ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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さあ、京都に行こう!


第三章 27 真相を知られた後のイッセーの冥福を祈る。

 

 そして修学旅行当日。俺たちは東京駅で、お嬢の見送りを受けていた。

 

 ……因みに、意外と護衛のメンツがいるにもかかわらず、空気は和やかだった。

 

「よお! 学生のみんな!! 俺がバチカンから派遣された護衛のネロ・ライモンディだ!! ゼノヴィアとイリナは久しぶりだな」

 

「ネロか。護衛というのはお前たちか」

 

 と、ゼノヴィアと護衛の一人が知り合いだということが発覚して、そのネロとかいうのが質問攻めにあいかけたからだ。

 

「はいはい。ちょっとその辺は職務規定に違反するからノーコメントなぁ。ネロも余計なこと言うなよ」

 

 護衛団の一人がそう言って収めたが、こりゃ俺たちの情報を開示する日も近いかねぇ。

 

 ちなみに粋な計らいってやつか、バチカンから派遣された護衛団は全員十代だった。

 

 十代の護衛団ってのも国際条約的にあれって感じだけどよ。これなら生徒たちの緊張感ってのは低くなるのから有効か。

 

「よ、ネロ。久しぶり」

 

「おうヒロイ! お前がいるならお前らの班には護衛はいらないか?」

 

「それに関しちゃ大丈夫だ。面子が面子だからな」

 

「ああ。ま、お前はちょっと気に入らないけど、腕は確かだもんな」

 

 俺はネロと簡単にあいさつを交わしてから班に戻った。

 

 まあ、あのネロはイリナと同じくセラフの(エース)やってるからな。若手悪魔祓いの中じゃあシャレにならねえ奴だ。

 

 まあ、かのヴァスコ・ストラーダ猊下から直々に技を教えられた存在だから、そのストラーダ猊下が気に食わねえ俺とは一種のライバル関係だがな。

 

 聖拳と聖槍の戦いは激しかった。模擬戦で思わずトレーニングルームをぶち壊して、説教されたのもいい思い出……じゃねえな。

 

 金が入るようになったことで、バチカンから「修復費払って」といわれたことを思い出した。おのれ、いろいろ大変ってことは理解るがケチんぼめ。

 

「ヒロイ。お前知り合いなのか?」

 

「ああ。俺孤児院出身なんだけど、教会の系列でな。アイツとはその縁でちょっと揉めたことが。詳しいことは職務事項に引っかかるから秘密ってことで」

 

 松田にそう返して、俺は一旦お嬢たちのところに向かう。

 

 そして、お嬢は苦笑を浮かべていた。

 

「これはまだするかどうか決まってないのだけれど、駒王学園の防衛戦略の一環として、元悪魔祓いのメンバーがそうだということをあえて漏らすことを考えているそうよ」

 

 なるほど。やけに口が軽いと思ったらそれが原因か。

 

 確かにもう、いろいろと情報は公開されて来てるからな。俺たちに関していえば少しぐらいはばらしてもいいだろう。そういう仕事をしてるわけだしな。

 

 つっても転生天使とか悪魔関係はもっと時間をかけてってのが上の意向ではある。なにせそこまでばらすと、学生生活が難しくなるからな。

 

 駒王学園関係でばらすとするなら、まずは駒王学園に在籍している人間の異形関係の関係者を紹介する方向で進むはずだ。魔物使いとか、退魔師とか。

 

 たしか一年には五代宗家の出身がいたはずだ。そいつとかを基本として、さらに数年後に在籍している悪魔などの情報を公開することになるだろう。

 

 イッセーたちが転生悪魔だということが知られるのは、大学部に入ってからになるはずだとさ。

 

 それが、高校生活位は楽しませてやりたいという、サーゼクス様達の計らいってやつだ。

 

 で、俺たちはお嬢から京都のフリーパスってのをもらった。

 

「それがあれば、悪魔や堕天使でも京都で自由に過ごせるわ。制服かスカートの裏ポケットにしまっておきなさい」

 

 ホントに至れりつくせりだ。

 

 そして、緊急時のイッセーのサポートのために、代理の王としての証明書をアーシアに渡す。

 

「さて、それじゃあ俺は先に行ってるんで、行ってきますぜ、お嬢」

 

「ええ。何かあったらすぐに連絡して頂戴」

 

 了解、お嬢。

 

 さて、そういうわけで真っ先に席を確保しに、俺は一歩先に向かう。

 

 そうしてると、ペトが俺の隣に並んできた。

 

「お前はもうちょっといてもいいんだぞ?」

 

「お構いなくッス。ここは眷属水入らずが一番ッスしね」

 

 なるほど、気を使ったのか。

 

 でも、イリナは普通に残ってるぞ? 是だと意味なくないか?

 

「そういえばヒロイ。お姉さまのことっすけど」

 

 ん? なんだなんだ?

 

「……こっそり休暇を取ってたっす。それも、関西地方の観光名所を調べてたっす」

 

 ………。

 

「万が一のためにこっそりカバーする気なのか?」

 

「面倒ごとしょい込みたがる苦労性なんすよ」

 

 そうため息をつくと、ペトは俺に苦笑を浮かべた。

 

「そんなわけなんで、いざという時はお姉さまに相談するッス。自分もそうするッスよ?」

 

「了解。ま、何もなければ姐さんも普通に観光できるだろ」

 

 ああ、そうであることを祈るぜ、ホントによ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして俺は新幹線の中、高速で変わる景色を楽しんでいた。

 

 つっても長い間運ばれてるとのどが渇くんで、水を飲みにちょっと席を離れる。

 

 と、そこでネロと出くわした。

 

「よぅ! ヒロイ」

 

「おぅ、ネロ」

 

 俺たちは軽く挨拶を交わすと、そして軽くにらみ合う。

 

 ぶっちゃけいうと、俺はネロが苦手だ。一方的に距離を置いているといってもいい。

 

 なにせ、ネロはあのストラーダ猊下の指導をよく受けている。デュランダルの使い手のゼノヴィアよりも受けているんじゃねえかって思うぐらい受けている。なんかすごい技を伝授されたらしいってぐらいにはうけている。

 

 そして、俺はストラーダ猊下のことが好きじゃない。ぶっちゃけかなり苦手だ。

 

 そういうわけで距離を取ってるんだが、ネロの奴はかなりフレンドリーな性分だからな。

 

「学生生活楽しんでるか? お前、勉強好きだから満喫してるだろ」

 

「当然だ。そう言うお前はラファエル様の(エース)なんだってな」

 

 同期じゃイリナに匹敵する大出世だ。普通に自慢になる。

 

 当然、ネロにしても誇らしい限りだろう。ちょっと自慢げだ。

 

「まあな! そして、俺はさらにやることがあるんだぜ?」

 

 そういうと、ポケットからアメコミのヒーローのようなマスクを取り出した。

 

 そして、勢いよくかぶる。

 

 似合ってるな。だけどここでかぶると悪目立ちするぞ。ぶっちゃけ、変質者にしか見えねえ。

 

「これはキャプテン・エンジェル!! 天界でもおっぱいドラゴンみたいなヒーローを作ろうって話が合ってな! 俺が立候補したぜ!!」

 

「ここでやるな!」

 

 悪目立ちにもほどがあるわ!!

 

「……で? 悪魔祓い関係者の中で有名どころはお前だけか? 意外と警護が甘いんだな」

 

「そういうなよ。第一お前らがいるなら百人力だろ? 猊下もお前の実力は認めてんだぜ?」

 

 と、ネロははっきり言いきるが、しかし周囲の視線を気にすると、小声になった。

 

「……それに、ジョーカーは先に京都に行って京料理食べてるからよ。何かあったらあの人が何とかするさ」

 

 へぇ。

 

 ジョーカーってことは、やはり転生天使には切り札的な人員がいるってわけか。

 

 ストラーダ猊下か? クリスタリディ猊下か? それとも神滅具持ちのデュリオの奴か?

 

 まあ、あの三人ならだれが選ばれてもおかしくねえ。それだけの化け物共だからな。

 

 そんなのがいるなら、京都はたぶん大丈夫だろ。……下手にテロを仕掛ければ、まとめてぶちのめされるのが目に見えてるな。

 

 さて、それじゃあ水呑んで戻るとする……か………っ!?

 

 俺は、突然の衝動にうずくまる。

 

 な、なんだこれは!? 

 

 俺じゃない俺が頭の中で叫ぶ。俺が本来こんなところで考えるはずのない衝動が暴れまわる。

 

 まずい。このままだと俺は正気を失う……っ!!

 

「おい! ヒロイ、どうした!?」

 

「ネロ、敵の精神攻撃だ……っ」

 

 くそ、場合によってはネロに俺の介錯を頼むしかねえ。

 

 この精神攻撃は凶悪だ。一歩間違えれば、俺は英雄として生きていけなくなる……!

 

 その前に俺を殺してもらわねば。そんな暴走をするぐらいなら、俺は死を選ぶ!!

 

「ネロ、俺を倒してくれ。……俺が………俺が………っ」

 

「しっかりしやがれヒロイ! 馬鹿なこと言うな!!」

 

 時間がない。

 

 頼むネロ。俺を倒せ。

 

 俺の衝動が限界を超える前に、そう、俺が―

 

「おっぱいをもむ前に!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほいっす」

 

 

 

 

 

 

 

 

 その瞬間、やらかい感触とともに衝動が霧散した。

 

 はっ! なんだこの柔らかい感触は!? 新触感!!

 

 柔らかいものに俺の頭がうずまっている。そして、おっぱいをもみたい衝動があっさり霧散した。

 

 思わず顔を上げれば、そこにはペトが俺の顔を胸にうずめていた。

 

「なんかよくわからないっすけど、これが若さっすね。しっかりするッス」

 

「いやいや。これは敵の精神攻撃だって。だって俺、その辺はしっかり分けて考えられるし」

 

 英雄を目指すものとして、プレイボーイの作法ぐらいは守るぜ? 信じてくれよ。

 

 おいやめろ。その「わかってるから」って顔やめろ。俺は三馬鹿じゃない。

 

 くそ、信じてくれよ。

 

「……悪いヒロイ。俺は天使だからそういうのは―」

 

「だから精神攻撃だって言ってんだろ!!」

 

 クソ、誰か信じてくれぇえええええええ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は結局、ネロはおろかペトにも信じてもらえなかった。

 

 さんざん童貞卒業したいといってたのが悪かったらしい。どうも、あいつらの中で俺はトチ狂ってそういうことを言いだしかねないキャラだと思われてるみたいだ

 

 なんてことだ。未来の英雄たるこの俺が、そんなことをすると思われてるとは。信じがたい風評被害だ。

 

 俺はそんな感じで落ち込んで、バカ騒ぎをしているイッセーたちのところに戻る。

 

「おい、何やってんだ?」

 

「ああ、ホテルについてから見るエロビデオの予定を話してるんだ」

 

 俺はこの憤りのない感情をこめて、全力でぶん殴った。

 




………まあ、そういうことです。題名的にもね。

ある意味理由はあるけど理不尽な暴力がイッセーを襲うことが確定しました。

ヒロイ「イッセー絶許」
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