ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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第三章 32

 

 そして次の日、俺は寝不足で欠伸をした。

 

 ただでさえモヤモヤした事をペトに言われた挙句、戻ったら戻ったで、イッセーが三人娘と一緒にロスヴァイセさんに説教されてたからな。

 

 なんでも押し入れの中で半裸になって絡まってたとか。

 

 イッセーの奴、天使まで誑し込む気かよ。どんだけハーレムのバリエーションを広げる気なんだ、オイ。

 

「マジ眠い。なんでお前らの説教に俺まで巻き込まれなきゃならねえんだよ」

 

「待ってくれ! あれは俺も何が何だか分らなくて―」

 

 イッセーがしどろもどろになって言い訳しようとするが、まあそれはいい。

 

 こういう阿呆なアプローチをするのは、基本的にゼノヴィア達の側なのは分かってるからな。イッセーは基本巻き込まれる側だ。

 

 まあ、変則的ではあれど好意だけは隠していないあのアプローチを天然スルーするイッセーはイッセーで問題だらけだがな。

 

 さて、それで俺達はちょっと待機中だ。

 

「それで、兵藤にカッシウス。誰か待ってるの?」

 

 と、ちょっと業を煮やした桐生が俺達に詰め寄ってくる。

 

 ちょうど、そのタイミングだった。

 

「ペッちゃん!」

 

「あ、小犬ちゃん!」

 

 駆け寄ってきた小犬が、ペトに勢い良く抱き着いた。

 

 ペトも勢い良く抱きしめ返して、二人してにっこりと笑う。

 

 そして、その光景を見て松田と元浜が驚愕の表情を浮かべた。

 

「なんと!? ペトがエロ的な表情を浮かべてねえ!!」

 

「完膚なきまでに純真な少女の笑顔! あんな笑顔も出来たのか!!」

 

 まあ、お前らとペトはエロ友達だからな。エロい表情ばっかり見てたとしてもおかしくないな。

 

「小犬! お主は私の護衛であろう! 置いていくでない!」

 

 と、慌てて追いかけてきた九重が、小犬に文句をつける。

 

 ははは。小犬って結構餓鬼っぽいからなぁ。こういう時はつい忘れちゃうか。

 

「なんだイッセー? こんなちっこい子をナンパしたのか?」

 

 松田が怪訝な表情をイッセーに向ける。

 

 確かに、どう考えてもナンパするような歳の子供じゃねえしな。まず間違いなく事案案件だ。

 

 第一イッセーはおっぱい星人だからな。ロリッ子は範囲外だろう。

 

 そう、ロリっ子が本命なのは元浜の方で―

 

「はぁはぁ(*´Д`) ちっこくて可愛いな~」

 

 元浜が暴走した!?

 

 いかん、九重に阿呆が手を出した何て知られれば、大問題に発展する!!

 

 慌てて俺が引きはがそうとしたその時、それより先に桐生が元浜を弾き飛ばして九重に抱き着いた。

 

「や~ん! 可愛い~!」

 

「こ、こら! 馴れ馴れしいぞ小娘!」

 

「しかかもお姫様口調だなんてキャラも完璧!!」

 

 おい、もしかして桐生ってそっちの趣味か!?

 

 いやしかし可愛いのは同意だ。見ててほっこりする。

 

 そして女の子同士の絡みも萌える。ああ、これがジャパニーズ文化、萌えか。

 

「ペッちゃんのおっぱいおっきいよね~」

 

「褒めてくれるとは嬉しいっすね~。はいぱふぱふ~」

 

 こっちは微妙にエロくなってるぞ!!

 

 と、とりあえず引きはがし、そして自己紹介。

 

「コイツは九重と小犬。俺やアーシア達のちょっとした知り合いなんだ」

 

「今日はこの二人が京都案内をしてくれるってよ」

 

 俺とイッセーがそう言って説明する。

 

 いや、正直京都はそれどころじゃねえとも思うんだが、しかし結構気を使ってくれているみたいだ。

 

 是には感謝しねえとな。

 

「ああ、頼むぞ九重。期待している」

 

「よろしくお願いしますね」

 

 ゼノヴィアとアーシアも、今日の観光は楽しみっぽいな。

 

 なにせ、実際に京都暮らしをしている二人が案内してくれるんだ。こりゃガイドとしてゃ優秀だぜ。

 

「それじゃあ、京都観光三日目、スタート!!」

 

 イリナの元気のいい掛け声とともに、本格的な京都観光がスタートした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして天竜寺などを回り、俺達は今昼飯タイムだ。

 

「京都の豆腐うめえ!! これが、真の豆腐か……!」

 

 俺は日本の豆腐を舐めていた。やっぱスーパーの市販の代物とこういうところのは桁が違うな。

 

 グレモリーのお城で豆腐なんて出てくるわけがねえし、さすがに鮮度じゃ後れを取るだろう。しっかり味わっておかねえと……。

 

「ここの湯豆腐は絶品じゃからな! 私は毎日湯豆腐でも平気じゃ」

 

 と、元気よく九重が言ってくれる。

 

 確かに湯豆腐美味いな。今度家に帰ったら作ってもらおうか……。

 

「……じゃが、一番大好きなのは母上が作ってくれた湯豆腐じゃ」

 

「八坂様、お料理上手だもんねっ」

 

 ……その二人の何気ない言葉に、俺達はしんみりする。

 

 禍の団が何を企んでいるのかはわからねえが、やり合う時になったら遠慮はしねえ。

 

「はい小犬っち。あーん」

 

「小犬ちゃんあーん」

 

「あーんっ! うん、美味し~!!」

 

 小犬、それは餌付けだぞ。

 

 桐生は落ち着け。ペトも、友達を何だと思ってるんだ。

 

「こ、小犬ちゃん……あーん!」

 

「お前は事案案件だからやめろ」

 

 具体的には顔があれだぞ、松田。

 

 やっぱお前スケベだ。根っこからスケベだこいつ。

 

「九重ちゃ~ん? あ~ん」

 

「お前はマジでやめろ」

 

 元浜は事案案件通り越して事案確実だからやめろ。

 

「ふむ、一見すると同じ行為なのに、やる相手が変わるとまったく違って見えるな」

 

「そうね。これが現実の悲惨さってやつなのね……アーメン!」

 

 ゼノヴィアもイリナも感心してないで止めてくれ。

 

「い、イッセーさん! あーん!!」

 

 アーシア、どさくさに紛れていつの間にそんなに大胆に……。

 

 と、そんなこんなで昼飯の湯豆腐も食べ終わり、俺たちは退店しようとすると―

 

「お、イッセーもこっちにいたのか」

 

「ペトも食事中。一緒の席で食べればよかったわね」

 

 と、姐さんとアザゼル先生が一緒に食事を……って。

 

「教師が昼酒はいかんでしょう!!」

 

 イッセーのツッコミが響き渡る。

 

 あのオッサン、酒飲んでやがる。

 

 しかも姐さんに一緒にだと? うらやまけしからん!!

 

「イッセー君の言う通りです。この人達、何度言っても聞かないんですよ」

 

「あら、私は本来休暇で来てるんだから、文句を言われる筋合いはないわよ?」

 

 あ、ロスヴァイセさんを軽くスルーしてる。でも姐さん、日本酒って酔いつぶれやすいって聞くぜ?

 

 そしてアザゼルに関しては職務中だから完璧アウトだろう。告げ口してやろうか。

 

「まぁそういうなよ。ちょっとした休憩だ」

 

 と、さらにおちょこに酒を注ぐアザゼル先生。懲りてねえな。

 

 それに業を煮やしたのか、ロスヴァイセさんが強引にお猪口を奪い取り―

 

「貴方に飲ませるぐらいなら私が飲みます!!」

 

 ―って飲んだぁああああ!?

 

「―ひっく」

 

 え? ちょっとまって?

 

 今呑んだのおちょこいっぱいだよな? 普通に考えて酔っぱらったりしねえよな?

 

 酒に弱すぎだろぉおおおお!?

 

 一杯っつーか一口で酔っぱらうとか、マジか? お酒ってそんなに効果あんのかよ!?

 

「らいらいれしゅね? わひゃひはオーディンのクソジジィのおちゅきをしれるころからおしゃへにりゅきあってれすね」

 

 ろれつが全く回らねぇええええ!!!

 

 何言ってんのか全く分からねえよ。どんだけ酔っぱらってんの、この人!!

 

「……アザゼル。責任取るわよ」

 

「……だな。ほら、お前らさっさと行け。愚痴には俺が付き合うからよ」

 

 姐さんの諦めの声に賛同したアザゼル先生に追い立てられ、俺達は飯屋から退出した。

 

 うん、あれは俺らにはどうしようもねえだろうしなぁ。

 

「おしゃけじゅっぽん追加れ~!」

 

 しかも頼みすぎだろ……。

 

「お姉様……おいたわしや……」

 

「いや、大丈夫でしょ」

 

 相変わらず、ペトと小犬の姐さんがらみの温度差は激しいな。

 

 これで二人は仲のいいままだからなんかよく分らん。普通ならこれぐらいの温度差があると仲良くなりにくいんじゃねえか?

 

 皆、ロスヴァイセさんの酒癖の悪さにちょっと引いていたが、渡月橋を渡る頃にはだいぶましになっていた。

 

 しっかし、振り返ると知恵が吹っ飛ぶか。迷信だとは思うが、出来る限り振り返ったりしないようにするか。

 

 お、離れたところには木場の姿もある。意外なところで合流で来たな。

 

 よし、ちょっと挨拶して―

 

 その瞬間、霧が辺りを包み込む。

 

 そして霧が引いたと思ったその時には、既に周りから人が消えていた。

 

 松田も元浜も桐生もいない。木場の周りにも人がいない。

 

 ……これは、まさか敵襲か……っていうかそうだな。

 

 今の切りはまず間違いなく絶霧(ディメンション・ロスト)だ。だとすれば間違いなく禍の団だろ。

 

「この霧は……っ!」

 

「くっちゃん、下がって!」

 

 九重をカバーする小犬の後ろから、アザゼル先生と姐さんが駆けつける。

 

「お前ら! どうやら奴さん、仕掛ける気だ」

 

「酔い覚ましにしてはハードな運動のようねぇ」

 

 姐さんは余裕を見せているが、しかしこれは中々面倒な展開になってきたぜ。

 

 まさか真昼間から仕掛けてくるとはな。やってくれるぜ!

 

 そして霧の中、何人もの人影が見える。

 

 あるものはナイフを持ち、あるものは鉄球を持ち、あるものは斧を持っている。

 

 そして、その姿はおそらく全員が人間だ。

 

 ……英雄や勇者の末裔を中心として組織され、神器使いを雑兵として運用する、禍の団の派閥の一つ。それが英雄派。

 

 なるほど、英雄派様はここで俺達相手に仕掛けるつもりって事か!!

 

 そう思ったその瞬間、霧の向こうから莫大な聖なるオーラが放たれる。

 

 そして同時にアザゼル先生と姐さんが同時に防護を行った。

 

 障壁とオーラがぶつかり合い、同時に爆発する。

 

 そしてわずかに霧が散り、そしてそこからよく覚えている男が一歩前に出る。

 

 俺と全く同じ槍で肩をぽんぽんと叩き、あの時と同じ表情を浮かべて、俺達を見据える。

 

「……久しぶりだね、紛い物。……そして初めての顔も少し入るかな」

 

 その余裕の体勢のまま、あの男は……曹操は俺たちに対峙する。

 

「改めて自己紹介しよう。俺は曹操。三国志で有名な曹操孟徳の末裔だよ。……一応ね」

 

 ああ、会いたかったぜ、曹操……っ!!

 




改めて曹操登場。こっから本格的に強敵として出てきます。

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