ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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お待たせいたしました。今後の展開をいろいろ考えていたら、長くなりました。


第三章 34 京都大動乱

 

 なんかグダグダな雰囲気になったその時だった。

 

 突然川の水面が盛り上がると、いきなりなんかでかいのが起き上がった。

 

 なんだあれ? でかい石像?

 

「ありゃ、ゴグマゴグじゃねえか!!」

 

 アザゼル先生が目を見開いた。

 

 ゴグマゴグ? なんか悪役っぽい響きだな、オイ。

 

 つーか強そうだな。でかいこともあるし、やり合うとするなら姐さんのキョジンキラーがいるか。

 

 あれ、修復されてたよな?

 

「古の神々が作った古代兵器……。確か、あれは全部が次元の狭間で機能停止ていたはずだぞ?」

 

 怪訝な表情を浮かべるアザゼル先生の前で、転移用の魔方陣が浮かび上がる。

 

 そしてそこから、見慣れた姿が現れた。

 

「お久しぶりです、オカルト研究部の皆さん」

 

 そういって姿を現したのは、ルフェイ・ペンドラゴン!?

 

 なんでこんなところに? つか、ゴグマゴグと関係あるのか、オイ?

 

「曹操さん、ヴァーリ様から伝言を伝えに来ました」

 

 と、ルフェイは曹操に向き直る。

 

 伝言? にしては穏やかな雰囲気じゃねえんだが……。

 

 と、ルフェイは咳払いをした。

 

「邪魔だけはするなと言ったはずだ」

 

 ……声真似? これ、ヴァーリか?

 

 意外と似てるな。

 

 っていうか、わざわざ伝言で声真似する必要あるのか?

 

 そして、ルフェイはなんかにやりと笑った。

 

「私達のところに監視役を送り込んだ罰ですよー? ゴッくん、やってください!」

 

 その瞬間、ゴグマゴグが腕を振り上げ―

 

「いや、もとはといえばそっちが悪いだろうが」

 

 その言葉とともに、足を滑られてスッ転んだ。

 

 な、なんだぁ!?

 

 見れば、長可が聖槍をのばしてゴグマゴグの足を払っていた。

 

 この状況でもう判断したのかよ。すげえなオイ!

 

「あ、ゴッくん―」

 

「そして判断も遅ぇな」

 

 その瞬間、長可はルフェイを間合いに捉えていた。

 

 あ、これやばくね? 確実に抹殺コースじゃね?

 

「返答はお前の首で返してやるぜぇ!!」

 

 いきなりの急展開にルフェイが反応できない中、長可は遠慮なく聖槍を突き出し―

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―龍の鎧を纏った、イッセーの左腕がそれを受け止めた。

 

「……っ! 味方を殺そうとするか、普通!!」

 

「敵を庇うか、普通よぉ?」

 

 そのままお互いに距離を取る。

 

 つかイッセー。お前聖槍とかやばいだろうに、大丈夫か?

 

「大丈夫、イッセー君の左腕はドラゴンだから、悪魔の欠点は通用しないよ」

 

 そうか。納得納得。

 

 木場、説明ご苦労さん。

 

 そしてイッセーはルフェイを引っ張ると、俺達の側に移動する。

 

 ちょっと顔を赤くしたルフェイに向かって、イッセーは顔を向けた。

 

「ヴァーリ達にはアーシアを助けてもらったしな。これで貸し借り無し……いや、もうちょっとあるか?」

 

「あ……」

 

 ルフェイはちょっとぼんやりしてたけど、我に返ると右手を出した。

 

「なら、握手してください。私、おっぱいドラゴンのファンなんです!」

 

 え、そうなの?

 

 チームリーダーの宿命のライバルのファンとか、それでいいのかルフェイ・ペンドラゴン。

 

 そういやヴァーリも見てたって言ってたな。暇なのかあいつ等?

 

 あ、ルフェイがものすごく喜んでる。

 

 イッセーは少しあっけに取られてたけど、我に返るとすぐに指を突き付けた。

 

「オイコラこの野郎!! ヴィクター経済連合同士で何やってんだ!?」

 

「それは失礼。だが、ある意味君の所為でもあるんだよ、この事態は」

 

 イッセーに対して、曹操は平然とそう答える。

 

 あ? イッセー達の所為?

 

「……かの旧魔王派の暴走。しかしディオドラによる赤龍帝の制御はうまくすれば大きな戦果を上げれたと上は判断していてね。それを妨害したヴァーリチームは睨まれているのさ。俺たち以外にも監視している奴らはいたはずだが?」

 

「それについては、後程お仕置きする予定なんですが……」

 

 ああ、それが原因か。

 

 旧魔王派の独断だったからうやむやになったのかとも思ってたけど、冷静に考えれば利敵行為だよな。

 

 上に許可なくそんなことやってたら、そりゃ文句の一つも出るか。

 

「お前ら、組織人に向いてねえぞ」

 

「そ、そんな!?」

 

 流石裏切り者のヴァーリのチーム。アウトローが多すぎる。

 

 素直に謝ればいいものの、そんなことしてたらヴィクターからも追い出されるぞ。

 

 色々問題児が多いな。これはヴィクターに同情した方がいいんじゃねえか?

 

 ……いや、何も言わないでおこう。俺も問題児だったからおまいう案件になる。

 

 さて、とりあえず仕切り直しになったが、どうしたもんか……。

 

「ぅぃ~……ひっく」

 

 と、そこに後ろから声が聞こえた。

 

 なんか嫌な予感がして振り返ると、そこにはふらふらしているロスヴァイセさんの姿が。

 

 ……そういや、全然出てこなかったけどどういうこった?

 

 そんな時、俺の鼻はある臭いを捉えた。

 

 ……酒臭い!!

 

「人がいいきぶんで寝てるときにずどんばこ~んって……うるさいんれすよぉ!!」

 

 酔っ払いだぁああああ!!!

 

 しかも、完璧に絡み酒だぁあああああ!!!

 

 この先生、酒癖が悪すぎるぅううううう!!! お酒飲ませたらいけない類だぁああああ!!!

 

 お、おい。こんな状態で戦闘なんてできるわけが……。

 

「くーらーえー!」

 

 その瞬間、ロスヴァイセさんの背中から百を超える魔方陣が展開された。

 

 お、多すぎ!?

 

「北欧式魔術フルバースト! 全員まとめてふきとべぇええええ!!!」

 

 その瞬間、仮想渡月橋の半分が吹っ飛んだ。

 

 ついでに言うと残っていたドーインジャーも吹っ飛んだ。

 

 そして英雄派のメンバーは……吹っ飛ばない!!

 

 ぎりぎりのところで発生した霧が、その攻撃を受け止めていた。

 

 絶霧のゲオルク! まあ、俺達をこんなところに連れてきた以上、出てくるとは思ってたよ!!

 

「少々手はずは狂ったが、しかし祭りの始まりとしては上場か……」

 

「はっはっは! 確かに、これなら余興としちゃぁ十分だな」

 

 と、聖槍2人組が何やら悪だくみしてやがるぞ?

 

 くそ、九尾の姫様を使っていったい何を企んでやがる!!

 

 そう思ったその時、曹操が槍を掲げて声を張り上げた。

 

「アザゼル総督に赤龍帝達!! 俺達は今夜、二条城を利用して一つ大きな実験を行う!」

 

 実験だと? ……いったいなんだ?

 

「是非邪魔しに来てくれ! 俺達の理念としてはいい刺激になる!!」

 

「もっとも、あいつらをどうにか出来りゃぁの話だがな!!」

 

 長可の奴が不吉なこと言ってきたんだがぁああああ!?

 

 と、その瞬間に霧が発生する。

 

「お前ら! 武装を解除しろ! 通常空間に戻るぞ!!」

 

 アザゼル先生の声で、俺達はとっさに武装を解除する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして霧が消えて通常空間に戻った瞬間、俺達は武装を解除したのを後悔した。

 

「……な、なんだよ、これは!?」

 

 霧が晴れてから見えた景色に、俺達は愕然とした。

 

 京都の町から、大量に煙が上っている。

 

 それどころか、大量のドーインジャーが空を飛んで妖怪と戦闘を繰り広げている。……いや、違う。

 

「妖怪が……ドーインジャーと一緒に妖怪と戦っているですって!?」

 

 姐さんが愕然として、歯を食いしばる。

 

 おい、なんだこれは!? どういうことだ!?

 

「な、なんだこれ!? 霧が晴れたと思ったら……なんなんだよ!?」

 

 松田が、あり得ない光景にビビっている。

 

 当然だ。こんな光景をいきなり見せられたら、普通こうなるのが一般人の反応だ。無理もないっつーか対応できる方が無理だ。

 

「おい! スマートフォンのニュース見てみろ!!」

 

 元浜の声に、俺達は一斉にスマートフォンを取り出してワンセグを起動する。

 

 そこには、世界各国の都市でドーインジャーが異形の勢力とともに町を攻撃している光景が映し出されていた。

 

『緊急放送です! 本日日本時間14時に、この国の京都市を含めた世界各国の軍事施設や都市で、ヴィクター経済連合賛同者による反乱が行われました!!』

 

 アナウンサーの声に、俺達は唖然となる。

 

 長可の言っていたことは、これか!!

 

「ど、どうすんのよコレ!? どっかに逃げなきゃいけないけど、どこもかしこも―」

 

 桐生が顔を真っ青にしながら周りを見渡す。

 

 流石にこの状況じゃあ、割と大物な桐生でも無理があるか。

 

「九重さま」

 

 と、その時一つ目の鬼が二条橋に歩み寄る。

 

 おいおい。流石に今の段階で姿を現すのはまずくねえか!?

 

 ああもう、周りの奴らが悲鳴上げてやがる。堂々と動きすぎだろ。

 

「お前は! どうしたというのじゃ!?」

 

 九重が慌てて駆け寄ると、その男は合わせた顔つきで告げる。

 

「七夜さまが謀反を起されました。裏京都は既に制圧されており、賛同者達が表京都を襲撃しております」

 

「はぁあああああ!?」

 

 イッセーが大声を上げるのも無理はねえ。

 

 くそ、妖怪迄暴れてやがると思ったら、謀反かよ!!

 

 他の勢力も、この調子だと賛同者達によるクーデターみたいだな。ヴィクターもやってくれる!!

 

「いや、ちょっと待ってくれ。九重ちゃんがなんで妖怪と話してんだ?」

 

「色々あるんだよ、ちょっと黙ってろ」

 

 俺は松田を一睨みで黙らせると、すぐに聖槍を出せるように覚悟だけは決めておく。

 

 くそ。このレベルの大事は、流石にまずいんじゃねえか?

 

 その一つ目は。俺達の方にも顔を向けると声をかける。

 

「既に裏京都を脱出した者が陣を敷いております。九重様はもちろんですが、皆様もそちらに避難してください」

 

 なるほど。其れなりに動いているようだな。

 

 だが、流石に甘い。

 

 ゼノヴィアもそれに気が付いたのか、その妖怪に近づきながら声をかける。

 

「……一つ聞きたい。そこの妖怪」

 

「何でしょうか? 現状は時間があまり―」

 

 その一つ目の首元に、ゼノヴィアはイッセーから借り受けたままのアスカロンを突き付けた。

 

「それほどの事態だというのに、なぜ貴様は傷どころか汚れ一つもなく、息も切らしていない?」

 

 ったくだ。流石に甘いぜこの野郎。

 

 そんな非常時にのんびり歩きながらトップの娘さんを探していただぁ? 流石に暢気すぎんだろうが。

 

 それに、それだけ素早く動いてるのに、なんで脱出できたのかもおかしいしな。

 

「……チッ! 蝙蝠風情が生意気な―」

 

 その一つ目は即座に拳を握りしめ―

 

「アーメン!!」

 

 速攻でイリナの攻撃を喰らってぶっ倒れた。

 

 よ、弱い!

 

 俺達を誘導する役目なら、上級悪魔クラスだとばかり思ったんだが? なんだこれ、下級レベルじゃねえか。

 

 なんか、これあっさり終わりそうじゃね?

 

 クーデター起こした七夜とか言ったやつの器が知れる。これ、旧魔王派とどっこいどっこいじゃねえだろうか。

 

「三人とも! 護衛の悪魔祓い達がいるホテルまでいったん逃げるぞ!! ついてこい!!」

 

「後ろは私達が務めるわ! 大丈夫、ミカエル様の加護があるから!!」

 

 正体をある程度ばらしているイリナとゼノヴィアを中心に、俺たちは京都サーゼクスホテルに避難するべく走り出した……。

 

 既にこの近くも戦火が広がっているのか、火の手が上がっていた。

 

 ……くそ、せっかくの修学旅行が台無しだ。それに、このままじゃあ堅気にも被害が大量発生するぞ……。

 

「京都の街が……。なぜじゃ七夜殿。それに……母上……」

 

 九重の泣きそうな声が、やけに印象に残る。

 

 クソッタレ。ヴィクターの連中、ただじゃ済まさねえ……!

 




京都市大混乱。まあ、英雄派もヴィクター経済連合として動く以上ある程度の言い訳を作る必要があったので。
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