ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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今回はちょっと短め


第三章 9

 

 

 

 

 

 そして、小犬はソウメンとのことを話して聞かせた。

 

 大体のところは、視点を変えただけでペトが言ってくれたことと同じだ。

 

 そして話を聞き終わると―

 

「……捧腹か。手段を選ばないのは俺も同じだが、同類扱いはされたくないな」

 

「同感だぜぃ。ついでにぶちのめせてよかったじゃねえか」

 

「まったくだにゃ」

 

「そうですね。まあ、特に切っても問題ないでしょう」

 

 ヴァーリチームも捧腹をぶちのめすのには同意してくれた。っていうか割とやる気だ。

 

 いやすいませんヴァーリさんや。あんた方向性違うけど似たようなことしてますよね?

 

「べ、別にそれは悪気があってしたわけじゃないんだし、別にいいんじゃない?」

 

 むしろ小犬の方がフォローしてる。あれ? 何かが逆になってねえか?

 

「俺の両親を殺そうとしたお前が言うことかよ」

 

 ほれ、イッセーも苛立たしい。

 

 それに対して、ヴァーリは軽く片手を上げる。

 

「あれは俺の早とちりだった。君は十分今のままでも急成長できる。あの挑発はあれで楽しめたが、俺も必要ないことはしないよ」

 

「偶然の事故と不必要だからしない。いったいどちらの方がましなのかしらね」

 

 お嬢からの皮肉も、ヴァーリはあえてスルーした。

 

 まあ、どっちにしても今は戦力が足りてねえからな。力借りるしかねえか。

 

 戦闘能力の高い肉壁が手に入ったってことでいいだろ。そうやって割り切るか。

 

「んじゃ、俺たちはミドガルズオルムを呼び出す準備だな。匙、お前も参加してもらうから覚悟しとけよ?」

 

「えぇ!?」

 

 思わぬ展開に、匙がぎょっとして自分を指さす。

 

 まあ、匙も一応龍王を宿してるしな。効果はあるんだろ。

 

「ま、要素の一つってだけだよ。深く考えるな。ってことでタンニーンとか呼ぶから、バラキエルはシェムハザとの対策会議を頼むぜ?」

 

「わかっている」

 

 と、アザゼル先生とバラキエルさんは大広間から出て行った。

 

 ……ぶっちゃけ、ヴァーリチームのせいで居心地が悪いな。

 

 そう思ったその時だった。

 

「……なあ、赤龍帝。一ついいかい?」

 

 と、美候がイッセーに気軽に話しかける。

 

 こいつら、一応俺たち敵同士だってわかってるのかねぇ?

 

 俺たちが微妙に警戒する中、美候は下を指さした。

 

「この家にあるプール、使ってもいいかい?」

 

 俺は速攻で聖槍を構えた。

 

「てめえは自分の立場わかってんのか、あぁ!?」

 

「そ、そんなに怒んじゃねえよ!! 地下にある巨大プールなんて珍しいからひと泳ぎしたくてよ!?」

 

 このテロリスト共が! 自分の立場ってもんを考えろや!! 刺すぞ!!

 

 お嬢も流石にこれはと思ってんのか、割とビキビキしてる。

 

「あのねえ! ここは私とイッセーの家よ!! 好き勝手つかわないでくれる!?」

 

「いえ、あなた金は出したけど一応居候よね?」

 

 姐さんからツッコミが飛んだ。

 

 お嬢、いくら下僕の家だからって自分の物扱いは限度がありますぜ? 自重、自重。

 

「いいじゃねえかよスイッチ姫。何かいるってんなら、黒歌の妹の仙術修行を手伝ってやるか―」

 

 その瞬間、消滅の魔力が美候に直撃した。

 

 お嬢ぅううううう!? あんた何やってんのぉおおおお!?

 

 俺たちがぎょっとする中、お嬢は目に涙迄浮かべてプルプルと震えていた。ついでに言うと顔も恥ずかしさと怒りで真っ赤だ。

 

「あなたの……あなたのせいで、私は冥界をまともに歩けないのよ!?」

 

 あ、そういやスイッチ姫って最初に言ったのは美候らしいな。アザゼル先生がそれを取り入れたとか。

 

 ああ~。めちゃくちゃ恥ずかしがってたからな。そりゃ恨み骨髄だわ。

 

 と、美候はぴんぴんして立ち上がった。

 

 あの野郎、消滅の魔力を喰らったのに無事だと? 仙術か何かで防御したのか?

 

「いいじゃねぃかい! 俺も見てんだぜおっぱいドラゴンは! ぶっちゃけ俺の付けた名前がついててうれしかったってのによぉ!!」

 

「そのまま昇天させてやろうかしら……?」

 

 お嬢と美候の間でにらみ合いが勃発した。

 

 あの、貴重な肉盾消さないでくださいよね?

 

 で、なんか空気が変な感じになったのか、和気あいあいと言った雰囲気になった。

 

「おお~! これが最後のエクスカリバーなんですね! 強そう!!」

 

「はい。ヴァーリが得た独自の情報とペンドラゴン家の伝承を照らし合わせて、見つけ出しました」

 

「貴方可愛いわね。テロリストにするのがもったいないわ。ペトと一緒に可愛がってあげようかしら…‥?」

 

「え? あ、あの、目つきがいやらしいです!!」

 

 と、イリナがアーサーと聖剣談義をぶちかまし、姐さんはなんか自棄になったのかルフェイに粉かけてる。

 

 と、いつの間にかアーシアはヴァーリに助けてもらった恩を言って、黒歌がイッセーにモーションをかけて小猫ちゃんに止められてるな。

 

 一応木場とゼノヴィアは警戒してるが、なんかバトル空気でもねえな。あとギャスパーはすでに段ボール箱に入ってる。

 

 で、お嬢と美候はいつの間にか下のトレーニングルームでバトり始めている。魔王の妹と仏の末裔の激突とか、すごい貴重な戦いだ。激突の理由がアホすぎるけど。

 

 さて、シトリー眷属はシトリー眷属で今後の会議を始めてるし、俺はどうしたもんかねぇ。

 

「む~。ボクだけ暇だよ~!」

 

 と、そこで小犬がぶーたれていた。

 

 ちょうどいい。こいつとも親交を深めるか。

 

「よぅ、小犬……だっけか?」

 

「うん! ヒロイだっけ? よろしくね♪」

 

 と、元気よく答えられるとちょっとうれしい。

 

「だけど大丈夫か? ソウメンとかいうクソが材料になってるアレは……」

 

 俺はちょっと不安だ。

 

 なんたって、壊れてるから平気とか言っていたはずのペトがあの調子だからな。不安にもなる。

 

 ぶっちゃけ、この作戦から外れたとしても誰も文句は言わないと思うんだけどよ。

 

「え? 大丈夫大丈夫。お爺ちゃんの護衛はちゃんとやるよ?」

 

 と、小犬は平然と返す。

 

 さっきもそうだが、なんでこいつはそんなに平気なんだ?

 

 親を目の前で殺されて、自分のものすごくひどい目にあったはずだ。ペトはそういっていた。

 

 なのに、そいつが形を変えて自分達と戦うってのに平然としている。トラウマの一つぐらい刻まれてたっておかしくねえはずなのに。

 

 小犬は俺のその言葉に、にこりと笑った

 

「……二年ぐらい、ずっと病院で治療うけてたもん。大丈夫だって言われたし、大丈夫になったよ」

 

 二年……か。

 

 そのあいだ、いろいろ取りこぼした物は多かったんだろうな。

 

 だけど、それを乗り越えたってわけか。すげえよ、こいつは。

 

「それにバラキエルたちに助けられたもんね! だから、元気にならないとお母さんにもお父さんにも怒られちゃうからさ?」

 

 ああ、そうだな。

 

 俺は親がいないからうらやましいぜ。そう言う風には頑張れねえ。

 

 ああ、ホントにすごい奴だ。

 

「そんなすごい奴を助けたんだから、姐さんはホントにすごい人だな」

 

 俺は話を切り替えることにする。

 

 いや実際姐さんはすげえ奴だと思う。こんな頑張ってるやつを助け出したんだからな。

 

 俺はともかくペトもすごい狙撃の名手だし、すごい奴ばっかり助けてる気がするぜ。

 

 それに比べて俺なんか、良く上げて落とすからなぁ。自信なくすぜ。

 

 だけど、小犬はなぜか微妙な表情を浮かべた。

 

「それ、どうかな?」

 

 ん?

 

 なんだ?

 

 そういや、小犬は姐さんに挨拶されたときも、そっけない対応だった。

 

 もしかして、姐さんのこと苦手なのか?

 

 そうおれが思ってると、小犬はさらに続けた。

 

「リセスさん、自分を助けたいんだと思うよ?」

 

 ………その言葉は、やけに俺の心に届いた。

 




本日の教訓。何かあった先ず病院に。

割といちいち覚えてられないぐらいにリセスにゆがみについてはちっちゃい伏線を張ってきたりしてますが、ここで小犬が直感的に指摘。

実際、リセスの来歴を知ったら「コイツ人助けしてる余裕ねえだろ」とか言われてもおかしくないんですよねぇ。ペトのあたりのフォローが足りてない……というより壊れている部分を隠す演技指導など変な方向に行っているのですが、そのあたりが原因。
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