ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ 作:グレン×グレン
……まあ、これは原作とあまり返れないのですが。
「………ぶははははははははは!!!」
「リムヴァン、どうしたんだ?」
「聞いてよ曹操! イッセー君ったら、異世界の神様とコンタクトしたんだってさ! それもおっぱいの神様だって!」
「………どこから反応していいのかわからないな。だが、納得できてしまうのはこれまでの実績ということか」
「ああもう! 乳首つついて覇龍解除するところマジで見たかった!! なんで倒されたんだよ、僕の分身は!!」
「ある意味興味は沸くね。俺も見てみたかったよ。……で、ロキから奪った魔獣たちは?」
「大量大量。ロキが和議を妨害するなら、間違いなく相当の魔獣を用意すると思ったよ。……準龍王クラスの魔獣を四匹も確保できるだなんて、ラッキーだね」
「さらに量産型のミドガルズオルムも十匹近く。……研究材料には事欠かないな。これは面白そうだ」
「ヒルトちゃんもだいぶ溜飲が下がったそうだよ。……ま、彼女の本命はフレイヤとオーディンなんだけどね」
「それでも、同胞の先祖の無念を晴らせたのはいいことだね。いや、俺が倒すべきだったのだろうけどね」
「聖槍を宿す英雄としては、ヒロイくんに神を取られたのは不満かい?」
「ああ、だからできるだけ早く意趣返しをしたいね」
「それなら大丈夫だよ。彼らの修学旅行、京都だってさ?」
「……それはいい。最高だ」
「……さあ、どれだけ強くなったのか教えてくれ、まがい物君?」
「ほっほっほ。この会談は有意義じゃったのぉ」
「よかったねお爺ちゃん! それで、どんな感じ?」
「ああ。日本神話とも日本政府とも仲良くできそうじゃ。特に日本政府は、最近縮小傾向だったヴァルキリーたちを魔法の指導員として招きたいと言ってての?」
「女性の自衛隊員がヴァルキリーになりそうだね!」
「東洋人からのヴァルキリー登用か。オリエンタルなヴァルキリーとは最高じゃの」
「うんっ! それなら、またお爺ちゃんと会えそうだね!」
「ほっほっほ。わしの護衛の名目で北欧旅行に来たのじゃからもうちょっと一緒じゃよ」
「わーい! ユグドラシル観光とかできる?」
「もちろん。なあ、別にいいじゃろうロスヴァイセ?」
「え? ロスヴァイセはついてきてないよ?」
「………あ゛」
Side Out
そんなこんなで、俺達はロキを撃退する事に成功した。
んでもって俺達が見てるニュースでは、大尽総理が映って丁寧な口調で喋ってる。
『では総理。これと同様のことが確実に起きるとお考えですか』
『まず間違いないでしょう。なぜなら、ヴィクター経済連合は世界各国でクーデターを起し、現世界各国に対して敵対を宣言したのですから』
総理の地を知る俺達からするととても違和感があるが、しかしまあ、外向けの顔ってのは誰にでもあるんだろう。
『そもそも、外国の憲法まで詳しく知っている者はこの国にも少ないのです。である以上、日本国憲法の九条は抑止力にはなりえません。例え知っていたとしても、馬鹿はするのです!』
そう、熱意を込めて総理は告げる。
まあ、俺も行った事のない外国の理念とかなんてさっぱりだ。行った事のある国でも法律や憲法を知っているかって言われるとよく分からねえ事が多いしな。
総理の言ってることは正論だ。
『そして、馬鹿が国家盟主である国は残念なことに多い。我々は賢者の反応を前提にするのではなく、愚者の反応を前提に対応を想定しなければならないのだということを―』
「……とんだ役者ね。この会見、ヴィクター経済連合が動いた時から準備してたんでしょうね」
半目でお嬢がそう言うが、まあこの場の皆の総意だろうな。
なにせ、最初からそう言う事が起きる事を願って異形勢力の和議に首を突っ込んでたのは既に俺達は知っている。つーか本人が言ってた。
当然襲撃をいつか受ける事を前提として動いていて、だからこそのあの対応だ。
そして、其れは成果を出しまくってやがる。
既に防衛費の増大は確定。更にそれを利用して、流出した人工神器技術を使って作られたウツセミという兵器の実用化及び大量生産を即座に決定し、動いている。更には和議を結んだばかりのアースガルズで縮小気味ゆえに浮いていたヴァルキリーを、今後の対ヴィクターの為の戦技教導官として雇い入れるということまで確定だ。
凄まじい勢いで日本は大躍進を遂げてやがる。コレ、あっさりとアメリカを追い越すんじゃねえか?
これに追随するかのように、中国やインドも自国の神話体系との連携を正式発表。それに引っ張られる形で、世界各国も異形勢力との連携を視野に入れ始めているとのことだ。
……本格的にヴィクターに対抗する為の動きが進んでる。この調子なら、ヴィクターと雌雄を決する日も近いかもしれねえな。
「この国は私達悪魔にとっては活動しやすい地域だったけれど、他の神話にとっても活動しやすい地域だったとはね」
「良くも悪くも神という存在を一括りで見てますもの。……アースガルズの神々もオリュンポスの神々も、自分達の神々と同じく神の一柱という認識なのでしょう。本職の人達は排他的ですが、一般人はそういう認識が強いのですわ」
そう朱乃さんが苦笑するが、まあそうだろうな。
この国、いろんな意味で、宗教的に緩いって言われてるしよ。俺も日本に行く時には言われたぜ。
その利点が最大限に発揮されてるってわけか。この国、下手すると世界の盟主になるかもしれねえわけか。
まあ、ヴィクターの方もそう簡単にはやられねえだろうな。
俺達がロキと最終決戦してるどさくさに紛れて、ヴィクターはロキが連れていた魔獣のエース格をことごとく持って帰っていきやがった。
ヴァーリチームの本命もフェンリルだ。どうも、フェンリルは
あの野郎。それが狙いだったってわけか。味な真似を。
そしてそれ以外のヴィクター経済連合にも、ロキが連れていた魔獣達が倒されて捕縛。
いったい何に使うのかは分からねえが、ろくな事にならねえのは分かり切ってやがる。
こりゃ、この戦いは長く続きそうだぜ。
ま、それはともかく俺達も色々と頑張ってるわけで、そんな俺達にはご褒美もある。
今回のロキの襲撃によって、この国の危機意識は改革されてる。防衛費の増大が速攻で可決されたのもその一つ。その結果として、日本の平和ムードは大きく変わり始めてる。
そんな中では学生生活を満喫するのもあれだ。特にイベント関係は色々と自粛している学校もある。
この駒王学園でもその動きがあった。特に修学旅行は、日本政府が京都に妖怪勢力がある事を認めた事もあり、何か起きかねないからどうかという声もあった。なにせ生中継で妖怪が自衛隊ボコってるところが映ってたしな。危機意識もでかいだろ。
……そんなご時世だが、修学旅行は例年通り続行ってことだ。
具体的には三大勢力から護衛部隊が派遣されるという事だ。表向きには駒王町にある学校の修学旅行全部で行われるが、駒王学園は特に警備が厳重。京都が同じタイミングで異形勢力の会談が起きるとのことで、そこも踏まえて有事の際は動くってことだ。
最近の俺達、かなり規模のでかい戦いばかり経験してるからな。亡命合戦が落ち着いてきた事もあり、念の為に用意してくれるらしい。
この厳重な警戒態勢もあって、PTAも修学旅行を承認した。
まあ、俺達に対するご褒美も兼ねてるんだろう。サーゼクス様達の粋な計らいってやつだな、うん。
「何はともあれ、修学旅行は行けそうで何よりだよ。ヒロイくん達は京都は初めてなんだろう?」
「おうよ! 日本が誇る古都。どんなところがちょっと興味があったんだよな」
木場にそう答えながら、俺は、ちょっと楽しみにしている。
なにせ悪魔祓いの仕事じゃあ観光旅行ってわけにはいかなかったしな。こういうのは楽しみだ。
ああ、教会追放されて本当によかった……と、言いたいところだけどよ?
「実は俺、教会に間接的に復帰することになってな。土産代は全額出してやるぜ?」
「そうなのかい? サーゼクス様との契約は解除ってことになりそうだけど……」
木場はそう言って俺の懐事情を心配してくるが、心配無用だ。
悪魔側との契約を解除したわけじゃねえ。そう言うわけじゃねえ。
それを、お嬢が先に言ってくれた。
「ヒロイは今回の功績を受けて、三代勢力合同で雇われたのよ。その為の年俸契約は各勢力が折半して、二億四千万円に上昇したのよ」
「そういうことさぁ!! 俺、金持ち!!」
ふはははは!! 俺はついに真の意味でメジャーリーガー級の金を稼ぐ事に成功したのさ!!
この中でも屈指の金持ちだ。やっほい!!
「なるほど。今度から金に困ったらヒロイに奢ってもらえばいいのか」
「流石ヒロイくん! 太っ腹ね!!」
「……ご馳走様です」
あれ? ゼノヴィアもイリナも小猫ちゃんも俺から貪りつく気満々?
京都での土産代を払うとは言った。だけど、別にそれ以外に関して何でも払うなんて言ってねえぞ?
つか、ゼノヴィアと小猫ちゃんはお嬢にたかれよ!
クソが! これが口は災いの元ってやつか!!
「ヒロイ! 俺のエロ本代も奢ってくれよ! 見せてやるから!!」
「もげろ!!」
お前はもう必要ねえだろうが!!
っていうか自分で買えよおっぱいドラゴン。お前おっぱいドラゴンの興行収入稼ぎまくりだろ。俺より稼いでるかもしれねえだろうが。
とにかく俺達がそんな教徒絡みの話題にシフトして揉めていると、泣き声が響いた。
「うわぁあああああん!! 完全にリストラよこれぇえええええ!!!」
泣き続けるのは、スーツをまとった銀髪の女性。
そう、ロスヴァイセさんだ。
この人、どうやらオーディン神に置いて行かれたらしい。
色々あったからなぁ。うっかり忘れてたんだろう、オーディン神も。気が抜けてたんだろうなぁ。
と、携帯を開いていたペトが顔を上げる。
「……小犬からメールが来たッス。オーディンさま、今気づいたそうっスよ?」
「ちなみに、もうユグドラシルに着いてるって」
姐さんが頭を抱えるけど、そこには同意だ。
アウト! なんで小犬を連れて行ってるんだよ!!
「もう終わりだわ!! 今更戻ったところで、「主神を置いてのこのこと何をしに戻って来た」とか言われて閑職に追い込まれること確定だわ!! これもうリストラでしょぉおおおおお!!」
絶望に包まれて、崩れ落ちるロスヴァイセさん。
その肩に、お嬢の手が置かれた。
「そんなに泣かないで。駒王学園で働けるようにしておいたじゃない」
あ、そうなんだ。
ってちょいまち。なんで働く? 生徒じゃねえの? 大学の方の。
「で、希望は教諭ってことでいいのよね?」
「はい。私は飛び級で大学は卒業してますし、教員免許も取ってますから」
まじか。この人本当に才女だな。
俺達とそう変わらねぇ年齢だろうに、もう大学を卒業してんのかよ。
「……私、高校中退」
「お姉様しっかり!!」
姐さんが崩れ落ちてる! この高学歴の群れの前に大ダメージを受けてる!!
しっかりするんだ姐さん! 高校中退でも大検っての取れば大学は受けれるから! 三十代の大学生だって存在するから!!
俺が姐さんを慰める為の方法を考えてる中、ロスヴァイセさんもまた落ち込んでた。
「で、でもこの国の学校で教師としてやっていけるのかしら? せっかく就けれた安定した職業だったのに……!」
「うふふ、そこでこのプラン」
と、お嬢がロスヴァイセさんに近寄ると、悪魔の駒を片手になんかスカウトを始めやがった。
……なんかすごい待遇だし。俺の時もそうだけどよ、悪魔ってホント金持ってるからホワイト企業だよな。
教会に所属してるより悪魔に雇われてる方が生活楽だし。おい、仕事の待遇がぱっと見のイメージと逆転してんのはどういうこった。
と、ロスヴァイセさんがスカウトされている間にペトが姐さんをなだめながら俺に顔を向けた。
「ヒロイ、お姉様が大変っす。自分も手伝うから何とかするッス」
「つっても、俺も家庭教師とかできるわけじゃねえから大検は自分で取ってもらうしかねえんだが」
「……あ、アザゼルは教師やってるッス! 教えてもらって大検取るっすよ! そして一緒に駒王学園の大学部通いたいっす!!」
「それいいな! 姐さんと一緒のキャンパスライフとかマジでいいな!!」
ペト、お前マジで良い事言った!
俺は本気でそれに乗っかった。っていうか、姐さんとのキャンパスライフとか夢が広がるぜ!!
英雄は頭使う事も多いからな。勉強はした方がいいぜ、姐さん!!
「そ、そうね。大学ぐらい出た方がいいかしら……」
「「もちろん!!」」
俺とペトは同時にそう言う。
そして、ふと目が合った。
その目は、すっごくきれいで、一瞬見とれてしまった。
「……ヒロイ」
と、ペトは満面の笑顔を浮かべる。
「一緒にお姉さまの勉強を見るッス。アザゼルだと悪戯で変なこと教えそうっスからねっ!!」
その、曇りの全くない笑顔を見て、俺は―
「―おう!!」
―全力の笑顔でそれに応えた。
ちなみに、ロスヴァイセさんは見事に術中にはまって、お嬢最後の眷属として転生悪魔になった。
そして朱乃さんがどさくさに紛れてイッセーにキスをしていたが、俺達はガンスルーで姐さん大学受験計画を練り始める。
……ペト。俺とお前は姐さんに助けられた。
だから、俺達も姐さんを助けような。
三大勢力:アースガルズ及び日本と本格的な協力体制確定。アースガルズ側は大規模な生み出しに成功。
ヴィクター:魔獣大量確保
と、言うことでロキ勢以外はほぼ犠牲を出さずに設けたラグナロク編でした。
年長者なのにいちばん学歴があれなリセス。実は勉強もあまりしてないので、まともに学業成績で勝負すると確実にあの面子で一番低いです。駒王学園は名門校だからね、一年生でもへたな高校の二年生より頭いいしね!!
そして次は、8巻の書下ろし編の間にヒロイたちに起きた出来事を書いていきます。
まあ、ライオンハート編に備えたネタだしや、生来的に描くかどうかは未定のアザゼル杯編への伏線とかですね。