ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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第三章 14

 

 ね、姐さん! 勘付いて官邸の護衛に回ったってのか!!

 

 さっすが俺の輝き《英雄》!! いい仕事するぜ!!

 

「ソウメンの気配を察したか。流石は神滅具の担い手と言っておこう」

 

 そう言いながら、捧腹は俺に切りかかる。

 

 それを聖槍で防ぎながら、おれは捧腹をにらみつけた。

 

「てめえ! この状況下で和平妨害とか、ちょっと個人的感情に走りすぎなんじゃねえのか!?」

 

「何とでも言うがいい。そもそも、歪みの象徴たる三大勢力の和平などという愚行に走った貴様らに言われる筋合いはない」

 

 そうかい。だったら会話は平行線だな。

 

 ならこっちも、遠慮はしねえ!!

 

 俺は聖槍で十束剣を弾き飛ばすと、一気に魔剣のケリを叩き込む。

 

 そしてそのまま、磁力操作で強引にロキに突進した。

 

 捧腹を盾にロキに接近する。さあ、これをどうさばく!!

 

 だが、捧腹はそれに対してにやりと笑った。

 

「ロキ! 私ごと聖槍使いを滅ぼせ!!」

 

「言われずとも、我らはその程度の関係だ」

 

 その瞬間、ロキは躊躇することなく魔法攻撃を俺たちに叩き込んだ。

 

 そして捧腹が影になって、俺は攻撃を回避しきれなかった。

 

 うぉおおおお!? いくら俺が聖槍の加護で頑丈だからって、限度があるんだぞこの野郎!!

 

「てめえ正気か!?」

 

「そんなもの、あの子たちが死んだ時に投げ捨てたとも!!」

 

 鬼の頑丈さで強引に動きながら、捧腹は俺を羽交い絞めにする。

 

 この野郎。このまま俺もろとも死ぬ気か!?

 

「聖槍使いと引き換えなら、充分な成果だ。ソウメンスクナと別動隊で、十分にオーディンは屠れるだろう。……我が冥途の土産と成れ!!」

 

 んの野郎。そこまでの覚悟をもってしてここに来たってわけか。

 

 だが、おれを舐めるなよ!?

 

「目覚めろ、紫に輝く双腕の電磁王(ライトニング・シェイク・マグニートー)

 

「愚かな。雷撃で私は倒せんよ」

 

 ふっ。甘いな。

 

 俺は勝つさ。鬼退治なんて日本の英雄の基本パターンだしな。

 

 その瞬間、捧腹の拘束は俺の読み通りに緩んだ。

 

 そして俺は拘束を振りほどき、聖槍を叩き込む。

 

 こいつの反応速度なら対応は簡単だ。かわすぐらいのことは十分にできるようなテレフォンパンチならぬテレフォンスティンガー。

 

 だが、捧腹の脇腹を聖槍が傷つける。

 

 よし、効いてるな。

 

「う、動きづらい!? ……きさま、何をした!!」

 

「誰が答えるか!!」

 

 ええい、本当なら俺はロキの担当だってのによぉ。

 

 捧腹の担当だったお嬢たちは、現れた量産型の相手で手一杯だ。いや、圧倒されてると言ってもいい。

 

 このままだと、確実に俺たちはやられる。

 

 いったいどうすれば……。

 

 その瞬間、量産型のミドガルズオルムに大量のエネルギー弾が直撃した。

 

 文字通り弾丸の嵐を受けて、量産型ミドガルズオルムが押されて倒れる。

 

 なんだ!?

 

「……あんたが噂の聖槍使いね」

 

 と、俺の隣に一人の女が立っていた。

 

 両手に禍々しいオーラの剣を持った、一人の女。

 

 そいつは、俺に視線を向けると剣を構える。

 

「アースガルズと組んでくれてありがとね。おかげでアース神族に堂々と殺し合いが挑めるわ」

 

 そういうと、その女はイッセーやヴァーリと超絶バトルを繰り広げるロキに剣の切っ先を突き付ける。

 

「悪神ロキ!! 我らが同胞の先祖のドヴェルグから、ミョルニルをはじめとする最高の一品をだまし取った報いを受ける時よ!! 覚悟しなさい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 最悪だぁあああああ!!!

 

 ミョルニルのレプリカ、使えねぇえええええ!!!

 

 ヒロイが捧腹に仕掛けられて、しかもリアスたちが量産型のフェンリルやらミドガルズオルムやらスルトやらと戦ってる中、俺たちは一生懸命頑張った。

 

 そして、隙をついてミョルニルのレプリカをたたきつけたんだけど、雷が欠片も発生しない。

 

「フハハハハ!! レプリカを渡す相手を間違えたな、オーディンよ!!」

 

 ロキの奴は、高笑いして俺の持っているミョルニルのレプリカにムジョルニアを突き付ける。

 

「それは邪な心を持つものには使えんのだ。貴殿はおっぱいドラゴンなのだろう? それではミョルニルは答えんよ」

 

 マジか! 俺が邪念ありまくりだから無理なのか!!

 

 それなら納得するしかねえ。俺、スケベだもん!!

 

 夏休みの合宿じゃあ、頭の中を煩悩だけにしたこともあるからね! そりゃ無理だ。

 

 アザゼル先生、なんで俺にミョルニルを託したんですか!?

 

 そう思った瞬間、状況が大きく動いた。

 

 量産型のミドガルズオルム達に、攻撃がエネルギー弾がものすごい数浴びせられる。

 

 その方向を見れば、ドーインジャーが軽く数百体は現れていた。

 

「来たか」

 

 ヴァーリがそう言って、俺は思い出す。

 

 そういえば、ヴァーリの奴はヴィクター経済連合の派閥の一つが反アースガルズだって言っていた。

 

 そこそこ有力な組織で、ロキとの戦いでは増援も出すって。

 

 つまり、これはそいつらか!!

 

 俺がそう思っている間に、何やらすごいオーラをまとった装備を身に着けた戦士たちが、量産型のミドガルズオルムに突撃する。

 

 量産型のミドガルズオルムは火炎を吐くけど、盾を持った戦士たちがそれを防いだ。

 

 そして、斧を持った戦士たちが飛び掛かって切り刻んでいく!!

 

 つ、強い!

 

 動きも隙が無いし、そして早くて力強い。俺なんか鎧を纏ってなければ一瞬で倒されるんじゃねえか!?

 

 戦士たちも負傷するけど、すぐに立ち上がると傷も消えている。

 

 なんだあれ? 回復力を高める神器でも移植したのか!?

 

「悪神ロキ!! 我が同胞の先祖のドヴェルグから、ミョルニルをはじめとする最高の一品をだまし取った報いを受ける時よ!! 覚悟しなさい!!」

 

 と、その声が響いた。

 

 見ると、ヒロイをカバーする形で、美人のお姉さんが剣を突き付けている。

 

 両手に持ってる剣からは、禍々しいオーラが垂れ流されていた。

 

 な、なんかすっげえ怖い感じがする! もしかして、噂の魔剣ってやつなのか?

 

「魔剣ディルヴィングにダインスレイヴ。我ら北欧から流出し、忌々しき教会の手に渡った魔剣が巡り巡って我に牙をむくか」

 

 その魔剣の持ち主を鋭い視線で見つめて、ロキは苛立たしげな声を上げた。

 

「私はノイエラグナロクの戦士、ヒルト・ヘジン!! 貴様らアースガルズによって弄ばれた、我が先祖ヘジンの無念を晴らさせてもらうわ!!」

 

「我らが神々を興じさせるという栄光を忘れ、牙をむくか! ならその愚行の罪、その身で受けるがいい!!」

 

 その言葉とともに、ロキが大量の魔方陣を展開して魔法を放つ。

 

 一発一発がシャレにならない。上級悪魔だってふっ飛びそうな一撃が何発も放たれた。

 

 だけど、ヒルトはビビりもせず両手の魔剣で弾き飛ばしていく。

 

 でも、両手じゃ捌ける数には限度がある。このままだと吹っ飛ぶぞ!?

 

「ヒルトさん、前に出すぎないで!!」

 

 その瞬間、魔法使いっぽいローブをまとった女性がその隣に並び立つ。

 

 その女性が魔方陣を展開して、攻撃の何割かを防ぎ切った。

 

 すげえ。ロキの本気を二人掛かりとは言えしのぎ切ったよ。

 

 そして、そのローブの女性を中心に光のオーラが放たれると、戦士たちの傷が回復していく。

 

 こ、これって、聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)!?

 

「お初にお目にかかります。ヴィクター経済連合所属、反オリュンポス団体「アルケイデス」のデイア・コルキスです」

 

 そう丁寧に告げると、同じくこっちもロキを睨み付ける。

 

「神々の傲慢に牙を剥く者同士、ノイエラグナロクとは共同戦線を張らせていただきます。お覚悟を」

 

 こ、この人も神相手にすげえ敵意むき出しにしてるよ。

 

 っていうか、ヨーロッパの神々って一体何したんだよ。むちゃくちゃ敵意向けられてるじゃねえか。

 

 見れば、あの人たちの援護のおかげで一気に趨勢が傾いてる。

 

 だけど、厄介な連中はまだ残ってる。

 

 スコルとハティは部長たちとヴァーリチームが抑え込んでる。スルト・サードもタンニーンのおっさんとロスヴァイセさんが抑えてる。

 

 だけど、ヨルムンガルドがまだ残ってやがる!!

 

 と、ヨルムンガルドは炎を吐くのをやめると身をかがめる。

 

 なんだ? 隙だらけってわけでもないけどよ?

 

 と、思ったその時だった。

 

 ヨルムンガルドの体の節々から光が漏れる。

 

 お、おい。なんか明らかにやばいオーラが漏れ出てるんだけどよ……?

 

 その瞬間、大量のエネルギー弾がヨルムンガルドの全身から射出された。

 

 そしてそれは弧を描くと、そのまま地上に向かって落ちてくる!!

 

 う、うぉおおおお!? ミサイル攻撃ぃいいいい!!?

 

 や、やばい。あれじゃあ量産型のミドガルズオルムを抑え込んでるドーインジャーが一網打尽に―

 

「―っはっはぁ!! そんなもんじゃぁ英雄は倒せねえぜ!!」

 

 その瞬間、ドーインジャーの中からたくさんのとげが射出された。

 

 それは空中でエネルギー弾とぶつかると一斉に爆発する。そして全弾迎撃してのけやがった。

 

 な、な、なんだぁ!?

 

 俺がロキと戦いながら驚いていると、ドーインジャーの中から一人の男が突進してくる。

 

 歳は俺と同じぐらい。だけどガタイはまるでサイラオーグさんのようにごつい。そして髪の毛は割と長く、簡単な鎧を身に着けてるけど、服は学生服っぽい。

 

 そして、あいつは間違いなく強い。

 

「喰らいやがれ、巨人の悪戯(マイティング・デトネイション)!!」

 

 そしてヨルムンガルドを殴りつけると、殴りつけた箇所が大爆発を起こした!!

 

 おお! ヨルムンガルドが思いっきり揺らいだ!!

 

 あの巨体をあんなに勢いよく殴り飛ばすなんて! どんだけ馬鹿力ですごい神器なんだよ!!

 

 そして、殴りつけた男は着地すると、そのまま胸を張った。

 

「ヴィクター経済連合、英雄派所属!! ヘラクレスの魂を継ぐ者よぉ!! どうした、この程度かぁ!?」

 

 すっげえ堂々と名乗り上げやがった。

 

 っていうかヘラクレス!? 無知な俺でも聞いたことのある、ギリシャの大英雄じゃねえか!!

 

 英雄派ってあんなのまでいんのかよ。敵さんもすごいの連れてきてるな、オイ。

 

 と、思ってたらロキの攻撃がさらに強くなった。

 

「なるほど、これはさすがにてこずるな。特に二天龍がすごい」

 

 魔法攻撃を全方位に放ちながら、ロキはうんうんとうなづいた。

 

「白龍皇のほうは熟練した強さと経験。赤龍帝は思いを込めた渾身の一撃。さらに周りの者たちも有数の実力者だ。ミョルニル抜きでもここまでとは驚いた」

 

 なるほど、ロキがそこまで言うことかよ。

 

 つまり、俺たちでも勝てない相手じゃない。俺とヴァーリが二人掛かりならこいつを倒すことだってできる。

 

 と思ったその時、ロキの視線が俺をしっかりと見据えた。

 

「だが軌道が単純ゆえに、赤龍帝の方がとらえやすいな。倍増した力を誰かに譲渡されても面倒だ。まずはそちらからぶっ潰しだ!!」

 

 えぇえええ!? 俺、ターゲット認定!?

 

 思わずミョルニルを構えたけど、ロキはムジョルニアを構えて振り下ろす。

 

 とっさにミョルニルをぶつけて防ぐけど、雷撃が放てないんじゃ衝撃だけしか防げない。

 

 そのまま雷撃が、ミョルニルのレプリカを吹っ飛ばした!!

 

「さあ、とどめと行こうか赤龍帝!!」

 

「―いや、俺を忘れてもらっては困るな」

 

 そのロキの後ろに、ヴァーリが回り込んだ。

 

 あの野郎抜け目ねえな。だけど、これで一撃は―

 

「―いや、我が子を忘れてもらっても困るな」

 

 その瞬間、ヴァーリの姿が掻き消えた。

 

 そして、少し離れたところにフェンリルが立っていた。

 

 その口にはヴァーリが咥えられている。牙が鎧を突き破って、肉に食い込んでた。

 

 ど、どういうことだよ!? なんで、フェンリルがヴァーリを!?

 

 だって、グレイプニルでがんじがらめにされているはずじゃぁ―

 

 そう思って顔を向けると、そこにはフェンリルの子供が鎖をかみちぎっていた。

 

 あの野郎! 戦闘すると見せかけて親を解き放ったのか!!

 

「ふむ、先ずは白龍皇をかみ砕かせてもらったぞ」

 

 くそ、これじゃあヴァーリが!!

 

 待ってろよヴァーリ! 決着付ける前に死なれちゃ困るんだよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 




三大勢力+ヴィクターの共同戦線。ロキはヴィクターとは交渉の余地ありと思ってましたが、構成派閥の都合上無理でした。

そしてヘラクレス登場。とりあえず、これで英雄派の主要メンバーはほぼ一度は登場しました。
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