メニュー78 会食準備(ナザリック)
ツアー達との会食のメニューは海鮮系と決まった。海のモンスターは強力で、ナザリックの戦力を見せる一種の威圧にもなりかねないが……正直これは会食と言うよりも自分の意見を通す為の物なので、俺としては納得の選択と言える。
「さてっと……何を使うかな」
とりあえずフルコースにするのは決定事項だな……力任せではなく、ナザリックには相当の知識があるということを証明する必要がある。
「これとこれ……それと……」
海鮮系がメインだとしても完全に魚だけではバランスが悪くなる。魚の濃厚な旨みに負けないように、やや濃い口の肉料理を1品は入れておくべきだな……
「少し小振りだけどこれで良いか」
やや小振りの鮑を数個取り出して、ボウルの中に入れて塩水で揉み洗いをしたら、ヘラで貝殻から身を取り外す
「よっと」
包丁の先で鮑の汚れている部分を切り離し、ヒモと腸、そして嘴を切り落としてから再び水洗いをしたら薄くスライスする
「……んー」
1つ味見をしてみたが小振りな分、旨みに少し欠けるな。それに味も淡白だな……カルパッチョにするにも少し旨みが足りない。そう判断して鰤の短尺を取り出して鮑よりも少し大きく、そして薄くスライスする
「うん、案外良いじゃないか」
鮑の白と鰤のピンクの彩が実に良い、鮑と鰤を交互に盛り付け円状にする。
「おろしにんにく、レモン果汁、オリーブオイル、砂糖、岩塩とブラックペッパー」
小さめのボウルの中に材料を入れ、軽く混ぜ合わせカルパッチョソースを作ったら、盛り付けておいたカルパッチョの上にベビーリーフ、プチトマト、スライスした紫玉葱とピンクペッパーを乗せ、仕上げにカルパッチョソースを満遍なく掛ける
「良し、1品目は完了と」
今頃モモンガさんが何時会うかの話し合いをしていると思うので、このカルパッチョは試作だ。生の魚を使う機会はあんまり無くて、レシピを知っていても、それを上手く作れるかはまた別問題だからな
「……む、プチトマトはいらないな。本番では外しておこう」
紫玉葱の食感は良いが、プチトマトの酸味と甘みは邪魔になるので本番では外す事にする。
「うん、これは良い感じだ」
鮑のコリコリした食感とレモンソースとピンクペッパーは良くあっている。やや淡白な味わいは鰤を食べることでさっぱりとしているが濃厚な旨みがプラスされる。この組み合わせは正解っと……
「ん?入って来ていいぞ」
「失礼します」
扉がノックされ姿を見せたのはパンドラズ・アクターだった。俺がカルパッチョの味見をしているとお邪魔でしたか?と尋ねてくる
「いや問題ないよ、これは試作品だからな。食べてみるか?」
「では御呼ばれさせていただきます」
フォークを手に取りカルパッチョを口に運んだパンドラは、ふむと頷き
「プチトマトは余り合いませんな」
「やっぱり?俺もそう思ってる」
こういう時きちんと意見してくれるパンドラって実はありがたいよなあと苦笑し、何の用事だった?と尋ねる
「はい、ツアーと言う竜王との話し合いは2日後の夜に決まったそうなので、お伝えに参りました」
「そっか、サンキュー」
「いえ、それでは失礼します。会議を抜けてきたので」
態々それを伝えに来てくれたパンドラに再度感謝の言葉を口にし、カルパッチョの皿を流し台に入れる。残り2日となると時間的な余裕はたっぷり出来たと言える、俺の中では明日とか今日の夜とかを想定していたのでこれは本当にありがたい
「ちょっと本格的な料理でも入れるかな」
最近シンプルな料理ばかりだったから、ここで少し時間を掛けた料理を作ってみるのも悪くない。冷蔵庫から丸々と肥えた鱈を取り出して、頭を落として3枚に降ろし、頭は半分に割る
「後は海老と、烏賊と……ムール貝にアサリにホタテっと」
思いついた魚介をどんどん机の上に並べていく、海鮮系のスープと言えばやっぱりブイヤベースだよな。世界3大スープと言われた料理だ、作ったことは無いが2日あるなら1度試作してみても悪くないはず
「野菜は確か……セロリとにんじんと玉葱とにんにく」
覚えているブイヤベースの材料をどんどん調理台の上に乗せていく、後は食材ガチャで手に入れたハーブ類とホールトマト。熟練のレシピならアレンジも効くが、殆ど作ったことのない料理となるとやはりここはレシピに沿って正確に作る事が大事だ。
「これでよしと」
厨房においてあるレシピ本のブイヤベースのページを開いて、調理台の上に乗せたまま作業を始める
「えーっとまずはみじん切りと」
野菜を全てを細かくみじん切りにしてボウルの中に入れる。そして最初に捌いた鱈は食べやすい大きさにカットして、アラと共に水洗いして塩を軽く振っておく、烏賊は腸を取り除き、胴体は輪切りにする。足は使わないので、これはバター焼きにでもして酒の当てにでもしよう
「海老は頭を残して殻を剥いて、ムール貝などの貝類は綺麗に洗うと」
アサリやホタテは使い慣れていてもムール貝は初めてなので、ページをめくってムール貝の下拵えのページを開き、そのページを見ながらムール貝の下拵えも済ませる
「使うのは浅鍋か、珍しいな」
底の浅い鍋を使うとは珍しい、スープと言うと大きな鍋っていうイメージなんだけどな。浅鍋の中にたっぷりとオリーブオイルを注ぎ、にんにくを加え、香りが立ってくるまで炒める
「ここで野菜と魚介か」
にんにくの香りが出たら貝を除く、具材を全部入れて、しんなりするまで丁寧に炒める
「白ワインを加えて、アルコールが飛ぶまで煮る……か。なるほどなるほど」
アルコールが飛んだらチキンブイヨン、サフラン、ブーケガルニを加える。煮ている間にザルにホールトマトを出して、液状になるように手で潰しておくのか、結構面白い工程だな。あんまりやらない工程に面白いと思いながらアルコールが飛んだ鍋の中に潰したホールトマトを初めとした調味料を全て加え弱火でじっくりと煮詰める
「まぁ今日はこんなもんだよな」
中途半端な料理を出すことは出来ないので、試作することにした。ぶっつけ本番じゃなくて、練習する機会があるのはいいよなあと思い、モモンガさんも話が纏まったかなと思いながら次の工程の準備を始めるのだった……
帝国と王国と共同で魔法詠唱者育成施設を作る、これには当初アルベドやデミウルゴスも不満そうな顔をしたが、必要なことだと言って押し切った。元の性格に戻ったアルベドはやっぱり人間軽視だが、なんと言うか……うん、落ち着くと思う自分がいる。おしとやかなアルベドよりも、こっちのアルベドの方がなんか凄く落ち着くから不思議だ。ただ謎なのは元の性格に戻っても、アウラが時々スカートを穿いている点ではあるが……何か思うことがあったのだと思うことにする
「竜王国の件ですが、ビーストマンに関してはいくつか気になることがあります」
「ほう、なんだ?」
竜王国はビーストマンに襲われていると聞いているが、態々デミウルゴスが気になるような点などがあるのだろうか
「はい、調査の結果ですが。ビーストマンの首都では人間とビーストマンが共存しており、首都のビーストマンは人間を主食としておりません」
「……妙だな。では竜王国を襲っているビーストマンは?」
「は、こちらも調べておりますが、首都より程遠い辺境部族が竜王国を襲撃しているようです」
……辺境部族……か。ザリュース達の様な物か、しかし首都では人間とビーストマンが共存しているのに、竜王国を襲うビーストマンが居る。これは少しばかり気になるな
「それに続いてですが、アベリオン丘陵の亜人にも妙な動きがあります」
今度はパンドラの報告だ。アベリオン丘陵となるとローブル聖王国の近くか……
「なるほど、法国の影の存在も本格的に暗躍を始めたか」
帝国と王国の同盟と同時期にこれほど意図的に動き出す、それは何者かが裏で手を引いているようにしか思えない。
(さてどうしたものか……)
育成施設の方は配置用のアイテムで手っ取り早く済ませてしまうとして……今から向かう竜王国は良いとしても、ローブル聖王国に関しては少し気になるな
「アルベド、偵察用モンスターでローブル聖王国の事を調べておいてくれ、なにか引っかかる」
「判りました、そのように手筈整えておきます」
竜王国にさっさと向かおうと思っていたのに、ツアーとリグリットが接触してきたから予定が1週間ほど延びてしまいそうだな
「さてと、ではアルベド、パンドラズ・アクター、デミウルゴス。お前達に考えて欲しい案件がある」
俺の中ではある程度形は出来ているが、それでも他の人間……じゃないけど、他の意見も聞いて見たいと思う
「ワールドアイテムの強欲と無欲、それと星に願いを実験的に利用する。お前たちならばどのように使うか、その意見を纏めてみてくれ。そうだな最低3つは考えてくれ」
俺とカワサキさんの考えでは普通に経験値を渡してレベルを上げるというプランと星に願いを利用して、この世界だからこそ出来ることがあると言う事を調べるという結果を出した。だが知恵者として設定された3人がどんな答えを出すのか見てみたいと思い、3人にも意見を出すように頼み、部屋を出るように促す
「ああー……づがれだ……」
思わず変な声が出たが、本当に疲れている。なんで俺が政治的なやり取りとか、この世界を守る様な話をしてるんだろうなあ……別にそこに不満があるわけではないが、やはり少し気になる部分ではある
「カワサキさんの美味しいご飯が食べたい……」
デミウルゴス達に丸投げしたが、今日はもう何も考えたくない。呼びに来るまで寝ていようと思いそのまま布団の中に潜り込むのだった。なお、モモンガに強欲と無欲、そして星に願いの活用法を考えるようにと言われた3人はと言うと
「セバス、コキュートス。強欲と無欲、そして星に願いの使い道を考えるように言われたのだが、少しばかり知恵を貸してくれないだろうか?」
デミウルゴスは友人であるコキュートスと、互いに仲良くなろうと努力しているセバスにも声を掛け、意見を交換し合い
「……シャルティア、悪いんだけど少し協力してくれるかしら?」
「明日は槍(やり)でも降るでありんすんか……」
反発しあう所はあるが、それでもシャルティアにも声を掛け意見を聞いてみることにし
「ああ、すいませんね。ニグン、それにブレイン。少し話を聞いてもらってもいいですか?」
そしてパンドラズ・アクターはニグン達に意見を求めた。報告・連絡・相談の徹底は守護者から確実にナザリックへと広がり始めているのだった……
くつくつと音を立てる浅鍋。1度ザルで漉してアラと香味野菜を取り出した物に海老などの具材と先ほど煮なかった貝も入れて再び煮ているのだが、その濃い香りに驚いた。トマトを入れる事で味のバラつきを押さえ、濃厚な出汁が出たスープを1つにする
「納得だな」
世界3大スープと呼ばれるのも納得した。火を止めて、塩コショウで味を調えてこれで完成っと
「今日の夕飯にでも出すかなあ」
モモンガさんに味見させるのは酷だと思う、近い内にまた食べる事になるんだし……クレマンティーヌとかに味見をして貰うとしよう
「本番のはもう少しいい食材で作るとして……肉料理は、んー……」
オードブルは鰤と鮑のカルパッチョ
スープはブイヤベース
この2つは決まったが、ブイヤベースの味が非常に濃いのでそれに負けないものが肉料理と米料理に要求される
「ただ焼くだけもなんだし……」
帝国と王国でのパーティで好評だったバロティーヌを、濃い味の照り焼きにして……次は米料理か
「シーフードドリアなんて丁度良いかもな」
チーズとシーフードの相性は抜群に良い、シーフードドリア、ならば味もしっかりしているし、米料理としても丁度いいだろう。後は……いつもシホにデザートを作らせているのは悪いので、こうして時間のある時にしっかりと自分で作れるレパートリーも増やしておこうと思う。取っている職業レベル的には俺だって、シホに引けを取らないデザートを作れるはずなのだ。後は、俺自身のスイーツへの理解を深める事で、問題なく調理出来るはずだ。
「りんごと、クリームチーズと生クリームにヨーグルト、それと冷凍のパイ生地……」
それとスイーツ作りに使う基本的な材料の小麦粉と砂糖などを調理台に並べ、ぺティナイフを手にしてりんごの皮を剥いて、種と芯を取り除き薄くスライスしたら、フライパンにグラニュー糖と砂糖を入れて加熱しカラメルを作る
「焦げる寸前……ってどれくらいだ」
レシピ本には焦げる寸前にバターを入れると書いてあるが……その焦げる寸前てどの程度のレベルだ?正直これは自信は無いが……自分の勘を信じるしかないな、ここだというタイミングでバターを加えてカラメルを更に伸ばす。バターの油分が加わった事で更に熱の通りがよくなってあっという間にフライパンから煙が出る。そのタイミングでスライスしたりんごを加え、カラメルと絡めながら炒める。このときに香り付けでラム酒を加えると……
「やっぱりスイーツ作りは手順が多いな」
工程が多く、そして作っているときに身につける勘が物を言うのがスイーツ作りだなと改めて実感する。カラメルが完全にりんごに絡んだら、底の取れない型にカラメルを絡めたりんごを並べる。型から外した時に上になるらしいので、ひっくり返した時にぐちゃぐちゃで見栄えが悪くならないように気をつけて並べたら少し冷やしておくっと……
「これは1回作ったから大丈夫だな」
シホと作ったチーズケーキはちゃんとレシピを覚えているので、作業はスムーズに進む。ボウルの中にクリームチーズ、生クリーム、ヨーグルト、小麦粉、砂糖、レモンの絞り汁を加えてハンドミキサーで混ぜ合わせる。砂糖はりんごの甘みと酸味、それとカラメルソースの味があるのでやや物足りないという感じに留めることも忘れず、更にオーブンも170度に合わせて温めておく
「うし、OKっと」
チーズケーキの生地が出来たら、少しの間生地を休ませておいて、冷凍用のパイ生地を型の上に乗せて型の大きさに合わせて、余分な生地をカットする
「こんな感じか……」
りんごの上にチーズケーキの生地を漉しながら流し入れ、型を5cmくらいの高さから2~3回落として空気を抜いて170度に合わせておいたオーブンの中に入れて25分ほど焼く
「お、海老ピラフも少し入れてみても良いかも知れないな」
シーフードドリアじゃなくて、シーフードグラタンにして米料理を海老ピラフにするって言うのがベストかもしれない。メニューの数に少し不安があったのでこれは良いアイデアかもしれないとメニューを考えていると25分なんていう時間はあっという間で、一度オーブンの中から型を取り出す。この段階ではまだ完全に火が通ってないので、表面がぬるっとしているがこれでいいらしい。先ほど型に合わせて丸く切っておいたパイ生地を上に被せて、竹串で型の間にパイ生地を丁寧に押し込んで再びオーブンの中に型を戻して20分焼き上げる。
「よし、こんな感じか」
竹串を刺してパイ生地が竹串について来なければOKだ。荒熱が取れるまで蓋をして冷ましておいて、完全に荒熱が取れたら冷蔵庫で冷やせば完璧だな。
「後はもう1つだな」
時間があるからもう1つくらいレシピ本を見て、作っておく事にする。ボウルの中に卵の卵白だけを入れて、グラニュー糖を加えてミキサーで掻き混ぜる。これを3回に分けて繰り返し、しっかり角が立つまで混ぜ合わせメレンゲを作る
「次は卵黄っと」
もう1つのボウルに分けておいた卵黄に上白糖を加え、白っぽくなるまでハンドミキサーで混ぜ合わせる。卵黄が白っぽくなったら、牛乳とサラダ油、バニラエッセンスを加えハンドミキサーで再び混ぜ合わせる
「よしっと、こんなもんだな」
良く混ぜあったら、小麦粉を振るい入れハンドミキサーを低速にして再び卵黄と混ぜ合わせたら、最初に作っておいたメレンゲをゴムベラで少しずつ加え、生地と一緒にさっくりと混ぜ合わせる。これを4回ほど繰り返し、メレンゲの泡を潰さないように気をつけて丁寧に混ぜ合わせる。
「中々難しいもんだな」
スイーツは少し間違えると一気に台無しになる、色々と料理を作ってきて、少し間違えると料理が台無しになるというのは何度も経験している。だけどスイーツ作りの難しさはそれの比じゃないな……と苦笑する。生地が出来たら、少し休ませておいて生地を焼き上げる準備を始める。
「オーブンの天板にクッキングシートを敷いて……生地を流し入れる」
カードで生地を均したら生地が零れないように、天板を少し持ち上げて2~3回落として生地の中から空気を抜いて、180度にセットして再び過熱しておいたオーブンの中に天板を入れて20分くらい焼いたらオーブンの中から取り出して、鍋つかみを嵌めて30cmくらいの高さから天板を落とす。空気を抜くのではなく、焼成することで生地の中に篭もった蒸気を抜いて生地が縮まないようにするらしい。
「よっと」
網の上に焦げ茶色に焼けた生地の面を上にしてひっくり返し、天板を外したら濡れ布巾でクッキングシートを上から生地を擦り、クッキングシートだけを剥がしたら、生地が乾燥しないように被せておいて生地の荒熱が取れるのを待つ
「初めてだけど良い焼き上がりじゃないか」
初めて作ったが、自分でも満足できる仕上がりだと思う。後は完全に荒熱が取れて、後は焦げた生地をぺティナイフで剥がせばロールケーキの生地も完成だ。
「後は生クリームを作ればOKだな、そうだな。ただの生クリームと言うのも、愛想が無いし……チョコクリームとかを作るのも面白いかもしれないな」
時間があったからこうしてスイーツを作る事にしたが、自分で作っておいてだがこうして作ってみると面白いものだな。また時間を見て、スイーツ作りをやってもいいかもしれない。俺はそんな事を考えながら、奇妙な充実感を感じているのだった……
「さてと、ツアー。そろそろ、カワサキ達からの迎えが来る」
「……まさか食事に誘われるとは思ってなかったよ、それにこの人間の身体と言うのは」
「慣れないかい?」
からかうように言うリグリットにツアーは肩を竦めて苦笑する。スーツ姿の長い銀髪?の青年……それがツアー…… アーグランド評議国永久評議員であり真なる竜王のツァインドルクス=ヴァイシオンの今の姿だった。
「ただの食事会じゃない、これはこの世界の命運を左右する……」
「はいはい、判った判った。それは何度も聞いた、建前はどうでもいい」
リグリットの持ち帰った鯛飯おにぎりと潮汁に舌鼓を打ち、なんでこれだけしかと嘆いていたツアーの姿を間近で見ていたリグリットに、建前はよしてカワサキの料理を食べたかったと素直に言えとからかわれ、呻くと同時に黙り込む
「あれが迎えか……」
「ペガサスと黄金の馬車とはやってくれるね」
流星と思ったが、真っ直ぐに自分達に向かって降りてくるそれが流星ではなく、ペガサスが馬車を引いているのだと悟りツアーは顔を歪める。リグリットが言った通り、食事は楽しみである。だがそこで待っているのは、この世界を命運を分けるであろう話し合い。ツアーは真剣な顔付きでペガサスが地面に降り立つのを待つのだった……
メニュー79 会食(ナザリック)へと続く
次回は食事回とシナリオが両立した話になると思います。これが終わり、玉座の間での話し合いをすれば竜王国編です。そうなればまた料理メインの話になるので、もう暫くの間突っ込み所はあると思いますが、シナリオ編にお付き合いください。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
やはりカワサキさんがオラリオにいるのは……
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間違っている
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