が抜群すぎるって。

 

「なんだかんだで調べてみたけど、意外に日本神話が関わってるところも多いわよ? 狙ってだとしたら、意外としたたかなお爺さんだわ」

 

 えぇ~? ホントでござるか~?

 

 そんな事を思っていたが、しかしそれももうすぐ終わりだ。

 

 割と強引に持ち込まれた日本政府の介入だが、思った以上に手回しがいい。

 

 すでに総理官邸での会議の準備は万全。予定では、あと数日で会議は行われる予定だ。

 

 あとちょっとだ。あとちょっとであの面倒な爺さんから離れられる。あとちょっとの辛抱だ。

 

 そう、あとちょっとトラブルが起きなけりゃ―

 

 そう思ったのが悪かったんだろう。

 

「待て、そこで止まってもらおう」

 

 目の前に、二人の男が浮かんでいた。

 

 ―っ!?

 

 俺たちはいっせいに寒気を感じる

 

 一人はローブを纏って顔が見えないが、もう片方はかなりのイケメンだ。

 

 だが、そんなことはどうでもいい。

 

 あのイケメン。ただものじゃねえ!?

 

 仮にも蛇で魔王クラスにまで強化されたシャルバが、まるで三下に見えるレベルのオーラだ。いや、シャルバは正真正銘三下なんだが。

 

 禁手に至ったディオドラを一蹴しかねないオーラ密度。こいつ、いったい何者だ!?

 

 イッセーたちも外に出て戦闘態勢を取る中、その男は両手を広げて声を張り上げる。

 

「はっじめまして諸君!! 我こそは、アースガルズの悪神、ロキだ!!」

 

 ロキ!? それもアースガルズってことはマジモンの神様じゃねえか!!

 

 そんな奴が、なんでこんなところに!?

 

「これはこれは、ロキ殿ですか。オーディン殿の進行を妨げるとは、いったいどういうご了見ですかな?」

 

 と、アザゼル先生が下手に出ながら質問する。

 

 その瞬間、ロキは腕を組みながらにやりと笑った。

 

「いやなに。我らが主神が我ら以外の神話体系に接触することが苦痛極まりなくてね。我慢できずに邪魔しに来たのだ」

 

 すっげぇ悪意全開の発言だぁあああああ!!!

 

 え、なに? 俺たち神と戦うのかよ!!

 

 神滅具使いとしては光栄なのか? 英雄としては神と戦うとか喜ぶべきなのか!?

 

 喜べるかぁ!!

 

「言ってくれるじゃねえか、ロキぃ……っ」

 

 アザゼル先生も、敬語ぶん投げたしな。

 

「堕天使総督アザゼルよ。本来は貴殿たちと接触したくもないのだがそうも言ってられん。他の神話体系との交流など我慢ならん」

 

「アンタが他の神話体系に手を出すのは良いのかよ?」

 

「ふん。我らが領域に土足で踏み込んだ貴様らに言われたくはない。邪魔者を滅ぼすのは何処の神話もやっているだろう?」

 

 バチバチと火花を散らすロキと先生。

 

 各勢力の筆頭格のにらみ合いとかめったに見れないな。でも光栄には思えそうにねえ。

 

 そして、敵意満々のロキに、アザゼル先生は指を突き付けた。

 

「一つ聞くぜ! お前らはヴィクター経済連合と関わってるのか!? ま、馬鹿正直に答えるわけねえか」

 

 あ、そうか。ヴィクター経済連合は聖書の教えの大敵も同じだ。

 

 聖書の教えが嫌いなら、ヴィクターと組むという可能性も十分にある。

 

「まだしてない、とだけ言っておこう。我としては、貴様らと組むぐらいなら奴らと交流した方がまだましだと思ってはいるのだがな」

 

「そうかい。なら、怨敵とみなして構わねえようだな」

 

「そう取ってくれて構わんよ。まあ、最善は我らが領域に残る貴様らの残党を滅ぼし、鎖国をすることだと再三告げていたのだがね」

 

 す、すげえこと言いやがった。

 

 各勢力が手を取り合って対抗しなけりゃいけねえと言われてるこの状況下で、鎖国とか言い出しやがったぞ。しかも人類巻き込む気満々じゃねえか。

 

 しかもそうでないならヴィクターと組むだと? この野郎、この状況下でとんでもないこと言いやがる。

 

 神話体系の中にはヴィクターの活動を認めるという動きもあるみたいだけど、あのテロリスト一歩手前の集団を認めてまで三大勢力をボコりてえってか?

 

 勘弁してくれよ。俺らが生まれてねえ時の出来事に俺らを巻き込むんじゃねえっての!!

 

「オーディンよ。最後に確認するが、本当にこの国の神話と和議を結ぶつもりか?」

 

 殺意満々のロキの言葉に、オーディン神は髭をなでながらうなづいた。

 

「そうじゃ。少なくとも、お前よりアザゼルたちと話していた方が万倍も楽しいわい。それに日本の神道ともお互いに興味があっての。和議を果たし次第、異文化交流をさせてもらうわ」

 

 その返答に、ロキは殺意をさらにまき散らす。

 

「愚かの極みと認識した。ならば、ここで黄昏を―」

 

 その瞬間、莫大なオーラが交差した。

 

 こっちからロキに。あっちからもオーディンに。

 

 どっちもあっさり弾き飛ばすが、最後まで聞こうよ!?

 

「先手必勝のつもりなんだが、さすがは神か」

 

「聖剣デュランダルか。さすがの威力だが、神にとってはそよ風も同じよ」

 

 ぶちかましたゼノヴィアにロキはそう言い放つと、隣のローブの男にあきれた視線を向ける。

 

「無礼に無礼で返すのは無粋の極みではないかね?」

 

「別によかろう。……いまさらそんなことをほざく老害は、さっさと殺した方が得策だ」

 

 そう告げるローブの男の右手には、魔剣を思わせるオーラをまとった日本の剣があった。

 

 刀じゃない。まっすぐ伸びた両刃の剣だ。それも結構長い。

 

 それを見て、馬車からこっちを見ていた小犬が目を見開いた。

 

「あぁああああ!!! それ、十束剣(とつかのつるぎ)!? なんでこんなところに!?」

 

 十柄剣ってーと。日本製の聖剣の一種だったか?たしか何本か存在してるって聞いたことがあるけどよ。

 

 そして小犬の言葉に、ローブの男はローブを投げ捨てながらうなづいた。

 

 見た感じは初老のオッサンだが、額に角が生えている。どうやら異形だな。

 

「研究用に日本神話から取り寄せた者だ。私が扱えるようにいじくらせてもらったがね」

 

 そう言い放ったオッサンは、俺たちに視線を向けて苛立たしげに吐き捨てる。

 

「忌々しきオーディンに与する三大勢力共。私は捧腹。ロキとは利害の一致により、和議を妨害するために手を組ませてもらった」

 

 捧腹? よくわかんねぇ名前だな。

 

 だが、そのオッサンを見てオーディンは目を見開いた。

 

「……お主は! ロキ、まさかそやつと組んでおったのか!?」

 

 本気で驚いているオーディン神をみて、ロキはざまぁといわんばかりに口元を吊り上げた。

 

「万が一に備えたパイプというものだ。和議を求める愚か者共はどちらにもいるのでな。互いに利用し合うぐらいのことはするのだよ」

 

 なんか得意げに言ってやがるが、とりあえず敵でいいんだよな?

 

 だったら―

 

「イッセー、姐さん! 合わせるぞ!!」

 

「もちろん。これを潜り抜けてこそ英雄だものね!!」

 

「おうとも!!」

 

 俺と姐さんとイッセーは、三人がかりで一気に仕掛ける。

 

 まず真っ先に姐さんが天候操作で雷撃を落とし、イッセーはドラゴンショットをぶっ放す。

 

 そして、俺はその十字砲火を隠れ蓑に聖槍で突きかかった。

 

 そして、ロキはそれを全部反応してのけた。

 

 魔方陣の楯で落雷とドラゴンショットを防ぎ、そして何処からともなくハンマーを取り出すと、聖槍にぶつける。

 

 その瞬間、姐さんの全力でも出るかどうか微妙の雷が俺の視界を覆った。

 

 とっさに禁手を使って抑え込みながら下がるけど、威力がシャレにならねえ!?

 

 避けたはずなのに体がびりびりと痺れる。これ、まともに喰らってたら跡形もなく吹っ飛んでたぞ!?

 

「……ミョルニルの複製まで作っていたとはのぅ。ロキよ、お主何処までも本気じゃな」

 

 オーディン神がそのハンマーを見て、あきれるやら感心するやらの声色になる。

 

 そして、ロキはハンマーを掲げて自慢げな表情を浮かべた。

 

「そう。これは我が作り上げたミョルニルのレプリカであるムジョルニアだ。神滅具が三つもあるとわかっていて、対策の一つも立てんほど愚かではない」

 

 そう告げるロキは、しかし俺たちを見ると目を細める。

 

「とは言え、神殺しが三つもあるのは警戒に値する。―呼ぶぞ、捧腹」

 

「無論だ。それでは呼ぶぞ」

 

 二人は同時に術式を駆動し、そして空間が歪む。

 

 明らかにサイズがでけえ。魔獣か何かか?

 

 そして、その瞬間それは現れた。

 




ロキ陣営もまた、超強化。

この作品、味方より敵の方を強化して激戦にするノリでいっております。
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