ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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……はい、ついにD×Dでも屈指の頭痛い展開が勃発します。









これをシリアス展開に持って行けるんだから、原作者は頭おかしい(誉め言葉


第三章 16 ………なにこれbyヒロイ

 

 ロキの攻撃で吹っ飛んだ俺は、何とか意地で立ち上がる。

 

 え、英雄はそう簡単に倒れたりしない。どうせ死ぬなら前のめりだ。

 

 が、そんなときにすでに趨勢は大きく傾いていた。

 

 ……俺の目の前で、背中を深く切り裂かれたバラキエルさんが朱乃さんに寄りかかるようにして倒れる。

 

「ぐはっ」

 

 背中と口から、大量の血が流れ出た。

 

 まずい、あれはすぐに治さねえと致命傷になるぞ!!

 

「な、なんであなたが……」

 

 朱乃さんが呆然とする中、バラキエルさんが手を伸ばす。

 

「お前迄、失うわけには……いかない」

 

 その言葉に、朱乃さんはものすごくつらそうな表情を浮かべる。

 

 ……バラキエルさんは、朱乃さんが自分を恨んでるって言ってた。

 

 だけど、朱乃さんもいい年してるんだ。いい加減、あんな詭弁を鵜呑みにし続けるのも限界だろう。

 

 あんた、実はもうわかってるんじゃないのか?

 

 つってもこういうのって、長い年月が経ってるから素直になりにくいもんだ。

 

 どう考えても、時間が足りな過ぎ―

 

「おまえ、いったい誰だ!?」

 

 ―いきなりイッセーが変なことを言いだした。

 

 朱乃さんを指さして、なんか変なことを言ってきてる。

 

「だから誰だよって言ってるんだよ!!」

 

 いや、お前どうしたんだよ。

 

 なんかものすごく動揺してるのだけはわかる。これまでにないぐらい動揺してんのはわかる。

 

 だが、なんでだろう此の妙な感じ。

 

 かつて、ヴァーリの技を見て変な解釈して暴走した時と似てる。そもそも最近だと、覇龍の暴走を鎮めるときのあの阿保騒ぎと似てる。

 

 ま、また乳か?

 

「お、おっさん!!」

 

「何だ!? また乳か! 今度は何だ!!」

 

 タンニーンさんも、激戦を潜り抜けながらも律儀に聞いてくれてる。

 

 この人ホントいい人だ。俺は金には困らねえ生活送ってんだし、今度ドラゴンアップル人工生産に投資しよう。

 

 で、どうしたんだイッセー?

 

「乳神様って、どこの神話体系の神様だ!?」

 

 ……………………。

 

 沈黙が響いた。

 

 ち、乳神? 乳神って……何だよ?

 

「北海道に乳神神社ってあるぜ。岡山県とか熊本県にもあるぜ?」

 

 と、総理が教えてくれた。

 

 流石総理だ。日本に詳しいな。

 

「……てっきり致命傷を受けたのかと思ったが、そんなものが日本にはあるのか」

 

「おうよ、龍王さんよ。母乳の出とか安産とかにご利益ある神様だぜ? 俺もカミさんが妊娠した時、五円玉十万枚用意してご利益求めたもんだぜ」

 

 なるほど。そうだったのか。

 

 さすがヤオヨロズの神々。ジャンルが幅広いな、おい。

 

 と、思ったんだが、イッセーは少しの間うんうんとうなづくとさらに声を出した。

 

「……そんなまがい物と一緒にすんなって怒ってる!! 正真正銘お乳に加護を与える神様だって、朱乃さんのおっぱいが言ってるんだけど」

 

「……次元の狭間から変なもんでも来たんじゃねえか?」

 

 総理。真面目に答えなくていいと思うんですけど。

 

 アーシアも致命傷だと思ったのか、回復のオーラをイッセーの頭に与えてるしよ。

 

「貴様、私の娘がそんなわけのわからん神様だと? おのれ、おっぱいドラゴン……」

 

 バラキエルさんがキレた!

 

 あの、落ち着いてくださいな。その状態で怒ったら、血流がよくなりすぎて出血多量で死にますぜ?

 

 っていうか、お乳そのものに加護ってどうよ? どんな変態な神様だよ。

 

 あ、ギリシャあたりか? あそこ近親相姦の本場っていうし。

 

『……とんでもないが総理の言う通りだ。俺の知らない世界の力を感じる』

 

 ドライグがそんなことまで言ってきた。

 

 え? マジで異世界? 嘘だろ?

 

 おいおい、戦闘中の奴らが全員唖然となってるよ。

 

 戦いを止めるほどの衝撃が、この場に走ってやがる。

 

 そしてそんな中、イッセーは乳神の声を聴いているらしい。

 

 いや、訳が分からねえよ。俺たちにも声を届けてくれよ、乳神様とやらよぉ。

 

 あ、イッセーぐらいのおっぱい好きにしか声を届けたくねえのか。そんなにこだわってんのかおっぱいに。乳神だもんな。

 

「俺の望む奇跡? わ、わかったけど、おれだけ聞いても意味ねえし、朱乃さんとバラキエルさんにも聞こえるようにしてくれないか?」

 

 ん?

 

 イッセーは一体何をしようとしてるんだ―?

 

 その瞬間、朱乃さんの胸が光り輝いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、その光が終わったその時、朱乃さんは泣いていた。

 

 さらに、朱乃さんとバラキエルさんを抱きしめるように、半透明な女の人が映っている。

 

 ど、どういうこった?

 

『なるほど、乳神様の力を、その槍に込められた神の残滓が増幅したようですね』

 

 だ、だれだ!

 

 は! まさかお前が乳神か。

 

『いえ。私は乳神様に使える精霊です』

 

 そうか。なんかよくわかんねえけどスルーするわ。

 

 俺がパニックを起こしかけてる中、その朱乃さんにそっくりな女の人は、朱乃さんにやさしく告げる。

 

『朱乃。何があっても父様を信じてあげて。あの人は、たくさんの人を確かに傷つけてきたけど―』

 

 その人は、朱璃さんは、朱乃さんに微笑んだ。

 

『あの人が私と朱乃を愛してくれているのは、本当だから』

 

 そして、その女性は姿を消した。

 

 そして、その言葉は、確かに朱乃さんにしっかりと届いたんだろう。

 

 だって、朱乃さんは確かに泣いているから。

 

「母様、私は……父様ともっと会いたかった! もっと頭をなでてもらいたかった! もっと……三人一緒にいたかった!!」

 

 それが、朱乃さんの嘘偽りのない本音か。

 

 ったく。やっぱり親子は仲いい方がいいに決まってるぜ。

 

 その時、赤龍帝の鎧が強く輝いた。

 

『乳龍帝よ。あなたはこの娘の想いとおっぱいを救いました。さあ、乳神様の加護を使いなさい。今なら、ミョルニルも使えるはずです!!』

 

「よ、よくわからないけどわかったぜ!! あ、でもミョルニルは弾き飛ばされて―」

 

「ほいよ。拾っといたぜ」

 

 と、総理がミョルニルのレプリカをイッセーに手渡した。

 

 おお、いつの間に!! 流石総理だな!!

 

 しかも本当にミョルニルが使えてやがる。今までとは比べ物にならねえオーラがぶっ放されてるぜ。

 

「何やら見知らぬ神格の波動を感じる。異世界の……乳神? 今代の赤龍帝は不思議がいっぱいだな!!」

 

 その言葉とともに、ロキはさらに何体もの量産型ミドガルズオルムを召還する。

 

 まだ出し惜しみしてやがったのかよ!! 

 

 いい加減こっちもばてるぞ。増援は来ないのか?

 

 と、思ったその時、黒い炎が巻き起こった。

 

 しかも蛇の形をしている。いや、これは龍か?

 

 その炎は俺たちをスルーして、ロキたちだけを包み込んだ。

 

「なんだ、この炎は! 力が……ぬける!?」

 

 な、なんか知らんが、味方か!?

 

「こ、今度は何だ!? 尻か、うなじか!?」

 

「馬鹿かお前は!! あれは、黒邪の龍王(プリズン

ドラゴン)ヴリトラだ!」

 

 俺がパニクってると、タンニーンさんからの渾身のツッコミが飛んできた。

 

 ヴリトラって、匙か?

 

 いや、だがあれは魂を分割した上での一つだとかいう話だった気がするんだけどよ?

 

 その時、俺たちの耳に取り付けられたイヤホンから声が聞こえてくる。

 

『皆さん、聞こえますか? 私はグリゴリ副総督のシェムハザです』

 

 おお、堕天使のナンバーツーか。

 

 そういや、匙はグリゴリで特訓だったな。

 

 で、特訓の成果があのドラゴンと。

 

 ……どんな特訓だよ。

 

『ヴリトラを封印した神器を、グリゴリが保有している分全部埋め込みました』

 

 あほかぁああああ!!!

 

「何ていう無茶苦茶。ヴィクター経済連合でもそんな多重盛りしないわよ」

 

「リムヴァン様でもそんな無茶はしません……」

 

 ほれ、ヴィクターのヒルトとデイアだっけ? とにかくドンビキしてんじゃねえか!!

 

 っていうかこれ、意識あんのか?

 

『まあ、暴走してますが意識は残ってます。二天龍である兵藤さんならコンタクトが取れるはずです』

 

 グリゴリはこんなのばっかりか。

 

 と、とにかく意識を切り替えろ。

 

 これはチャンスだ。ミョルニルが使えるようになり、さらに敵もこの炎で身動きが取れない。

 

 この機を逃さず、一気に叩き潰す!!

 

 俺は、速攻で量産型のミドガルズオルムに狙いを定めると、聖槍でぶった切った。

 

 ぶっちゃけ回復が追い付いてねえが、仕方がねえ。やるしかないし普通は回復とかないしな。

 

 と、言うわけで量産型ミドガルズオルムをぶった切りまくり、そしてお嬢たちもヴィクターの連中も一気に攻勢に打って出る。

 

 そして、イッセーがロキに迫った。

 

「くらいやがれぇえええええ!!!」

 

「舐めるな、赤龍帝ぃいいいい!!」

 

 そしてミョルニルとムジョルニアがぶつかり合い―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ムジョルニアが、砕け散った。

 

 よし! こっち側の方が精度は高かったみたいだな。

 

 だが、余波でこっちも炎が吹き飛んだ。

 

 こっから先が大変だな。行けるか?

 

 そう思った次の瞬間だった。

 

「うぉ!? 重い!?」

 

 イッセーが急にバランスを崩す。

 

 なんだ? どうした?

 

 俺たちが一瞬パニックを起こす隙を、然しロキは見逃さなかった。

 

「隙ありだぞ赤龍帝!!」

 

「うわぁあああああ!!」

 

 至近距離から魔法攻撃が放たれ、イッセーはミョルニルを取り落としながら吹っ飛ばされる。

 

 オイオイオイオイ。どうしたイッセー!?

 

「どうやら乳神とやらの加護はもう無いようだ。先の一撃で我を倒せなかったこと、後悔するがいい!!」

 

 マジか!

 

 くそ、後一手足りない状況だってのに、この状況下で……!

 

 と、とにかくミョルニルを確保しねえと―

 

「おっし! ミョルニルは確保したぜ」

 

 おお、総理!!

 

 すげえぜ総理!! 抜け目がねえ………。

 

『『『『『『『『『『え?』』』』』』』』』』

 

 今、気づいた。

 

 本当に、今更になって気づいた。

 

 ………なんで、こんなところに総理がいるんだぁああああああああ!?

 




ムジョルニアは何とか壊せましたが、ムジョルニアのせいでロキ撃破には一歩足りず。





そしてついに総理登場。さて、暗躍していた日本政府の目論見とは……?
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