世界チャンピオンになれるはずだった男の孫(休載中)   作:無理やー

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マジかよ……

サンドバックを叩いた結果右拳の皮がずりむけていた為猫田は今一歩の治療をしている。(鷹村はその場にいるだけだが……)

 

「ははっ、サンドバックって固いんですね。」

 

治療を終えた直後、

猫田と鷹村が同時に一歩の体をペタペタ触り出した。正直やられている一歩にとってたまったもんじゃなかった。

 

((モミモミ、モミモミ、モミモミ、モミモミ、モミモミ))

 

「なななななな何ですか?今の…」

 

「一歩とか言ったな。オメェ華奢に見えるがいい肉のつきかたしてんじゃねぇか。何かやってたのか?」

 

「いやぁ、家の手伝いが忙しくてクラブとかやったことないんですよ。ウチ釣り船屋だから朝も早いし……」

 

「ふーん (釣り船ねえ…)」

 

鷹村が一歩にそんなことを聞いていたら、猫田が

 

「まぁ、パンチのセンスはあるみてぇだから、ためしに今度あいつらを一発ぶん殴ってみろよ。」

 

「と、とんでもない‼そんな事したら逆にコテンパンですよぉ!殴りあいなんかしたことないし……ご覧の通りいつもやられっぱなしだし……」

 

「オメェが変わんなきゃいつまでも今のままだぞ!……お前それでいいのか?」

 

「……そ……それは………でも………ぼくは………」

 

猫田に言われまたも一歩はウジウジし始めた。

 

「(あ~~イライラしてくる   いつまでもウジウジウジウジ)」

 

猫田がそんなことを思っていたとき鷹村が一歩に声を掛けてきた。

 

「それに、あのマイク・タイソンだっていじめられっこだったんだぜ。」

 

「ええ⁉あのスーパーチャンピオンが?そんなバカな……」

 

「タイソンっていやぁ超不良ってイメージあるけどよ、ガキの頃はそりゃあ気の小さい男だったらしいぜ……いじめられて泣いて帰っちゃあ鳩の世話をしてたそうだ」

 

「(……そんなこと話していいのかよ……自分もそんな風に生まれ変わりたい‼何て言ってきそうなパターンじゃねぇか?バカな事を考えさせる前に止めるか…)」

 

鷹村が一歩にそんなことを話していたとき猫田はそんなことを考えていた。

 

「おう、鷹村そろそろロードワークの時間だ行こうぜ!」

 

「おっと、そうだな。」

 

「あっあの……」

 

一歩が声を掛けてきたが猫田は無視し、鷹村は1本のビデオを一歩渡した。マイク・タイソンのKO集だ。

 

「(おいおい、何やっちゃってんの!)」

 

「貸してやるよ。返すのはいつでもいいからよ。」

 

そんなことを考えてた猫田を無視し、鷹村が一歩にそんなことを告げて二人はロードワークにでた。

 

俺はいつもの道を鷹村と一緒に走りながら声をかけた。

 

「なぁ、あんな話をしてアイツ自分もボクシングやりたいなんて言ってこねぇだろうな?」

 

「ん?別にいいじゃねぇか。あんな軟弱なヤツならよ!最近じゃあ体を鍛えるためとかシェイプアップとかの理由で入門するヤツも多いんだ。別にボクシングやってもおかしくねぇだろ?」

 

「いや、俺が心配してんのは、タイソンみたいにプロになりたいとか言ってこねぇだろうなってこと。」

 

「……そ、それは……まぁ大丈夫だろ。あんなウジウジしてるヤツがプロ?ないない」

 

「だといいがな……」

 

そんなことを思いながらロードワークしてジムに帰ってきたら八木さんに声をかけられた。

 

「一くん‼  」

 

「八木さん?どうしたんですか?そんなにあわてて」

 

「決まったんだよ‼3ヶ月後君の次の試合。タイトルマッチ初挑戦だ‼」

 

「おっ、ようやく決まりましたか。」

 

「ああ、僕らに9年ぶりの興奮をあじわわせておくれよ!」

 

「八木さんこそ、ちゃんとハデな祝勝会の準備ヨロシク」

 

「勿論さ!! 」

 

「おう‼ 」

 

そんなやり取りを俺は八木さんとやっていた

 

「ところで俺様の試合はまだ決まんねぇのかい?」

 

鷹村が八木さんに聞いてきた。

 

「ああそうだった。君の試合も3ヶ月後に決まったよ。相手は日本ミドル級3位平野和彦…………」

 

「おっしゃあやっと試合だぁ‼って3ヶ月後?てことはまさか?」

 

「一君の試合のセミファイナルだ。頑張って。」

 

「何だと❗俺様が前座だと‼ふざけ(ぽんっ)…あん?」

 

鷹村が一言文句を言おうとしていたとき、猫田が鷹村の肩を叩き一言

 

「まっ、頑張ってくれたまえ、前座君‼」

 

そんなことを言われて鷹村が黙っているはずもなく

 

「この❗この❗この❗この❗」

 

(スカッ、スカッ、スカッ、スカッ)

 

そんなやり取りをし、1日が終わった次の日の練習の時間、猫田はロードワークにでていた。そこで鷹村が昨日いじめられていた一歩の胸ぐらをつかんでいた。

 

「おい、鷹村‼どうしたんだ?」

 

「一か?はぁ  、お前の予想が当たりやがった。こいつプロボクサーになりたいんだとよ。」

 

「何?」

 

「真剣に考えたんです。本気でボクシングやろうって決心したんです。僕も二人みたいに強くなりたい。…鷹村さん…猫田さん……強いって……一体どんな気持ちですか?」

 

猫田が鷹村にそんなことを聞かされ文句を言ってやろうとしたが、そんなことを言われ言えなくなった。

 

「わかったよ。よく見てろ。」

 

猫田がそう言い木を蹴った。すると葉っぱが落ちてきて素早く拳を打ち込んだ。すると葉っぱがいっぱい猫田の両手に握られていた。

 

「うわぁ~~~‼」

 

「俺のスピードはジムの中でもピカイチだからな。いきなりここまでやれとは言わねぇが、1週間以内に10枚とれるようになったらボクシング教えてやる。」

 

猫田がそう言い鷹村とその場を離れた。走りながら俺達二人は言い争っていた。

 

「お前がタイソンの話なんかするからだぞ!」

 

「お前が右ストレート教えたからだ!」

 

「どう見てもプロボクサーって性格してねぇだろ!」

 

「んなこたぁわかってんだよ!」

 

そんな不毛な争いをジムにつくまで続けていた。そして約束の1週間の朝、猫田は早朝ロードワークで走っていたところ、鷹村と一歩にあった。

 

「猫田さん、待ってましたよ。」

 

「おう、お前か?待ってたって俺に何かようか?」

 

「やだなぁ。今日が約束の日じゃないですか……」

 

「一、こいつ本当に10枚とっちまったぞ」

 

「はああああ‼ 」

 

「これで今日からプロボクサー目指します。宜しくお願いします。」

 

「…………マジかよ」

 

「なかなかいいジャブだったぜ。」

 

鷹村にそんなことを言われ興味がわいた猫田は気になった。

 

「ホレ、ためしに打ってきな?」

 

「は…はいっ‼」

 

一歩はジャブを打ってきた。

 

「シッ‼」(パン)

 

「おっ❗」

 

「シッ‼シッ‼シッ‼」(パンパンパン)

 

「おお、いいね。」

 

確かに鷹村の言う通りいいジャブだ。すると調子にのったのか。

 

「ようし、がんばるぞぉ。プロボクサーになるぞぉ‼」

(パン、パン、パン、パン、パン、パン)

 

「おっ、おいおい(^_^;)、ちょっと待てコラァ‼」

 

「だああああああ‼」(パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン、)

 

「調子にのんじゃねぇよっ‼」

 

横で見ていた鷹村に一歩は突っ込み拳骨をくらった。

 

「~~~~、まぁいい。俺のことは今度から一でいい。宜しくな?」

 

「はっ、はい。一さん‼」

 

 

 

 

 

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