ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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はい、それではパンデモニウム編へと突入します!!

まずはイッセーとサイラオーグの模擬戦からですね。


第三章 26

 

 ふぁあ、眠い……。

 

 俺はあくびをかみ殺しながら、グレモリーの城でお茶会をしていた。

 

 どうもこの手の高級的な感じには慣れねえなぁ。英雄としては授賞式とかには出なきゃなんねえから、貴族の流儀にも少しは慣れねえといけねえんだがよ。

 

 やっぱこういう時は地が出るな。どうにも慣れねえ。

 

「ヒロイ。お父様の前なのだから、少しはキチッとしなさい」

 

「どっかの誰かさんが夜に喧嘩してるから寝不足なんすよ」

 

 俺はお嬢に文句をつける。

 

 夜寝ようとしたら、イッセーを巡っての恋の鞘当ての騒音に巻き込まれて寝不足なんだよ、俺は。

 

 いつもお嬢とアーシアで川の字なんだから、たまには譲ってやれよ。イッセーのハーレム形勢は認めてんだろ。

 

 その揉めに揉めた声が聞こえて、俺は寝不足なんだよ。

 

「はっはっは。リアスはまだまだ無邪気で可愛いものだ。ヒロイくん、良ければ部屋を貸すから仮眠でも取るかね?」

 

「いえいえ。さすがにそこまで図々しくはなれねえですわ」

 

 俺は遠慮するけど、ちょっとそれもいいかもと思ったのは秘密だ。

 

 ちなみに、ロスヴァイセさんは悪魔からヴァルキリーを輩出することすら視野に入れているなど将来設計は豊かだ。

 

 この辺、英雄になってから何をするかを考えてねえ俺は参考にするべきかねえ?

 

「ああ、そういえばサーゼクスが帰ってきているんだ。帰る前に会っておくといい」

 

 と、親父さんが言ってくれたので、父親に会いたいミリキャス様と一緒にサーゼクス様に会いに行くことに。

 

 しっかし広いなこの城。ぶっちゃけ生活するのにこんなにデカくする必要あんのかねぇ?

 

 などと思いながら一緒に歩いてきてみれば、サーゼクスさまがガタイのいい男と談笑していた。

 

 誰だったっけ? 確かどっかで見た気がするんだがよ……。

 

「おお、若手最強のサイラオーグ・バアルッス! 生で見たのは初めてっすね!!」

 

「あれが、若手悪魔最強の男……」

 

 ペトの言葉に、姐さんが目を細める。

 

 俺もそれで気が付いた。ああ、お嬢の再従兄弟のバアル家出身とかいうやつか。

 

「サイラオーグも来ていたのね」

 

「ああ。今度の俺たちのレ―ティンゲームの件で話をしていてな」

 

 と、サイラオーグ・バアルとお嬢が挨拶する。

 

「彼はわざわざバアル領原産の果物まで届けてくれてね。リアスも機会があったらバアル領迄顔を出すといい」

 

 と、サーゼクス様はミリキャス様をあやしながら言って、そして次に進める。

 

「話の内容はこういう物だ。……次の2人のゲームは、戦闘能力を制限するルールを除外したいといっている」

 

 その言葉に、俺たちは目を見張った。

 

 若手の中でも火力なら、お嬢たちは最強格だろう。

 

 雷光の朱乃さん。消滅のお嬢。デュランダルのゼノヴィア。そして、赤龍帝のイッセー。

 

 火力においては若手どころか、下手な最上級悪魔の眷属すら凌駕する、圧倒的大艦巨砲主義チーム。それが、リアス・グレモリー眷属だ。

 

 そのお嬢たちを相手にするのに、わざわざ制限が付けられる可能性を除外するだと?

 

「そうだ。赤龍帝の乳技も、そこのハーフヴァンパイアの眼も、全部ぶつけてほしい。それでこそ、バアル家次期当主の戦いだろう」

 

 すっげえなこの人。

 

 根性あるっつーか、度胸がある。

 

 一般的な英雄のイメージはこういう人のことを指すんだろうな。そう言う感じだ。

 

「ぼ、僕の眼まで許容するなんて逆に怖いですぅうううう!!」

 

 ギャスパー。お前は俺の背に隠れないでくんない。

 

「ははは。しかし、是はいい機会かもしれないな」

 

 と、サーゼクスさまはイッセーとサイラオーグをみて、ほほ笑んだ。

 

「そういえばサイラオーグは、イッセー君の拳を味わってみたいといっていたね」

 

 ほう? そんなこと言ってたのかこの旦那は。

 

 あの魔王すら超えると言われている、二天龍が片割れ赤龍帝とやり合いたいか。

 

 すっげえ根性だな、すっげえよまじで。

 

「ちょうどいい。ここで一度手合わせしてみないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして手合わせを見ている俺たちだが、しかしすげえ。

 

 真っ向勝負上等といわんばかりに、イッセーが禁手に至るまでの時間を何もせずに待機。そして味わいたいと言ったことに嘘はなく、あえて真正面から受け止めた。

 

 そして、そっから反撃の拳が巻き起こる。

 

 かすめただけでイッセーの鎧にはひびが入った。コレ、マジですげえな。

 

 俺の聖槍なら高確率で貫ける自信がある。姐さんも本気を出せば砕くことができるだろう。

 

 だが、それは聖槍及び龍殺しのオーラを使うことが前提だ。しかも格上の神滅具というおまけつきだ。

 

 そんなもんがないただの物理攻撃で、あの野郎はイッセー相手に優勢に立ち回ってやがる。

 

 しかも、しかもだ……。

 

「……あれ、リアスが夏休みの特訓でつけてたのと似た術式ね」

 

 属性やオーラに精通する神滅具を研鑽した姐さんが、その特性を把握していた。

 

 あの野郎。寄りにもよってギプスを付けた上で戦ってやがる!?

 

 手加減ってつもりはねえんだろう。おそらくだが、あくまで手合わせだからこそだ。

 

 つってもまさかここまでとはな、サイラオーグ・バアル……!

 

 お嬢たちも目を見張って、全体的に苦戦しているイッセーを不安げに見つめていた。

 

 おいおい、こりゃ俺も槍王の型を連発するか、さらにパワーアップさせるかしねえと勝ち目がねえぞ。

 

 これが若手最強のサイラオーグ・バアル。魔力を生まれ持たなかった代わりに、徹底的なまでに体を鍛え上げた最強の猛者。若手最強の上級悪魔……!

 

 魔力というアドバンテージ抜きに、悪魔はここまで強くなることができるのかよ!?

 

「……センスは見えるわ。だけど、ペトの狙撃に匹敵するほどの素質ではないわね」

 

 姐さんは、息をのんでその光景を見る。

 

 あの赤龍帝が、神にすら評価された神滅具の使い手が、しかし苦戦を強いられている。

 

 そこに才能はある。確かにある。

 

 だが、それ以上にここまで築きあげるだけの努力がある。

 

「あそこまでの努力、やれと言われてできるものじゃないわ。……よほどの強迫観念に迫られでもしない限り、努力するのにも才能はいるもの」

 

「お姉様……」

 

 悔し気に歯をかみしめながら、姐さんはその光景を目に焼き付けようとする。

 

 それは、まるで自分が手に入らなかったものを見る、嫉妬の感情だった。

 

「あれだけの努力。……やれと言われてできるものじゃないわ。……何があれば、そこ迄修練を積み続けることができるというの……?」

 

 もうその目は、怒りを通り越して自分に対する哀悼の色があった。

 

 

 

 

 

 

 ……と、そこ迄行けばシリアスだったんだがそこはおっぱいドラゴンだ。

 

 なんかよくわからねえが、女王じゃなくて戦車にプロモーションしてから状況が変わった。

 

 少なくとも今までのような一方的な戦いではなくなった。サイラオーグ・バアルにもダメージが入るようになった。

 

 何か知らんが、そっちの方がイッセーには効果的なようだ。

 

 そしてイッセーは素直に褒められて、なんか戸惑ってた。

 

「どうした? 俺が相手では不服か?」

 

「い、いえ……。俺、上級悪魔と戦う時はいつも舐められてたんで、なんかまっすぐ見られてんのが不思議な感覚で……」

 

 ああ、そういやそうだな。

 

 ヴァーリなんて下に見すぎて両親殺して焚き付けようとしてたしな。

 

 ディオドラも終始舐めてた。なにせ禁手を使ってこなかったしな。三人がかりなのにだ。

 

 ライザーってのはよくわからねえけど、この調子だと結構舐めてかかってたみたいだな。

 

 そして、サイラオーグバアルは不敵に笑う。

 

「そうか。お前は不当に評価されていたのだな」

 

 そして、真向からイッセーを見返した。

 

「安心しろ。あのアースガルズの悪神ロキ相手に生き残ったお前を、どうして低く見積もることなどできるか」

 

 そういうと、サイラオーグ・バアルは拳を構えなおす。

 

「さあこい! おまえの拳に対して、俺もまた真剣に答えよう!!」

 

 おいおい。この調子だとあの野郎、リミッターを解除することも考えてるんじゃねえだろうな?

 

 レ―ティンゲーム前に隠し玉全部出すとか、豪快すぎんだろ両方とも!!

 

 そう思った瞬間だった。

 

「イッセーさん! おっぱいです!!」

 

 ―渾身のアーシアの言葉が、全ての空気をぶち壊した。

 

「リアスお姉さまのおっぱいをつついてください! そうすれば、イッセーさんなら絶対負けません!!」

 

「なるほど! イッセーとくればリアス部長のおっぱいだ。リアス部長! スイッチ姫のお役目を果たしてください!!」

 

「そうね。イッセーくんの煩悩はパワーの源だわ」

 

「イッセー先輩! おっぱいです!!」

 

 と、アーシアから始まってゼノヴィアやイリナやギャスパーが口々におっぱいコール。

 

 あれ? なにこれ?

 

「あのねえ。あなた達今は真剣勝負なのよ?」

 

「私達は真剣です!! おっぱいの力で逆転するんです!!」

 

 頭を抱えた姐さんのツッコミに、真向からアーシアは反論した。

 

 いや、お前らそれでいいの?

 

 俺は確かにすごい納得だけどよ?

 

「本当に、乳をつつくとパワーが上がるのか?」

 

 サイラオーグも何とも言えない表情になってるじゃねえか。

 

 だが、小猫ちゃんがその目を真正面から見返してうなづいた。

 

「……本当です」

 

 言いやがった。

 

 さすがは禁手になる光景を至近距離で見た小猫ちゃんだぜ。説得力が違う。

 

「毎度こういうノリなのですか? アースガルズにはない文化なんですが」

 

「ははは……。まあ、僕らの定番パターンかな?」

 

 木場。ロスヴァイセさんに特殊すぎる文化を教えるな。

 

 いや、どうせあと一回や二回はなるだろうしな。今のうちに慣れさせた方がいいのかねぇ。

 

「あらあら。それでどうするの、リアス?」

 

「い、イッセーが望むなら……私は……っ」

 

 おいおい。覚悟入っちゃってるよ、オイ!!

 

「いやいや。イッセーも流石にこれは空気アレすぎて無理っスよ。……ねえ?」

 

「え、え? えっと……俺は部長がOKなら、つつきたいです!!」

 

 ペトのフォローを無にするんじゃねえよ!!

 

「な、なんか……すんません」

 

 俺は謝るしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……ちなみに、これで空気がいい意味で入れ替わったのか、手合わせはお開きになった。

 

 しかしまあ、シャレにならん化物だぜ。

 

 サーゼクス様が言うには、簡単な手合わせで自慢の魔力が効かなくて心が折れた上級悪魔もいっぱいるとか。ま、当然っちゃあ当然だな。

 

 だが、こんな奴を相手にイッセーたちは勝たなきゃならねえんだから大変だな。

 

 ……がんばれ、イッセー。俺は応援してる。模擬戦もしてやる。

 




リセス「あれだけ過酷な鍛錬を積める精神力がうらやましい……」
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