ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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駆逐艦の中で戦闘勃発!!


第三章 25 

 

 甲板の上で、俺達は睨み合った。

 

 見るからに荒くれ者って雰囲気のガタイのいいオッサンだ。

 

 チッ! 禍の団のメンバーなのは間違いねえが、一体何もんだ?

 

「おいオッサン! てめえ、どこの所属だ!!」

 

「オッサンじゃねえ! 俺はまだ二十代だ!!」

 

 そう言うなり、野郎は俺に殴り掛かる。

 

 この怪力。もろに喰らうと加護ブーストとホンダブレードでも結構痛いな。避けるか。

 

 跳び退って攻撃を回避しながら、俺は更に魔剣を展開すると遠距離攻撃を放つ。

 

 と言ってもマスドライバースティンガーじゃねえ。あれは交わされやすい。

 

 そもそもレールガンは割と隙がでかいからな。この距離で運用するのは危険だ。

 

 ツーわけで新技。

 

「くらえコイルガン!!」

 

 放つのは磁力で攻撃を行うコイルガン。もしくはガウスキャノン。

 

 弾速はどうしても遅くなるが、消費電力は大幅に低くなるので、こういう戦闘でも運用できる。

 

 ようは対物ライフルとサブマシンガンだな。何事も適切な運用が必要なのさ。エッヘン。

 

 だがオッサンは軽快に飛び跳ねながらそれを回避しやがる。

 

「中々やるなガキぃ! だが、俺には効かねえぜ!!」

 

 そして距離を詰めると、再び殴り掛かる。

 

 俺はそれを素早くかわすと、聖槍をカウンターで突き込んだ。

 

 それを、オッサンは素手で掴む。

 

 ……なんツー反応速度! しかも度胸と確かな技量が無けりゃぁできねえぞ!!

 

 このオッサン、筋肉だるまと思ったら中々の技巧派じゃねえか!!

 

「名乗りがいるなら教えてやるぜぇ? 俺はフリーのキュラスル・スリレングだっ!!」

 

 そう言うが早いか、キュラスルのおっさんは俺を投げ飛ばすと、そのまま飛び上がった。

 

 空中ならかわせないとでも思ったか? 甘いぜ!!

 

「磁力操作もできるんだよ!!」

 

 俺は自分に磁性を付加すると、駆逐艦の鋼材に干渉して空中で方向転換。そしてカウンターでコイルガンをぶちかます。

 

 それをオッサンは素手で弾きながら、こっちも平然と着地しやがった。

 

 あの野郎、まだ遊んでやがるな?

 

「神滅具相手に遊び半分たぁやるじゃねえか。キュラスルとか言ったか? やるじゃねえか」

 

「てめえもな。俺が殴り飛ばした連中の中じゃあ、てめえが一番出来るぜ?」

 

 お互いに挑発目的で褒めて、俺達は睨み合う。

 

「そんなに出来るなら最初から出て来いよ。一体ヴィクターは何を考えてやがる?」

 

「はっ! んなこと俺が知るかよ」

 

 ……ほんとに知らなそうだな。

 

 ま、現場の連中に上の思惑までご丁寧に教えたりはしないってか。明らかに雇われ人事らしいこの手の輩相手なら尚更か。

 

 やっぱし、ヴィクターは軍隊じみた運用もきちんとするってか? 異形社会としては能力がヤバイ兵隊とかやりづらいな。

 

 キュラスルは面白そうに肩を慣らすと、そのまま隙を見せない程度に伸びをする。

 

「俺ぁ、少しでも楽しく暴れられればそれでいいんだよ。ただちょっと色々暴れすぎてな、反省する事にゃぁヴィクターじゃねえと暴れにくくなっちまったってだけさ」

 

 なるほどねぇ。どうやら犯罪者崩れの傭兵らしいな。

 

 だったら加減する必要はねえか。殺す気で言っても問題ねえだろ。

 

 キュラスルもそんな俺の考えを察したのか、歯をむき出しにしながら笑い始める。

 

「お、いいねえ。殺す気の目だ。そう言うのをぶちのめす機会にゃ恵まれねえから楽しみだ」

 

 そういうなり、キュラスルは一気に俺に迫った。

 

 ……っていうか早い!? 今までより無茶苦茶―

 

「てめえ、まさか!?」

 

「応よ!」

 

 ぎりぎりでガードしたが、やっぱりさっきより攻撃力が上がってやがる。

 

 んの野郎!! 今まで手を抜いてたにしてもやりすぎだろ!?

 

「こっからギアを上げていくぜぇ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祐斗Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 CICの中で、僕達は接近戦を繰り広げていた。

 

 狭いゆえに足を止めて戦うしかなく、スピードで翻弄するタイプの僕は結構きつい。

 

 そして、敵もまたかなり実力が高かった。

 

 彼が使っているのは銃剣付の小銃。イメージは短めのライフル銃といったところかな。

 

 それを巧みに使い、二刀流で攻め立てる僕と互角に渡り合っている。

 

 自分で言うのもなんだけど、僕の戦闘能力は上級悪魔クラスだ。失礼な言い方だけど、リアス部長や朱乃さんが相手なら一対一なら勝てる。

 

 もちろん、部長や朱乃さんは砲撃戦闘タイプだから、多くの敵を倒す殲滅戦などではむしろ優位に立ち回れるだろう。こと火力に至っては、限界までチャージしたリアス部長は、禁手状態のイッセー君や二刀流のゼノヴィアに並ぶ。

 

 だけどスピードで距離と詰めて聖魔剣で切りかかれる僕は、二人に対して相性がいい。そして平均的な戦闘能力なら上回っていると断言できる。戦士という土俵ならばこちらが上だ。

 

 相手の位置さえ確認できていれば、ペトさんの狙撃にも対抗できるだろう。もっとも、狙撃は味方のサポートが基本だし、位置が分かった状態での狙撃続行は悪手だから前提がおかしいけどね。

 

 そして、敵の戦闘タイプはオフェンスだ。

 

 あくまで接近戦におけるフェイルセーフティ機能が基本の銃剣だけど、これが意外と馬鹿にならない。

 

 銃の性能向上で接近戦闘能力が高くなっている現代でも、銃剣を採用している軍隊は数多い。自衛隊でも運用していたはずだ。柔剣道という武術も存在しているしね。

 

 そして、目の前の彼はそれを高水準で使いこなしている。

 

 だけど無理にでも距離を取るのは悪手だろう。

 

 なにせ相手の武装はあくまで銃剣付の銃だ。むしろ射撃戦闘こそが本命と言ってもいい。

 

 距離を取れば相手の土俵に入る。そうなれば敗北の可能性は一気に上がる。

 

 とはいっても、ヒロイ君のことも心配だ。そろそろ決めるしかないね。

 

「悪いけど、すぐに終わらせてもらうよ」

 

「はっ! 俺なんて雑魚だとでも言いたいのか、あぁ!?」

 

 そうは言ってないけど、あまり時間もかけてられないね!

 

 僕は戦闘に使っていた聖魔剣を手放し、同時にナイフ型の魔剣を形成する。

 

 そして一気に懐へと潜り込もうとする。

 

 当然、相手も反応する。それに対抗する為に、銃身を盾にして防いだ。

 

 いい反応だ。その動きじゃなければ確実に仕留めていた。

 

 そして残念だったね。この攻撃は、分かっているから防げない!!

 

「もらった!」

 

 僕は膝に魔剣を形成すると、そのまま相手の鳩尾を狙って攻撃を仕掛ける。

 

 距離が詰まったからこそ出来る攻撃だ。そして防御に使っている銃剣では防げない。

 

 迎撃するならば銃を手放すことを視野に入れないといけないけど、武器さえなくなれば押し切れる自信はある。

 

 さて、これで詰みだ。

 

「チィッ!」

 

 相手もそれに気づいたのか、舌打ちをする。

 

 ……そして、適切な対応を行った。

 

 彼は、銃を()()()

 

 その事実に僕は一瞬の隙を見せてしまう。

 

 そしてそれを、彼はもちろん見逃さなかった。

 

「っしゃぁ!!」

 

 その隙をついて、彼は後方に飛びのくのではなく聖魔剣をかすめさせながらも更に密着する。

 

 そして僕にしがみついたと思ったら、浮遊感を僕は感じだ。

 

 しまった、これは―

 

「実戦でこんなの使うとは―」

 

 プロレスの―

 

「―思わなかったぜ!!」

 

 フロントスープレックス!?

 

 衝撃に息をつめながら、僕は未熟を痛感する。

 

 まさか一種の劇である、プロレスの技をもらう事になるとは。未熟以外の何物でもない。

 

 勝負を焦った結果、逆に相手の攻撃を喰らうだなんて。師匠に知られたら説教を喰らう事は間違いない。

 

 そして、これは確実にまずい。

 

 僕の防御力では有効打を一撃もらうだけで大きく危険域に到達する。はっきり言って足がふらついている。

 

 そして、敵は素早く小銃を生み出した。

 

 まさか、あれは神器なのか!?

 

 油断した。聖書の神が作り出した神器である以上、近代的な武装は存在しないと思い込んでいた。

 

 ……どうやら神器システムは、日々自動でアップデートしているらしい!!

 

 そして、敵は僕を狙って勢いよく銃剣を突き出し―

 

「甘い!!」

 

 僕はそれを、頭突きで迎撃する!

 

 もちろんただの頭突きじゃない。

 

 頭に角のようにはやした聖魔剣を用意している。しかも形状はソードブレイカーだ。

 

 それによるカウンターで動きを再び止めると、僕は地面から聖魔剣を生み出して反撃する。

 

 敵は素早く前転してかわし、ヒロイ君達が破壊した穴から外に飛び出る。

 

 遠距離戦闘に持ち込む気か。そうはいかない!

 

 僕は素早く翼を広げて外に飛び出す。

 

 翼による飛行なら、足ががくついていても問題ない。それに三次元的な飛行なら、ある程度は敵の射撃戦にも対抗可能だ。

 

 そう思った僕の目の前に―

 

「―あ」

 

「え…‥?」

 

 なぜか吹っ飛んできたヒロイ君が映った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アッぶねぇ!! 木場と激突しかけた。

 

 ぎりぎりで磁力制御が間に合ったからセーフだったけど、交通事故じみた接触は紙装甲の木場にはきっついからな。

 

 くそ、あばらにひびが入りやがった。単純なパワーなら禁手状態のディオドラに匹敵しやがる。

 

「木場、無事か?」

 

「君こそ大丈夫かい? お互い良いのをもらったみたいだね」

 

 そう言いながら、俺達は甲板上の敵を睨み付ける。

 

「おいおいジェームズ、お前さんもてこずるたぁ、グレモリー眷属ってのはガキのわりに中々やるみたいだなぁ」

 

「馬鹿、お前敵の前で名前とか名乗るんじゃない」

 

 キュラスルにそう指摘するジェームズとかいうのは、そう言って舌打ちすると、時計に視線を向ける。

 

 そして、ため息をつくとキュラスルの肩に手を置いた。

 

「時間だ。撤収するぞ」

 

「……チッ。もうちょっと遊びてえが、仕方がねえか」

 

 あ? もう逃げる気か?

 

「逃げる気かい? 今なら僕達のどちらかは倒せるんじゃないかな?」

 

「馬鹿か。お前ら倒す前にお前らの仲間がこっちに来るっての」

 

 木場の挑発に乗らずに、ジェームズとかいうのはすぐにキュラスルと一緒に走り出し。

 

 んの野郎、逃がすか!!

 

 そう思ったが、それより先に護衛艦の後部から霧が展開される。

 

 チッ! 流石に絶霧はヤベえな。

 

「楽しかったぜ、聖槍使い!! 今度はお互い禁手も使って殺し合おうや!!」

 

「できれば使わせずに倒してくれ。そいつ強敵って話だろうが」

 

 別れの言葉を告げるキュラスルと、それにぼやくジェームズ。

 

 その言葉を最後に、敵は撤収しやがった。

 

「……見逃してもらった、いや、向こうが逃げの手を打ったってだけだかな?」

 

「イリナとゼノヴィアはコルベットを制圧したってことだろうよ。もしくは、乗員を逃がすまでの時間稼ぎってことだろ」

 

 最初からマジでやり合う気はなかったってこった。

 

 どうやら、今回の件は失敗するならそれでも構わねえって程度の作戦だったみたいだな。

 

 しっかし、旧魔王派の離脱を促進しかねない、旧魔王末裔の亡命をスルーするたぁどういうこった?

 

 ……まさか、敵の中にはすっげカリスマを持った旧魔王末裔がまだ残ってる……とかねえよなぁ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして帰った俺達を待っていたのは、お嬢達のところに行く為の転移魔方陣だった。

 

 なんでも、儀式は大成功したらしい。全部大した問題もなくクリアーとか。

 

 これでイッセーはお嬢の婿の資格を正式に得たって事か。なるほど、そりゃよかったな。糞羨ましい。

 

 だけど肝心のイッセーはどういうことか全くわかってねえ。

 

 お嬢からしてみりゃ、かなりぐぎぎ展開だな。そこに関しちゃ同情しますぜ、お嬢。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しっかし、結局俺達はその旧魔王末裔とは会えなかったぜ。

 

 ……できりゃぁ、ちょっとぐらい挨拶してPRしたかったんだけどなぁ。

 




ヒロイの推測でヴィクターの考えはほぼあたりです。誰がいるかは皆様の予想通りかと。
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